みちのく潮風トレイル（摂待〜田老） 復興工事にて迂回路ばかりなり

2017年11月04日(土) [日帰り]

• GPS: 05:47
• 距離: 19.9km
• 登り: 627m
• 下り: 628m

コースタイム

日帰り

• 山行: 5:48
• 休憩: 0:00
• 合計: 5:48

6:43 摂待駅
12:31 田老駅

天候

晴れ時々曇り

アクセス

利用交通機関：

電車 自家用車

田老駅前に車を停め、三陸鉄道で摂待駅へ。摂待駅から田老駅まで歩き車を回収しました。摂待駅にも駐車場はありますが狭いので田老駅に停めた方が無難かもしれません。
三陸鉄道の時刻・運賃はこちらから↓
http://www.sanrikutetsudou.com/

コース状況／危険箇所等

2017年11月現在、グリーンピア宮古以南のほとんどの区間が復興工事などにより通行止めとなっています。そのためかなり長い区間、国道45号を歩かなければならないのですが、付近で三陸道路の工事を行っているため大型車両がひっきりなしに通り、歩道も無い個所も多いため非常に危険です。

その他周辺情報

トレイル中に飲食物が購入可能なのはグリーンピア宮古のみ。あとは田老の町にコンビニや商店、道の駅があります。なるべく地元商店にお金を落としましょう！
グリーンピア宮古で日帰り入浴が可能です。15時までに受け付けを済ますと100円引きになり400円。
道の駅たろう敷地内の善助屋食堂のどんこのから揚げ丼が美味しいです。

写真

今日は摂待駅からスタート。

最初は45号を歩きます。
朝から交通量が多く、しかも大型ダンプが多いので歩くにも気を使います。

途中から雑木林の中に誘われます。

踏み跡の薄い道ですが、トレイルの指導標はしっかり設置されているので迷うことは無い…はず。

しばらく行くと国道45号に出ます。

45号を横断し向かい側の道路へ進みます。ちょっと戻る感じになるので戸惑いますが構わず進みましょう。

水沢集落手前で執拗に海に誘われます（笑
が、ここはぐっとこらえて直進します。
ちなみに、最終的には同じ場所に出ます。

消防団の屯所を右へ。
ここで地元の人から「熊が出るどー」と声を掛けられたのでクマ鈴を装備しました。

集落の道はやがて未舗装になり、その未舗装路からさらに細い山道へと続きます。入口のトレイルの杭を見逃さないように注意。

海へ向かって急降下。道路わきの擁壁上を歩きますが、いたるところで崩れていて少々危険。

こんなところから出てきました。トレイルの杭が無ければ入って行こうとは思えない場所ですな。

さらに海に向かって下って行くとガードレールにこんな印が…。
オドロオドロシイなぁ…。

津波はこの入り江を埋め尽くしたんでしょうか…。

トレイルは海には向かわず、再び山の中へ。

山林を抜けると唐傘松展望台へ通じる道にでます。
写真奥が展望台になりますが、トレイルルートからは外れます。
今回は迂回路が多く、海を見れる機会が少ないので立ち寄ってみることにしました。

唐傘松展望台です。特異な形の松の老木が我々を出迎えてくれました。しかし、この唐傘松、横に張り出した枝の重みのせいか幹が真っ二つに裂けてしまっていて半分枯死しています。それをつっかえ棒などで無理やり生かしていますが…なんか見ていて痛々しい…。

唐傘松展望台から引き換えしトレイルに復帰します。まもなくグリーンピア宮古の敷地に入って行きます。トイレや飲食物の購入はこちらでどうぞ。

ものすごく広大な敷地を持つレジャー施設なのですが、全体的にうらぶれた空気が漂っています。
グリーンピアってアレですよね、年金の財源をジャブジャブ突っ込んで最終的に破たんさせたヤツですよね。なんか、あーなるほどなって感じです。

敷地の一角に仮設住宅が立ち並んでいました。
…が、すでに大半の住民は仮設住宅を出ているようで人気がありません。トレイルマップには仮設商店街があることになっているのですが、住民の退去と共に商店街も退去したようです。

道なりに歩いていくとT字路にぶつかります。
本来、トレイルコースは左折なのですが…

通行止めのお知らせが。
迂回路が表示されていますが、2017年11月現在、通行止め区間はさらに拡大していますので迂回路については最新の情報を入手してから歩いてください。
http://tohoku.env.go.jp/mct/news/view/88.html

そんなわけでグリーンピアの敷地を出てR45号へ向かいます。

三陸道路の工事が盛んにおこなわれています。

まっすぐ進むと45号に出ますが、ここは消防団の屯所を目印に左折します。

そうすると集落道の中を歩く事ができ、しばらくは45号に出ないで済みます。

途中からはさらに集落道からも外れ…

山林の中へ踏み込んでいきます。
これは電線・電柱の巡視路かなんかですかね。

渡渉点があったりなんかして、次第に本格的な山道になっていきます。

踏み跡すらあやしくなってきました…

しかし、ついに裏道区間も終わり45号へ出てしまいます。

歩道が無いので路肩を歩きます。ひっきりなしにダンプトラックが通過し風圧で煽られます。若干命の危険を感じます…。

おちおち写真を撮っている暇もないので、長い区間歩いたわりには写真はほとんど残っていません。
橋の上から撮影を試みましたが、そんなことをしている間にもトラックからの暴風をバンバン浴びます。

