焼石連峰大縦走 夏油温泉から東成瀬へ

2017年09月03日(日) 〜 2017年09月04日(月)

• GPS: 30:38
• 距離: 31.1km
• 登り: 1,756m
• 下り: 2,095m

コースタイム

1日目

• 山行: 6:56
• 休憩: 0:17
• 合計: 7:13

7:57 夏油温泉
8:19 8:19 経塚山分岐
9:06 9:08 経塚山歩道橋分岐
9:13 9:27 経塚山歩道橋
11:40 11:40 お坪の松
13:18 13:19 経塚山
15:10 金明水避難小屋

2日目

• 山行: 9:27
• 休憩: 0:01
• 合計: 9:28

5:07 金明水避難小屋
7:23 7:23 東焼石岳
7:35 7:35 東焼石岳西分岐
8:04 8:05 焼石神社
9:01 9:01 長命水
10:54 10:54 黒カッチ展望台
11:02 11:02 釈迦懺悔
11:54 11:54 ３合目登山口
14:35 成瀬温泉

昭文社の「山と高原地図」のコースタイムには要注意。
この焼石連峰に限定すれば、かなりいい加減です。

今回歩いたルートで最も相違が大きかったのは、焼石岳西方の8合目と5合目の間。
地図記載の標準コースタイムは下り1時間丁度であるが、その区間は川沿いのアップダウンのあるぬかるみや3回の渡渉、沢筋からの登り返しなどもあり、オイラの場合で2時間10分の時間を要しています。倍以上です。
地図をよく見ていただくとわかりますが、歩きやすい林道よりも明らかに速い速度で
歩かないとコースタイム通りとはなりません。
今回は歩いていない他の区間においても、この時間で歩けるの？っと思える区間が複数ありますので、焼石連峰入山の方は十分に注意してください。
オイラは標準から少し遅めですので、参考にしてくださいね。

下山が遅れたときにタクシーを使うことも検討していましたので、事前に地元の
タクシーに迎車が可能かどうかを確認した際に、次のことを言われました。
「遅れてくる人が多いので連絡先を教えてください」
納得です。すずこやコースを下山するのであれば、平均的な人で2時間以上遅れると思います。

天候

天気予報では1日目は晴れ、2日目も晴れで岩手県全域で降水確率は終日0%。
実際は⇒
1日目は晴れ時々曇りで夕方一時雨。稜線は爆風。
2日目は早朝雨、以降はガスで展望なし。

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

東北新幹線の北上駅から宿（元湯夏油）の送迎バス（13:45発）にて夏油温泉に入る。（タクシーだと9000円程度なので、宿泊代とかわらない）
帰りは成瀬温泉近くのバス停からJR奥羽本線の十文字駅まで路線バスを使う。840円。

コース状況／危険箇所等

全体的に入山者が少ないコースです。出会った人は2パーティの3名だけ。2日間32キロの行程です。
ほぼ、刈り払いはされているものの、人が少ないためか踏み跡が薄いのです。
特に、沢にコースがつけられている場所などは、歩いた形跡を見つけるのは困難。
標識も乏しいので、怪しいと思ったら、きちんと確認が必要です。

宿の人の情報では数日前に経塚山と金名水避難小屋の間で道迷い遭難があったそうです。
実際にルートを探すのに手間取ったのは、経塚山山頂直下のガレを下った場所。
ガレそのものに踏み跡がなく、その後のハイマツ帯に伸びるルートも見つけにくかったです。

