「私をスノーシューに連れてって」 藤原岳


- GPS
- --:--
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 1,098m
- 下り
- 1,087m
コースタイム
- 山行
- 4:03
- 休憩
- 2:04
- 合計
- 6:07
コースタイムは撮影時間から算出
天候 | 曇 時々 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
水洗トイレ、登山ポストあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
・4合目から積雪あり、8合目から急勾配 ・藤原山荘〜山頂まではスノーシュー使用し快適に登頂。アイゼン使用者に聞いたところ踏み抜きあって苦労したとの事。 ・藤原山荘〜天狗岩はトレース薄いので注意。地図等で地形を把握してから出発した方が良い。 |
写真
感想
タイトルは80年代のトレンディ映画「私をスキーに連れてって」へのオマージュ。最近十何年ぶりかに観る機会があったのだが、バブル感満載&ツッコミどころ満載...それでも古き青春時代が懐かしかった。いわゆるラブストリーだが案外飽きさせなかったし、原田知世嬢はやっぱり可愛かった(実物を町中で見かけた時の透明感はハンパなかった)。さて本題...
山に登らなくなって幾日か過ぎた。所用があったり、風邪ひいたり、腰痛めたり、とまぁ色々とあったのだが、そもそも雪山をやらない(やらせてもらえない)私としては、積雪後に登れる山など里山くらいなもの。ホーム猿投山には、2017年で既に5、6回は登っと思う。ヤマレコをみれば楽しそうな雪山登山のレコばかりだし...ストレス溜まる。
とりあえず危険の少なさそうな鈴鹿、更に冬でもハイカーで溢れてそうな藤原岳に登ることにした。いよいよ雪山規制緩和である。家族には心配かけないようにしなければならないし、どこまで今後雪山をするかもわからない。先走って道具揃えて失敗した経験も数知れず。取りあえず今回は最低限の装備で様子見し、難しいと感じたら即時撤退することにする。ヤマレコを色々と参考にさせていただいたところでは、雪も落ち着いているようだし現在の装備プラスアルファで何とかなりそうだ。
そうと決まれば、ご近所のモンベルへGO。防寒インナーや厚手のソックス等々と細々としたもの購入。現在使用の登山靴でも対応可能な軽アイゼンやワカンを物色してたら、思わずAMAZONで激安スノーシューをポチってしまった(まぁこれは正解だった)。
そして遂に決行の日がやってくる。予報によると、日中天候も安定しており、温度も低すぎないようだ。家族には「三重の藤原岳に行ってくる」とだけ伝え、いつものように登山届のコピーを渡す。つい”雪山”などと口走ってしまうと、雪山=厳冬期3000m峰のスーパーデンジャラスゾーンを思い描いてしまう彼らには、余分な情報は伝えない方がよい(心配が増すだけ)。
さて、雪山レコというと妙にウキウキウハウハの浮ついた内容が散見される。初めての○○〇となれば猶更だ。しかし、私は40歳”不惑”もこえた大人である。今日は浮ついた気持ちは封印して、厳しい雪山に命のやり取りに挑む山漢の雰囲気を醸し出していきたい。
登山口駐車場がすぐに満車になるようだったので、気合い入れて早朝に出てきたのだが思いのほか車は少ない。「先行者が沢山いた方が安心なんだけど...」と出だしから意気地のない不惑の山漢。情報通りスタート当初は雪はない。4合目でやっと雪が出てきた。まだアイゼンは必要なさそうだったが、所々凍結してて怖いのでチェーンスパイク装着。
さて、問題は8合目から。ここから斜度が急激に増すのだ。不安があるようなら即時撤退と決めていた。しかし、雪は柔らかく時折足が沈むのが億劫なくらいで特に問題はなし。不慣れながらもガツガツと頑張って登る。
そろそろ”踏み抜き”というものを経験したかったのだが、なかなかそういう状況に至らない。「えーい!踏み抜けぇ!」と半ばやけくそ気味に強く足を踏み出すも踏み抜かない。「このまま終わってしまうのかなぁ」と油断した頃、前触れなくいきなり膝上まで踏み抜いた。「うおっ!!」思わず驚きの声を上げてしまう。「やりました!踏み抜き実績解除です!」スタート時の冷静沈着の誓いを忘れ、思わずはしゃいでしまう不惑の山漢。「いかんいかん」と落着きを取り戻しながら、踏み抜いた足を引っこ抜くのに悪戦苦闘し、冷静沈着とは程遠い姿を披露するのであった。
ほどなくして山荘到着。山頂の空模様が微妙だったし、予定時間よりも早く到着できたのでしばし休憩することにした。雪山では発汗ご法度というが、私のような滝汗体質にはやっぱり難しい。一応着替えとして、アンダーウェアやニット帽、ネックゲーター、手袋は各2個ずつ持ってきた。ホッカイロ6個、お湯も1.5L積んできたし、防寒着も色々と持参した。そう、相変わらず無駄に荷物が多いのである。汗で水没したニット帽は交換することにしたが、今日もまた、スタート時の衣服を減らすことはあっても増やすことはなかった...
