12年ぶりの北アルプス(常念岳ー蝶ヶ岳)テン泊
- GPS
- 27:40
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,940m
- 下り
- 1,929m
コースタイム
三股登山口駐車場6:10ー6:20三股登山口(登山届提出)6:25ー9:20前常念岳9:30ー10:10常念岳(大休止)11:05ー13:15蝶槍13:30ー14:10蝶ヶ岳ヒュッテ(テント泊)
8/9
蝶ヶ岳ヒュッテ7:10ー8:30まめうち平8:40-9:15力水9:30ー9:40三股登山口ー9:50三股登山口駐車場
天候 | 8/8 晴れのちガス、夕立のち晴れ 8/9 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
下山した火曜午前10時だと7〜8割くらい。 登山口駐車場への道路は最後の方はけっこう細道なのですれ違い困難な部分もあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
駐車場から林道を10分ほど歩いた三股登山口で登山届の記入を求められます。 コースにはハシゴや鎖はなく、岩稜の前常念〜常念岳付近で浮き石に注意するくらいで、特に危険な箇所はありません。 また樹林帯の道は前日に夕立があるとたいへんぬかるんでいます。木の根も滑ります。 蝶ヶ岳ヒュッテの幕営料は1張500円。ビールは350缶が500円、500缶が700円。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
(8/8)
休暇を使って、テント1泊で北アルプス常念岳・蝶ヶ岳へ。
北アは高校2年の夏以来だから、じつに12年ぶり。常念と蝶に登るのは初めて。
常念岳は名がかっこいい、蝶ヶ岳は名が美しい。そしてどちらも槍ヶ岳の展望に秀でている。
槍ヶ岳はいままでの人生で登ったもっとも標高の高い山というだけでなく、なんだか特別な思い入れのある山だ。まずは、その姿を間近で見つめたいと思った。
天気は、夕立は仕方ないとして、日中から雨が続くことはなさそう。
駐車場がかなり混むようなので心配したけど、平日の朝5時半なら大丈夫だった。林道を少し歩くと常念コースと蝶コースに分岐するけど、自分の直感的な印象では蝶へ向かう人が多いように思った。駐車場ではそれなりに人がいたけど、常念コースに入ってからは後にも先にもぜんぜん人がいない。前常念までに先行者を2組抜いただけの静かな登りはじめ。でもひたすら樹林帯をジグザグに登ってくのはなかなかきつかった。距離があるので、谷川の西黒尾根よりきつい登りだった。前夜の夕立はけっこうひどかったみたいで、樹林帯を抜けるまでは道もどろどろの箇所が多く、見る間に山靴はどろだらけに。
ようやく岩稜帯に出るが前常念岳は意外に遠く、あえいだ。とにかく常念岳まで登ってしまえばあとは大丈夫、と思ってぐんぐん登ったけど、これが間違った認識だったことはもう少しあとでわかること。
展望もなく、ひたすら登ること3時間45分で、常念岳山頂。そこに期待した槍の姿はなく、もちろん穂高もなく、過ぎた前常念岳すらない、ガスの中だった。でも槍穂高の胴体部分は見えたり隠れたりといった感じで、気まぐれに上まで晴れてくれないかなあと思いながら昼食。楽しみにした稜線からの展望は難しそうだし、ここで今日は常念小屋に下ってしまい、蝶までいくのは明日という計画変更もありだなあと真剣に迷ったけど、「できるだけ初日をきつく、2日目を楽に」という自分の基本的な登山の方針に逆らえず、1時間迷いながら休憩して結局一気に蝶まで行くことにした。標高差1500mも登ったんだからあとはここまでに比べれば大したことない、というのが誤りだったのはこのあとわかった。目標は14時に蝶ヶ岳ヒュッテ。
