記録ID: 1057640
全員に公開
アルパインクライミング
八ヶ岳・蓼科
阿弥陀岳南稜
2017年01月28日(土) 〜
2017年01月29日(日)
its_yuko
その他2人
コースタイム
舟山十字路→青ナギ手前(テント泊)→P1.2.3.4→阿弥陀岳頂上→御小屋尾根→舟山十字路
一昨年の12月、P2で後ろ髪を引かれながら撤退した阿弥陀南陵。
それからずっと立ちはだかる岩陵P3の先が気になって仕方がなかった。
・青ナギ(テン場)へ
(舟山十字路0950→南稜取り付き1040→1100尾根→1430青ナギ手前)
今回も同じルートで青ナギへ向かう。舟山十字路でさっさとアイゼンを着け、ゲートをスルーして林道を道なりに進む。右に広河原沢が近くなり、支沢を渡ると南陵への分岐は近い。今回、堰の手前を渡渉したが堰の奥から渡るのが正解!私たちの他に1パーティ同じ方向へ進んでいる。ダブルアックスがザックに付いていたのでてっきり広河原沢アイスだろうと思ったが方向は同じ南陵のようだ。急登を20分もこなすと尾根に上がる(先行パーティは急登を上がれずアイゼンを着けていた)。雲ひとつない青空!お日様が暖かい。視界も開けて南側の稜線が見える。尾根を立場岳に向かって登っていく。ピンクテープが続いていて迷うことはない。そこそこの傾斜を登り続け傾斜が緩んでしばらく歩くと立場岳に到着。なだらかでひっそりした山頂。更に進む。立場岳を少し下ると右側が切れ落ちた青ナギチックな場所に出るが無視して進む。青ナギの少し手前の樹林帯が今晩のお宿だ。フカフカの雪を整地してテントを張る。綺麗な雪で水をたっぷり作ってからUシェフの豚しゃぶを頂いた。
・無名峰へ
(テン場0645→青ナギ0655→無名峰ピーク0750)
翌朝04:50のコールで目をさます。支度を済ませテントを畳み出発。今回は私がテント係なのでこれで登攀出来るのか少々心配。。青ナギでテント泊の1パーティ、先の樹林帯の1パーティを抜き、無名峰へと向かう。私は登攀の為にここでシューズの紐を締め直した。
・P1-P2-P3へ
(無名峰ピーク0750→P3取り付き0900)
P1-P2のトラバースはなんとなく記憶に残っている。危険箇所は無いはずだ。さてその先。リーダーは「あれ?もしかしたらP3取り付きを知らないうちに通り過ぎたかも?」というくらい上がっていく。P3取り付きへは下りながらのトラバース、と記録を読んでいたので完全に「???」状態。トレースもあるし後続パーティが来るのも確認し、ルートミスしてないよね?とドキドキしてるとP3へのトラバースが見えた。
・P3取り付きにて
(0900→?)
P3トラバースはワイヤーも張ってあり足場も悪くなく問題なく通過。取り付きには1パーティ。中間支点が埋もれて見つからずトップは苦労している様子。取り付き出だしは青氷が張っていて傾斜も急だ。後ろのパーティから「えー俺ダブルもってこなっかったよ〜登れっかなあ」という声が聞こえる。最初は風がなかったが待っている間に風が出て来てかなり寒い。待ち時間=後悔の時間(やっぱり来なきゃ良かったとかもっと着てくればよかったとか・・・)。15分くらい待っただろうか?ダブルアックスのリーダーが登攀開始(後続の私たちはシングル)。渋滞しているのかコールがない。セカンドのUちゃんがコールしても反応なし。もう登っちゃう!と言ってビレイ解除するUちゃんを制止しロープを引っ張ってみる。と、上から、引っ張るなあ!と声が。やはり渋滞中なのだ。その間、バンドの下側をトラバースしてガイドが偵察後、私たちの左をすり抜け登って行った。しばらくしてコールがありUちゃんがダック(簡易アッセンダー)をセットして登り始めるが、エイトでフィクスしている私と彼女との距離が近すぎ危ないため私が一度フィクスを外す。するとどんどんロープが引かれるではないか!ひえーっあたしのロープがなくなるっっっ!慌ててクローブでカラビナにフィクス。後ろのパーティから声が掛かる。ロープがなくなったら僕らのトップでリードしてーいいっすよ。オイオイ(^^;)…リーダーはどうやらUちゃんと私を同時登攀させたかったようだ。。
・P3_1ピッチ目
そんなこんなで時間がかかりお待たせした後ろのパーティさんごめんなさい状態で私も登り始める。ピッケルを青氷にアタックするも一度ではヒットしない。何度か打つ。アイゼンの前爪を思い切り蹴り込む。さすがアイス用なのでこちらは気持ちよく刺さる。傾斜が急なのは出だしだけであとは楽しく攀じ登り「15ー20m程上ルンゼ左側のリングボルト1個の支点」に到着。ここまで中間支点ナシ。リングボルト1個の支点に先行パーティのセカンドと私たち3人がセルフを取る。その状態を見た後続パーティはアイススクリューで支点構築。ルンゼはロート状でここから上は自由にルートを選択できるためガイドパーティは60mロープで一気に左端を詰めて行った。そしてどういう理由か上部からフリーソロでクライムダウンしてくるソロの男性がひとり。降ってくるなよっ!