いっこうに回復しない天候に業を煮やし、ピークハントに向かうことにする。いよいよ初スノーシューだ。しかし焦ってはしゃいだりしてはいけない。心は踊れど淡々とスノーシューの取付作業を行う。さらにグローブを透湿防水ゴム手袋『テムレス』にチェンジ。このテムレスは「雪山に最適」との評価もあり、非常に安価なことから今回ついでにAMAZONで購入してみた。まぁこの程度の気温と環境下ではその真偽は判断できないが、問題なく仕様できた。そして周囲をよく見ると、青いゴム手袋らしきものをした人がチラホラ。
あまりにも安価なスノーシューで心配したが、快適に雪を歩けた。藤原岳山頂への最後の登りも問題なく登れる。少し浮遊感のある感覚がなんとも心地よいではないか。もはや押さえつけることができない高揚感。真白の雪面に足跡つけたくてトレースをわざわざ外してみたり、雄たけびとともに駆け回ってみたりと、もはや冷静沈着ではいられない自分がいた。
山頂に着くと雪に覆われた雪原を見渡すことができた。遠方には美しい冬の鈴鹿山脈の峰々。本格的な雪山ではないかもしれないけど、「来てよかったなぁ」と感動もひとしお。その後も山頂では自撮り撮影会に興じてフィーバーしっぱなし。居合わせたハイカーさんとも楽しく談笑した。20分ほど山頂を満喫した後、寒いしお腹も空いたので山荘に戻ることにした。下山ももちろん駆け下りる”惑惑(ワクワク)の山漢”。
【藤原岳山頂の様子】
山荘でカップラーメンの新商品を平らげた後(味は微妙)、時間もあるので天狗岩まで行くことにする。ここから天狗岩までの雪原歩きも気分最高だった。無駄にブラブラと周回して歩いてしまったので、時間もかかったしちょっとルートも見失ったが無事に目的地に到着。天狗岩はどうやら雪庇になっているようだ(まぁ雪庇初見なので確かなことは分からない)。おっかなびっくりで先端(といっても大分手前)までいって記念撮影。実はココの方が藤原岳より高いらしい。伊吹山や御池岳も近くて見晴らしい良かった。
まだまだ名残惜しいがそろそろ下山。下山途中でも登ってくる方がたくさんいた。ほどなく4合目に辿り着きチェーンスパイクを外す。ここまでは軽快に下りてこられたが、この先は安定の泥道。「転ぶの嫌だしズボンも汚れるからゆっくり行こうか」と思っていた。
ふと下を見るとグローブが落ちている。汚れもなくて落としたてのようだ。「よし!頑張って追いかけて渡してあげよう(そしていい人になろう)」と偽善者は目論む。何とか先行者に追いつき「手袋落としてませんか」と尋ねた。しかし「違います」の返事。さらに先の先行者に追いつくため先を急ぐ。そして2番目に追いつく。「あの〜(ハァハァ)手袋落としませんでしたか(ハァハァ)」「いいや違いますよ」(ま、まじか...)。「ここまで頑張ったら意地でも持ち主を見つけてやる。」と半ばやけ気味。さらにしばらく行くと、もう片方のグローブも発見した(なぜ落とした事に気づかない)。「間もなく登山口に着いてしまう。このままでは駐車場を聞いて周る羽目になってしまいそうだ」と脳裏によぎる。そして3番目の先行者に追いついた。「(ゼェゼェ)あの〜(ハァハァ)手袋を(ゼェゼェ)落とし(ハァハァ)ませんでしたかぁ(オエッ)」「ああ私のです。ありがとう」やっと会えましたよ持ち主さん。
よく分からない達成感に満たされながら駐車場に凱旋。そういえば、藤原岳の下山でハプニングに遭遇し急がされる事件が前にもあったな。