しかし常念岳への登りを若干はハイペースでがんばってしまったので、蝶までのアップダウンが思ったよりもきつく、バテる。そしてはじめての感覚だったのが「方向感覚の狂い」だった。途中でいったん樹林帯に入り、2592のピークを目指して登るあたりでカーブしたコースの方向と自分の中でのあるべき進行方向が完全に真逆になったように感じて戸惑う。Uターンする感覚だった。ガスで視認できる目標物はないし、あとにもさきにも登山者がいなそうだから聞けないし。まずはコースを少しもどってみたけど分岐はまったくなし。一応携行していたSONYのGPSで確認するとコースは間違ってないようだったこと、分岐と思われる箇所もなかったことから、なんだかきもちわるい感覚のまま進んでいたらしばらくいって「蝶ヶ岳→」の看板があったので、安心した。でもあの感じはなんだったんだろうか。
ようやく樹林帯を抜けて蝶槍に到達。バテていたけどペースはそれほど落とさずにこれたので14時に蝶ヶ岳に着けそうだとここで安心の一服をした。
「槍穂高の展望が素晴らしい」とあるコースなのに展望をまったく楽しめなかったのは残念だけど、明日は三股へ下るだけだし、朝ならきっとモルゲンロートの槍穂高を堪能できるだろうと期待することにした。それに展望はないけど蝶槍から先は女性的な山容でけっこう歩いていて好きだった。
14時10分テント場に到着。ビールの前にとりあえずテントを出して〜とのんきに設営場所を決め、ザックからテントを出したとたん、一気に夕立。大急ぎで設営するはめになった。しばらくテントの中で待っていたら雨がやんだので、小屋でビールを買って(なんと自販機!)、飲みながら蝶ヶ岳山頂をきわめた(テントから歩いて2分)。
17時過ぎに第2弾の夕立(雷付き)がきて、テントで晩ご飯とビールにしてあとは寝るだけかあ、と思っていたら、隣のテントから「すごいきれい、デジカメデジカメ」と聞こえたので外にでたら、夕焼け。常念岳とオレンジ雲。そして今日はじめて穂高の姿が見られた。5分とかそのくらいの出来事だった。ただ槍だけは今日はついに姿を見ることができなかった。
夜には月と星がでて、明日早朝の好天は期待してよさそうと思いながら、読書したりして就寝。今日はとてもよく歩いた。
(8/9)
3時半起床。テントから出ると満天の星空。
先月八ヶ岳で見た満天の星空以上に満天の星空だった。
すぐに東の空のいちばん下が色づいてくる。
槍は?とテン場からすぐの稜線にでると暗闇の中に槍と穂高が、もう、なにもまとわないで姿をみせている。穂高や槍でご来光を迎えるつもりだと思われる登山者のヘッドランプの灯りもひとつふたつ見えた。
蝶ヶ岳山頂でご来光とモルゲンロートを待つことにした。
西の槍穂高以外にも、東には八ヶ岳や浅間山が雲海の中に浮かんでいた。北には昨日登った常念岳が雄姿をきれいに見せていた。
5時ちょっと前、ご来光。出た、と思うとぐんぐん昇ってくる。そして振り返ると上部がほんのり赤く染まった槍ヶ岳と穂高連峰が。これぞモルゲンロート。太陽に背を向けて、もうひたすら見つめるばかりだった。常念のシルエットだって美しかった。
でもなんといっても槍ヶ岳かな。
のんびり朝ご飯にして、のんびりテントを撤収して、7時過ぎに振り返り振り返り下り始めた。
帰りに登山センターの人とちょっと立ち話したら、「三股からは蝶への登りを行く人が多い」とのこと。
コースタイムでも常念コースより蝶コースのほうが短いし、どちらかというか蝶に向かう方が合理的な気はする。でも縦走だと常念岳への最後の登りはきつそうに思うけど、登山センターの人はそうでもない、と言ってた。確かにまあ、そもそも三股から常念岳への登りがきついんだもんな、と思った。
「また来ます」といって帰路についた。
やっぱり北アルプスは素晴らしいなあ。
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