岡山市北区御津町 赤岳周回 ルートも動植物も豊富な里山探検



- GPS
- 04:21
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 442m
- 下り
- 448m
コースタイム
- 山行
- 3:46
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 4:19
歩行距離9km、歩行時間3時間45分、歩行数15,300歩、消費カロリー1,050Kcal
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
鉄塔巡視路や地籍調査が入った道で、地元の方による整備も行われています。下草は茂っているものの、ヤブコギはありません。ただし、この時季はヌスビトハギの仲間などいわゆる「引っ付き虫」に多少注意が必要です。今回は、登山口がわからず、熊野神社<写真11、12>経由で適当に取り付きましたが、かき分けなくても歩けて10分足らずで登山道を兼ねた鉄塔巡視路に合流できました。 土道の一部は溝状になっており、雨天や大雨後は水が流れるかもしれません。下山で利用した谷沿いは、途中まではちょろちょろ流れのすぐ脇を適当に歩く感じで、大雨では大きな流れになる可能性もあります。また、正八幡宮<写真41〜43>の北の参道はコケが生えたコンクリートの急坂で濡れていると危険です。悪天候での山行は避けたほうがいいでしょう。 地籍調査のピンクテープや青いビニール紐、分岐の道標、鉄塔巡視路の道標などさまざまなものが参考になります。地形図の破線の道も健在のようです。今回は、岡山市電子町内会のサイト内の「母谷(ほうだに)区自治会」のページより「赤岳登山道」と「ミテアルキ」を参考にし、現地で急遽下山コースを変更しました。鉄塔巡視路などと組み合わせると、今回のルート以外にも多数のコースが考えられおもしろそうです。 最初、熊野神社<写真11、12>北の金底池西にある駐車場より地形図の実線の道に入り、赤岳南東尾根の登山口に向かうつもりでした。しかし、実線の道がわからず、しばらく駐車場周辺をうろうろした後、熊野神社<写真11、12>に行ってみました。幸い、神社から西に延びる地形図の破線の道があり、たまに電気柵をまたぎながら、地形図の実線の道に入ることができました。 そこから登山口を探して北東に進むと、草地に出ました。ここから北西に進むと、御津変電所に出て鉄塔巡視路に入れたかもしれません。しかし、北に行き過ぎたと思い、引き返してしまいました。結局、青いビニールハウスのようなものの脇を通って適当に取り付きました。 下草が茂った木の間をぬって進むと、途中からなんとなく踏み跡のようなものがあり、シダで足元が見えないところにもビニール紐がありました。結局、地形図の送電線との合流点で鉄塔巡視路に合流しました。南東方向にもきれいな道が延びていたので、送電線沿いにずっと巡視路があるのだろうと思いました。 その後は、整備された道で道標が適宜あり、楽でした。なお、標高270m辺りの分岐の道標<写真19>などに出てくる「妙見山」は、地形図に載っている御津工業団地東の妙見山ではなく、前述の「母谷(ほうだに)区自治会」のページ内「ミテアルキ」に掲載の「妙見山山頂石碑」がある辺り(赤岳南東尾根標高200m辺り)のことだろうと思います。 赤岳頂上<写真25>からは、前述の「母谷(ほうだに)区自治会」のページ内「赤岳登山道」を参考に、南下して七曲峠に下りる予定でした。しかし、予想以上に時間がかかっていたため、急遽変更して同じようにテープやビニール紐が続いている北東尾根から下山することにしました。一部、目印を見失い適当に木の間を歩いたところもありますが、概ねこれらを頼りに谷沿いを下れました。 その他、分岐や鉄塔巡視路入口などコース状況の詳細は、周辺情報下欄の添付ファイルで確認できます。 |
その他周辺情報 | 11月上旬ぐらいから、近くの宇甘渓(うかんけい)の赤橋辺りのモミジが綺麗に色づきます。また、3月下旬から4月上旬にかけて、金川駅近くの宇甘川の堤に、約300mにわたり、約140本のソメイヨシノが咲きます。 |
ファイル |