※ハプニングに見舞われた過去の藤原岳レコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-772538.html
汚れた衣服を着替え、本日頑張ってくれたスノーギアの汚れを洗い場で流した。楽しかった初雪山山行を思い返しながらそろそろ帰路へ向かうとしよう。
コメント
この記録に関連する登山ルート

goldengateさん、おはようございます。
いきなりスノーシューデビューとは羨ましい限りです。
藤原岳お疲れ様でした。
沢山の人が歩かれてるルートではなかなか踏み抜き体験できなかった
ようですね。雪質によって様々に変化しますので楽しいですよ。
家族の方もソロだと心配されると思いますので私も出来る限り複数で登る
ようにしてますが日程があえばいかがですか?
higurasiさん コメありがとうございます
やっぱり雪山は楽しかったです
とりあえず、
スノーシュー使って低山で楽しんでいこうと思います。
そして、
山へのお誘いありがとうございます。
日程(&私の力量
とはいえ...
higurasiさんのような猛者さん達の山行についていけるかどうかが少々不安ですね
いつも勝手気ままなソロハイクばかりの私です。
山の知識や技術に疎かったり、不十分な山装備だったりして、
皆さんにご迷惑かけたりご気分を害すような事がなければよいのですが...
それに、
凄い汗っかきだし、すぐ心折れるし、その割には調子に乗っちゃうし、小心物だし、メタボだし、人見知りだし、どちらかというと引きこもりだし、節約家というよりケチンボだし......(どんどん自虐的になっていく
長くなりましたが、
ご一緒させていただければ幸いです
懐かしいな〜、原田知世!
雪山を車でぶっ飛ばす豪快さが良かったです
まさか、初雪山とは、驚きです。
多くの経験を積んでいらっしゃるので、雪山なんてお散歩気分と思ってました
踏み抜き天国を経験されたようで、何よりです。
膝よりどれだけ上まで踏み抜けるかが、雪山での醍醐味ですね
私はもノーシュー未体験なので、かなり羨ましいです
totokさん コメありがとうございます
あの頃の映画やドラマには年月のギャップを感じますね
当時は当たり前だったと思うのですが..
タバコは何処でも吸いまくるし
スピード違反は平気だし
明らかに飲酒運転だし
ノリだけで生きてる感じするし
草食系男子の三上博史氏が交際後は亭主関白に豹変するし
まぁ時代ですよねぇ。
原田知世嬢の真っ白のスキーウェアは結構奇抜ですね
完全に雪上迷彩です(かわいいですけど)
さてさて、
スノーシュー楽しかったですよ。
何ともいえない浮遊感が良かったです
皆さん同様トレースのない雪上を歩き回りたくなりますね
私が今回購入したのは8000円ほどの安価なものでしたがとりあえず快適に使えました
ドッペルギャンガー(私はこちら)とかノースイーグルというメーカーがお値打ちな割に評価いいようです。
「いきなり数万円出すよりは...」と思い試しに購入したわけですが、いつものように”安物買いの銭失い”にならなければよいのですが
goldengate さん こんばんは。
そしてスノシュー&ゲイターのデビュー戦、お疲れ様でした。
初スノシューはどうでしたか?
パウダーを歩くと感じるスノシューの浮遊感!一度味わったら止められなくなりますよ!是非、富士見台にも遊びに来てください。
私も最初のスノシューはアマゾンです。ドッペルギャンガーだったかな?
