また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

HOME > ヤマノート > 野鳥撮影のコツ教えます−鳥撮の鏡(ちょうさつのレンズ)−
更新日:2021年10月19日 訪問者数:770
ジャンル共通 技術・知識
野鳥撮影のコツ教えます−鳥撮の鏡(ちょうさつのレンズ)−
Gen-chansan
目次
1.はじめに
2.野鳥撮影の基本的な心構え
3.野鳥撮影のコツ
1.はじめに
 10月も中旬になり各地の山では紅葉も真っ盛り、木々も花を落とし実をつけてきてました。木の実を狙い野鳥たちもやってくる季節になりレコにも野鳥写真がちらほらと。
これから木々も葉っぱを落とし、いよいよ野鳥撮影のシーズンに入っていきます。

 野鳥撮影を始めた方、これから始めたいと思っている方、自分には無理と思っている方、どうせ高価なバズーカレンズがいるんでしょと思っている方。(いえいえ撮り方によっては標準ズームレンズやコンデジでも撮影できます。最後に出てくるライチョウの撮り方ならスマホでも使えます。)
 そんな方に自分が野鳥を撮る時に実践しているコツを紹介します。
ぜひ参考にして挑戦していただきレコに野鳥写真をちりばめて頂ければと思います。
また、既に野鳥写真を撮っているバーダーさんで自分はこんな方法で撮っているなどあればコメント頂ければ幸いです。
ルリビタキ♂(日岡山公園) APS-C:400mm/F2.8
2.野鳥撮影の基本的な心構え
 本題に入る前に野鳥撮影の基本的な心構えから。
特に難しいことではなく当たり前の基本ルールは守りましょうということです。
(1)ルールは守ろう
 登山道や公園などは歩道や入ってもいい場所から撮影してください。決して立ち入り禁止区域には入らない。

(2)おおらかな気持ちで
 野鳥は生き物です。習性もあれば個性もあります。自分の思った通りには行動してくれません。1日探してほとんど撮影できないこともあります。撮影できればラッキーくらいの気持ちでイライラしない様に。イライラすると鳥も察してやってきません。

(3)場所を独占しない
 公園などではジョギング、散歩、子供連れ、ペット連れ等の野鳥には全く興味がない人もたくさん通ります。野鳥がいい撮影ポイントに留まって絶好のシャッターチャンスだったけど、前から人が来て飛んで逃げていった!なんてことは日常茶飯事の野鳥撮影あるあるです。
決して腹を立てず運が悪かったと思って受け流してください。

 ごくたまにですが、レアな野鳥が現れたタイミングで、大声を出して走ってきた子供達に一喝する大人のバーダーさんを見かけます。気持ちは分かりますが、公園などは皆が使うものなので実にみっともないです。
内心チッ!とは思いますが(笑)運が悪かったと思い笑顔でやり過ごしてください。
子供などがその場所で動かない場合はあきらめて、自ら動いて場所を変えましょう。

