3月の丁山地 雁唐山と丁岳へ
- GPS
- --:--
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,295m
- 下り
- 1,294m
コースタイム
- 山行
- 9:52
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 10:41
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雁唐山(1,044.9m)は鳥海山の東、秋田・山形県境に広がる丁山地の一峰。山形県に位置しており、登山道は無い。この山へ秋田側から県境稜線を越え、尾根伝いに臨んでみた。帰りは丁岳に登り、夏道のある尾根を下山した。 |
写真
感想
雁唐山に登ることは、2年前からの宿題だった。2年前は、県境稜線に立つ鋭鋒、萱森には登ることができたものの、体力・天候・時間等の諸条件から、雁唐山への挑戦は諦めて戻っていた。今年はぜひ登りたい。前週の仙台神室岳登山の余韻が自分の中に残っていたものの、暖気が続いて雪が不安定になる前に実行しようと出かけた。
車を止めて歩き出すと、アスファルトの表面に氷が張っている。これで、雁唐山へは登れる、と確信した。林道歩きの途中でワカンを着けたが、沈み込みはほとんどない。2年前に間違った林道の分岐も、今回はもちろん問題ない。五階の滝の左岸尾根は、初め細い急登だが、やはり2年前に通過した経験は大きい。右手の丁岳に雲がかかっているのが懸念材料だ。
萱森の北西側に広がる森から、県境稜線に向けて、萱森の西側の急斜面をトラバースしていく。足元には樹林が無く、雪崩には要注意だ。県境稜線上、P989を越えてから一ヶ所、細い所があった。ピッケルで足場を作るなどして、何とか通過する。
県境稜線から雁唐山につながる尾根に移る。急な下りでシリセードになってしまう。雁唐山に登るときのルートとして、登り易そうな北西側の尾根を考えてもいたが、尾根取り付きまで急斜面をトラバースするのは現実的ではなく、やはり急斜面でもダイレクトに突き上げる尾根を直登するしかないだろう。アイゼンに履き替えて、急斜面を登る。アイゼン様様だ。
雁唐山山頂に立った時は曇っていた。念願の山頂だが、仕方ない・・。地図を見たり、ザックから食べ物を出したりしていて、ふと顔を上げると、雲が晴れてきた!有り難い。
展望を楽しみ、県境稜線に戻る。この登り返しは、予想はしていたがキツかった。何度も立ち止まって息を整えた。県境稜線から西の丁岳に登って下山するということは、一応計画にはあったのだが、雁唐山登頂が最優先で、余裕があったら・・というつもりだった。
今、丁岳は晴れている。時間的にも余裕がある。先ほどのP989との間の難所を通過するよりは、丁岳への登りの方が、技術的にも問題なさそうだ。雪割れの線が長く走っている。もちろんその左手を登っていく。
丁岳山頂の広い雪原を見た時は感動だった。灌木さえもほとんど雪に埋まっている。風もなく、遮るものの無い眺めを堪能した。
丁岳からの下山は、ゆるがせにできないポイントだと考えていた。同じ北方向に細い尾根が枝分かれし、下り易そうな尾根を無意識に下っていったら、最後に急斜面や沢が待つことになりかねない。地図を片手に、慎重に見極めつつ下った。マツなどの針葉樹の細尾根に移ることは、グリーンシーズンに何度か登った経験が生きた。
今シーズンの宿題を終えて、十分満足。林道歩きを除き、丁山地の山歩きは、変化に富んでいて面白い。グリーンシーズンにもまた来たいし、今度は山頂雪原から、晴れた鳥海山を眺めてみたいと思う。
コメント
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こんばんは
今回も写真で拝見する限り、雪割れや不安定な雪渓等壮絶なコースですね。
雪山熟練者しか踏破出来ない難コースのレコ、小生なら恐れを感じ、早々と敗退を決めて歩けないポイントばかりですから、小生にはある意味あまり参考になりません。(笑)
単独行でもあり、老婆心ながら呉々もご注意下さい。
雪の状況は南東北より融雪が進んでいる様に感じました。
原生の弁慶山地、何度拝見してもいいですね。
いつもコメントありがとうございます。
確かに写真では相当ヤバい所を通っている感じもしますが
実際は雪がよく締まっていて、踏み抜きもほとんどない雪質でしたので、それほど不安はなかったです。ただ県境稜線P989を越えた地点の細い所は、最後2m程の雪壁で足場がなく、ピッケルで足場を作りました。その時はワカンだったので、もっと早くアイゼンにしておくべきでしたね。
雁唐山に登るという目的だけなら、山形県側から登るのがセオリーですが、この山域の魅力は、県境稜線を越えたところにあるように感じています。
原生の弁慶山地もtonkaraさんの興味を引く山域ですね。
熊もこれを避けるという丁山地の雪の細尾根。すっかりマタギ以上になりましたね
私だと3枚目あたりで撤退です
一つ宿題を終えて、あとは鳥海に向かって歩かれるのだろうか。和賀を踏破されるのだろうか。
いつも感心するのは、GPSを持たず正確な地図よみだけで複雑な尾根を歩かれる点。経験と冷静な判断力の賜物ですね。素晴らしい限り。どうぞこれからも気を付けて歩いてくださいね。
お褒めのコメント 恐縮です
若ければ、県境稜線を繋ぐ・・という考えが出てきたかもしれませんが・・
その時その時に登りたい山を、歩けるときに歩くだけ、それは変わらないと思います
ちょっと宿題みたいに感じているのは、例の南八幡平の山々ですね。
道路の開通時期に縛られますし、クマに遭遇するリスクも高い山域で、躊躇してしまいます。
地図読みは面白いですよね。
計画の時にどのルートを歩こうかと読み、実際に歩いてみて、「いいルートだったなあ」と感じる時の喜び。
そして山中で読図を繰り返しながら、つまり予習と確認を繰り返しながら、ばっちり歩けた時の喜び・・
GPSを使用していたら、この面白さは半減するんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか・・
学校にいた時に予習なんてほとんどしたことなかったけど
でもたぶんもっと面白いのは、地図を持たずに踏破することなんじゃないかな・・と思っています。昨年の遠上山で、そのことを少し感じました。
明日も良い天気になりそうですね。勿体ないですが、年度末ですし、ちょっと控えて、 cheezeさんご夫妻のレコをお待ち申し上げます
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