岡山市北区 龍泉寺〜龍王山〜八畳岩〜龍王池 ガン岩ツアー



- GPS
- 02:38
- 距離
- 5.8km
- 登り
- 245m
- 下り
- 243m
コースタイム
- 山行
- 2:15
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 2:37
歩行距離5.5km、歩行時間2時間15分、歩行数9,700歩、消費カロリー1070kcal
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
地形図に載っている道はすべてとても歩きやすく、下が濡れている時の下りも、気を抜かなければ運動靴でも大丈夫でしょう。トレランコースになっているようです。(周辺情報参照) 古墳探しのときだけ道から少しだけ外れてヤブに入りました。古代祭祀跡<写真09、10>の復路(東側)は、龍王池<写真11>まで近道しようとピンク色の地籍調査テープに従い、幅30cm程の細道を歩きました。 龍泉寺境内<写真01〜12、32〜34>は、大半が土道で、一部砂利や石段になっています。龍王池北の古墳<写真12>から境内の外に出て最上稲荷奥之院一乗寺<写真13〜15>までアスファルト道を歩きました。 古代祭祀跡<写真09、10>へは、地形図に載っている少しザラついた土道を歩きました。北西端の岩群に下りるところは道がなく、湿って少し崩れやすい斜面を1m程下って引き返しました。 復路は、ピンク色の地籍調査テープを追いながら幅30cm程の細道を龍王池<写真11>まで下りました。ヤブコギはなくサルトリイバラにもギリギリ引っかかりませんでしたが、足元には生えかけの木があっちこっちにあり、龍王池のほとりの道に合流する手前は、切られた木の枝や幹が転がっているので、あまり速くは歩けませんでした。傾斜は緩やかなので、雨天の下りはこちらのほうが安全かもしれません。 龍王山三角点<写真15>から八畳岩<写真22、23>を経て龍泉寺駐車場<写真01>までは土道で、一部、きれいな石段や、石が階段状に埋まった道です。巌開明王<写真20>の周辺のみ、少し湿っていました。雨が降ると多少ぬかるんだり水たまりができたりするのかもしれません。 |
その他周辺情報 | 今回のコースの南側に日本三大稲荷のひとつとも言われている「最上稲荷(さいじょういなり)」があります。明治の神仏分離令の際に神仏習合の祭祀形態が許された仏教の流れを汲む貴重な稲荷です。そのため、お寺でありながら鳥居(高さ27mの巨大な鳥居など)をそなえ、神宮形式の本殿(霊光殿)があるなど神仏習合時代の形態を数多く残しています。駐車場はおよそ5,000台収容できますが、正月などは非常に混雑します。 来年2018年3月11日(日)に最上稲荷トレイルランレース2018が開催されます。今回のルートの一部もコースに入っているようです。詳細は以下参照。 http://saijoinari-trailrun.com/ |
写真
太閤腰掛岩
「太閤腰掛岩」は備中高松城攻めで本陣が龍王山にあった時、秀吉が腰掛けたと言われています。この場所を駐車場&出発点としました。周辺の樹木はすっかり落葉して見晴らしがよくなっており、今回、初めてこれが岩の連なりであることを知りました。岩の上から駐車場を見下ろしてみましたが、写真はいまいちだったのでボツにしました。
&御滝本殿
龍泉寺中興の祖である承進院日護聖人の時に、滝修行の霊場として、"龍王の滝(最上の滝)″が整備されました。体験を促す掲示が貼られていました。特に寒中は強いパワーが得られるようです。修行が終わるのを待って(修行の撮影は要許可)動画も撮りました。
「龍泉寺の俯瞰図」に龍王の滝の近くに千畳岩があるように描かれていたので、その場所と思わしき所に行きました。一面モミジの落ち葉で千畳あるか否かはわかりませんが、川底も含め、この辺り一帯が岩盤でした。ここから見える範囲は12畳くらいでした。
&戌歳守護の石像
まるで招き犬のような戌歳守護の石像の手に触れると、やすらぎを得られるようです。2018年は“やすらぎの歳”にしたいものです。ちなみに、他の干支の石像も設置されていました。
拝殿(中央)の釉薬瓦の鬼瓦と棟飾瓦は珍しく、明石の瓦職人の西山上七と重蔵の作です。本殿(左奥)は最上経王大菩薩、鬼子母神、三面大黒をお祀りしています。お寺なのに拝殿と本殿があるのは、明治以降も神仏習合の形態を許されたからです。元々、雨乞いの神である八大龍王と、豊作の神であるお稲荷様が一体となった民間信仰の霊場で、昭和26年に日蓮宗最上教派の本山になりました。
