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記録ID: 107088
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無雪期ピークハント/縦走
丹沢

高取山・仏果山・経ヶ岳・華厳山・(荻野)高取山

2009年04月04日(土) [日帰り]
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GPS
05:44
距離
13.7km
登り
1,072m
下り
1,119m

コースタイム

半原バス停      08:20
宮ヶ瀬湖ダムサイト下 08:45
  (エレベーターに乗車)
宮ヶ瀬湖ダムサイト上 09:00
高取山        09:55-10:10
仏果山        10:30-10:40
半原越        11:30
経ヶ岳        11:50-12:05
華厳山        12:30-12:40
(荻野)高取山     12:50-13:00
東谷戸入口バス停   14:05
天候 良く晴れていたが、終始風が強く吹いていた。
過去天気図(気象庁) 2009年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
(行き)
淵野辺駅 07:25-(神奈中バス)-08:22(実際には08:15頃着) 半原バス停
(帰り)
東谷戸入口バス停 14:08-(神奈中バス)-14:45 本厚木駅
コース状況/
危険箇所等
経ヶ岳→仏果山→高取山というルートは、過去(2005年10月)にも歩いたことがあります。
今回はその時の逆ルートをベースにした上で、経ヶ岳の先で南へ伸びる尾根に入り、華厳山と荻野高取山を訪れることにしました。
華厳山・荻野高取山への道は、ガイドブック類でも一切取り上げられていない全くのバリエーションルートになりますが、地元では「西山」という愛称で呼ばれて、昔から親しまれていた尾根道のようです。

ところで荻野高取山の南側一帯には採石場の拡張計画があり、1.3kmにも及ぶ稜線がほぼ山ごと削られようとしています。
地元を中心とする「西山を守る会」が反対運動を起こし、それは行政訴訟となって最高裁まで争われましたが、残念ながらすでに原告敗訴が確定しています。
土地を所有する民間企業は、30年もの歳月をかけて山を削る計画であると伝えられていて、あとは指をくわえて眺めるしかない状況らしいので、本格的に削られてしまう前にと出掛けてきました。

コースの前半、半原→高取山→仏果山→経ヶ岳 という所までは、丹沢の中でもポピュラーな部類のコースで良く歩かれており、若干のヤセ尾根や急坂はありますが、一般的な登山道の中で想定される程度のものです。

経ヶ岳のすぐ東側にある華厳山・荻野高取山への分岐点には標識がありましたが、そこから分かれる踏み跡は期待していたよりはずっと不確かで心許ないものでした。またこの先は、標識やテープ類もほとんど見なくなります。
それでも概ね尾根筋を行く荻野高取山までは大きな問題にはなりませんでしたが、その先で東谷戸入口バス停を目指して下っていくと、どんどん道が不明瞭なって、道迷い寸前までいくような状況でした。

※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。

感想

半原は、自宅最寄駅のすぐ隣駅の淵野辺駅からバスが出ているので、私にとって最も手軽に出られる登山口のひとつです。
今回はまずその半原に向かってから、登山前に宮ヶ瀬湖のダムサイトへ寄っていくことにしました。

ダムの堰堤内を登り降りする無料エレベーターの運転開始は9時とされていますが、ダムサイト下にはその15分も前に着いてしまいます。
ところがエレベーターの前まで行ってみたところ、時間前なのにすでに稼働中のようであり、ボタンを押してみたら上からちゃんとゴンドラが降りてきて、これはラッキーでした。
早速乗り込んで、120m上にある堰堤上に約1分で到着です。
エレベーターを降りた先には自動ドアがあって、まだ制御開始前らしく前に立ってもドアが開かないので少し慌てましたが、試しにドアを手で動かしてみたら開いてくれて、なんとか外に出られました(でも良かったのか?)。

堰堤上に出ると、まだ時間前とあって観光客の姿はどこにもなく、ダム関係者と見られる人影が僅かに見られるだけで、一帯は静寂そのものです。
コンクリート使用量が日本一とされる、高さ156mのダムでは、やはり堰堤上から見下ろす眺めが壮観でした。
観光放流も行われているようなので、機会があったらまた訪れてみたいと思います。さぞかし圧巻なのでしょう。

