滑落&負傷@秋葉山>鳥ノ胸山
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.3km
- 登り
- 329m
- 下り
- 331m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
私が滑落したのはコース外を歩いたのが原因ですが、滑落後に正規コースを歩いた印象では急登で、積雪時は十分な注意が必要と感じました。 |
その他周辺情報 | 国道413(道志街道)の青野原〜道の駅どうしは断続的に10箇所前後凍結があり、スタッドレスタイヤ必須。 帰りはカーブの凍結箇所で車同士の事故一件、立ち往生している車2台を見た。 私の後ろを走っていた車が凍結箇所でスピンしかかって蛇行してました。 |
写真
装備
個人装備 |
■登山道具: 25Lザック
西丹沢登山詳細図
トレッキングシューズ
ゲイター
チェーンスパイク
ストック
ヘッデン
熊避け鈴
コンパス
■衣類:長袖Tシャツ(あったか系)
長袖フリース
グローブ
レインウェア
ニットキャップ
マスク
ズボン
腰痛防止用腹巻
■食料:マルタイラーメン
ウィンナー+タッパーウェア
刻んだ葱+タッパーウェア
マジックライス白米
天かす+タッパーウェア
噛むブレスケア小分け
チョコレート
箸
■飲料系:水100ml+水袋
お湯800ml+マグポット
コーヒー粉
使い捨てコーヒードリップ
クリープ小分け
ほうじ茶ティーパック
ステンレスの蓋付きマグカップ
■衛生関係:花粉対策用目薬
ロキソニン
ビオフェルミン止瀉薬
キズパワーパッド
ポケットティッシュ
■その他:スマートフォン
スマートフォンの予備バッテリー
自撮棒
サングラス
サングラスのポーチ
デジタルカメラ
デジカメの予備バッテリー
デジカメのポーチ
財布
ミニカッター
爪切り
ガムテープ
バーナー
ガスボンベ
メスティン
ライター2個
保温バッグ
レジャーシート
ゴミ袋
使い捨てカイロ
|
---|
感想
■滑落まで
2/11(金)に雪が降り土日は天気がよい予報なので、どこかに登りに行くことにした。
塩水橋から丹沢山を経由して蛭ヶ岳ピストンを考えたが、CTを合算すると6時スタートでCT+1時間休憩で下山完了は18時。日が長くなってきたとはいえ危険だし、丹沢山⇔蛭ヶ岳の階段が積雪だと飛ばせないのでCTどおりに進めないだろう。やめることにした。
で、お気に入りに追加していたMUSICA001様の下記レコのコースを歩くことにした。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1034894.html
「秋葉山・鳥ノ胸山・大界木山・城ヶ尾山・菰釣山(道の駅道志から周回ハイク)」
ただし、菰釣山からの下山に使うVRは西丹沢登山詳細図の記載から外れているので一般コースで。
前日、バイクで下見に行ったがR413の青野原にあるセブンイレブンから先は積雪&凍結していたのでそこから先は断念、当日は車で行くことにした。
以降は写真のキャプションをご覧ください。
■滑落と直後の状況
(写真25からの続き)
アッ!と声を上げたときには滑落が始まっていた。
猛スピードで視界がグルグル回り(おそらく体が回転していた)、激しくバウンドしながら落ちていく。
止まりたいと思っても止まれない。
