おねえさんに引っ張られ、南高尾山稜から城山、高尾山
- GPS
- 07:27
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,114m
- 下り
- 1,109m
コースタイム
7:48 四辻
8:28 梅ノ木平分岐
8:43 草戸山
9:29 西山峠
9:46 見晴台
10:11 金毘羅山
10:47 大垂水峠
11:43 小仏城山
12:40 発
13:23 高尾山頂
14:00 薬王院
14:46 高尾山口駅
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良好。城山から高尾山で少しぬかるんだところがあったぐらい。 |
写真
感想
<テーマ>
年初に腰を痛めて、高尾山には杖にすがっての初詣となった。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-159582.html
先週もまだ自信がもてず、近所の散歩でお茶を濁した。
ようやく腰痛も小康状態となったので、正月で少し厚みを増した下腹を削るためにも、今日は一生懸命歩き回ろうと計画したのが、高尾山口から時計回りに東山稜、南山稜、大垂水峠をへて小仏城山までいって高尾山に戻って来るコース。
去年10月に近いコースを歩いているので、コースの季節変化、自分の変化も確かめたかった。
(10月分)http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-140099.html
ところが出だしに思わぬ出逢いがあり、実り多き一日となった。
<道すじ>
恒例となりつつある三鷹発6:35の高尾行き中央特快に乗り、7:20に高尾山口駅をスタート、国道20号に高尾山の表参道がぶつかる所にある橋本屋のわきを高尾山を背にして入っていく。直ぐ東山稜の尾根に登る登山道になる。結構な急坂で、まだ眠っている体、まして正月太り気味の体にはなかなかきつく、ハアハア言いながら尾根に上がった。「四辻」というところである。
この東山稜から南山稜は、あたかも「高尾城」を守る外壁のようにぐるっと高尾山を取り巻いていて、高さは最高で大洞山の536mに過ぎないが、距離が結構ある上に小さなアップダウンの連続でトレーニングには絶好かもしれない。高尾陣馬ルートに比べればはるかに人は少ないが、山歩きを楽しんでいるベテランが多く楽しい出逢いが多かった、というのが前回の印象。
今回はどうかと思って尾根を歩き出したが、誰にも出会わない。「やはり寒くなると人出は減るんだな」と思いながら尾根道を20分ほど歩いた。簡単なベンチがあったので服を一枚脱ぎお茶を飲んでいると、小生が来た道を女性が一人やってきて、「やあ、人がいた!」といって驚かれた。小柄な、(多分)私より少し年配の女性である。先週まで陣馬山に行っていたが、人が多いのでこちらのコースに変えたという。少し話してそのまま行かれようとしたが私も出るところだったので、なんとなくそのまま話しながら付いていった。
<ねえさんに引かれて>
この女性を親愛をこめてねえさんと呼ばしてもらおう。ねえさんは結構ペースが速い。「私は早いわよ。あなたゆっくりどうぞ。」と口は悪いが、温かみがある。「付いていける所までご一緒しましょう。」といって2,3m間隔を置いて付いていった。しかし、言うだけあって確かに早い。小生としてはトップスピードでしがみついていく感じ。一緒に歩きながらいろいろ話を聞かせてもらった。ねえさんは女性には珍しく、人と群れることを好まず、人で混んだところやおばさんたちの団体も厭でしょうがないようだ。高尾エリアにはしょっちゅう来て、夏のアルプス行きのために鍛えているという。
ねえさんが山に行きだしたのは10数年前だというから、決して若くから始めた登山ではない(失礼)。しかしそれからは憑かれたように山に登ったそうで、今も毎週必ず歩いているという。私が、「正月でちょっと休んで太ったかも」というと、「駄目駄目、毎週来なきゃ、いつから来てるの? 去年の8月? なんだ、まだ初心者じゃない。」と手厳しい。「一応だいたい毎週来てますが。」「ま、写真でも撮ってゆっくり来なさい。」今から思うと、ねえさんは一緒に行くのが厭だったのかもしれないが、そういわれてはますます付いていかざるを得ない。写真もほとんど撮らずに、草戸山、榎窪山、西山峠と過ぎていった。
