寂しさつのる栗駒山―残照の鳥海山と一番星
- GPS
- 06:00
- 距離
- 12.3km
- 登り
- 643m
- 下り
- 635m
コースタイム
天候 | 曇ときどき晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
西八王子04:56(JR中央線) 西国分寺05:15/05:21(JR武蔵野線) 南浦和05:50/05:54(JR京浜東北線) 大宮06:05/06:30(東北新幹線やまびこ41号) くりこま高原08:26 くりこま高原駅09:00(ミヤコーバス¥1500) いわかがみ平10:10 (須川高原温泉泊) 復路: 須川温泉11:10(岩手県交通¥1450) 一ノ関駅12:50 ※定刻は12:36だが渋滞のため遅れた 一ノ関13:50(東北新幹線やまびこ48号) 大宮15:58/16:12(JR湘南新宿ライン) 新宿16:43 |
写真
感想
8月中旬に栗沢山〜アサヨ峰から帰って来た日、我が家の犬が入院したことを知った。
それから予定していた全部の登山や旅行をキャンセルしてきたので、今回の登山はほぼ2ヶ月ぶりとなる。
その我が家の犬が先週急逝してしまい、とても山へ行ける感じではなかった。
何ヶ月も前から予定していた山行だったが、キャンセルしようと何度も思った。
が、今回一緒に行くメンバーに現在犬を飼っている人と過去に犬を飼っていた人とがいたので、行くことにした。
ずっと家に籠っていても仕方がない。
くりこま高原駅に8時半に着くためには朝4時起きなのだが、今週は朝早くに目が覚めてしまう日が続いているので苦ではない。
大宮駅から乗り込んだ東北新幹線は、もうすぐ引退してしまうかもしれないE2系。
長野新幹線を走るこの車両に乗って軽井沢の某リゾート会社の会社説明会や就職の面接に行っていたのは2003年のことだったから、ちょうど我が家に犬が来た年のことだった。
他にも地方の会社や大学院を受けようと思っていたのだが、自宅で犬の目を見ながら、この犬と離れて暮らすことになるのかと思うと我慢ができず、結局自宅に留まることにしたのだった。
あれから15年、当時は新しさを感じたE2系も古く感じ、軽井沢のあの会社も誰もが知る大企業と成長し、そして子犬だった我が家の犬は…。
9月から天気が悪い日が多く、今日も関東地方は低い雲が垂れ込めていていたが、宇都宮を過ぎるとだんだん雲が晴れてきて、那須岳がくっきりと見えた。
くりこま高原駅は東北本線と接続していないので、栗駒山の観光専用駅のような雰囲気で、降りた人たちもほとんど栗駒山へ向かうバス停に並んだようだった。
バスから見える栗駒山には雲がかかっていて、東北地方も思っていたよりも天気はよくないようだ。
到着したいわかがみ平から、東栗駒山を経て山頂へ至るコースを歩く。
ぬかるんでいる場所も多く、途中には滑滝沿いを歩くところもある。
東栗駒山山頂に近づくと、栗駒山を望める広々とした気持ちの良い場所に出る。
今月頭と先週と2週連続で来た台風の影響か紅葉はほとんど残っていなかったのは残念だったが、ときおりナナカマドの実が赤く色づいていた。
秋山は物悲しい。
やはり新緑の山の方が好きかもしれない。
山頂に到着すると、友人曰く「ここは高尾山か」というほどの賑わいで、昼食を摂る場所もない。
すこし西側へ移動し、やっと場所を確保することができた。
友人が持ってきてくれたアルファ米とレトルトカレーを食べていると、どんどん曇ってきてしまい寒くなってきた。
北に横たう山並みは焼石岳だろうか。
そのまま須川温泉へ下りてもよかったのだが、目の前に陽の当たる緑の台地が見えるのでそこに寄ってみることにした。
笹原なのだろうか、あのグリーングリーンのところへ行こうと話しているうちに『グリーングリーン』の歌詞の話になる。
「この世に生きるよろこび、そして悲しみのことを」
緑の台地のところにはカメラが設置されていて、下に見える火口湖を監視しているようだったが、そこまで下りてみると果たしてその火口湖―昭和湖は1944年に噴火を起こしているとのことである。
ここはかなり硫化水素臭がした。
昭和湖から須川温泉に下っていくとところどころにナナカマドの実の彩りが美しい場所があった。
が、このコースもかなりぬかるみが激しい。
スニーカーで登ってきた子ども等とすれ違ったが、足はびしょびしょになってるのではないだろうか。
名残ヶ原に来ると、周囲は西に傾いた日に照らされ黄金色に輝く草原になっている。
美しい光景なのだが、物悲しい。
秋山は物悲しい。
そして、いつも以上に物悲しい。
寂しい。
泊まったのは岩手県側にある須川高原温泉だったが、そこで秋田県側にある栗駒山荘の入浴券をもらえた。
数分も歩くとすぐに秋田県側だ。
露天風呂は鳥海山を望める最高のロケーションだ。
はじめは頭に雲をかぶっていた鳥海山だが、そのうち雲は完全に取れ、形の良い姿が夕焼けに染まっている。
そんな風景を眺めながら、逝ってしまった犬の話を友人に聞いてもらっていると、やがて空には一番星が輝きだしていた。
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