後から考えると体中に木の幹や雪の下の岩&石がぶち当たっていたと思うが、滑落中はそんなことを認識できなかった。
ただ、頭がバシッ!と何か(岩だったら死んでいたのでおそらく木)に当たったのは、よく覚えている。
次に頭に何か当たったら死ぬかもしれない。
でも止まらない。まずい。
死ぬ、と思った。
その瞬間、思い出した。
初めてのスキーで転びまくる自分をコーチしてくれた、かつての会社の上司の言葉。
「力を抜いて大の字になるんだ、そうすれば止まる」
(もちろんスキー板とストックを付けた前提だが)
それをやると木や岩に当たる確立が上がり危険だが、このまま滑落し続けるのはもっとやばい。
両腕両脚を広げた…止まった。
滑落していたのは10秒前後だろうか。
たったそれだけの間に大量の体力を消耗したようで、息ゼイゼイになり苦しい。
息が落ち着いてから状況を確認。
依然、斜面の途中だ。
うつぶせの状態で止まったが、力を抜けばまた落下が始まりそうだ。
上半身は上着としてつるつるしたレインウェア(モンベル・ストームクルーザー)を着ているので、摩擦係数が低い。
力は抜けない。
周りは音ひとつしない。
このコース、おそらく今日は誰も通らないだろう。
自力で抜け出さねば。。。
ニット帽、ストック、サングラスが無い。
ニット帽は木に激突したとき吹っ飛んだか。
ストックは手を離してしまったのだろう。
サングラスは掛けていたか覚えていない。
デジカメのポーチが開き雪が大量に入っていたので、こんな状況だが雪をかき出し、デジカメに付着した雪を落とした。
ついでにこんな状況だが撮影。
次に周りの状況を確認。
右に数十メートルトラバースできれば先程左に見ていた植林地帯に入り、そのまま進めばコースに復帰できる。
しかし手が届く範囲に掴まる木が無い。
植林地帯(右)方向の10m位先に木、斜面下10m位に別の木。
まずは右の木を目指そう。
無理なら下の木を目指して滑落し、掴まろう。
何かを掴みながら進まないと、また滑落する。
雪を掻き分けると、幸いなことに浮石でない岩があったのでそれに掴まり右へトラバース。
何度か同じ事を続けて植林地帯、そしてコースに復帰した。
写真は撮らなかったが、ちょうど道の真ん中に三角点のような石が埋め込まれた場所だった。
■その後
両手両足が痛いが擦り傷程度の痛み。歩ける。
頭に傷があるようで血が付いていたが止まっている。
稜線なので強くは無いが風が吹き、ズボンは雪で濡れたので寒い。
歩けば体は温まるし、ズボンは登山用なのですぐに乾く。
このまま鳥ノ胸山まで登り、そこで昼食にして登山を切り上げ、別コースで下山しよう。
このときは、のんきにそんなことを考えていた。
滑落が始まった場所近くまで登った。
あまり見たくなかったが、滑落した場所をチラッと見た。
先ほどの三角点のような石からここまで1〜2分だったか。
ということは、50m位滑落したのだろうか。
当たり前だが、今度は正規コースを進んだ。
正規コースとはいえ、慎重に進むべき急登で短いつづら折れだった。
ひとつ先の岩(おそらく雨宿り岩)の下に雪が無い場所があったのでザックを下ろしたところ、ジッパーが半開きになっていた。
滑落時に開いたのだろう。
大事な物だけ落としていないか確認。
よし、財布と車の鍵はある。
(帰宅後確認した所、サーモスのマグボトルとアイゼンのスタッフバッグがなくなっていた)
次に、裂けたズボンの下にある右足の傷を確認。
擦り傷程度と考えていたが、肉が縦に10cm程裂けている…!