ダム堰堤南端の駐車場近くにある、登山口の看板のところから、高取山への登りが始まりました。
この登山道、いきなり急斜面の中を、延々と続いていく木段で登らされます。段差の大きな箇所も多く、休み休みでないととても登って行かれません。
しかも急傾斜のためか、斜面崩壊が登山道にまで及んでいて、歩きにくい箇所も多々見受けられます。登りでも用心しないと通れない場所があったので、急降下となる下りでは少し怖いかもしれないと思った程でした。

やっとの思いで尾根まで上がると、ベンチなどが置かれた見晴らしの良い地点があって、そこで少し息を整えていきます。
尾根道に変わると、以降は概ね快適な道に変わりました。送電線鉄塔の付近では展望も開けていて気持ち良く歩いていけます。
最後に頂上直下で少し岩っぽい急な登りがあった以外は、特段の問題もないうちに高取山に到着しました。

高取山の頂上にはいくつものベンチがあるほか、鉄製の展望台があります。そこに登ると、丹沢最高峰の蛭ヶ岳と、そこから丹沢山・塔ノ岳へと続く丹沢主脈、さらに表尾根や大山などがきれいに眺められました。塔ノ岳より高い山々には、今週半ばの雪がかなり残っているようです。
ここに先着していたのは犬を連れたご夫婦だけでしたが、展望台を下りてベンチで休憩している間にも新たな方の到着があり、頂上にいる人数は6人にまで増えていました。

仏果山の頂上は、高取山からも比較的近くに見えていて、実際にも距離はあまり離れていません。大きなアップダウンや難所もなく、20分ほどで仏果山に到着です。
高取山のと全く同じ体裁の展望台が建っていましたが、ここでは登りませんでした。ベンチで休憩していた10分ほどの間、ほかの人は誰も現れず、ここでは静かなひとときを過ごすことができています。

仏果山を後にすると、すぐに岩がちのヤセ尾根地帯に入ります。極端に狭い尾根ではありませんが、足場が不安定な箇所もあって、下りなのでやや緊張させられました。ヤセ尾根は断続的に計3箇所ほどありました。

その後、地形図の640mピークでは、「革籠石山」という標識が立っていました。
帰宅後に調べてみたら、2005年に新しく名前が付けられた山のようです。しかしその割には、この命名の由来や経緯などに関する情報は、ネットでいくら探しても全く見つかりませんでした。
その後は、木段による急降下を続けて、舗装林道の三叉路となっている半原越まで下ります。

半原越から経ヶ岳への道は、急降下した分を一気に取り返すかのような急な木段で始まります。
途中で傾斜は一旦緩みますが、頂上が近づくとロープも下がる岩混じりの急な尾根に変わって、よじ登るようにして行った先が経ヶ岳の頂上でした。
見晴らしの良い南側に向けてテーブルが2つあり、空いていた片方のテーブルのベンチに腰掛けて休んでいきます。

なお頂上には「西山を守る会」のポストが設置されていて、中には会の活動趣旨が書かれたパンフレットが入っていました。
1部もらってきましたが、数年前に本厚木駅前で配布されていたのを受け取った時のものと、内容は同じようです。
ただ、一緒に付いていた黄色い「荻野西山登山マップ」のほうは、このあと下山までの間に何度か参照することになって、もらっておいて正解だったのでした。

経ヶ岳から東側へ歩き始めると、すぐに標識の立つ分岐点に出ます。直進は半僧坊前バス停に至る一般登山道で、ここで右に折れるのが、華厳山・荻野高取山へ向かう道です。
下り始めるとすぐに尾根が左右に分かれる地点に出て、薄い踏み跡が両方の尾根に見られたため、ここではコンパスで方向確認して、右側の南への尾根を選択します。
その後も踏み跡が時々消え入りそうになる中で、立ち木を頼っての急降下が続いていきます。ただし紛らわしい分岐は最初の1回だけでした。

そして鞍部まで下れば、その先を登り返す尾根は明瞭で、薄い踏み跡も見失う心配もなく、しばしの急登で華厳山に到着しました。
華厳山の頂上は小広場になっていて、何本かの倒木がまるでベンチのように横たわっています。展望はあまり良くありませんが、木々が葉を落とした今の時期は明るい頂上でした。

