また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 1381981
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
東北

津軽半島脊梁山脈横断完遂 〜大倉岳・袴腰岳〜

2018年02月16日(金) 〜 2018年02月17日(土)
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
17:02
距離
30.8km
登り
1,088m
下り
1,066m
歩くペース
ゆっくり
1.41.5
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:28
休憩
0:48
合計
8:16
7:04
20
蓬田駅
7:24
7:24
27
登山口まで6.7km標識
7:51
7:51
53
登山口まで5.5km標識
8:44
8:44
7
モロミ沢標識
8:51
8:51
55
冷水沢標識
9:46
9:46
38
登山口まで1.2km標識
10:24
10:27
12
10:39
11:11
89
13:38
13:38
33
14:11
14:15
65
15:20
C1
2日目
山行
8:04
休憩
0:10
合計
8:14
6:33
152
C1
9:05
9:05
27
袴腰岳まで0.4km標識
9:32
9:42
135
11:57
11:57
170
袴腰岳登山口
14:47
津軽中里駅
天候 【1日目】晴れ時々雪
【2日目】曇り時々雪
過去天気図(気象庁) 2018年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
【1日目】
5:18発弘前→6:00着青森
6:15発青森→6:46着蓬田

【2日目】
15:21発津軽中里→16:05着津軽五所川原
(ストーブ列車)
18:56発五所川原→19:43着弘前
(暴風雪によりJR五能線運休、バス代行)
コース状況/
危険箇所等
【1日目】蓬田〜大倉岳周辺〜C1
・蓬田駅から少し歩いた林道は、周囲が田んぼであったため吹き溜まりができていた。吹き溜まりの尾根はしっかりと固まっていたため、つぼ足でも大丈夫だった。
・北海道新幹線の高架線を越えた後からは積雪量が多くなるので、スノーシューやワカンの装着が必要である。
・大倉岳登山口までは、登山口や沢の標識が点在している。(写真参照)
・大倉岳登山口から大倉岳周辺までには、木に巻かれたピンクテープが多数見られた。
・大倉岳避難小屋は閉鎖中。
・避難小屋から先は、風当たりが強く雪庇に注意が必要である。

