月山山麓(雪崩講習とスノーシューハイク)

過去天気図(気象庁) | 2007年03月の天気図 |
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写真
感想
3月28日
宿泊施設周辺でクロスカントリースキー。スキーの貸し出し量は1500円です。安いです。(結局これはサービスでただになりました)
クロスカントリースキーは滑ることよりも歩き回る?ことに特化しています。
かかとが固定されておらず、普通のスキーみたいにやるとたいてい転びます。特に曲がるのが難しいです。
午前中は、宿泊施設から少し離れたなだらかな斜面でみんなで曲がる練習をしましたが、
結局、うまく曲がることは出来ませんでした。
午後からも散策を続けて、たどりついたプレイロッドらしきところで雪遊びをしました。
雪合戦やビーチ(スノー)フラッグ、雪上リレーとかして遊びましたが、半端なく疲れました。
さて、皆さん。極寒の雪山、よもや虫はいまいと思われるでしょう。
しかし、いますよ〜。セッチュウカワゲラという体長1センチほどの虫がいます。
いや〜虫はどんなところにもいるんですね。
宿泊施設に戻ってからは、今日合流の先輩を迎えにいき、買出しをして温泉で行きました。
やっぱり温泉は気持ち良かったですね。
温泉で疲れを癒し、また宿泊施設に戻ってからは晩飯の鍋作りです。
野菜やら肉やら魚やらをぶっこんで作りました。
暖かくてとてもおいしくいただけました。
晩飯を食べたあとは、テレビを見ながら談笑したりしながら就寝時間。
3月29日
今日は毎年お世話になっているエコプロという月山や朝日連峰のガイドをやっている方々に
最近雪崩事故が多発しているということで、雪崩と雪崩事故についての講習会をしていただきました。
朝方、ポレポレファームから近くのネイチャーセンターへ移動し、まずはそこで講義です。
雪崩の種類、発生原因、起こりやすい条件、雪崩事故におけるさまざまなこと(時間と死亡率の関係、
遭難者がどこにいる可能性が高いか)、遭難者救出のために必要な道具やその使い方、心得など、
私たちが雪山で行動するにあたり、決して欠けていてはいけないことをたくさん学びました。
昼飯をはさんで、午後からは実際に雪原に出てビーコン(雪に埋もれた遭難者を探す探知機)や
ゾンデ(雪に刺す棒で遭難者の埋もれいる場所や深さを特定する道具)の使い方を実践。
漠然と探知機というイメージしかなかったビーコンですが、電波の出方やそれに基づいた捜索方法、
近づいたときの操作法、メーカーの違いによる性能やクセなどいろいろ理解が深まりました。
また、積雪の断面を確認し、どの層によって雪崩が起きやすいか、弱層(雪崩が引き起こす層)、
を探し出す方法を実践したりしました。
一見どこも同じ雪のように見えますが、断面を見るとザラメだったり、押しつぶされ引き締まった雪だったり、
堅い氷盤があったりさまざまです。
このときにシャベルを使って雪をかなり掘るのですが、かなり疲れました。
一昨年やその前の年は、シャベルで雪洞を掘って一泊したのですが、あの時よく掘れたなと思いました。
さらに、雪崩に巻きこまれた想定で、雪のなかに埋められて、どんな感じがするかとか、体は動くか、どんな音が聞こえやすいか、
明るさはどうか、ゾンデ棒で刺したとき人に当たるとどんな感触かなどをためしました。
人にあたるとプニプニとした感触がします。
今回は私埋められませんでしたが3年前きたときは実際に埋められました。
まったく体は動かず、光も無く、もし雪崩にあってこんな状況に置かれたら本当に
自分がいきているのか分からないくらいの恐怖を覚えるでしょう。
まあ、これ見よがしに埋まった仲間をゾンデで刺しまくったりしましたが、
これはガイドさんの指導のもと行っているので、決してお遊びでやってはいけません。
最後に今日の総復習ということでセルフレスキュー訓練。
ガイドさんが埋めた遭難者を模したザックやスノーシューをビーコンとゾンデを使って救出するというもの。
さすがに今日やったばっかりなことと、埋めた深さも浅かったりとちゃんと短時間で救い出すことができました。