華厳山の先では、東と南に尾根が延びていて、それぞれに踏み跡が付けられています。道標は東への道を示すものだけが立っていて、行き先を「上荻野」と指示していました。
地形図によれば高取山は南の尾根の先にあり、先行していた単独行の男性も南へと下っていたので、その後を追う形で高取山へと向かいます。
すると、ここから先は、急な下りと登りに終始した華厳山までとは一変して、なだらかで気持ちの良い尾根が続いていました。しかも最初に少し下ってしまえば、あとはほとんどアップダウンのない平坦な道で、鼻歌でも歌いたくなる気分でした。

快調に足が進んで、ものの10分で荻野高取山に到着すると、そこは山頂標識が立つだけの狭い山頂です。足元には三角点が、椅子代わりに使えとばかりの程良い高さで埋まっていました。
先行していた男性は、ここまでを往復して経ヶ岳へと引き返すところでしたが、少しお話しさせて頂きました。
それによると、ここまでの道は、以前一旦は通行止めとされていたようなのです。それが解除されていると分かって、今日はその確認に訪れたとのこと。
通行止めの解除に当たっては、地元の人たちによる熱心な活動が行われたという話も伺うことができました。そのおかげで今私もここを歩けているのですね。

荻野高取山からさらに東へと進むと、少しの間は引き続き快適な尾根道が続きます。
でも残念なのは右手側にずっとロープが張られている無粋な景色です。南側の採石場では、すでに稜線ギリギリまで削られていて、尾根筋を外すとスパッと切れ落ちているのでしょう。

そして間もなく分岐点に出ます。ただし分岐点といっても、今や進むことができるのは左への道だけで、実質的には分岐点ではなくなってしまっていました。
というのも、右への道が通行止めとなっているからで、恐らくは採石場の拡張によって、これより先が拡張された採石場内になってしまった様子なのです。
そして通行止めに当たり、入口が何重ものロープで厳重に塞がれた上に、「危険」「私有地につき立入禁止」といった標識がいくつも立ち並んで、物々しい雰囲気を醸し出しています。
反対運動があったり裁判沙汰になったりしたことで、恐らくは企業側の態度も硬化しているであろうことが、この地点に殺伐とした光景をもたらしたのでしょう。

この旧分岐点、道標はまだ左右両方に出ていて、通行止めの右は「発句石・上飯山」、そして左は「松石寺」となっています。
左にしか進めないので選択肢はないのですが、松石寺が果たして自分が向かおうとする先にある地名なのか分からなくて少々不安です。
そこで経ヶ岳頂上でゲットした「荻野西山登山マップ」を確認したところ、松石寺と東谷戸入口バス停は途中まで同じ道のりと分かって、自信を持って左の道に入ることができました。

ところが、その左の道に進んだ途端に、道形が怪しくなってしまいます。通行止めになった右側の道のほうが、以前には良く歩かれていたということなのでしょう。
道はすっかり踏み跡レベルに衰退して、その踏み跡すら不明瞭な箇所も出てきます。道標もテープ類も時折しか見かけません。
途中では、一切の目印を見失いかけて、もはや踏み跡とも言えないような痕跡を頼りに切り抜けるような局面も出てきました。

最後のほうで、かなり長い間クネクネと大曲りする道をたどった後で、前方にゴルフ場が見えてきた時はホッとしました。
その先は当面ゴルフ場の中を進むものと思っていましたが、カート道に紛れ込まないように比較的広い道を選んで進んでいたところ、いつの間にかゴルフ場の外に出て、道も未舗装に変わってしまいます。
でもGPSを確認したところ、地形図の破線路上をきちんと進めているのが分かったので、そのまま砂利道を歩いていきます。ほどなく道路に舗装が復活して、道の両脇に民家が現れてくると、二車線の広い道路にぶつかりました。

さすがにもう迷う心配もなく、あとは予め決めてきた道順に従って、東谷戸入口バス停を目指しました。

詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2009_04_06/mt2009_04_06.html#20090404

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