このおおらかな心構えが次に記載する撮影のコツの上達に結びついていきます。
3.野鳥撮影のコツ
 お待たせしました。ここから本題です。
今巷で話題で人気の「鬼滅の刃」のパロディ風に「鳥撮の鏡(ちょうさつのレンズ)」として紹介していきます。
 ロゴもパロっていますが(決して暇ではありません笑)、ふざけている様に見えて内容はおおまじめなので「鬼滅」には全く興味ない人も気にせず読んで頂ければと思います。
全集中の呼吸
この後説明する全ての「型」の基本となる呼吸法(=撮影術)です。
(1)鳥アンテナを立てる
 小鳥といえど何かしらの気配はあります。目で見て動いているものはないか、耳を研ぎ澄まし鳴き声、動く音、木等をつつく音、羽ばたく音、枯葉の上を歩く音などを聞き鳥の存在を見つけます。声や音の大きさで近くにいるのか遠くにいるのかもわかります。
 お花撮影する人も知らず知らずのうちにお花アンテナを立ててますよね。それと基本は同じです。
 鳥アンテナをバリサン(もはや死語やな笑)で張っておくと初動が早くでき、あわてて準備している間に飛んでいなくなったなんていうことが回避でき、撮影機会(シャッターチャンス)が多くなります。シャッタ−を切る回数(分母)が多くなればそれだけいい写真を撮れるチャンスも増えます。
(2)野鳥撮影用カメラ設定
 鳥が現れてからあわててカメラ設定をしているとすぐに居なくなってしまいます。
予め野鳥撮影用の設定にしておくか、今のカメラは設定内容を登録できボタン一つで呼び出せるので野鳥モードを登録しておくのも手です。ちなみに自分が使っているソニーα6000では以下の様に設定しています。
登録設定呼び出し
カメラのダイヤルを"MR"に合わすとあらかじめ登録しておいた設定が呼び出せます。登録No.1に登録しておけば一操作ですぐに鳥撮影モードになります。他のメーカ・機種のカメラの操作については取説を読んでください。
野鳥撮影用設定例
設定ポイント
1:撮影モード=A(絞り優先)モード
2:絞り値=開放(自分が持っているレンズではF4.0)
3:ドライブモード=高速連写モード(マスト)
4:ISO感度=200
 自分は画質を落としたくないので最大でもISO400で撮ります。画質はある程度犠牲にしてもいい人はISO800とかISO1600にしておいてもいいかと思います。特に画質にこだわらない人はISO=AUTOにしておけば確実です。ISOを上げておくと高速シャッターが切れる利点があります。
画質が悪くなるといってもスマホで見る分には違いはほとんど分かりません。

5:露出=+2/3
 林の中等は暗いので鳥が黒く写る確率が高くなります。
露出を上げておけば明るく写すことができます。場合によっては+1_1/3段まで上げる場合もあります。あまり上げるとシャッター速度が遅くなるので手振れの原因になります。

6:フォーカスエリア=フレキシブルスポット(中央)
 ピントがあう点を中心に限定して鳥に確実にピントを合わせます。周りの葉っぱにピントが合わない様にするためです。MF(マニュアルフォーカス)が良いという人もいますが、今はAF(オートフォーカス)も性能が良く、ピントも速いのでAFでも十分です。

7:測光=中央重点測光
 鳥に露出を合わることで鳥が適正露出で撮影できます。
(3)忍耐力
 そして一番大切なのがこれ。
鳥はこちらから近づくと逃げます。動きはゆっくり焦らず、向こうから近づいてくれたり、姿を現してくれるのを根気よく待ちます。
 我々人間に置き換えてみると良く分かります。
遠くに熊がいたら
 例えば、遠くに熊が見えたとします。
餌探しに夢中で遠いところでおとなしくしているのが分かれば安心して慌てては逃げませんよね。
熊がこちらに歩いてきたら
 しかし熊がこちらに向かって歩いてくるとどうでしょう?しかも歩くスピードが速ければ早いほど危険を感じますね。
 鳥も同じです。人間が近づいてくると怖いのです。いかに鳥に恐怖を与えないかが「全集中の呼吸」の極意です。できるだけゆっくり動き、鳥を驚かせない様にして近づき撮影します。
(4)観察力
 これは経験がものを言いますが、まずは自然の一部となって鳥の動きをよく観察して下さい。長く観察していると行動パターンが分かってきたりします。出現しそうな場所、次行動しそうなパターンが読めれば先回りしてべストポジションで撮れることもあります。
 あのセリフがピッタリです。「注意深く観察して行動しろ・・・だぜ! 見るんじゃあなくて”観る”、聞くんじゃあなくて”聴く”ことだ」(分かる人だけ笑って下さい)