渡渉個所は夏油温泉側に1カ所、東成瀬川に3カ所です。
水量が少なければ問題はありません。

その他周辺情報

入山前の前泊に夏油温泉。
下山後は成瀬温泉（400円）にて入浴。
帰りの食事は横手にて横手焼きそば。

写真

9/2 10:57

今回の旅は新幹線で始まりました

9/2 11:07

秋田名物セット

9/2 11:08

冷たくてもおいしいお弁当ってすごいよね

9/2 13:35

北上駅からは宿の送迎バスで夏油温泉に向かいます

9/2 15:08

宿に着いたらまずはお散歩

9/2 15:13

展示館

9/2 15:13

お風呂が展示スペースになっています。見る価値はありませんでした

9/2 15:20

夏油三山の一角である駒ケ岳への登山口

9/2 15:25

洞窟の方に足を延ばします。紅葉がきれいでしょうね

9/2 15:27

洞窟の中。椅子が置いてあり、天然の蒸し風呂となっています

9/2 15:32

夏油温泉観光ホテル。1度つぶれていますが今は復活

9/2 15:43

夏油温泉観光ホテルの露天風呂。男女別です

9/2 15:52

なんとも風情溢れる湯治場。たくさんの自炊棟が並んでいます

9/2 15:58

いつ、立てられた建物でしょうね？

9/2 16:22

室内のお風呂。男女別です

9/2 16:56

大湯。無茶苦茶湯温が高いです

9/2 16:58

こちらはぬるめ。

9/2 17:27

真湯。ここが一番適温だったかな？

9/2 17:47

目湯。ぬるめで湯船から気泡がたくさん沸いています。ここまでの4つの露天風呂はすべて混浴

9/2 17:54

宿の紹介などで使われるアングル

9/2 18:14

食べかけの写真で申し訳ない。冷めていてイマイチでした

9/2 18:38

室内風呂その2．これで、6つのお風呂をすべて制覇です。

9/3 7:28

なんもない6畳間。隣の音が筒抜け。テント場みたい

9/3 7:34

お風呂の注意書き。現行法では混浴風呂は作れません

9/3 7:58

一晩お世話になりました。出発です

9/3 8:00

ミヤマカタバミ？トカチフウロにも似ているが？？？

9/3 8:01

夏油三山案内図。焼石岳についてはあまり記載がありません。だって、隣の自治体（奥州市）ですから

9/3 8:05

不思議な花を発見

9/3 8:06

咲き終わった後の形が面白い

9/3 8:10

9/3 8:10

9/3 8:11

9/3 8:24

牛形山山との分岐点。夏油温泉からの登山は牛形山が多いようです

9/3 8:26

しばらく林道歩き

9/3 8:27

9/3 8:30

9/3 8:30

名も知らない花も多く飽きません

9/3 8:31

9/3 8:39

林道最高地点から

9/3 8:42

9/3 8:42

9/3 8:43

9/3 9:06

渡渉点手前の看板。経塚山方向がそれぞれ逆の方向を指しています。正解は右側の看板ですよ

9/3 9:09

足元に川が。ここは落ちたらやばいです

9/3 9:12

旧トラス橋跡。橋脚は撤去済み

9/3 9:18

クロックスに履き替え水の冷たさを味わっています

9/3 9:18

実際はこの付近を渡るのでしょう。意外と深いので、登山靴をぬらさずに通過は無理と思われます

9/3 9:25

反対側で見つけた便利グッズ？これを履いて渡れば濡れないかも？

9/3 9:27

ロープ無しでは登れない岩場

9/3 9:43

ミヤマクワガタのメス

9/3 10:11

樹間から展望

9/3 10:35

ナナカマドの実は熟していました

9/3 11:04

食べれるかな

9/3 11:29

9/3 11:29

ゴゼンタチバナ。まだまだ新鮮です

9/3 11:34

日本庭園の様な場所です

9/3 11:49

アザミ

9/3 11:54

ユキバトウヒレン？？まったく自信ありません

9/3 12:02

9/3 12:03

9/3 12:18

視界が開けてきました。奥州市でしょうか？

9/3 12:20

経塚山山頂方面です。僅か1200m弱で森林限界を超えてしまいます

9/3 12:20

9/3 12:20

ハクサンシャジン

9/3 12:32

9/3 12:37

9/3 12:42

ウメバチソウ

9/3 12:43

9/3 12:44

まだまだ新鮮なハクサンフウロ

9/3 12:46

9/3 12:49

シオガマ

9/3 12:50

9/3 12:52

フジアザミ

9/3 12:58

ウスユキソウ

9/3 12:59

拡大

9/3 13:07

経塚山山頂。今までと違って爆風吹き荒れる厳しい場所

9/3 13:07

9/3 13:17