龍王池の北西にある山頂の巨石群の周辺から、土器やサヌカイトが出土し、古代祭祀跡だろうといわれています。確かに、磐座(いわくら)にふさわしいロケーションです。ちなみに、岡山県の埋蔵文化財地図には載っておらず、その代わり、この山腹に古墳があるとされています。動画も撮りました。
古代祭祀跡にはたくさんの巨岩が広がっています。その中の一つ(中央奥)の上に宝塔が設置されていました。この下(西)にも岩群が広がっていたので少し下りてみましたが、展望は効かず岩群はそこで終わりでした。
八大龍王大宝塔
「鬼城縁起」よれば、龍王山頂上の岩を掘って出てきた湧き水が池になったそうです。そこで、その池を龍王池と呼び、"八大龍王の御神体″として祀っています。池の南側に眠っていた巨石を掘り起こし、八大龍王大宝塔(右奥)<写真34>として建立し、大宝塔側と龍王池側の両方に赤鳥居を立て、神域としました。
八大龍王鳥居&狛獅子
狛犬かと思いきや、立派なたてがみと牙がありました。向かって右側の口を開けた姿は怖かったです。とても迫力のある“狛ライオン”周辺を歩きながら動画を撮りました。
コゲラを見つけました。日本にいるキツツキの中ではもっとも小さく、スズメぐらいのサイズです。木を“ガン岩”つついているシーンを見たかったのですが、このときはとてもおとなしかったです。すぐに飛び去ってしまいましたが、なんとか動画撮影に成功しました。
この小さな泉を巌開(がんかい)明王といい、報恩大師がご修行の際に端座された岩(巌)の一つが割れ、清水がわき出したものという伝承があります。飲み水には適さないそうですが、ひしゃくで水を汲んで持ち帰るのは自由です。
報恩大師のご修行によって、最上尊が降臨された霊地です。岩上部の平面は畳が八畳敷ける広さがあるためこの名が付いたといわれ、最上稲荷や備中高松城跡などを一望できる景勝地です。動画も撮りました。おそらく、八畳岩というのは、この足元の平たい岩を指すのでしょう。
備前四十八カ寺を開基したという報恩大師のもとに孝謙天皇の病気平癒の勅命が下り、大師は八畳岩の岩窟にこもって祈願を行ったとされています。八畳岩とはこの天井部分のひさしのように突き出た平たい岩のことでしょう。てっぺんの岩<写真23>が左端に少しだけ見えています。
岩の先端に横一直線に割れ目があり、左右どちらから見ても魚の口のように見えます。背後に見えているお堂の前にはベンチが並んでおり、団体さんも休憩できます。周辺の湿地には木道があり、夏から秋にはサギソウやサワギキョウなどの湿生植物が見られます。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
防寒具
手袋(防水加工)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
予期せぬアクシデント
今回の出発点を想定していた龍泉寺にあと1kmと近づいた時に、突然、交通整理(誘導)中の警察の方に、ここから先が進入禁止であることを告げられました。何が起きているのかわからないまま、そこから10km以上に及ぶ迂回路を進み、逆サイドからアプローチすることにしました。再び龍泉寺に近づくと、やはり警察の方がおられ、自動車火災事故が起きているため龍泉寺付近が通行禁止になっていることがやっと分かりました。幸い、龍泉寺までなら通過させていただけました。
後にこの事故(乗用車全焼)が今回のコース上の龍王池北の車道で起きていたことを知りました。(今回、歩いた時には通行止めは解除済みでした。)雨乞いの神様が祀られている所で火災事故とは…(*_*;事故に遭われた方々は軽傷だったそうで、不幸中の幸いでした。
ガン岩のロック(岩)ショー
さて、この日の山行の楽しみはロック(岩)ショーでした。写真や動画でも紹介していますように、出発点とした(豊臣秀吉の)腰掛岩を皮切りに、お寺や神社にある多数の題目石、ゆるぎ岩、岩に満ちた祭祀跡、八畳岩、古墳群(横穴式石室)、六道地蔵…と岩や石造物が途切れることがありませんでした。おそらく、岩がかなり豊富な山域だったので、こうした岩を利用した文化が古代より栄えたのでしょう。アスファルト道を歩いていても、道の脇に岩がゴロゴロしているのが見えました。まだ知らない古墳や磐座もありそうです。周辺にはまだたくさんのコースがあるので、来年以降も訪れたいと思います。
龍泉寺は以前は紅葉狩りの穴場スポットでしたが、最近は地元紙にも載るようになりました。初夏はモミジの新緑、夏から秋はトキソウやサギソウをはじめハッチョウトンボなど龍王池南の湿地の動植物が観賞できます。岩以外にも年中楽しめるいい所です。
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