三脚立てている鳥撮隊(バーダーさん)は結構詳しいので最初は聞いてみるのもありです。自分はまだ識別できませんが、声を聴いただけでキビタキの警戒音だ!とかオオルリの地鳴きだ!とかを教えてくれます。
しかし、自分で行動パターンを読み、誰も見つけてないポイントでうまく撮影できた時の喜びはひとしおです。この野鳥観察も含めて撮影を楽しめる様になれば「全集中の呼吸」に近づきます。
 それでは実際の型(=撮影術)を紹介します。
鳥の呼吸 壱ノ型「一歩一撮」(いっぽいっさつ)
 自分が最も良く使うオーソドックスな型です。
この型は人間を見ても逃げない鳥。例えばジョウビタキ、ルリビタキなどのヒタキ類。シジュウカラ、ヤマガラ等のカラ類。など、または食事等に夢中で警戒心が薄くなっている鳥に使える型です。
 逆にこの型の弱点は、警戒心が強く人間が見えたとたん逃げていく鳥には使えません。
 また、鳥撮隊(バーダーさん)が集まって三脚を立てている場所では禁止の型です。怒られます。

 以下に具体的に例を示しながら説明します。
図解1
道を歩いていると地面で餌を探していた鳥が人間に気づき木の枝に飛んでいき留まりました。
・・がそこから動かず逃げる気配はありません。よくあるシチュエーションです。
おそらくまだ食事したいのか?その場所が気に入っているのか?理由は様々ですが、その場を動きたくない様です。
撮影例1
実際の撮影例です。
水仙郷の遊歩道を歩いているとジョウビタキ♀が現れました。
お花撮影がメインだったので望遠は持ってきていません。
とりあえず足を止めて1枚撮りますがまだ遠いのでこの大きさ。運よく人は歩いてきてません。そして鳥も逃げる気配がありません。
図解2
ここで鳥の呼吸「壱ノ型」発動。
ゆっく〜り、ゆっく〜り足を前に進めます。
この時重要なのは
・音は立てないで歩く
・上下運動もできるだけ少なく。
要は鳥から見てあまり動いていない様に見せて歩きます。
撮影例2
ここもポイント。
一気に距離を詰めてはいけません。2〜3歩近づくと足を止めてシャッターを切ります。
図解3
まだ逃げる気配がなければまた同じ様にゆっく〜り、ゆっく〜り足を前に進めます。
撮影例3
ここでも1歩〜2歩でまた止まり、シャッターを切ります。だいぶ大きく写る様になってきました。
図解4
まだ行けそうなので更に近づきます。よりそろ〜り、そろ〜りと動き、半歩〜1歩で止まります。
近づけば近づくほど詰める距離も細かく刻むのがポイント。
 ところで、これだけ近づいても逃げないとは?鳥は人間に気付いてないのでしょうか?
いえいえ、人間から鳥が見えるということは当然鳥からも見えています。
鳥はここまでは近づいても安全に逃げれると思う危険エリアセンサーを体内に持っています。
この危険エリアは鳥の種類や個体によっても違うしその時の状況によっても違うので何mと具体的に定義はできません。
私の説では、ゆっくり近づくことでこのエリアを錯覚させて狭くすることができると考えています。
撮影例4
そして危険エリアすれすれまで近づいてファインダーを覗くと「隙の糸」が見えます(笑)
このタイミングで静から動へ、一気に連写します。
 この時は望遠を持って行っていないのでAPS-Cセンサの105mm(157mm相当)を使ってこの大きさで撮れました。望遠がなくてもこの様に撮影できるのです。
ジョウビタキ♀(灘黒岩水仙郷) APS-C:105mm/F4.0トリミング
少しトリミングして完成したのがこちら。当然「隙の糸」は写りません(笑)
背景に水仙の玉ボケが入っていい写真になりました。
背景に空間があいているのでF5.6〜F6.3の標準キッドのズームレンズでもうまくボケてくれるはずです。
背景(構図)を考えながら回り込んで近づくといい感じの写真になります。
この壱ノ型を使って撮影した他の野鳥写真です。
ホオアカ(阿蘇大観峰) APS-C:105mm/F4.0トリミング
これも105mm(157mm相当)の望遠レス撮影。
ホオアカはこの場所がよほど居心地がよかったのか?ずっと謡っていてなかなか逃げませんでした。
ジョウビタキ♂(ゆめさきの森公園) APS-C:300mm/F4.0
この「壱ノ型」を使って望遠300mm(450mm相当)で撮るとこうなります。
完璧ですね!
ー鳥の呼吸 壱ノ型「一歩一撮」まとめー
<使う場面>
・逃げない(動かない)鳥を見つけた時。餌に夢中、その場所が気に入っている等など
・人間を見ると飛んで逃げてしまう鳥には使えない。
・鳥撮隊(バーダーさん)が三脚を立ててる場所ではこの型は使うのはやめましょう。