これは登山を続けるべきではない。
下山してすぐに病院に行かねば。
しかも出血が続いているようで、雪に血が落ちている。
ここまで来る途中、熊らしき足跡を見た。
奴等が血の臭いを嗅ぎ付け、襲ってきたらやばい。
すぐに下山を開始。
しかし秋葉山下の階段辺りから、気温が上がってきたためアイゼンを付けた靴の下に雪の塊が付き、高下駄状態になる。
ストック代わりに拾った木で落としてもすぐにまた付いて、難儀した。
観光農園でアイゼンを外し、道の駅に着いたのが11:30頃。
家族に電話しようとしたが、ズボンのポケットに入れたスマートフォンの画面が割れていて操作不能。
幸い公衆電話があったので、家族に状況と帰宅することを伝えた。
ベンチで右脚の傷にミネラルウォーターを掛けて清拭。
うー、沁みて痛い。
幸いなことに車を運転できたので12時に出発し、帰宅。
しかし下車時、ぎっくり腰のようになり何かに掴まらないとまともに歩けなくなっていた。
■さらにその後
救急病院を探して家族に連れていってもらい、検査と治療を受けた。
右側(頭、腕、尻、脚)に傷が集中していたので右側を打ったのだろう
左脚も怪我していた。
CTスキャンとレントゲン検査の結果、頭部に異常なし。
脚と同じ位心配していたのでよかった。
レントゲンを見ながら医師の説明、足の骨は傷によりほんの少し削られていた。
洗ったところ、骨が露出していたそうだ。
そこからの感染が心配とのことなので対抗手段は洗浄、抗生物質、あとは体の免疫力。
痛かった局部麻酔後に縫合。
先生、ありがとうございました。
帰宅したが、しゃがみ&立ち、寝起きがまともに出来ず要介護な状態だった。
翌日も受診したところ、かなり歩けるようになった。
■お願い
滑落した場所で次のものをばら撒いてきたと思いますが、生還したので見かけてもスルーしてください。危険なので回収は不要です。
・青いストック
・黒いサングラス
・グレーのニット帽
・ワインレッドのサーモスのマグボトル
・黒いモンベルチェーンスパイクのスタッフバッグ
春になり雪が無くなったら再訪し、危険でなさそうなら回収したいと思います。
■滑落による出費・失くした壊した物の額
・治療費:約3万円(続行中)
・スマホ端末:約1万円(16/11購入)
・サーモス真空マグ:約2.5千円(15/1購入)
・サングラス:約2千円(16/8購入)
・ストック:約千円(17/1購入)
・ニット帽:108円
・登山用ズボン:約7千円(11/8購入)
・家族への送迎お礼:ウン千円
■滑落の原因分析
・油断していた、慢心
90%はこれ。
コース外は踏み固められていないので落ち葉、小枝、石、土が浮いていて滑りやすい。
それはわかっていたが、木の根に掴まって進んでいたので大丈夫と考えていた。
雪で覆われて地面の様子がわからなかった>危険か否かわかりにくい>歩かない が正しい判断だったが、ここの所VRですらない場所も何とか踏破したりして、調子に乗っていた。舐めてました。
・単独登山
危険かどうかは自分で判断し、その判断が誤りでも注意する人がいないのが単独登山。
おそらく複数で登っていたら、自分がリードしていても正規コースを選択していた。
・マイナーな山で踏み跡がなかった。
山梨百名山なのでマイナーと呼ぶには語弊があるが、丹沢山や塔ノ岳などに比べてマイナーという意味で。
正規コースに踏み跡があったら、おそらく滑落した方向に進んではいなかっただろう。
よく歩く塩水橋から丹沢山へのコースなら、積雪から二日経過していたので、踏み跡があったと思う。
踏み跡が必ず正しいとは限らないけど。
■この程度の怪我で済んでよかった
・ニット帽を被っていたので、頭をぶつけたときに軽い怪我ですんだのかもしれない。
・腕は右の前腕を長くすりむいただけだった。(ただし一週間経過しても2本の指が軽くしびれている)
普段はシャツとレインウェアの間に袖なしのフリースを着ていたが、この日は丹沢山頂上で-10度という予報だったので、厚手の長袖フリースを着ていた。
それがクッションになりダメージが軽減されたのかも。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
無事に下山できて何よりです。
自分もソロが多いので、怪我で動けなくなったらと思うとぞっとしますね。
スマホも壊れたら終わりだし、つい取り出しやすいポケットに入れがちですが再考したいと思います。
ありがとうございます。
スマホ、以前は大抵圏外になるのでザックにしまっていたのですが、時報を告げるアプリを入れた後は便利なので音が聞こえるよう、ズボンのポケットにしまっていました。
スマホは画面が割れたら操作できなくなるので、もし圏内であっても誰かから電話が来ても応答できない訳で、そうなったらキツイですね。
今度からせめて、液晶を内側に向けてしまおうと思っています。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する