【2日目】C1〜袴腰岳〜津軽中里
・1日目と同様に木々の少ない尾根上は風当たりが強く雪庇に注意が必要である。
・袴腰岳東壁上部にはクラックが見られたため、雪崩に注意が必要。
・木の枝に巻かれたピンクテープが見られた。
・袴腰岳から母沢沿いの林道までは細くて低い木々が密集している箇所がある。
・登山道から林道までは母沢を越える必要があり、注意が必要。(写真参照)
・林道は車が通った形跡が全くなかった。山側斜面からの雪の崩落に注意が必要。
その他周辺情報 津軽鉄道のストーブ列車には普通運賃の他、追加400円が必要。車内では焼いたスルメを食べて楽しむことができる。
五所川原市内にあるホテルサンルート五所川原(駅から徒歩5分ほど)の日帰り入浴(430円)を利用した。
始発に乗るため夜明け前に弘前駅へ...
2018年02月16日 04:48撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/16 4:48
始発に乗るため夜明け前に弘前駅へ...
始発だヨ!全員集合
スタート地点の蓬田駅へ...
2018年02月16日 06:12撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 6:12
始発だヨ!全員集合
スタート地点の蓬田駅へ...
すごく元気なYD
ザックを倒され、睡眠妨害されたYD
2018年02月16日 06:21撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/16 6:21
ザックを倒され、睡眠妨害されたYD
蓬田駅到着〜
2018年02月16日 07:06撮影 by  iPhone 6s, Apple
4
2/16 7:06
蓬田駅到着〜
少し歩くと登山口の標識有り
2018年02月16日 07:24撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/16 7:24
少し歩くと登山口の標識有り
除雪作業中?
吹き溜まりの尾根を歩きます
2018年02月16日 07:30撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 7:30
除雪作業中?
吹き溜まりの尾根を歩きます
天気よいです!
2018年02月16日 07:45撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 7:45
天気よいです!
登山口の標識を右へ
2018年02月16日 07:51撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/16 7:51
登山口の標識を右へ
北海道新幹線の高架線下で休憩〜
2018年02月16日 08:19撮影 by  iPhone 6s, Apple
2
2/16 8:19
北海道新幹線の高架線下で休憩〜
高架線を越えて林道へ
2018年02月16日 08:19撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 8:19
高架線を越えて林道へ
林道はこんな感じ
正面に大倉岳が見えます
2018年02月16日 08:19撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 8:19
林道はこんな感じ
正面に大倉岳が見えます
心地よい林道
2018年02月16日 08:31撮影 by  iPhone 6s, Apple
3
2/16 8:31
心地よい林道
安全祈願m(__)m
2018年02月16日 08:37撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 8:37
安全祈願m(__)m
沢の標識①
2018年02月16日 08:44撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 8:44
沢の標識①
沢の標識②
2018年02月16日 08:51撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 8:51
沢の標識②
先に進むと資材置き場がありました
お買い上げありがとうございます!
2018年02月16日 09:39撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 9:39
先に進むと資材置き場がありました
お買い上げありがとうございます!
登山口までもう少し
ここでスノーシュー、わかんを装着
2018年02月16日 09:46撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 9:46
登山口までもう少し
ここでスノーシュー、わかんを装着
赤倉岳の登山口に到着
大倉岳登山口まではもう一踏ん張り
2018年02月16日 10:26撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 10:26
赤倉岳の登山口に到着
大倉岳登山口まではもう一踏ん張り
登山口へ進みます
2018年02月16日 10:27撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/16 10:27
登山口へ進みます
天気良すぎて暑いです
2018年02月16日 10:35撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 10:35
天気良すぎて暑いです
大倉岳登山口に到着
休憩してから避難小屋を目指します
2018年02月16日 10:56撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 10:56
大倉岳登山口に到着
休憩してから避難小屋を目指します
下ってからの上り
2018年02月16日 11:05撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 11:05
下ってからの上り
木々の温もりが感じられました
2018年02月16日 11:25撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 11:25
木々の温もりが感じられました
樹氷とR
2018年02月16日 11:55撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 11:55
樹氷とR
いいペース
2018年02月16日 12:21撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 12:21
いいペース
本当に1日目は天候に恵まれました〜
2018年02月16日 12:40撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 12:40
本当に1日目は天候に恵まれました〜
ジグザグジグザグ
2018年02月16日 12:49撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 12:49
ジグザグジグザグ
みんな疲れてきて元気がないので、集合写真を1枚
2018年02月16日 13:01撮影 by  iPhone 6s, Apple
2
2/16 13:01
みんな疲れてきて元気がないので、集合写真を1枚
昼寝できそうなぐらいぽかぽか陽気
3
昼寝できそうなぐらいぽかぽか陽気
SLおつかれさま
2018年02月16日 13:18撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 13:18
SLおつかれさま
青い閉鎖中の避難小屋に到着
前回はここにテントを張りました
2018年02月16日 13:31撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 13:31
青い閉鎖中の避難小屋に到着
前回はここにテントを張りました
避難小屋から大倉岳までの尾根はこんな感じ
2018年02月16日 13:34撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/16 13:34
避難小屋から大倉岳までの尾根はこんな感じ
青と白のコントラスト
2018年02月16日 14:16撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/16 14:16
青と白のコントラスト
C1確保!
今夜は豚汁とおにぎり
想像以上のうまさでした!
2018年02月16日 18:01撮影 by  iPhone 6s, Apple
4
2/16 18:01
今夜は豚汁とおにぎり
想像以上のうまさでした!
朝は小松菜とベーコン入りの塩ラーメン!
2018年02月17日 05:13撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 5:13
