岡山県高梁市 うかん常山公園〜大平山 雨天の花&石造文化財



- GPS
- 03:42
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 537m
- 下り
- 539m
コースタイム
- 山行
- 3:07
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 3:41
歩行距離13km、歩行時間3時間10分、歩行数19,100歩
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
有漢常山城跡<写真26>周辺以外はアスファルト道で、傘をさして運動靴で歩けます。 うかん常山公園北東の遊歩道入口には道標がありません。丸太と砂利の遊歩道に生えた高さ40〜100cmのササの間をぬうように進むと、有漢常山城跡<写真26>から急に道がなくなりました。下に東屋が見えるものの、下りる道がわからず、しばらくうろうろして林に突っ込むと幅30cm程の踏み跡がありました。最後は細枝をかき分けて丸太と砂利の遊歩道に出ると、「風と化石の館」<写真27>がすぐ近くに見えました。ここからはまた歩きやすく、すぐにアスファルト道に出て駐車場<写真01>に戻れました。 なお、大平山からの下りでニホンザルを1匹見かけましたが、こちらに気づくとすぐに逃げました。 |
その他周辺情報 | 地域イベント名:「風ぐるまフェスタ2017 inうかん」 日時:10月29日(日曜日)午前10時〜午後3時30分 場所:有漢総合グランド、有漢中学グランド、有漢地域局 催し:特産品販売のほか、芸能発表や各種ステージショーが行われます。 |
写真
この公園のシンボルにもなっている石の風車です。土台が重さ40t、羽根の大きさは直径242cmで重さ約2tもあります。この石の風車をはじめとする7基の石の風車には、合計18個の石の羽根が取り付けられており、いずれも風で回ります。
6つの石の風車が一列に並んでいます。背景の大平山や権現山の山並みとも調和した壮大な芸術作品で、羽根は風速3m(すすきの穂がゆれる程度)の風で回るそうですが、この時間は無風状態で、その瞬間を見ることができませんでした。
大京池<写真04>を南南東に数分程進んだところに、恐ろしいほど背が高いダンチク(暖竹)が生育していました。放っておくと4mにもなるそうです。地下茎のみで増え、駆除が難しいイネ科の植物です。斑入りの園芸品種もあります。この後、雨が降ってきたので傘をさしました。
花の直径は1.5〜2cm程です。葉はよく見ていなかったので、花の大きさと色で判断しました。王子権現神社<写真10>から大平山頂上展望台<写真15>までの道沿いでたびたび見られました。
花色は淡い青紫色ですが、白っぽく写ってしまいました。花の直径は2.5〜3cmで上の方の葉は細く鋸歯がほとんどありません。大平山頂上展望台<写真15>周辺の道はノコンギクロードでした。
若菜をゆでて水でさらして食べるところから「晒菜(さらしな」、また根の部分は肥大し「升麻(しょうま)」と呼ばれる漢方薬になります。白い花がブラシ状に咲き、とてもきれいでした。この1株だけでした。しばらくはノコンギク<写真09>の群生が断続的に見られましたが、そのうちにアキノキリンソウも増えてきました。
わずかにクリーム色がかった白い花冠を夜明けの空に、暗紫色の細点や、やや緑がかった黄色の点を星々に見立てたと言われています。ここだけでしたが、この日、一番美しいと思った花でした。ここを過ぎると、ノコンギク<写真09>やシロヨメナ<写真06>の群生や、ちらほらシラヤマギクが咲いているのが見られました。
標高697mの大平山頂上展望台の前から振り返ってみました。中国管区警察局岡山県通信部の無線中継所横(入口反対側)に三角点が設置されています。前回7月10日にはフェンスの西側に踏み跡がありましたが、今回はそれすらわからないような状態だったので、三角点はパスしました。
うかん常山公園周辺
高梁市有漢町が一望できます。ちょうど真ん中あたりにかすかにお城のような建物<写真27>が見えている所が、出発&ゴール地点の「うかん常山公園」です。動画も撮りました。
権現山&658m峰
権現山から高梁市有漢町と吉備中央町の境界尾根にかけての幻想的な山容が見られました。そして、手前には色づき始めた木々。今日は悪天候の中、景色を全く期待していなかったので、ラッキーでした。
ヤママユガ科に属するクスサンは、飛ぶのが下手で壁や窓にへばりついていることが多いです。触角が太くブラシ状なのがオスで細いのがメスです。体色には個体差があり、赤茶色、黄土色、こげ茶色などちょっとカラフルです。釣り糸のテグスはクスサンの幼虫の絹糸腺からつくられたものです。
保月(ほづき)六面石幢(どう)は、伊派の名工井野行恒(ゆきつね)の作品で、鎌倉時代後期 嘉元四年(1306年)の銘が刻まれています。年代の判明する石幢の中ではわが国最古のものとされ、現在は国指定重要文化財になっています。右奥に見える宝塔は、同じく井野行恒によるもので、さらに1年古く、嘉元3年(1305)2月27日の作です。
板碑とはもともとは仏の供養のために建てられた石塔婆の一種で、保月の板碑は花崗岩でできています。高さ315cm、幅43cmと、この様式では最大級に属するもので、嘉元3年(1305)に井野行恒により作られました。やはり国指定重要文化財です。
うかん常山公園の北西裏にあります。ここは二の壇と三の壇の境界辺りのようです。築城は13世紀、築城主は備中松山城を築いた秋庭三郎重信、遺構には主郭・二の壇・三の壇・二重堀などがあります。この北北西が少し開けており、小さな祠がありました。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
軍手
雨具
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
高梁(たかはし)市有漢(うかん)町は岡山県のほぼ中央部に位置します。その大半が高原と森林です。数少ない観光資源の一つ、「うかん常山公園」も、この日はあいにくの雨で、閑散としていました。しかし、雨の日は自然や史跡などの観察がゆっくりとできます。今回はまさに雨天によって、人が途絶えた大平山山域の風物詩や地元を象徴する石の文化に関する史跡を十分に堪能することができました。
今回はコースのほとんどがアスファルト道でしたので、普段の運動靴で、かつ傘をさして歩きました。幸い大平山の山道は自動車に1台もあうことなく、道の真中を歩いても大丈夫でした。猿が不意に出てくることはありましたが…
“石の風車!?”、最初に目に入ったのが、うかん常山公園に配置されたモニュメントでした。ただの石のモニュメントかと思いきや、実際にススキが揺れる程度の風(風速2〜3m)で回るようです。残念ながらこの日は大平山頂上付近では風が吹いていたものの、公園内は午前中はずっと無風に近かったようで、出発時もゴール時も、石の風車が回る様子を見ることはできませんでした。次に訪問する際には、ぜひ回る瞬間を見たいものです。
この他にも有漢町には国指定重要文化財の「保月六面石幢(せきどう)」<写真22>や「保月の板碑」<写真24>など、石の文化を象徴する石造物がたくさんあります。遠目には地味な存在ですが、その希少価値を知るにつれ、古き時代より石の文化を築いてきた有漢町の魅力を感じるようになりました。
ぎりぎりまで雨の日の山行をすべきかどうか迷いましたが、結果オーライでした。
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