・P3_2ピッチ目
リーダーからコールがあり2ピッチ目登攀開始。支点の上部は階段状アイスなのでそこを右に逃げ登る。Uちゃんが登るのを待ってるとくだんのクライムダウン男が「どんどん登ってと言ってますよ」。ホントか?下りるのに私が邪魔なだけじゃないのか?迷いながらも取り付く。10mほどどんどん登るとUちゃんがアイス箇所でフリーズしている。どんどん登った私のロープはたるたるだ。少し待ってたるたるを引いて貰ってから上がった。中間支点はぺツルがアイスの上部に1カ所、ぺツルからはルートを右に取った。ペツルから7.8m右上でリーダーはしっかりした灌木で支点を作っていた。後続パーティも同じ灌木で支点を取る。
・P3_3ピッチ目(?→P3頂上1130-1145)
支点から直上、その上を右に迂回するように上部に向かう。傾斜は緩いが灌木の枝が出ている箇所があり足が引っかかる。ツルツルは無くあっという間に次の支点へ(ここはスルーしたので支点不明)。私がトップでそのままトラバースして上に抜けなさいと指示。トラバースは安定していたので難なくP3の頭に出た。素晴らしい天気!素晴しい眺め!天狗尾根が間近に見えて大迫力だ。風は10mも無いであろう最高のコンディション。テンション上がりまくりで動画を取る。北側には阿弥陀岳頂上が見える。どこを上がって行くのか自分の目で追ってみる(ほぼ正解だった!)。
・P4(1200→)
このトラバースが今回の登攀で一番厳しかった!下は切れ落ちている。ピッケルを仕舞って通過したが、思い切り掴めるガバは無いのでアイゼンも身体もビミョーなバランスで抜けなければならない。思い切りも必要だがあまり思い切ると落ちてしまいそうだ・・2カ所目のトラバースでリーダーはロープを出してくれたが1カ所目のほうが全然悪かった。阿弥陀頂上までは傾斜はまあまあだが悪い箇所はないのでそのまま上がる。私はロープがたるたるして岩に引っかかるのでフィクスをほどいて登った。
・阿弥陀岳頂上(1240-1250)
登頂おめでとう!握手!赤岳から横岳への主領線もよく見える。感動。景色を見ながらおやつを食べたかったが、風があり寒いという事で早々に御小屋尾根を下山。
・御小屋尾根→舟山十字路(1250→1750)
下り始めは傾斜が急なので後ろ向きで下りる。でもここまででの経験でかなり余裕がでているのかルンルンと楽しい。摩利支点の梯子と鎖も難なくこなし、雪稜歩きを味わいながら下って行く。途中1カ所だけフィクスロープが張られた急斜面が凍っていて緊張したが樹林帯までの1時間の下りを楽しんだ。御小屋尾根を全て下りきるのに5時間ほど要したが、もう少し早めに足を運べば時間は節約できるだろう。舟山十字路の分岐標識は全部で3個と記憶している。人気ルートでトレースもしっかりあるので間違えることはないと思うがしっかり地図とコンパスを利用したい。心配した天気もどうにか持ってくれた。(今回、諸事情あり歩きがかなりゆっくりだったので、タイムテーブルは参考程度にm(_ _)m)
一昨年の12月、P2で後ろ髪を引かれながら撤退した阿弥陀南陵。
それからずっと立ちはだかる岩陵P3の先が気になって仕方がなかった。
・青ナギ(テン場)へ
(舟山十字路0950→南稜取り付き1040→1100尾根→1430青ナギ手前)
今回も同じルートで青ナギへ向かう。舟山十字路でさっさとアイゼンを着け、ゲートをスルーして林道を道なりに進む。右に広河原沢が近くなり、支沢を渡ると南陵への分岐は近い。今回、堰の手前を渡渉したが堰の奥から渡るのが正解!私たちの他に1パーティ同じ方向へ進んでいる。ダブルアックスがザックに付いていたのでてっきり広河原沢アイスだろうと思ったが方向は同じ南陵のようだ。急登を20分もこなすと尾根に上がる(先行パーティは急登を上がれずアイゼンを着けていた)。雲ひとつない青空!お日様が暖かい。視界も開けて南側の稜線が見える。尾根を立場岳に向かって登っていく。ピンクテープが続いていて迷うことはない。そこそこの傾斜を登り続け傾斜が緩んでしばらく歩くと立場岳に到着。なだらかでひっそりした山頂。更に進む。立場岳を少し下ると右側が切れ落ちた青ナギチックな場所に出るが無視して進む。青ナギの少し手前の樹林帯が今晩のお宿だ。フカフカの雪を整地してテントを張る。綺麗な雪で水をたっぷり作ってからUシェフの豚しゃぶを頂いた。