ここの所ずっと陣馬中心で歩いてきたので、ねえさんもこのコースは久しぶりだという。それでも、「あと登りが幾山あって」とか「あそこまで行けばベンチがある」とか隅々までよく知っている。「このコースは南向きだから、これから春にかけて次々花が咲いて楽しめるわよ。」
高尾ハイクから、徐々にエリアを広げだしているばかりの小生から言えば、「アルプス」はせいぜい本で読む世界だが、当然興味が無いわけではない。少しずつアルプスの様子も聞いていった。以前は数人のともだちで行っていたらしいが最近段々山に行かなくなる人が増えて、去年はツアーに参加して北アルプスへ行ったそうだ。ツアーはそれでもそれなりの人が参加していたが、「ちょっと行くと直ぐ休むから楽よ、らくらく」だそうだ。「でも、あの槍が岳なんて横から見るととんがってるけど、どうやって登るんですか?」「あれもルートがあって、最後はまっすぐな鉄の階段があるのよ」「はしご、ということですか?」「そうね。でもさすがに頂上から降りる階段の最初の一歩のところは怖かったわ。滑ったら死ぬなと思って。」まあ、この話だけで高いとこ恐怖症の小生には、生涯登るまいと思わされる話ではあった。
色々とためになる話も聞かされた。歩くときはしっかり息を吐けというのだ。どうしても気がアセって吸うほうばかり熱心になるが、良く息を吐かないとめぐりが悪くなって頭にも酸素がいかないという。なるほどと思ってそれからは呼気に重点を置いて呼吸してみた。そのほかにも、足全体で地面をつかめ、とも言われた。なるほど、なるほどである。
<見晴台から>
ベンチの多い西山峠をすぎて少し行くとこのコースで唯一展望が開ける見晴台に着いた。木も眺望のために生しておらず、何台かベンチが横並びになっている。そこに先客で座っていたおあにいさんが、ねえさんの顔見知りで話が弾みだす。そのうちに、「この人に今日始めてあったんだけど、私についてきてるのよ」「それは凄い」という。ねえさんの健脚は結構有名なようだ。そのうちもうひとりのおとっつぁんがやってきた。さっき通り道の下のほうでちょっと音がしていたのはこの人だった。特に地図に道はないようだが藪をかき分けてきたのだろうか?
この人も顔見知りのようでさらに話が弾む。おとっつぁんさんもアルプス縦走に備えてトレーニング中のようで、リュックの加重はなんと30Kだそうだ。ねえさんが、「私にも担がせて」といって、この水の重しがたっぷり入ったリュックを背負ってみる。つい小生もつられて腰痛もちのくせに担がせてもらった。しかし、つい腰をかばって腕だけであげようとして、おとっつぁんに「あー駄目駄目」といわれた。仕切りなおして腰を入れてあげてみると、あがることはあがるがこれで山を登るのはとても考えられない重さ。
おとっつぁん達と分かれてさらにねえさんに付いて南山稜を西に進む。中澤山を越えてリュック掛けのある金毘羅山に到着。ここでねえさんは朝食兼昼食を採るという。小生はこの後城山まで行くつもりだったが、ねえさんは「城山は混むからいや」とやはり人ごみがお嫌いだ。大垂水から学習の道経由で薬王院に行く予定だと。薬王院こそ人ごみの極みだが、社務所で健康登山のはんこを押してもらうそうだ。
「私も正月に健康登山の冊子買ったんですよ。今日忘れましたが。」「ずっと入れとかなきゃ駄目よ」「もう何冊かやってるんですか?」「今七冊目」。ということは、150回ほどになる。ずっと厭だったが、区切りではじめたそうだ。
小生もここでおにぎりひとつ食べたが、昼食は城山で採る予定。名残惜しかったが、ねえさんは長休憩のモードなのでここでお別れすることにした。「ここに毎週来るから、また会いましょう。ここまで私についてこれたんだから、どこの山にでもいけるわよ。」と最後にうれしいお墨付きをいただいて、なんともいい気持ちになってさよならをした。
<大垂水から城山へ>
大洞山から年末に相模湖側に冒険した赤馬分岐をへて大垂水へ下っていく。
(年末の冒険)http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-155564.html