しかし、実際は人の命がかかっており、埋まってる深さも深かったり、天候が悪い、雪が堅い、
二次災害の危険、第一目標は15分以内の救出(この時間を過ぎると遭難者は窒息死する)
などさまざまな要因が複雑に絡み合うわけですので、パーティーでの命令・情報体系、いかに効率よく、
シンプルに、安全にレスキューするか、冷静でいられるかなど課題は山積です。
避難訓練と同じで、何回も繰り返し、体に刻み込むことが重要だと思います。
こんなかんじで、山登りではなかったもののとても貴重で重要な体験をさせていただきエコプロの方には感謝感謝です。
あと大学の実習の関係で先輩がこの日一人お帰りになられました。翌日の山行も一緒に行きたかったのですが残念です。
3月30日
しかし、朝起きてみると雨・・・
本来ならば今日はスノーシュー(かんじきを発展させた雪上を歩き回るための道具)でハイキング組と
雪山登山組に分かれて行動する予定だったのですが、
エコプロから雨なのでとりあえず様子見という連絡。
やることがないので、コテージでUNOで遊んでました
そんなことをしているうちに雨がやみ、青空まで見えるという回復。
午後から9人揃ってスノシューハイクをするということになりました。
そんなことをしているとガイドさんが到着。
ポレポレのおじさんにマイクロバスで、近くの志津温泉におくってもらいここから登山開始。
沢にかかるスノーブリッジをわたり、かつてはスキー場だったという広い斜面を登って尾根を目指します。
なぜか長い登りだというのにダッシュで駆け上がっていってしまい途中ですぐにバテテしまいました。
結局のろのろと進み、とりあえず登りはひと段落。しかし、いつのまにかガスに覆われて回りはまっしろ。
これがひどくなると俗にホワイトアウトという現象になるのでしょう。
それからしばらくは、森のなかを進みます。ガスがでると展望はありませんが、森の中はとっても幻想的です。
特に針葉樹は幹がまっすぐなのでとても美しいですね。
森の中を抜けていくと広い尾根に到着。少し一休みしているとガスが取れてきました。
ブナの巨木やヤドリギを眺めながら尾根を進んでいきます。
途中、ノウサギがおいしから食べるという木をかじって味を確認したりというようなこともありました。
ちなみにこの尾根は夏はササに覆われて登ることはできないそうです。
尾根を進み続けると、ポレポレファーム周辺やダム湖の方面の展望がとてもよいところに出ました。
なぜかポレポレのところだけ日が差していました。
この場所から少し下った尾根は雪庇(山の稜線の風下に突き出した庇状の積雪。
この上に乗ると雪庇ごと下に落ちて埋まったり、崩れて雪崩を引き起こしたりと危険なもの)が張り出しています。
ガイドさんの指示を受けながら、林沿いに進み尾根を突破します。
突破したところで小休止、みんなで行動食を食べて腹ごしらえをすまし再出発。
ここからは下りなのですが、スノーシューの醍醐味は下りにあります。
急斜面を滑って下っていくのがとてつもなく楽しいのです。
ガイドさんが場所を見極め滑ります。山スキーを担いでいけばスキーで滑れて楽しいそうです。
わざわざ下ったところを登りなおし、滑ったりもします。
かなりスピードも出るので絶叫マシンのよう。
さらに腹ばいになってすべるようなこともしてさながらエアースケルトンといったところです。
そんなアトラクションを何回も繰り返しながら、なだらかな場所に到着。
開けた雪原で目をつぶってまっすぐ進めるかを試してみたり(ホワイトアウトになるといつの間にか違う方向にいくこともあるそうです)、
第二回スノーフラッグ大会をしたりと遊びに遊んでポレポレファーム到着。
その後はガイドさんに温泉に送ってもらい、疲れを癒しました。
また、ポレポレファームまで戻りガイドさんとはお別れ。
毎年毎年、月山で楽しい思いができるのはこの方のおかげなので本当に感謝です。来年はテレマークスキーをやろうといってました。
といった感じで3回目の月山、山岳会としては4回目の月山は幕を閉じました。
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