フォト34のコメントにあるように、何度も雪山に行くとレベルアップしたくなります。恐らく浮力は抜群ですが、外側に爪がないので深雪の急斜面や、特に傾斜がきついトラバースでは不安を感じる事がありますので、注意して下さいね。
あと、冬道具はこりだすとお金がいくらあっても足りません。別の意味で注意しないと。
これからも、お互い安全第一で雪遊びしましょう。
厳冬期の恵那山は射程圏内ですね!あと一週間で終わってしまいますが・・・
rupmoさん コメありがとうござます
低山ですが雪山楽しんできました。
rupmoさんのおっしゃるとおり”浮遊感”がいいですね〜
確かに癖になりそうです。
今回購入したのは「ドッペルギャンガー」です。
お値打ちで評価もそこそこ良かったので思わずポチりました。
まぁグリップ力はないと思いますが、
今回使用したエリアでは何とか登りでも頑張ってくれました。
今年あと何回か低山の雪山ハイクを楽しみたいですね
富士見台は頑張って行ってみたです...ロープウェイ使って
とりあえずの当面の目標は恵那山にしておこうかな(何とか再来年くらいには)
渡せてよかったですね!もし主が登り途中の方だと、心残りなまま山を後にするところ(/ω\)
kazuya0502さん コメありがとうございます
そ、そうか...
登りの方が落とされた可能性もありました
馬鹿ですね、すっかり下山者の落とし物と思い込んでました。
(まぁ登りの方がほぼいない時間帯でしたけど)
そのまま置いておく方が良いという選択肢もありますね。
最悪”落とし物箱”に入れておくつもりでした。
結果的にはお渡し出来て良かったです
手袋、お届けするなんて優しいですね…。
私も最近、よくスキー場で拾います。手袋だったり、フェースマスクだったり…スキー場と山での大きな違いは、落とし主が圧倒的に若い男性だということ
「違いますか?」
って聞くと
「ありがとうございますぅ〜〜♪」
と言われるのがめっちゃうれしい
…加齢を感じるこのごろでございます
昨年、MSRのスノーシューをどこかで落として、戻ってきません…
さほど使う機会もないけど…先日、好日で安い女性用モデルを30%引きで売っていたので衝動買いしちゃいました…安いっ!
でも…なかなかお試しできません
スノーシューでガシガシ登るのって好きだけど…今年はあるかな
akakiriusagiさん コメありがとうございます
下界ではそうでもないのに、
何故か「山ではいい人でありたい」と願う”偽善オッサン”なんですよ
今回の落とし主は男性の方でした
akakiriusagiさん同様、
私もカッコいいソロ山女さんの落とし物とか届けたい...
(ユルカワ系山ガールさん<ガッツリ系山女さんに萌える)
そんな方はなかなか落とさないし追いつけないか
スノーシュー落とされましたかぁ、悔しいですね
あんな大きいものでも落とした事になかなか気づかないものなんですね
今年使えるといいですね
南八縦走とか仙丈ヶ岳とか今シーズンakakiriusagiさんが行かれた冬山、
ちとハード過ぎるものばかりなのでは
goldengateさん こんばんは
スノーシューデビュー おめでとうございます。
藤原岳、思ったよりは雪が少ない印象を受けるのですが、
山頂はまさにスノーシューに適した感じですね!
意味も無く歩きたくなる気持ち、、、わかりますわかりますヾ(o´∀`o)ノ
やっぱりやっちゃいますよね〜
藤原岳、、やっぱりドロドロになるんですね、、、ヽ(。>д<)p
駐車場とかで洗い場があるのでいいのですが、、、、、、うーーーん(笑)
折角購入したスノーシュー。
またスノーシューレコ 楽しみに待ってますね〜
お疲れ様でした。
akanetouchanさん コメありがとうございます
雪は大分落ち着いてきたようですね
まぁ初めての雪の藤原岳ですので私自身では比較できませんけど...
やはり最後は安定の泥道でしたよ...
下山後に洗い場があるのは本当に助かりますね
今年一回で終わってしまうのでは勿体ないので
あと1、2回スノーシュー使ってみたいです。
ということで、
土曜日に富士見台高原行ってきました
後日レコアップしますが、
さて如何に?
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