ツートンも私も次第に口数が減って行きます。車が居ない時を見計らって写真撮ってますが、実際にはすごい数の大型車が行き交っているんですよ。

道路わきに甘味処発見！

ツートンまっしぐら（笑
思わぬところでおやつをゲットしました。

再び45号を南下していきます。
新しく整備された部分には歩道があります。ありがたい。

工事中の三陸道路。
共用開始前のトンネルなどそうそう見る機会がないので物珍しいです。

ようやく「真崎海岸」の文字が！
これで45号とおさらばできる！

…と思ったらまさかの工事中！
さらなる迂回をしなければならないのか!?と一瞬あせりましたが、よくみると「車両通行止め」でした。徒歩通行可能。ふぅぅぅ…たすかったぁ。

あとはアスファルトを敷くだけといった感じの市道。ここまで作ったら一気に完成させてしまえばいいのに…。予算の都合かな？

古くからの集落道を突っ切って、新しい道が続いていきます。

快適、快適♪
…とさくさく歩いていきましたが、コレが罠だったのです…。

高台の新興住宅地を抜けると田老湾が広がっていました。…我々は真崎海岸に向かっていたはずだったのですが…。
どうやら新しい道は真崎海岸ではなく、高台移転した住宅地へ通じる道路だった模様。まだ工事中だったので青看も無く気が付きませんでした。途中の交差点で曲がればよかったのか〜。

気が付いたものの真崎海岸に行くためには数キロ戻らなければならないことが判明。さすがにそれはキツイ…。あきらめて先へ進むことにしました。せめて、ということで田老のシンボル山王岩へ。

これが山王岩です。なんか衝撃を与えたら根元からぽっきりいきそうですが、あの津波をも耐えました。
ツートンはいたく気に入ったようす。

展望台でさきほど買ったおやつをいただきました。
ひゅうずというこのあたりの郷土料理らしいです。小麦粉で作った皮の中にクルミと黒蜜が入っています。まめぶに通じるものがありますね。

田老の町に入っていきます。
高台から見下ろすと更地が広がっているだけですが、震災以前は家々が立ち並んでいたそうです。

全国的にも有名になった震災遺構の田老観光ホテル。4階まで浸水し、二階までは完全に壁をぶち抜かれています。4階って…。これを見ると津波っていうのはまさに水の壁として襲いかかってくるものなのだな…と。

外部からは自由に見学できますが、内部への立ち入りと震災当日に5階の窓から撮影された映像を見学するには予約が必要です。
http://www.kankou385.jp/files/gaiyou.pdf

ホテル跡の駐車場には、震災で地面が動いたようすがモニュメントとして設置されています。地面に書かれた矢印がそれを示しています。

ホテル跡から防潮堤を抜けると道の駅たろうがあります。ここはまだ建設中の仮営業。コンビニ、食堂、産直などがあります。

再び国道45号に出ます。
道の駅の隣には野球場ができました。ネスレの支援でできたってことでしょうか。

街の中、いたるところに津波の高さを示すプレートが設置されています。

街の南端、かつて万里の長城と呼ばれた防潮堤と国道がクロスする場所です。結局、ハードの整備だけでは街を守ることはできませんでした。

防潮堤を越えると田老駅は間近。本日はここまで。お疲れ様でした。

ゴールしたあと、さっき道を間違えて通ることができなかった展望台などを車で回りました。

三陸名物、海に落ちる階段。

違う角度から見た山王岩。

海沿いの遊歩道は今も通行不可。
こういう場所が整備されるのは住宅地などの整備が終わってからでしょうね。

感想

ちゃってぃ

みちのく潮風トレイル「岩泉南部〜宮古市北部ルート」を歩きました。
とはいえ、大部分が復興関連工事の影響で通行止めになっており本来のルートとはかけ離れた場所を通っています。
摂待駅からグリーンピア宮古までの区間は、本来のトレイルルートなので可能な限り大きな車道を通るのを避けています。ですので車の危険はあまりありません。クマの痕跡もあまり見られないので安心して歩く事ができます。（居ないわけではありませんので用心は必要）
グリーンピア宮古以南は、ほとんどの区間を国道45号線で進まねばならず、歩道の無い区間も多いので非常に歩きづらかったです。八戸からずっと歩いてきましたが、今までの全区間を通じて一番危険を感じた場所だったかも（笑
早く全線再開通してほしいですが、工事の規模から考えてもしばらくかかりそうな予感。
田老の町周辺には山王岩や震災遺構など見どころが多いので時間に余裕があればそれらを見て歩くのをプランに加えてみるのも良いかと思います。