9/3 13:17

9/3 13:17

9/3 13:25

9/3 13:27

ハクサンイチゲ

9/3 13:37

ウスユキソウ

9/3 13:42

ここまで降りてくる風も少し弱くなってホッとできる場所でした

9/3 13:48

経塚山を振り返ります

9/3 13:49

ミヤマトリカブト

9/3 14:34

9/3 14:54

サンカヨウの実

9/3 14:57

カラマツソウ

9/3 14:57

9/3 15:00

雨でえぐれた登山道

9/3 15:06

こちらも登山道

9/3 15:06

避難小屋が見えてきました

9/3 15:08

金名水避難小屋です

9/3 15:27

小屋前の標識

9/3 15:27

金名水。冷たくて旨い。生でガンガン飲めます

9/3 15:31

小屋内部

9/3 15:31

小屋内部その2

9/3 15:54

山では旨いビールと旨いつまみを

9/3 17:06

相変わらずの散らかし放題。貸し切りでしたから

9/4 5:01

出発です。なんとか雨はやみましたが…

9/4 5:11

ガスの切れ間に避難小屋を振り返ります

9/4 5:16

陽があたっているところもあるんだけどなぁ

9/4 5:26

イワイチョウ

9/4 5:33

ミヤマホツツジ

9/4 5:36

牛形分岐。昔はここから牛形山に通じる道があったようです

9/4 5:58

オニシオガマの群落

9/4 5:59

拡大

9/4 6:30

チョウジギク。久々に見た

9/4 6:40

9/4 6:42

9/4 6:52

特徴のない山頂

9/4 7:01

なかなか晴れない稜線

9/4 7:05

9/4 7:13

ワレモコウ

9/4 7:18

ハクサンイチゲ

9/4 7:21

東焼石岳。緩やかな山頂です。なにも見えないけど

9/4 8:01

9/4 8:02

9/4 8:02

9/4 8:04

焼石神社？

9/4 8:09

ウメバチソウの群落もあちこちに

9/4 8:09

ハクサンフウロ

9/4 8:12

ハクサンシャジン

9/4 8:12

9/4 8:13

9/4 8:13

ミヤマトリカブト

9/4 8:19

9/4 8:20

マメ科の？？？

9/4 8:32

9/4 8:33

9/4 8:33

ミヤマキンポウゲ

9/4 8:33

ミヤマダイモンジソウ

9/4 8:34

拡大

9/4 8:35

9/4 8:35

草紅葉がはじまりつつある圧巻のお花畑

9/4 8:46

9/4 8:48

焼石沼分岐

9/4 8:50

焼石沼

9/4 8:59

この付近は昔、牧草地だったそうです

9/4 9:00

少し下った場所にあった水場

9/4 9:00

タテヤマウツボグサ

9/4 9:01

オニシオガマ

9/4 9:05

ミヤマダイモンジソウ

9/4 9:05

9/4 9:32

7合目の標識。ここからが歩きにくくなる

9/4 9:33

9/4 9:59

1つ目の渡渉点

9/4 10:06

2つ目の渡渉点

9/4 10:09

3つ目（最後）の渡渉点。増水時は通れなくなることもあるらしい

9/4 11:00

5合目到着。焼石沼から2時間10分。（コースタイムは60分）

9/4 11:02

晴れて来ていますが、焼石岳は見えません

9/4 11:02

奥深さを感じます

9/4 11:28

9/4 11:38

4合目。すずこや尾根コースと3合目駐車場コースの分岐点

9/4 11:42

9/4 11:51

マイヅルソウの実

9/4 11:52

駐車場到着

9/4 12:48

林道を50分、舗装路を1時間40分歩きます

9/4 14:32

東成瀬村の城下バス停到着

9/4 14:33

時刻表

9/4 14:34

橋の上からジュネス栗駒スキー場。コンパクトながら中斜面中心のレベルの高そうなゲレンデの気がする

9/4 14:35

成瀬温泉到着。入浴料金は400円なり。こぎれいなお風呂でしたよ

9/4 16:01

バスは最初から最後まで貸し切り。荒い運転でした

9/4 17:16

横手駅にて途中下車。もちろん、横手焼きそばです

撮影機器：

OLYMPUS STYLUS TG-4 Tough オリンパス

感想

takerin0708

仕事の都合で休日出勤が続いていたオイラ。
月曜に代休が取れそう。
台風の進路を気にしながら、もっとも天気が良さそうな北東北に狙いを絞る。
どうせなら未踏の地。焼石連峰。
それも、公共交通機関のみで、最も長いコースを歩こうじゃないか。
ということで、岩手県の夏油温泉から秋田県の東成瀬村にある成瀬温泉までの
30キロを超えるロングルートを設定しました。