朝は小松菜とベーコン入りの塩ラーメン!
テントを片付けて出発準備中
2018年02月17日 06:12撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 6:12
テントを片付けて出発準備中
C1周辺が少し明るくなってきました
2018年02月17日 06:12撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/17 6:12
C1周辺が少し明るくなってきました
本来のC1までもう少しー
1
本来のC1までもう少しー
袴腰岳を目指します
2018年02月17日 07:01撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/17 7:01
袴腰岳を目指します
津軽の山中をひたすら歩きます
2018年02月17日 07:27撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 7:27
津軽の山中をひたすら歩きます
陸奥湾がきれいに見えます
2018年02月17日 07:27撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 7:27
陸奥湾がきれいに見えます
よっこいしょー
2018年02月17日 07:44撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 7:44
よっこいしょー
みんな体にキテます
2018年02月17日 07:49撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 7:49
みんな体にキテます
袴腰岳までもう少し〜
2018年02月17日 09:05撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 9:05
袴腰岳までもう少し〜
真っ白な袴腰岳が見えました
2018年02月17日 09:14撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 9:14
真っ白な袴腰岳が見えました
綺麗なので集合写真を1枚
2018年02月17日 09:14撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 9:14
綺麗なので集合写真を1枚
頂上へ向かいます
2018年02月17日 09:17撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 9:17
頂上へ向かいます
上りラストスパート!
2018年02月17日 09:19撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 9:19
上りラストスパート!
ビーコンスイッチオン
2018年02月17日 09:27撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 9:27
ビーコンスイッチオン
強風の中、頂上を目指します
2018年02月17日 09:34撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 9:34
強風の中、頂上を目指します
SLのザックカバーがなくなる前、最後の集合写真
2018年02月17日 09:37撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 9:37
SLのザックカバーがなくなる前、最後の集合写真
袴腰岳(627m)に登頂!
5
袴腰岳(627m)に登頂!
津軽平野を背景に1枚
2018年02月17日 09:46撮影 by  iPhone 6s, Apple
3
2/17 9:46
津軽平野を背景に1枚
今まできた道のりを背景に1枚
2018年02月17日 09:47撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 9:47
今まできた道のりを背景に1枚
あとは下るのみです。
2018年02月17日 09:50撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/17 9:50
あとは下るのみです。
細い尾根を歩いて
2018年02月17日 10:25撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 10:25
細い尾根を歩いて
また晴れてきました〜
2018年02月17日 10:28撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 10:28
また晴れてきました〜
初日の朝より元気がありません
2018年02月17日 10:35撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 10:35
初日の朝より元気がありません
林道まではわかりやすい尾根でした
2018年02月17日 11:24撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/17 11:24
林道まではわかりやすい尾根でした
倒木をくぐり抜けて
2018年02月17日 11:29撮影 by  iPhone 6s, Apple
2/17 11:29
倒木をくぐり抜けて
母沢を見事な連携で越えました
2018年02月17日 11:42撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 11:42
母沢を見事な連携で越えました
転落により、大きな穴が出来ました
2018年02月17日 11:45撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 11:45
転落により、大きな穴が出来ました
戦いの形跡
2018年02月17日 11:54撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 11:54
戦いの形跡
林道へ向かう途中に標識発見
2018年02月17日 11:57撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 11:57
林道へ向かう途中に標識発見
昼休憩してから長い林道を歩きました...
2018年02月17日 12:25撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 12:25
昼休憩してから長い林道を歩きました...
遭難注意地域から逃れました
2018年02月17日 13:35撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 13:35
遭難注意地域から逃れました
SLがんばれ
2018年02月17日 13:40撮影 by  iPhone 6s, Apple
4
2/17 13:40
SLがんばれ
いい感じに等間隔です
2018年02月17日 13:54撮影 by  iPhone 6s, Apple
3
2/17 13:54
いい感じに等間隔です
SL小休憩により渋滞中
2018年02月17日 13:54撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 13:54
SL小休憩により渋滞中
田んぼを抜けて林道終了ー
2018年02月17日 14:06撮影 by  iPhone 6s, Apple
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2/17 14:06
田んぼを抜けて林道終了ー
津軽中里へ到着!!
念願のストーブ列車に乗れる!
4
津軽中里へ到着!!
念願のストーブ列車に乗れる!
ストーブ列車であったまるF
2018年02月17日 15:13撮影 by  iPhone 6s, Apple
7
2/17 15:13
ストーブ列車であったまるF
ストーブで手袋とスパッツを干すN
3
ストーブで手袋とスパッツを干すN
ストーブに興味津々なT
2018年02月17日 15:16撮影 by  iPhone 6s, Apple
4
2/17 15:16
ストーブに興味津々なT
いい雰囲気とスルメの香りが漂ってました
2018年02月17日 16:04撮影 by  iPhone 6s, Apple
4
2/17 16:04
いい雰囲気とスルメの香りが漂ってました
走れメロスは普通車両
2018年02月17日 16:08撮影 by  iPhone 6s, Apple
3
2/17 16:08
走れメロスは普通車両
津軽五所川原に到着〜
2018年02月17日 16:13撮影 by  iPhone 6s, Apple
1
2/17 16:13
津軽五所川原に到着〜
バス代行で弘前に到着。
お疲れの弘前組2人
ありがとうございました
そして、お疲れさまでしたー