<動作>
・動かない鳥を見つけたらこちらもまずは止まる。
・少しずつゆっくりと刻んで近づく。
・少し近づき1枚、また少し近づき1枚を繰り返す。
 途中逃げられたとしても一歩一撮することで写真は残る。
・背景(構図)を考えながら回り込んでから近づくとベター
鳥の呼吸 弐ノ型「壁翳一線」(へきいんいっせん)
 どこかで聞いた様な型ですが気にしないでください。気のせいです(笑)。

 文字通り、壁などの翳(陰)に隠れた鳥の死角を一直線に進み鳥との距離を一気に詰める技です。
この型は多少動く鳥にも使えますが、シチュエーションとしてはそれほど多くはありません。
しかし成功すれば結構なクオリティで撮れます。

 これも具体例を示しながら説明します。
図解1
レアなハチジョウツグミを撮りに出現ポイントへ出かけると、早速草原を餌を探しながら歩いているのを発見。
撮影例1
それなりに大きく写っていますがこれは望遠560mm(840mm相当)を使っているので距離は結構あります。
せっかくのレアな野鳥。もう少し近づきたいところです。
ハチジョウツグミは餌を探しながら歩き回っているので、「壱ノ型」の様なゆっくりした動きでは近づけません。
すこし動きを速めて近づくと、やはり距離を取る様に向こう側へ離れていきます。
あきらかに警戒されてます。
ここで深追いするとせっかく見つけた鳥が飛んで逃げていってしまうので足を止めて観察します。「全集中の呼吸」です。
図解2
しばらくは一定の距離を保ちながら追いかけて観察していると、木の裏の方に歩いてきました。
木の裏に行くとこちらからも当然鳥が確認できません。ここで鳥が見える位置に回り込むと鳥は逃げてしまいます。
しかしここがチャンス!こちらから見えないということは鳥からもこちらが見えないということ。
この死角を使い一気に木に近づきます。
この時はできるだけ静かに足音を立てない様にして速やかに歩きます。
ある程度近づいたら、鳥が歩いて木の陰から出てくるのをじっと動かず待ちます。
絶対にこちらから覗いてはいけません。
ファインダー越しで鳥が出てくるのをひたすらじっと待ちます。
図解3
予想通り、鳥が木陰から出たところで
撮影例3
「隙の糸」が見えました。すかさず連写。
こちらは身動きしていないので鳥は気にせず餌探しを続けています。
近づく人間は怖がるが、動かない人間はあまり怖がらないということです。
ハチジョウツグミ(神戸森林植物園) APS-C:560mm/F4.0
なかなかクオリティが高い写真が撮れました。トリミングなしです。
もちろん560mm(840mm相当)の望遠の力も大きいですが、ここまで近づければ300mm程度の標準ズームでも十分いい写真になります。
この弐ノ型を使った他の写真です。
イソヒヨドリ♀(播磨海岸) APS-C:560mm/F4.0
イソヒヨドリが海岸線のテトラポッドの中に入っていくのが見えたので、一気にテトラポッドに近づき、出てくるのを待ちました。
これまた完璧です。トリミングなしでこのクオリティ!
 鳥が向こうを向いたタイミングでも近づけるのでは?と思われるかもしれませんが、鳥は目が左右側面についているので真後ろでも近づいくることが分かります。
必ず何か壁になるものに鳥が隠れたタイミングで近づくのがポイントです。
アナグマ(祖母山)APS-C:280mm/F4.0
ちなみにこの型は野鳥以外の野生動物にも使えます。
登山道を歩いていると前方遠くに何か動くものを発見。この時は望遠を持って行っていたので鳥アンテナを立てており「全集中の呼吸」だったのでいち早く見つけることができました。
向こうはこちらに気づいていない様子。すかさずこちらから木の陰に隠れ相手の死角に入ります。
そのまま木の方向へそろりそろりと近づき距離を詰めてから顔を出し撮影。相手がこちらに気づいたタイミングでは既にシャッターを押してました。
あとから調べたらアナグマでした。
−鳥の呼吸 弐ノ型「壁翳一線」まとめ−
<使う場面>
・逃げないが動く鳥を見つけた時。餌を探してゆっくり動き回っている場合など。
・人間を見ると飛んで逃げてしまう鳥には使えない。
・鳥が餌を探して物陰(木や枝等)に隠れたタイミング。