(更新時刻:2018/10/24 14:10)
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写真
御津工業団地造成にともない、団地の東半分にわたる「みそのお遺跡」より出土した古墳など約420基の一部を移築し整備した公園です。向かって左がみそのお50号古墳<写真02>、右がみそのお15号墳墓<写真03>です。
箱式石棺
こちらは墳丘の上に上がれました。箱式石棺3つのうち、見えているのは2つです。3〜4世紀初めのものと思われます。実物は一辺約9mの方墳だったそうですが、移築時に創作された墳丘はかなり縮小され、3m四方もなかったかもしれません。
周辺にはベンチがたくさんあり、ここも公園の一部かもしれません。灰皿のような筒状のものにマユタテアカネのメスが止まってこちらを見ていました。顔にあるブタの鼻のような2つの黒斑を眉に見立ててマユタテと名付けられました。胸部側面の黒条は細く目立ちません。メスの翅の先端にはノシメ斑と呼ばれる褐色の部分があるものとないものがいます。
フランス名の「ブタのサラダ」を訳してブタナになったそうです。地面に張り付くような葉しかなく、ひょろひょろと長く伸びた茎の先端に直径2〜4cmのタンポポのような黄色い花が咲いていたら、まず間違いなくブタナです。周辺に群生していました。
赤岳の登山口がよくわからず、とりあえず熊野神社<写真11,12>に向かって歩いていると、道沿いに色とりどりの花が咲いている一角がありました。コスモスの他、赤いトサカケイトウ、黄色いマリーゴールド、写ってはいませんが、花壇の縁取りはうっすら色づき始めたコキアでした。
周辺にのみ数株ありました。直径2cm足らずの小さな花ですが、薄紫色の筋模様が入りきれいです。花弁はたまに4枚のものがあります。花の中央に白いもじゃもじゃの毛が生えたイヌセンブリは、岡山県では準絶滅危惧種です。
2つあり、上の方の卵嚢の側にメスがいたそうですが、気づきませんでした。オオカマキリは積雪量を予測して産卵するという説がありますが、積雪ほぼゼロのうちの庭では高さ1m以上の所に産んでいることも多いです。野鳥やアリなどの天敵の有無、日当たり、気温などさまざまな条件を考慮して最適の場所に産むので、卵嚢の高さは積雪の高さに比例するとは限らないのでしょう。とにかく、春には親の思惑通り、体長1cmのチビカマちゃんが無事孵化するはずです(^_^)
直径5mm程の小さな花は、カノコソウに似ていますが真っ白です。花は終わりかけで、スイバやイタドリなどのタデ科の植物の実に似た実がたくさんできていました。この1株だけでした。気づいたら、ズボンが「引っ付き虫」だらけで、さらに目の前にヌスビトハギの仲間とセンダングサの仲間が待ち構えていました(>_<)注意して手でよけて通りました。
赤岳登山道4合目ウグイスの谷の道標辺りです。秋型は夏型よりも翅の突き出た部分が大きくなります。オスのほうが黒っぽいそうなので、これはメスでしょう。翅を広げて止まることはめったになく、枯れ葉にしか見えません。
&赤岳分岐
左の妙見山とは、地形図に載っている御津工業団地の東の山のことではないと思われます。岡山市電子町内会のサイト内の「母谷(ほうだに)区自治会」のページにある「ミテアルキ」で紹介されている赤岳南東尾根標高200m辺りの無名峰のことでしょう。妙見山の石碑があるそうです。ここを過ぎてすぐに赤岳登山道5合目ヤッホー峠の道標がありました。
キチョウは、南西諸島のミナミキチョウと、それ以外のキタキチョウに分けられています。秋型は、夏型よりも翅の表側の黒い部分が少なく、この個体のように前翅の裏側に褐色斑が出る場合があります。
カサの直径3cm、高さ7cm程で幼菌のようです。似たキノコはたくさんありますが、柄の根元がかなり大きくふくらんでいるのでタマシロオニタケではないかと思いました。毒キノコです。
カサの直径は大きくても3cm程でペラペラでした。裏側は毛が生えたように見えます。ウスバタケに似ていますが、大きさと広葉樹らしき倒木に生えていたことから判断しました。動画も撮りました。ここからはちょろちょろ流れをまたぐことはなく、次第に道らしくなってきました。
&クチナガガガンボ?