〜完〜
2018年02月17日 20:32撮影 by  iPhone 6s, Apple
6
2/17 20:32
バス代行で弘前に到着。
お疲れの弘前組2人
ありがとうございました
そして、お疲れさまでしたー

〜完〜
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 防寒着 雨具 ネックウォーマー 着替え 予備靴ひも ザック ザックカバー サブザック 行動食 非常食 飲料 水筒(保温性) 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 常備薬 保険証 携帯 サングラス タオル ナイフ ストック 輪カンジキ
共同装備
ビーコン スコップ ゾンデ 調理用食材 調味料 コッヘル ツェルト ポール テント テントマット シェラフ GPS MSR ラジオ 天気図用紙 スノーソー ファーストエイドキット

感想

 私たちは、津軽に住み、弘前大学山岳部と名乗りながらも津軽の山々を完全には理解していない。昨年、白神山地核心地域や岩木山、八甲田を中心とした山行を数多くこなしてきたが、大学近辺の864mピークや久渡寺山以外の低山を歩く機会は少ない。これは、県外の名の知れた山域に目を奪われたり、薮によって日数の限られる冬山山行に限定されることが要因であると考えられる。今回の山行では、山岳部としてあまり足を踏み入れたことのない津軽半島の山々に焦点をおいてJR津軽線の蓬田駅から津軽鉄道の津軽中里駅まで1泊2日で歩くことにした。
 実はこの津軽半島横断計画は、ちょうど1年前に計画されて途中の大倉岳避難小屋で撤退したものとほぼ同じ内容である。私は、今年度の春に入学したため、前述の事実は最近まで知らなかったが、冬が近づくにつれて前部長からこの話を徐々に聞くことができた。陸奥湾側から上がり、低山ではあるが山脈を越えて、日本海側の津軽平野へ下りる...なんだが夏合宿で経験した北アルプス縦走(撤退)に似ていて冒険要素があってワクワクした。さらに、下山後は津軽鉄道のストーブ列車に乗って冷えた体を暖めるという特典付きのこれ以上ない素晴らしい計画であった。そのため、このまま津軽半島横断計画を放置するのはもったいないと思い、山岳部1年目で不安は山ほどあったが、前部長に相談しながら、入部後に身につけた知識や技術を活かしてCLを務めることになった。前回の計画内容を洗い流して、鳥海山に続くリベンジマッチと銘打ち津軽半島脊梁山脈横断完遂を計画して、これを実施した。また、同時に今年度の春休みから計画されている春合宿の1つ八幡平縦走の強化合宿としての役割も兼ねている。