大垂水峠では前回城山に登ろうとして道を間違え、一丁平に上がってしまった。今回は、100Mほど20号にそって歩いて城山に上がる道の入り口を見つけ、階段を上がっていった。この道は結構急な上にあまり人が歩いていないようでなんとなく荒れた感じがする。上り始めて少しのところでやはりおっちゃんに出会ったが、すれ違いざま「ここはさびしい道だあ」とおっしゃった。
ところが、このあたりで事態の変化に気づく。ここののぼりはずいぶん急で大変ではあるが、それにしても足が動かない。やはりねえさんに引っ張られて自分のトップスピードで歩き続けたツケがここに来て出たようだ。今まで足が駄目になるのは下りで前の太ももをやられることが多かったが、このときは後ろの太ももから尻にかけての大きい筋肉がエンストを起こしたような感じになった。前進力を能力以上に使いすぎたのであろう。このときの城山までののぼりは随分遠い印象だった。
<城山から>
ようやく城山につく。ねえさんのいってた通り結構人が多い。新しく出来た関東平野側のベンチが人気で、いくつかのグループが様々バーナーも点けて広げている。小生も足がガソリン切れでもあり、少し茶店に近いところに席を取って、バーナー出してゆっくり食事を始めた。カップラーメンのために湯を沸かしていると、突然おっちゃんが前に来て、「茶店やってますから、なんか買ってください。」というダイレクトな申し入れをされた。今までここでこんなことを言われたことも無かったので、何が起ったかわからず一瞬むっとしたが、茶店も大変だな、と思って「あ、分かりました」といっておいた。するとそのおじさん、ほかの人たちのテーブルも回って「セールス」している。そのうちおばさんたちが、「あの人だけが言うのよ」と非難めいていっているのも聞こえる。言われた人はなんとなくしらけてそそくさ席を立っていく人が多かった。小生はもともとなめこ汁をいただくつもりだったが、カップラーメンとちょっと被るのでメニューを見てお汁粉の缶をいただいた。おじさんが、「ありがとうございます」、といかにもうれしそうに笑っている。なんか、人生の機微が見えるような見えないような。
この日は富士山は見えないと思っていたが、城山の上からは白いもやのかかった中にぼんやりと水墨画のように浮かび上がる姿が見えた。晴れた日の冨士とは違うよさがあった。そうこうするうち1時間ほどたち足の疲れもやや回復したので、城山を出て、高尾山方向に帰った。もみじ台は久しぶりに北側の巻き道を通り、「シモバシラの華」藻見ることが出来た。
<高尾山を下る>
高尾山頂への階段は疲れた足にはちょっときつかったが、山上にはまた大勢の人、寒くても登山客世界一の威容を誇っている。山上からは一号路を避け「裏道」経由で薬王院へ。薬王院の寸前で面白いものを発見。鳥居があって、弁天様を祀っている。「穴弁天」というらしく名前の通り狭い洞窟があってその奥に弁天様がおられる様子。薬王院はお寺だが権現様を祀っているわけで権現は神仏習合の象徴のようなもの。お寺の裏に弁天様を祀る鳥居があるのはいかにも神仏習合の山、高尾山らしい。しかも穴弁天とは...いい弁天さんに出会えますように、と四つんばいになって洞窟に入ってみました。ご利益いかに???
下りはなぜか子どもの団体が多かった。こちらはしごかれたあとで、よたよたしながら歩いているが、子ども達は塊で走って追い越した、と思うとまた逆流してきてすれ違う。そんな繰り返しのままで1号路を下まで降りた。
<まとめ>
今回はねえさんに出会うというラッキーに恵まれ実り多い山歩きとなった。
引っ張ってくれる人がいたからあのスピードで歩けたが一人ではとても無理だろう。今後は、そのあとのエンジン切れのようにならないようにさらにスタミナをつけたいと思う。
(参考コースタイム)
梅の木平分岐 金毘羅山 タイム
10月2日 11:18 13:30 2:12 (道を間違え5分ロス)
今 回 8:28 10:11 1:43
ねえさんありがとうございました。またお会いしたときはよろしく。
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