ヨシノアザミは下の方ほど羽状に裂けた葉が多く、総苞片は多少広がりますが、しっかり粘着したものも見られます。「ヨシノ」は発見者の吉野善介氏(岡山県高梁市出身)の名前です。花の蜜を吸っているのは体長1.5cm程と少し大きいのが気になりますが、クチナガガガンボの仲間には違いないでしょう。動画も撮りました。
&ホソヒラタアブ♀
オオユウガギクは花の直径が3〜4cmと大きく、葉には少し毛があります。ホソヒラタアブが2,3匹集まって花粉などをなめていました。オスは左右の複眼がくっついていますが、メスは複眼が小さく、左右の間があいています。動画も撮りました。
オナモミに似ていますが、北米原産の帰化植物で日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。1929年に岡山県で報告されたのがはじめで、今では全国に広まっています。茎などが赤みを帯びた紫色になることが多く、実のトゲは先端が曲がります。オナモミのほうは全国的に数が減り、岡山県では情報不足で絶滅かどうかわかりませんが、近畿地方では絶滅したところもあります。厄介な「引っ付き虫」はみんな安泰だと思いきや、絶滅とは複雑な気分です。
&セイタカアワダチソウ
テングチョウがたくさんいたので動画を撮っていると、妙に赤いのがいました。キタテハは後翅の裏側にあるハート形の白斑が特徴で、秋型は翅の表側の赤みが強くなります。一生懸命蜜を吸っていたので動画も撮りました。
「コンフェッティ」
別名「七変化」というように、花の色が変化していくタイプと、一色のタイプがあります。これは花の色が黄色からピンクへと変化する「コンフェッティ」という品種だと思います。亜熱帯花木ですが、うちの庭でも地植えで育っています。
予定にはなかったのですが、たまたま近くを通ったので寄ってみることにしました。この階段の下と上とでは高度差50m近くあります。今回のルートで一番きつい登りでした(*_*;上りは5分、下りはコケが生えたコンクリートの急坂で、2分かかりました。
腹部の上の方に白斑があり、体長は6cm程でした。お腹がかなり大きいのでメスでしょう。コンクリート塀の上にいましたが、上下に揺れながら歩き始めました。風に揺れる木の葉に擬態しているつもりらしいのですが、カメラ目線バッチリのまま、「葉っぱだよー、葉っぱだよー」と歩いているのが可愛すぎました。動画に撮った後、爆笑してしまいました。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
出発点は「みそのお遺跡公園」です。御津(みつ)工業団地造成のため、ここに一部が移築されたようです。向かって左側に「みそのお50号古墳」、右側に「みそのお15号墳墓」がありました。古墳時代の前の弥生時代の可能性があるものは古墳ではなく、墳墓(ふんぼ)と呼ばれているのでしょう。
御津工業団地の東半分は、みそのお遺跡といい、弥生時代後期から古墳時代までの墳墓約420基が発見されました。集団墓から墳丘墓、さらには古墳へと墳墓の変遷がこの1か所でわかる貴重な遺跡です。消滅というのは残念です。
この他にも、今回歩いた赤岳南東尾根には7基からなる宇根山古墳群があるようですが、雑木や下草に覆われ明確に現認できない状況のようです。確かに、歩いていてもよくわかりませんでした。
みそのお遺跡公園から赤岳南東尾根の登山口を探しましたが、見つからないので、熊野神社から登ることにしました。いったん、尾根まで出てくると、鉄塔巡視路に入ります。その後は、頂上まで道標があるなど、整備され歩きやすい道となります。思った以上に花や昆虫が見られ、展望の効かない日陰道でも楽しめました。
赤岳頂上からは、いったん、東尾根を下り、北北西に延びる谷に入り、そのまま、谷沿いに下りていきました。地図上には道が描かれていませんが、途中からは、はっきりとした道が出てきました。これまた展望の効かない日陰道でしたが、ちょろちょろと流れる水の音に癒されました。
麓まで下りてくると、写真や動画でも紹介していますように、動植物に満ち溢れていました。
ゴール直前では、カマキリの擬態シーンが見られました。我々に気が付いたハラビロカマキリのメスが突然、大名行列のような歩き方をしました<写真44と動画>。これは、脅しのポーズではなく、風に揺れる葉に擬態し、我々を欺こうとしている行動です。まるで、「私はカマキリではありません。その辺の葉っぱです」と、訴えかけているようでした。カメラ目線バッチリのまま一生懸命前後に揺れながら歩く姿はあまりにもかわいくて、彼女には申し訳ないのですが、しばらく目が離せませんでした(^_^)
今回の山行では、思ったよりも分岐が多く、予定外のルートも無事に下れました。鉄塔巡視路などと組み合わせるとさまざまなコースが考えられそうです。プチ探検気分で行き当たりばったりもいいかもしれません。展望が効かないのが少し残念ですが、なかなかいいところでした。また違うコースにチャレンジしたいと思います。
山行後は国道53号線沿いを南下した突き当りにある「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」で、ランチとディナーを兼ねた食事をしました。メインの肉料理はもちろん、食べ放題の豆腐や枝豆もおいしく、野菜が豊富でとてもヘルシーです。何よりも、アイスクリームのクオリティーが高く、寒くなっても、食欲をそそる味でした!(^^)!
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