<動作>
・鳥が完全に隠れたタイミングで動き出す。
・次に顔を出すタイミングを見計らい静かに音を立てずかつ速やかに距離を詰める。
・こちらから物陰を覗く様な動きはNG。鳥が驚いて逃げてしまう。
・出てくる場所を予測してカメラを向けてじっと待つ。
鳥の呼吸 参ノ型「不動待機」(ふどうたいき)
 この型は鳥撮隊(バーダーさん)が良く使っている型で最もオーソドックスな型。

 文字通り、鳥が現れるポイントで「動かず好機(シャッターチャンス)を待つ」型です。要は待ち伏せ。
 この型は待つだけなんで簡単でしょ!と思われる方がいるかと思いますが、実は一番難しいです。
鳥が現れるポイントを見つける必要があります。
水場だったり、木の実がなっている餌場だったり、偶然見つけるのはなかなか困難で、やはり何日か通って鳥の行動パターンを観察することが必要。当然1週間もすれば行動パターンはまた変わってきますので旬の期間を逃さず見つける必要があります。
だいたいは良く通っていると思われる鳥撮隊から情報を仕入れると教えてくれたりします。
しかし自分でポイントを見つけた時は特別感もありうれしいものです。野鳥をよく観察することでこの辺は出そうかな?とか、鳥が集まっているところの木の実などを確認し、好みの実を覚えておく。
同じ木の実を見つければそこにも来る可能性があります。
そういったことを繰り返していくといろいろ分かってきます。これも「全集中の呼吸」の1つです。
それではこれも具体例を示しながら説明します。
 近所の公園の森林でヒレンジャクを見かけました。
なかなか警戒心が強く少し近づくと飛んで逃げて行ってしまいます。
緊急事態宣言期間中で遠くに行けなかったので数日通って観察していると、いつも決まった水場に降りている事がわかってきました。
図解1
水場の上の木が良く見えて、かつ手前に背の低い木や草が茂って体が隠せそうな場所に三脚を立ててしばらく待ちます。
カメラのみポイントが見える様にして体は隠せる位置があればベストです。
図解2
するといつもの様に水場にヒレンジャクの群れがやってきました。
ここで焦って水場を覗いてはいけません。
動くと存在を気づかれ今までの苦労がすべて水の泡です。
水浴びなのか水を飲んでいるのかはわかりませんが、用が済んだら必ず上の木に留まるはずです。ポイントにカメラを向けて、辛抱強く待ちます。
ヒレンジャク(金ケ崎公園) APS-C:400mm/F2.8
 そしてついに枝に留まったところを連写します。群れなので次々に留まるのでファインダーを覗いたまま次々にシャッターを切りました。
近くにいた鳥撮隊(バーダー)も一斉にカメラを向けますが、自分より後ろの方で近づけません。
観察を続けていた自分1人のみ前方の近い距離の特等席から撮影できました。
この参ノ型を使った他の写真です。
メジロ(日岡山公園) APS-C:400mm/F2.8
 これはメジロを見つけ観察していると樹液を舐めに来ていることが分かりました。