・無名峰へ
(テン場0645→青ナギ0655→無名峰ピーク0750)
翌朝04:50のコールで目をさます。支度を済ませテントを畳み出発。今回は私がテント係なのでこれで登攀出来るのか少々心配。。青ナギでテント泊の1パーティ、先の樹林帯の1パーティを抜き、無名峰へと向かう。私は登攀の為にここでシューズの紐を締め直した。
・P1-P2-P3へ
(無名峰ピーク0750→P3取り付き0900)
P1-P2のトラバースはなんとなく記憶に残っている。危険箇所は無いはずだ。さてその先。リーダーは「あれ?もしかしたらP3取り付きを知らないうちに通り過ぎたかも?」というくらい上がっていく。P3取り付きへは下りながらのトラバース、と記録を読んでいたので完全に「???」状態。トレースもあるし後続パーティが来るのも確認し、ルートミスしてないよね?とドキドキしてるとP3へのトラバースが見えた。
・P3取り付きにて
(0900→?)
P3トラバースはワイヤーも張ってあり足場も悪くなく問題なく通過。取り付きには1パーティ。中間支点が埋もれて見つからずトップは苦労している様子。取り付き出だしは青氷が張っていて傾斜も急だ。後ろのパーティから「えー俺ダブルもってこなっかったよ〜登れっかなあ」という声が聞こえる。最初は風がなかったが待っている間に風が出て来てかなり寒い。待ち時間=後悔の時間(やっぱり来なきゃ良かったとかもっと着てくればよかったとか・・・)。15分くらい待っただろうか?ダブルアックスのリーダーが登攀開始(後続の私たちはシングル)。渋滞しているのかコールがない。セカンドのUちゃんがコールしても反応なし。もう登っちゃう!と言ってビレイ解除するUちゃんを制止しロープを引っ張ってみる。と、上から、引っ張るなあ!と声が。やはり渋滞中なのだ。その間、バンドの下側をトラバースしてガイドが偵察後、私たちの左をすり抜け登って行った。しばらくしてコールがありUちゃんがダック(簡易アッセンダー)をセットして登り始めるが、エイトでフィクスしている私と彼女との距離が近すぎ危ないため私が一度フィクスを外す。するとどんどんロープが引かれるではないか!ひえーっあたしのロープがなくなるっっっ!慌ててクローブでカラビナにフィクス。後ろのパーティから声が掛かる。ロープがなくなったら僕らのトップでリードしてーいいっすよ。オイオイ(^^;)…リーダーはどうやらUちゃんと私を同時登攀させたかったようだ。。
・P3_1ピッチ目
そんなこんなで時間がかかりお待たせした後ろのパーティさんごめんなさい状態で私も登り始める。ピッケルを青氷にアタックするも一度ではヒットしない。何度か打つ。アイゼンの前爪を思い切り蹴り込む。さすがアイス用なのでこちらは気持ちよく刺さる。傾斜が急なのは出だしだけであとは楽しく攀じ登り「15ー20m程上ルンゼ左側のリングボルト1個の支点」に到着。ここまで中間支点ナシ。リングボルト1個の支点に先行パーティのセカンドと私たち3人がセルフを取る。その状態を見た後続パーティはアイススクリューで支点構築。ルンゼはロート状でここから上は自由にルートを選択できるためガイドパーティは60mロープで一気に左端を詰めて行った。そしてどういう理由か上部からフリーソロでクライムダウンしてくるソロの男性がひとり。降ってくるなよっ!