1日目
 早朝は大学周辺に住む弘前組(4人)と青森県内の実家に住む川部組(2人)に分かれて行動した。白神山地核心地域の山行並の早起き(午前2:30起床)して、準備後、部室を4:22に出発した。4:58に弘前駅に到着したが、まだ券売機や改札機のシャッターが閉まっていた。5:00頃になるとシャッターが開いて、目立つ荷物を背負いながら始発列車に乗り込んだ。5:18に弘前駅を出発、途中の川部駅で川部組と無事合流した(誰も寝坊しないでよかった...)。6:00に青森駅へ到着し、6:15発の蟹田行へ乗り換えた。
6:46に蓬田駅到着予定だったが、途中で北海道方面からの貨物列車の遅れにより、5分ほど遅れて到着した。蟹田行の車内では車掌さんから「どこにいくの?」「蓬田なにもないよ??」と話しかけられ、蓬田駅構内では警備員さんから大倉岳までの道のりを津軽弁で軽く説明された。津軽の人々のやさしさを再認識した。現地の天気は、曇りではあったが、蓬田駅からは大倉岳がきれいに見えていた。蓬田駅を出て、すぐ左の道をまっすぐいった所の踏切を渡って、ひたすら吹き溜まりのできた田圃道を歩いた。歩いていると雲の隙間から朝日が差し込み、田圃の雪原に反射して一面銀世界だった。ときどき北海道新幹線の高架線方向を見ると、真っ白な世界の中に一筋の緑の光が見えて、少し足が軽くなった。その北海道新幹線の高架線までたどり着くと面白そうという理由で高架線下で小休憩したが、残念ながら新幹線は通過しなかった。その先は登山口までの林道を永遠と歩いた。登山口までは小さな神社や沢の標識、資材置き場があった(写真参照)。前回の山行記録と比ベて、今回は神社の鳥居の半分以上まで雪に埋もれていたため、昨年よりも雪が多いことがわかった。資材置き場を過ぎた直後からスノーシュー、ワカンを装着したが、もう少しはやく装着すれば楽に歩行できたかな?判断が難しかった。これからは、先頭のSLに判断を任すのもありだと思う。装着してからは、少しだけスピードが上がった。結局、大倉岳登山口に到着したのが10:40頃で予定より40分遅れてしまっていた。メンバーの疲労も徐々に溜まってきていた。休憩後、谷のしたまで下りて小川を越えて尾根に取り付いた。尾根の木々にはピンクテープが大きく巻かれていてわかりやすかった。ひたすら尾根を歩いて、避難小屋のある尾根との分岐を目指した。分岐直前の道は急峻であったため、避難小屋方向に向かってトラバースした。尾根上にたどり着くと、閉鎖中の青い避難小屋があった。疲れていた皆に笑顔が見られた。避難小屋から大倉岳の尾根上は木々がなく開けていて風が強く、全身に吹き付けていた。ここで、風邪が治りかけのYDが限界に近づいていた。加えて、天候悪化やC1到着時間の遅れが見込まれたため、目の前の大倉岳には登らず、C1方向に巻いて進行することにした。下りながら尾根上を歩くのは、少し大変だったが、なんとかC1手前の498mピーク下のコルにたどり着いた。気象通報の時間が迫り、メンバーの疲れがかなり溜まっていたため、ここをC1としてテントを設営した。前日に前部長から教わった冬山のテント張りをしっかり実践しようと思っていたが、雪質がさらさらで踏み固めてもブロックがあまり作れなかった。そのため、2つのテント分の面積を定めて深さ70cmほど掘って、風上に雪山を作った後、固めて防風ブロックとした。テント設営が完了した頃にはあたりは薄暗く冷え込んできていたため、早速豚汁を作った。適当に作った豚汁は想像よりもおいしく体全体をあたためて1日目が終了した。

