記録ID: 1640446
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無雪期ピークハント/縦走
甲信越
大力山〜笠倉山。紅葉万華鏡、魚沼低山の底知れない魅力
2018年11月04日(日) [日帰り]


体力度
3
日帰りが可能
- GPS
- 08:08
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 1,128m
- 下り
- 1,118m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 7:19
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 8:04
距離 13.0km
登り 1,128m
下り 1,128m
笠倉山に登山道のできたのを知ったのは去年のことだったろうか。
ずいぶんと以前のことになるが、冬の終わりと言おうか春の初めと言おうか、夕刻、関越道を妻(さい)とふたり東京方面へ向かって車を走らせていた。周りにはまだたくさんの雪が残っていた。そのときちょっとしたダメージを受け、少々萎えていたように思う。越後川口を過ぎて、大きなカーブをふたつ曲がると、高速道は下り勾配の直線道路となった。視界が大きく開け、澄明な青空のもとに、突如真っ白な山並みが圧倒的な迫力で目前に立ちはだかった。神々しい光景だった。今まで曇っていたはずだが、そのときは天空が割れたと思った。目の前の上空は明るく輝き、その光が下へ降りおちているような感覚のもと、白い山々はこの上なく白く輝いていた。遠くにあるはずの山々が間近に感じられ、細部まで鮮明だった。山岳の極美とは大袈裟に過ぎるだろうか。ちょうど、あたりを走る車はなく、しぜんスピードはゆるまり直線道を下っていった。しばらくの間、この荘厳な美に触れていた。「きれいだね」と静かに発するのがやっとだったように思う。首肯き返しただけだったのは、同様に感動していたからだろう。勝手に解釈するなら、自然が胸襟を開いた、そんな瞬間だった。
このとき以来、数年間、早春にはかならず魚沼を訪うた。近似体験の試みは、おおかた無駄だったような気もする。平地巡りでかなわずに、越後三山が間近に見えそうな山頂を探すに地図を広げた。その一座が笠倉山だった。登山道のないこの山に登るには己の力量では残雪期でもあやしかった。早春に目指した。大力山から黒禿の頭まではタムシバの乱舞ですばらしく、そこを過ぎた短い急下降で、くるま道に降り立つと、そこだけアスファルトが露出し、左右はまだべったりと雪が残っていた、それも斜面から雪崩れたのだろう、傾斜して積もっていた。情報は明らかに少なく、準備もままならない状態だった。行けばわかるだろうと思って来たが、25000分の1地図ではそこから右に行けばいいのか左に行けばいいのかすら分からず、小一時間ほど取り付き点を探したが見つからなかった。どこも傾斜がきつかった。見つかってもはたして登れたかどうか。断念して、帰路に着いた。笠倉熱は、いや、三山展望熱は徐々に冷めていった。
そして、道ができたことを知ったのだった、魚沼アルプスの新名称をともなって。
ずいぶんと以前のことになるが、冬の終わりと言おうか春の初めと言おうか、夕刻、関越道を妻(さい)とふたり東京方面へ向かって車を走らせていた。周りにはまだたくさんの雪が残っていた。そのときちょっとしたダメージを受け、少々萎えていたように思う。越後川口を過ぎて、大きなカーブをふたつ曲がると、高速道は下り勾配の直線道路となった。視界が大きく開け、澄明な青空のもとに、突如真っ白な山並みが圧倒的な迫力で目前に立ちはだかった。神々しい光景だった。今まで曇っていたはずだが、そのときは天空が割れたと思った。目の前の上空は明るく輝き、その光が下へ降りおちているような感覚のもと、白い山々はこの上なく白く輝いていた。遠くにあるはずの山々が間近に感じられ、細部まで鮮明だった。山岳の極美とは大袈裟に過ぎるだろうか。ちょうど、あたりを走る車はなく、しぜんスピードはゆるまり直線道を下っていった。しばらくの間、この荘厳な美に触れていた。「きれいだね」と静かに発するのがやっとだったように思う。首肯き返しただけだったのは、同様に感動していたからだろう。勝手に解釈するなら、自然が胸襟を開いた、そんな瞬間だった。
このとき以来、数年間、早春にはかならず魚沼を訪うた。近似体験の試みは、おおかた無駄だったような気もする。平地巡りでかなわずに、越後三山が間近に見えそうな山頂を探すに地図を広げた。その一座が笠倉山だった。登山道のないこの山に登るには己の力量では残雪期でもあやしかった。早春に目指した。大力山から黒禿の頭まではタムシバの乱舞ですばらしく、そこを過ぎた短い急下降で、くるま道に降り立つと、そこだけアスファルトが露出し、左右はまだべったりと雪が残っていた、それも斜面から雪崩れたのだろう、傾斜して積もっていた。情報は明らかに少なく、準備もままならない状態だった。行けばわかるだろうと思って来たが、25000分の1地図ではそこから右に行けばいいのか左に行けばいいのかすら分からず、小一時間ほど取り付き点を探したが見つからなかった。どこも傾斜がきつかった。見つかってもはたして登れたかどうか。断念して、帰路に着いた。笠倉熱は、いや、三山展望熱は徐々に冷めていった。
そして、道ができたことを知ったのだった、魚沼アルプスの新名称をともなって。
天候 | 晴れ 早朝、南魚沼地方に霧が発生。朝霧は好天の前兆のようで、霧中を運転すると、かならずその後すばらしい天候に恵まれる。 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
撮影機器:
装備
個人装備 |
軽量ザック
軽量ダブルストック
軽量登山靴
夏ズボン
ガスカートリッジ
|
---|
感想
もう、これ以上の言葉はいらないだろう。最初から最後まで感嘆の連続だった。
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