夏油温泉までの路線バスは数年前に廃止。
なので、このコースを歩くためには入山前の前泊、下山後の後泊を行い、
宿の送迎バスを使う必要があります。
東北新幹線の北上駅13時45分に出発する大型バスは、助手席も含めてほぼ満席。
JR東日本の企画切符の「大人の休日クラブパス」期間中なのでこんなものでしょう。

その夏油温泉。
5つの露天風呂（そのうち1つは女性専用・残りは混浴）、2つの内風呂は
全て異なる源泉。っていうか、湯舟が温泉の湧出口だったりします。
加温・加水も一切なしなので、熱かったりぬるかったり。
東北の山奥の湯治場気分を存分に味わえますよ。
ただし、1泊2食で11500円の料金には？？？
自炊部に4000円で素泊まりをお勧めします。
食事は期待外れでした。

さて、登山1日目。
避難小屋に平日宿泊なので、急いで出発の必要もありません。
標準コースタイムは6時間なので、2時間ほどの余裕をみても8時間。
8時出発でも日没の2時間前には到着できます。

林道歩きを1時間強。
最初の難関？です。
2年ほど前に崩壊したトラス橋。現在は残骸は撤去済み。
水量は決して多くはないのですが、登山靴での強行突破は無理。
オイラはクロックスに履き替えました。
水が冷たくて気持ち良かったです。

それから稜線までは、ジグザグの急登が続きます。
経塚山を東側より巻くと、森林限界を超えて急に視界が開けます。
ここからが見事なお花畑。北上盆地を遠望し、中沼を俯瞰しながらの楽しい区間です。

経塚山は爆風の中でした。
風速30m以上の風が休むことなく吹き荒れています。
立っていることが困難。ストックを使って耐風姿勢をとりながら、
お花畑の急斜面を下ります。正直、怖かったですね。

意外と多くのアップダウンが続きます。また、ここが登山コース？って思えるような沢の中、崩壊地。歩く人が少ないのでしょう。
数日前に遭難騒ぎが起きたのもこの区間のようです。

宿泊場所は金名水避難小屋。
予想通りの貸し切りです。
広くてきれい。これだけ素晴らしいのは、裏岩手縦走路の大深山荘（避難小屋）、
朝日連峰の狐穴避難小屋や竜門避難小屋ぐらいしか思い当たりません。
無料で使えるなんで、大感謝です。
散らかしたけど、きちんと片づけましたからね。

2日目。
前夜の天気予報では岩手県全県で晴れ。全県で終日降水確率0％でしたが、雨の音で目を覚まします。
風も相変わらず吹いていますし、濃霧に包まれています。
本日の行程も長いので、天候回復を待つこともせず、ザック内の防水もしっかりとしたうえで出発とします。

東焼石岳までは、ゆるやかな登り（下りもある）が続きます。
雨はやみましたが、濃霧のまま。普通の強風です。
ここから焼石沼までの高山植物もすごかったですね。

当初の予定では、焼石岳に登頂！も目的の1つでしたが、濃霧と強風。
今回は見送ることとしました。
結果として、この事が良かったのですが…。

昔は牧草地だった焼石沼付近。ここからが標準コースタイムと大きく外れる。
標準コースタイムの2倍以上。
下山が遅くなると入浴はおろか、本日中の帰宅も困難になるので、
当初予定していたすずこや尾根コースを諦めて、最短の3合目コースへと変更をする。

林道＋舗装された国道歩きを2時間半で、最終目的地の成瀬温泉に到着しました。