2日目
 厳冬期のテント泊は初めてだったが、夏場のときと変わらず普通に寝れた。体の調子もよくメンバーの顔も前日よりはすっきりした様子だった。朝食は前日に雪を溶かして準備しておいた水1.5Lを使った小松菜とベーコン入りの塩ラーメンを作って食べたが、コーンを入れてもよかったかなと思った。テントを片付けるのに少し手間がかかり、予定より30分ほど遅くC1を出発した。日の出6:29とほぼ同時刻であったため、周囲はよく見渡せた。前日よりも少しスピードが速くなり、目的のルート通りに進むことができたので大きな遅れにはならなかった。袴腰岳方向の尾根上を歩くと陸奥湾が見渡せる場所にたどり着いた。昨日と同様に雲の隙間から朝日が差し込んでいたため、海面がきらきら輝いてきれいだった。少し進むと袴腰岳まで0.4kmの標識と白くて大きな袴腰岳が確認できた。あともうちょい。袴腰岳東壁上部に大きくて長いクラックができていたのが確認できた。袴腰岳直前の林は急峻であったため、ジグザクに横切りながら進んだ。頂上直下まで進んだのち、ここでビーコンのスイッチを入れた。山頂に近づくにつれて日本海側からの風が強まり、岩手山の頂上周辺にいるような感じだった。天気が悪く登頂するか迷ったが、雪が止んで晴間が見えてきたため、すばやく登頂した。風はますます強くなり、風下を向きながらしゃがんで耐えていると前方に黄緑色の物体が飛んでいった。後を振り向くとSLのザックカバーがなくなっていた。危ないので、諦めて林のほうへすばやく下りた。あとは下りるのみ。小休憩後、尾根上をいいペースで下っていった。途中から晴れて、津軽平野が弘前方面まで見渡せた。母沢の林道までは、大きな杉の樹林帯で道は狭かった。林道手前までいくと母沢が思ったよりも雪に埋もれて深く、渡れなかった。SLが渡れそうなところを探して、対岸にいった後、いい連携で全員無事に渡ることができた。
「ファイトー!イッパーツ!」
 林道周辺には袴腰岳登山口の標識とスノーシュー?のトレースがあった。雪や風が当たらない近くの杉林で昼休憩を挟んだ後、ひたすら林道を歩いた。林道はゆるやかな下り坂で平坦なところに雪が積もっただけなのに、メンバーの元気がなくなっていった...林道にでた安心感からか集中力が切れて疲労が蓄積されていったのかもしれない。永遠に続く林道からかペースが少しづつ落ちていった。トレースがあるもののSLへの負担は大きかったと思う。2日間通して先頭を歩くのは辛く、1人への疲労が大きすぎるので、ときどき先頭を変わるなど工夫が必要だったと感じた。SLが先頭を歩くという固定概念を少しだけ外してみればよかった。林道の終盤にかけてSLが脱水症状ぎみの顔色と雰囲気だったので、水分補給させた。なんとか林道を越えて田圃や神社付近までたどり着いたがペースは変わらず、帰りの列車に遅れる可能性がでてきたため、自分が先頭を歩いて大きな道路まで先導した。そこでスノーシューとワカンを外して、駅までラストスパート!足がとても軽くなったように感じた。中里の街に入ったとたん、ものすごく強烈な地吹雪に襲われ、全身が真っ白になって雪だるまのような状態になった。このときが今回の山行で1番天候が悪かった。なんとか耐えながら歩いていると次第に吹雪が収まり、雲間から青空が見えた。津軽中里駅にやっとの思いでたどり着いたときには、津軽半島横断達成を祝うかのようにみんなの遣り遂げたいい表情を照らしていた。ストーブ列車の最終便にはちょうどよく間に合ってよかった。車内のストーブは想像通りの暖かさでスルメのいい香りがして最高だった。おかげさまで心の底まであたためることができて、下界に帰ってきた安心感と初CLの任務を全うした開放感、厳冬期における津軽半島横断の達成感に満ち溢れていた。
 (津軽五所川原に到着した後、駅前のホテルにある温泉へ向かった。下山後の天候悪化は予測していたが、入浴後に乗車する予定だった弘前行のJRが運休して代行バスになるとは予測できなかった...山中だけでなく、下界でも危機管理は必然であることが改めて思い知らされた山行であった...代行バスでは吐きそうになり、今回の山行で1番辛かった...)

 なにより全員無事に帰ってこれることができてよかった。頼れる上級生がいないなか、新部長、副部長を中心に津軽半島横断を達成できたことは新山岳部にとって大きな一歩になったと思う。ポケモンのゲームに例えると一気にレベルが10ぐらい上がったときのような経験値であったように感じた。2日間とも2月の冬山とは思えないほど、天候が安定して運も味方してくれてよかった。運も実力のうち、きっと来年度からの山岳部が計画する山行は晴間が広がることでしょう。
 しかし、まだまだ実力的には自分も含めて足りないところがいくつも思い当たる。冬山山行での行動の仕方を学び直すきっかけにして欲しい。春合宿の強化合宿としてもいい予行演習になったと思う。津軽半島横断成功したから次は下北半島横断かな?

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コメント

大倉岳〜袴腰岳
若さですね!頑張りましたね。
2020/6/5 11:47
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