 一度飛んで行って、いなくなりましたが、また来るだろうと思い撮影ポジションに三脚を構えていると、予想通り現れたところを撮影。
ゴジュウカラ(大峰山) APS-C:200mm/F2.8
 登山道を歩いていると近くから鳥の鳴き声が聞こえます。どうも木の裏から聞こえてくる様なのでその木に近いづいていき、じっと待っているとヒョイっとゴジュウカラが現れました。
弐ノ型「壁翳一線」との合わせ技です。
200mm(300mm相当)の中望遠で撮れました。
イソヒヨドリ♀(播磨海岸) APS-C:300mm/F4.0
 海岸線を歩いていると遠くで鳴いているイソヒヨドリを見つけました。観察していると近くに♀もいるのが確認できました。どうも夫婦で子育て中と思われます。
 さらに観察していると芝生の広場に降りていき虫を捕まえて巣と思われる場所に運んでいる様です。巣と思われる場所は立ち入り禁止なので、芝生広場に行って待ち伏せしているとやはりやってきました。
口にはたくさんの虫を咥えています。ここが餌場(ヒナ用)の様です。
イソヒヨドリ♂(播磨海岸) APS-C:300mm/F4.0
 しばらくすると♂も♀と入れ替わりでやってきました。
なかなか近くには来てくれませんが、数十分おきに必ず何度もやってくるので何度もトライすればチャッターチャンスは出てきます。
◆子育て風景撮影での注意点◆
 なお、子育て風景は親はヒナを見捨てて逃げないので一番撮りやすい場面ではありますが、巣の前で長時間待ち伏せするのはやめましょう。親鳥が警戒して餌を持ってこなくなり、最悪は子育てを放棄する場合もあります。
 できれば巣に行くまでに親が一旦経由するだろう木の枝等を狙ってください。
 ヒナをどうしても撮りたい場合はできるだけ短時間(数分)で分割にして間を空けて、親がヒナに餌を上げれる時間を作ってあげてください。
−鳥の呼吸 参ノ型「不動待機」まとめー
<使う場面>
・鳥が良く集まる場所、または注意深く観察してポイントを見つけて待ち伏せをする。
・水場/餌場/巣など
 ただし、巣の場合は子育てを邪魔しない様に短時間にする。

<動作>
・とにかく通って観察する。
 水場に来る時間帯、餌場で何を食べているか?
・待ち伏せポイントからはカメラだけが見えて体が隠せる位置がベスト。

※なお、下記の様なケースも撮り方は同じであるが「鳥の呼吸」とは言えず単なる「待ち伏せ」になるのでこの−鳥撮の鏡−「鳥の呼吸」からは除外させて頂きます。
(決してダメという意味ではないです。長い時間はかけられない人。面倒で手っ取り早く撮影したい人や初心者の方はまずはここから始めてみるのも全然OKです。)
・鳥撮隊(バーダーさん)が三脚を立てている場所を見つける。
・鳥撮隊(バーダーさん)から情報入手する。
・ネイチャーセンターなどに設置された餌場に行く。
鳥の呼吸 拾ノ型「雷鳥友達」(らいちょうともだち)
 四字熟語にしただけやんっ!というツッコミはご容赦ください。ネーミングセンスがないのは分かってます(笑)

