『復帰ハイクは故郷の地で...』荒島岳


- GPS
- 05:04
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,240m
- 下り
- 1,234m
コースタイム
- 山行
- 4:19
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 5:08
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
30台以上駐車可能(だと思う) 冬期使用不可のトイレあり 電話BOX内に登山届あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
当日はスタートから山頂までトレースあり ワカン、スノーシュー等は必要なかった 『もちが壁』の急斜面が難所。後は特に危険箇所なし とてもコンディションの良い雪質だった |
写真
感想
※過去の記録を引っ張り出してきた備忘録レコです
当初ヤマレコにはアップしないでおこうと思っていたが、思いのほか素晴らしい山行だったので忘備録として残すことにした。
母が長年の闘病生活を経て先月他界した。バタバタしていたのでハイクもしばらくお休み。やっと心身と状況が落ち着いてきたので、気晴らしがてら山に行こうと思う。そろそろ低山の雪も終盤となってきた。当初はどこか近場でお手軽にと考えていたが、やっぱり最後に雪山を堪能しておきたい。
母は福井県大野市の出身。もう少し詳細を言うならば、集中豪雨で廃村となってしまった西谷村中島というところで育った。たいそう自然豊かな所で、採れたての山菜と川魚が食卓に並び、川で泳ぎ 野山で遊んだらしい。いつも故郷の想い出を愛しむように語っていた。かく言う私も、何度か大野を訪れ大自然を楽しませてもらった。
そう言えば、その福井県で唯一の百名山:荒島岳は雪山でも有名だったような気がする。ちょっと調べてみたところ、「なかなか素敵じゃないのぉ♡」という事で、母の思い出とともに我がルーツの地へと向かうことにした。
今年は福井でも雪が凄かったらしい。さすがにこの時期なので、スタート地点である旧勝原スキー場までのドライブは問題なしだった。それでも、道路脇にそびえ立つ雪の壁が豪雪の凄さを物語っている。思いのほか早く到着したので、ぼんやり車内で日の出を待っていた。月が明るいので見通しが利きそうだし、スキー場のトップまではトレースもあって問題なく登れそうなので、前倒しで出発することにした。
月光の中、雪の斜面を歩いていく。空は澄んでおり、遠方の峰々のシルエットも薄っすらと確認できる。うんうん、今日は期待できそうだ。とはいえ、今までにも途中天候が急変すること度々...幾度と裏切られてているので過度な期待はしないようにする(期待値と現実のギャップで心折れてしまうから)。
しばらく登ればすぐに峰々望める絶景。日も昇り、朝日と雪に乱反射する光を浴びながら心地よい雪歩きだ。尾根に上がればブナの木々が出迎えてくれた。締まった雪は歩きやすくトレースがずっとあるので有難い。
途中でテントがあった。その後山頂直下でそのグループに出会ったのだが、メンバーに紅一点の山ガールさんもいらっしゃった。華奢な体で大きなザック背負い、山男に囲まれて雪山テン泊とは...恐れ入りました。
もちが壁の急斜面を登り切るとそこからは別天地。迫力満点の尾根歩きが待っていた。「ちょっと大野までは遠いなぁ」などと躊躇したが、本当に来てよかった。白山を中心に名だたる峰々を望む。山座同定がままならないのが残念だが、美しい奥美濃の山々もよく見える。幸い風も穏やかで気温も高め。程なく山頂に到着し、結局一時間近く滞在した。やはり雪山の美しさは筆舌に尽くしがたい。でも、夏山の緑豊かな姿も少し恋しくなってきたかな...
山頂から眺める大野の町並み。まだまだ沢山雪が残っていた。亡き母が愛した故郷だ。残念ながら、体が不自由になってからはなかなか訪れることも叶わかった。はhの面影を想いながら、澄み渡る大空を静かに眺めていた。
【荒島岳稜線から】
素晴らしい景観を存分に堪能して下山開始。途中では本当に多くのハイカーさんとすれ違った。皆に愛されるお山だということを実感。予定時間を短縮して下山完了できたので、夜の予定にも十分間に合いそうで一安心。
白山が近いだけに中々足が向かなかった荒島岳。こんなタイミングでなければ訪れるのはもっと先だったかもしれない。予想以上の素晴らしい雪山ハイクとなった。この機会を与えてくれた母に感謝しつつ帰路へと向かうのであった。
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