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Yamareco

記録ID: 1381152
全員に公開
雪山ハイキング
京都・北摂

霧の中のイチゴ谷山

2018年02月15日(木) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:31
距離
8.1km
登り
631m
下り
632m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
4:32
休憩
0:00
合計
4:32
9:11
272
スタート地点
13:43
ゴール地点
天候 曇り
700mあたりから雲の中
過去天気図(気象庁) 2018年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
平良まで
コース状況/
危険箇所等
一般コースなし
林道平良谷線の針畑川にかかる橋を渡ってしばらくいくた、右手に分岐する尾根の取り付きへの林道あり。林道の最初の200mはどの間に倒木が集中しているが、ここを迂回出来れば、そこからは倒木は疎らになる。
尾根には頻繁に赤テープあり
林道平良谷線から入り、針畑川にかかる橋を渡る。
2018年02月15日 09:13撮影 by  iPhone 6s, Apple
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林道平良谷線から入り、針畑川にかかる橋を渡る。
右岸の斜面に取り付くが、まもなく立派な林道に入る。斜面には多くの倒木が散在。倒木の根本から溢れる土はココアパウダーのよう
2018年02月15日 09:32撮影 by  iPhone 6s, Apple
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右岸の斜面に取り付くが、まもなく立派な林道に入る。斜面には多くの倒木が散在。倒木の根本から溢れる土はココアパウダーのよう
倒木を潜り、林道を進む。
2018年02月15日 09:36撮影 by  iPhone 6s, Apple
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倒木を潜り、林道を進む。
林道が終わり、なだらかな尾根がはじまる。鹿のトレースが先導
2018年02月15日 09:43撮影 by  iPhone 6s, Apple
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林道が終わり、なだらかな尾根がはじまる。鹿のトレースが先導
まだ紅葉を纏っているブナの木。まるで新雪を迎えた晩秋の光景だ
2018年02月15日 10:35撮影 by  iPhone 6s, Apple
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まだ紅葉を纏っているブナの木。まるで新雪を迎えた晩秋の光景だ
ガスが出てきた
2018年02月15日 10:52撮影 by  iPhone 6s, Apple
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ガスが出てきた
イチゴ谷山山頂
2018年02月15日 11:21撮影 by  iPhone 6s, Apple
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イチゴ谷山山頂
山頂標
2018年02月15日 11:21撮影 by  iPhone 6s, Apple
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山頂標
市後谷の源頭
2018年02月15日 11:49撮影 by  iPhone 6s, Apple
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市後谷の源頭
大きな芦生杉からブナ、ヤマザクラ、ヒメシャラが
2018年02月15日 11:52撮影 by  iPhone 6s, Apple
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大きな芦生杉からブナ、ヤマザクラ、ヒメシャラが
今度は平良谷の源頭
2018年02月15日 11:56撮影 by  iPhone 6s, Apple
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今度は平良谷の源頭
霧が濃くなる
2018年02月15日 11:58撮影 by  iPhone 6s, Apple
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霧が濃くなる
霧の中に聳立するブナの巨木
2018年02月15日 12:01撮影 by  iPhone 6s, Apple
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霧の中に聳立するブナの巨木
樹冠を見上げて
2018年02月15日 12:04撮影 by  iPhone 6s, Apple
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樹冠を見上げて
909m峰山頂間近
2018年02月15日 12:09撮影 by  iPhone 6s, Apple
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909m峰山頂間近
いよいよ山頂、展望は霧の中に
2018年02月15日 12:11撮影 by  iPhone 6s, Apple
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いよいよ山頂、展望は霧の中に
小さな山頂標
2018年02月15日 12:11撮影 by  iPhone 6s, Apple
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小さな山頂標
山頂広場
2018年02月15日 12:11撮影 by  iPhone 6s, Apple
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山頂広場
山頂広場
2018年02月15日 12:12撮影 by  iPhone 6s, Apple
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山頂広場
ますます濃密さを増す霧の彼方に
2018年02月15日 12:21撮影 by  iPhone 6s, Apple
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ますます濃密さを増す霧の彼方に
源頭に降りてま みた
2018年02月15日 12:25撮影 by  iPhone 6s, Apple
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源頭に降りてま みた
再び市後谷源頭
2018年02月15日 12:26撮影 by  iPhone 6s, Apple
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再び市後谷源頭
コブだらけのブナ
2018年02月15日 12:33撮影 by  iPhone 6s, Apple
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コブだらけのブナ
撮影機器:

感想

京都の北山でも最もマイナーな山の一つであり、先日の比良に於ける森山岳以上に知られざるヤマレコ ではないだろうか。国土地理院の地図においては山名すら与えられていない。かの有名な高島トレイルは三国岳で終焉することになっているが、三国岳から東に続く尾根は丹波越えで南へと方向を転じ、経ヶ岳よりもさらに南で大きくなだらかな隆起を形成する。その北端に位置するのが、このイチゴ谷山である。名前からは甘酸っぱく可憐な果物を連想するが、漢字は市後と充て、市子すなわち巫女を意味するらしい。ちなみにイチゴ谷はこの山の西の京都側の谷であり、イチゴ谷山とは京都側からの呼称。近江は高島側からはヘラ(平良)谷奥と呼称されるらしい。