 文字通りライチョウ専用の型。他の鳥では使えません。なので肆ノ型〜玖ノ型を飛ばし拾ノ型としました。
 
 この型は比較的簡単です。雷鳥に出会えさえすればスマホでも撮れます。
 ライチョウは長い間高山を生き抜いてきた鳥で、人間を恐れません。至近距離に近づいてくる場合もあります。ライチョウに向かって「君の友達だよっ」と態度で示せば怖がらず近寄ってきてくれます。

 それではこれも具体例を示しながら説明します。
図解1
 登山道でライチョウの幼鳥を見つけました。しかしハイマツ帯で少し距離が遠いです。
登山道にはロープがはってありハイマツ帯は立ち入り禁止になっています。
写真1
 とりあえず105mm(157mm相当)で撮影しますが距離が遠いのでこんな感じになります。
高山なので重い望遠は持ってきてません。
図解2
 ライチョウの幼鳥を観察していると餌を探しながら上の方に登っていきます。
登山道はこの先分岐があり左方向にも道があります。先回りして寄ってくるのを気長に待ちます。
写真2-1
 しゃがんでしばらく待っていると計算通り近づいてきました。他にも立って待っている人がいましたが、しゃがんでいる自分の方に来ます。
立った姿勢で待つよりしゃがんで待った方がライチョウも警戒しない様です。
写真2−2
 親鳥も少し離れたところで幼鳥を見守っています。
しゃがむことでローアングルとなり背景に空間ができボケ味が出せる写真になるメリットもあります。
図解3
 しゃがんだまま、さらにしばらく待っているとついに最接近です。
写真3
 手を伸ばせば捕まえれそうな距離まで近づいてきました。もちろん望遠は使っておらず105mm(157mm相当)で撮ってます。この距離ならスマホでも撮れます。
幼鳥も友達と思ってくれているのかな?
ライチョウ(仙丈ケ岳) APS-C:105mm/F4.5
ふふっ。カワイイお友達。
何して遊ぼか(*^^*)
ー鳥の呼吸 拾ノ型「雷鳥友達」まとめー
<使う場面>
・雷鳥が餌を探しながら歩いている(動き回っている)
・ヒナや幼鳥がいる時は動きも遅いので狙い目

<動作>
・追うのではなく先回りして向こうから寄ってくるのを待つ。
・立った姿勢でなくしゃがんでライチョウ(友達)目線で待つ。
 急に立ったりしたら怖がり離れていく。
・優しい目で友達をアピール(*^^*)
・大きな声を出さない。静かにして驚かせない様にする。
 当然移動すときも音を立てずゆっくりと。動作もゆっくり。
最後に
 野鳥撮影のコツ −鳥撮の鏡− 「鳥の呼吸」。いかがだったでしょうか?
総じて言えるのは撮影技術というよりは、時間をかけてじっくり観察して待つ心の余裕が大事といったところでしょうか。

忙しい現代人ですが、野鳥を観察しながらゆっくり過ごすのも贅沢な時間。嫌なことも忘れられるひと時です。
参考にしていただき、素敵な野鳥写真を撮影して頂ければと思います。

自分も引き続き修行(撮影)を続け、「肆ノ型」〜「玖ノ型」も編み出し、いずれは鳥柱(とりばしら)を目指そうかなあ(笑)

長文失礼しました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
お気に入り登録-
拍手した人-
訪問者数:770人

※この記事はヤマレコの「ヤマノート」機能を利用して作られています。
どなたでも、山に関する知識や技術などのノウハウを簡単に残して共有できます。 ぜひご協力ください!