・P3_2ピッチ目
リーダーからコールがあり2ピッチ目登攀開始。支点の上部は階段状アイスなのでそこを右に逃げ登る。Uちゃんが登るのを待ってるとくだんのクライムダウン男が「どんどん登ってと言ってますよ」。ホントか?下りるのに私が邪魔なだけじゃないのか?迷いながらも取り付く。10mほどどんどん登るとUちゃんがアイス箇所でフリーズしている。どんどん登った私のロープはたるたるだ。少し待ってたるたるを引いて貰ってから上がった。中間支点はぺツルがアイスの上部に1カ所、ぺツルからはルートを右に取った。ペツルから7.8m右上でリーダーはしっかりした灌木で支点を作っていた。後続パーティも同じ灌木で支点を取る。
・P3_3ピッチ目(?→P3頂上1130-1145)
支点から直上、その上を右に迂回するように上部に向かう。傾斜は緩いが灌木の枝が出ている箇所があり足が引っかかる。ツルツルは無くあっという間に次の支点へ(ここはスルーしたので支点不明)。私がトップでそのままトラバースして上に抜けなさいと指示。トラバースは安定していたので難なくP3の頭に出た。素晴らしい天気!素晴しい眺め!天狗尾根が間近に見えて大迫力だ。風は10mも無いであろう最高のコンディション。テンション上がりまくりで動画を取る。北側には阿弥陀岳頂上が見える。どこを上がって行くのか自分の目で追ってみる(ほぼ正解だった!)。
・P4(1200→)
このトラバースが今回の登攀で一番厳しかった!下は切れ落ちている。ピッケルを仕舞って通過したが、思い切り掴めるガバは無いのでアイゼンも身体もビミョーなバランスで抜けなければならない。思い切りも必要だがあまり思い切ると落ちてしまいそうだ・・2カ所目のトラバースでリーダーはロープを出してくれたが1カ所目のほうが全然悪かった。阿弥陀頂上までは傾斜はまあまあだが悪い箇所はないのでそのまま上がる。私はロープがたるたるして岩に引っかかるのでフィクスをほどいて登った。
・阿弥陀岳頂上(1240-1250)
登頂おめでとう!握手!赤岳から横岳への主領線もよく見える。感動。景色を見ながらおやつを食べたかったが、風があり寒いという事で早々に御小屋尾根を下山。
・御小屋尾根→舟山十字路(1250→1750)
下り始めは傾斜が急なので後ろ向きで下りる。でもここまででの経験でかなり余裕がでているのかルンルンと楽しい。摩利支点の梯子と鎖も難なくこなし、雪稜歩きを味わいながら下って行く。途中1カ所だけフィクスロープが張られた急斜面が凍っていて緊張したが樹林帯までの1時間の下りを楽しんだ。御小屋尾根を全て下りきるのに5時間ほど要したが、もう少し早めに足を運べば時間は節約できるだろう。舟山十字路の分岐標識は全部で3個と記憶している。人気ルートでトレースもしっかりあるので間違えることはないと思うがしっかり地図とコンパスを利用したい。心配した天気もどうにか持ってくれた。(今回、諸事情あり歩きがかなりゆっくりだったので、タイムテーブルは参考程度にm(_ _)m)
天候 | 2017年1月28日(快晴)/29日(晴れのちくもりのち小雪) |
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過去天気図(気象庁) | 2017年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
撮影機器:
感想
・アイス・草付き・岩の登攀、悪夢のトラバースと記憶に残る充実した山行だった。いつか師匠パーティの後続パーティとして誰かとつるべで登ってみたい(夢)。
・待ち時間は寒い。やはりベストを一枚インしても良かったかも。脚も寒かったので、今回のオーバーパンツ+デナリパンツの下に薄手のメリノでも良かった。
・気温も風も強くなく、フェイスガードは薄手のメリノで事足りた。
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