本日もこれから明日の出張かのため、夕方から長距離を移動しなければならないので、軽い山行に。なぜ、このマイナーなイチゴ谷山を選択するのか?一つはトレースのついていない深い雪の上を歩く悦びをもう一度、味わいたいから、それから曇りだったので眺望を求める山行を除外、針畑川の流れに沿って北上するアプローチの風景の魅力も選択理由に挙げられるが、もう一つ、この山に惹かれる理由があるのだった。

このイチゴ谷山に至るルートは山と高原地図では見後越えと呼ばれる鞍部に平良谷林道の終点からミゴ谷から遡上するルートが破線で記されているが、雪が緩みはじめた状況では躊躇なく平良谷右岸の尾根を登ることを選択。

平良谷林道から入るとスノーシューのトレースがあるが、林道をまっすぐに見後越えのほうに向かっている。針畑川を渡るとトレースとお別れして、すぐに左手の斜面に取り付くがまもなく林道の上に出る。昨秋の台風21号によると思われる大きな倒木が散在するが、通常は急斜面に難儀することの多い取り付きを一挙に尾根の始点まで運んでくれる。

尾根に入ると、先週に登った経ヶ岳の丹波越えの雰囲気によく似て、杉林の中に石楠花の群落が散見する明るい雰囲気の尾根筋だ。頻繁に赤テープがつけられており、ルートに迷う心配は全くない。勿論、雪の上には人のつけたトレースはないが、鹿のトレースが点々とついている。やがて山頂が近づくにつれ、尾根は極めて狭細なものとなり、傾斜も急になる。左手にしばしば小さな雪庇も発達しているので慎重に足場を考えるが、多くの場合、鹿のトレースを追うこととなった。

このような雪道を行く時、毎度のように思うことだか、鹿のトレースをみていると闇雲に歩行しているわけではなく、常に斜面に対して理想的にコースを選択しているように思われる。鹿は常に同じルートを辿るという習性があるが、それはこのような選択が重複する結果なのか?鹿のトレースが赤テープを意識しているかのように、ほとんどのテープの脇を掠めていくのは驚くばかりだ。そもそも赤テープは鹿による獣道に沿ってつけられているからなのか?コースの取り方という意味において、毎度とても参考になるのであった。

鹿のトレースが導かれるように山頂に辿り着くと、幾つもの私製の山頂標がかけられていた。山頂は杉の樹林の中であり、展望は全くないようだ。リュックをデポすると、いざ909m峰を目指して尾根を南下する。杉林の中の降下が終了するとコナラ、ヒメシャラ、ブナの明るい混合林となり、ますます濃密さを増していく霧は遠くの樹木のシルエットを滲ませていく。右手に市後谷、左手には平良谷のなだらかな源頭が次々とあらわれる。この辺りから聳立するブナや芦生杉の巨木が次々と現れる。大きな杉に樹か密集して生えていると思いきや、芦生杉の幹からブナ、ヒメシャラ、ヤマザクラと数種類の樹木が生えているではないか。

普通に往けば909m峰まで片道半時間もかからないであろうが、濃霧の中、樹々と戯れ、源頭に降りたりしているうちに1時間近く費やしてしまった。909m峰のピークは東に大きく開け、晴れていれば正面に白倉山、その彼方に比良山系を望むことが出来るやうだ。しかし、この濃霧によるめくるめく樹々への幻想的な演出は遮られた展望を補ってるなお余りあるものだった。この山行の真の目的はこの稜線で美しい樹木と戯れることであったのだから。

下山後はかねてより念願であった安曇川沿いの瀟洒なレストランへ。店に入ると「どちらの山に登っていらしたのですか」、と極めて品の良いマダムから尋ねられるが、「イチゴ谷山というのは始めてお伺いしました」とのこと。

山域があまりにもマイナーなせいか、ヤマレコ のキッシュがないので、参考までに今回のコースの通過時間を記す。
平良谷林道入口: 9:10
イチゴ谷山: 11:20
909m峰: 12:15
イチゴ谷山: 12:45
平良谷林道入口: 13:40

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コメント

トレース薄く雪質も柔らかい?
ツボ足で結構沈んだのではないでしょうか。又、ガスってホワイトアウト状態だしと不安材料ばかり。gps軌跡では道迷いでウロウロした形跡が見られず流石ですかねぇ。
2018/2/16 8:30
Re: トレース薄く雪質も柔らかい?
コメント有難うございます。重要なインフォメーションを入れておりませんでした。丹沢とは異なり、登山口の林道に入ったあたりからツボ足ではかなり沈みますので、終始スノーシューでした。それでも腐れ雪で柔らかくなっているところは雪を踏み抜いてしまうことがあり、ヒヤヒヤしました。
鹿のトレースのお陰もありますが(笑)、コースは尾根筋なので道には迷いにくいと思います。
2018/2/16 11:16
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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