詳しくはこちら

コメント

こんにちは。
楽しい記事ありがとうございます。

私は飛びものも狙うのでシャッタースピード稼ぐスタイルでやってます。
ISOは3200もザラ。
三脚も使わないので被写界深度を稼いで歩留まりを上げるためにF9まで絞ってます。

不動待機の型はものすごく苦手です。年に一回やるかやらないか。
鳥撮り屋さんとつるむのが苦手なうえに、待つのが無理な性格ですので

餌付けについて書かれていますが、野鳥保護の観点から見れば餌付け(とさえずりの音声を流す誘い出し)はNGだと思います。
庭先にメジロを呼びたいとかならまだしも、野鳥写真のネタにされやすい渡り鳥は初年度のことが多く、餌付けは次の年を生き延びるための経験として悪影響を及ぼす可能性があります。成鳥であっても捕食動物にマークされやすくなるなどの影響があります。
2021/10/19 17:14
momijiosamuさん
こんばんは
コメントありがとうございます。

飛翔する野鳥の写真は凄いな!と思い拝見していました。
最近はあまり見かけませんが・・

やはり絞りをF9.0まで絞って被写界深度を深くして撮っていたんですね。
飛翔する鳥に合わせるのは相当難しいと思います。三脚では無理でしょう。
今回のノートは鳥に近づくための技術なので、純粋な撮影技術としてはmomijiosamuさんの足元にも及びません。
いずれかはマスターして「鳥の呼吸」の型にいれたいですね(笑)

自分もあまりつるむのは好きではないのでどちらかというと、自分でポイントを見つけるのが好きです。
待つのはいくらでも待てますが。

餌付けについては、餌付けというよりは、既に確立された餌場(金剛山等)でのカラ類の手乗りをイメージして書いたのですが、確かに誤解を受ける書き方でした。いずれにしろ野生動物に人間がエサを与えるのはいいことではないですね。
カラ類の手乗りは自分もやるのでやめろとは書く資格はないので「餌でおびき寄せる」記載は削除させていただきました。ご指摘ありがとうございます。

これからの季節、飛翔する野鳥の写真期待しています。
2021/10/19 21:02
こんにちは。丁寧かつ楽しいノートで楽しませていただきました。
私も登山をしながらあわよくば鳥をもという人間で、たまに中型バスーカー
持って登山するとよく声かかけられたりします。

鳥の呼吸 壱ノ型「一歩一撮」(いっぽいっさつ)
無関心を装いつつ鳥の行動を伺いながらちょいちょい接近。ひとりの時はよく使います。

鳥の呼吸 参ノ型「不動待機」(ふどうたいき)
気の短い自分が最も苦手とする型です。

鳥の呼吸 弐ノ型「壁翳一線」(へきいんいっせん)
確かにこれもあります!コマドリさんなど隠れるのが得意な鳥さんに対して距離を詰めたい時に使います。

鳥の呼吸 拾ノ型「雷鳥友達」(らいちょうともだち)
なんとか毎年会えてるので友達になれた・・・と勝手に思ってます。
確かにほとんどのケースで100〜200mmぐらいで十分な距離まで
来てくれますね。

私の使う鳥の呼吸を。 伍ノ型「皐月出陣」
木々がの葉が開き、ハルゼミの大合唱前は夏鳥GETの大チャンス。

私も鳥柱になれるよう精進いたします。
2021/10/21 23:17
koebiさん
こんにちは。

コメントありがとうございます。
やはり同じ様なことやられている方がいるんですね。

登山時はやはり時間が限られるので「参ノ型」はちょっと使えませんね。
あまり粘ると「頭灯(ヘッデン)下山」になってしまうので。

「皐月出陣」ですか!
確かに5月になると餌になる虫が多くなり子育ても始まるので出現率が高くなりますね。
冬の渡り鳥が残っている場合もあるので夏鳥と両方楽しめる季節ですね。
ノートで紹介しているヒレンジャクも実はGW中の5月撮影でまだ残ってくれていました。

今年はオオルリが撮れなかったので来年はぜひ撮りたいです。

お互い精進しましょう(笑)
2021/10/22 12:17
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する
ページの先頭へ