天狗角力取山


- GPS
- 14:00
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 1,412m
- 下り
- 1,406m
コースタイム
天候 | 初日 晴れのちにわか雨、二日目 快晴のち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山ポスト無 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・大井沢林道始点〜南俣沢出会い 起伏の少ない林道歩き。歩きやすいのですが片側が急な斜面になっているところが多く、上からの雪崩に気を付けなるべく林道端を歩きます。分かれ道が何か所かあるので注意。 ・南俣沢出会い〜バカ平〜竜ヶ岳水場 出会いのすぐ先で尾根に取り付きますが、高さ20m程度の急斜面を一気に上がります。雪の具合によってはかなり苦労しそうです。 その先はバカ平と呼ばれるなだらかな広尾根。杉の樹林帯で見通りは悪く目印は無いので、下りは注意。その先徐々に尾根が細くなり雪庇が張り出してきます。雪庇の反対側は藪になっているので、歩きやすいところは雪庇の上の可能性があります。細尾根の両側は切れ落ちているところが多いので滑落注意。 ・竜ヶ岳直下のトラバース このコースの核心。雪崩の危険が高そうです。急斜面をトラバースしなければなりませんが、急斜面の上には雪庇が張り出しています。国土地理院地図で表示されている夏道のかなり下側を通るべきのようです。(私の通ったコースはかなり危険です。) ・竜ヶ岳水場〜竜が池〜雨量計小屋 徐々に灌木が少なくなり歩きやすくなります。竜が池を過ぎ1255mピークを過ぎたあたりから森林限界を越えます。風当たりが強くなるので装備の確認はこの辺りで。 ・雨量計小屋〜粟畑〜天狗角力取山 広い斜面になりますが、細く両側が切れ落ちたところを通過するところもあります。風が強く吹くところなので雪がしまっている可能性が高く滑落注意。どこまでも滑っていきそうな斜面が続きます。 |
その他周辺情報 | 大井沢温泉 ゆったり館 冬季営業は朝10時から夜7時まで 料金¥300 |
写真
装備
個人装備 |
スキー
テント
|
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感想
〜先週は近所の山の雪が少なくて不完全燃焼だったので、少し雪が多そうな朝日連峰に来てみました。
豪雪で知られるこの地域、記録もあまり出てないので状況はよくつかめません。夏場なら日帰りコースでも積雪期に小屋に届くとはとても思えないので、ピークを狙わないテント泊のつもりで出発します。大井沢の林道起点で積雪は〜30〜40cm程度。
夏場に何度か大井沢から登っているのでコース状況はなんとなく分かっているつもりでも、実際に登ると全く違います。林道も至る所でデブリがあって見るたびに緊張が走ります。朝の早いうちに林道を通過したので特に問題はありませんでしたが、帰りに新たな雪崩跡があったので積雪が増える今後はさらに気を付けたほうが良さそうです。この林道に真新しいクマの足あとが残っていたのでどうやらクマが徘徊しているようです。(その後 稜線に至るまでたくさんの足あとがありました。形の崩れていない新しい足あとがたくさんあったので冬眠できなかったクマが餌を求めて歩き回っているようです。)
南俣沢出会いから尾根に取り付きます。取り付きは崖に近い急斜面になりますが、幸い降雪後しばらくたった締まった雪のおかげで苦労することなく尾根に乗ることが出来ましたが、降雪直後はかなり苦労すると思われます。この尾根はなだらかな樹林帯でピンクテープなどの目印はありません。視界が悪くなると厄介な感じです。
その後徐々に尾根が細くなり南側に雪庇と左側に藪のパターンで登下降しずらくなってきます。シールが効くのでそれほどひどくはありませんが、スキー滑降を楽しめるような斜面ではありません。
今回はかなり気温が上昇して まるで春のように新雪が湿気を含んでおりました。おかげでかなり重たくこのままでは雪庇の崩壊や全総雪崩が起きるのでは危なそうな斜面を通るたびにかなりドキドしながら登っていました。
そんな状態なので竜が岳直下のトラバースはかなり焦りながら通過しました。頭上には小さいながらも雪庇とその下には45度を超える急斜面。木が一本も生えていない斜面は雪崩の常習箇所なのでしょう。あとから記録と地図から調べたところ、もっと下のほうを通るべきだったと反省しております。検討不足でかなり危険なコースをとってしまったようです。
幸運にもなんとか無事に通過できたのですが、この日はあまりに気温が上がったせいでシールが雪団子になって歩くのがかなりひどくなってしまいました。何度かワックスを塗ったりしたのですが全く役に立たず、しかも雨もパラついてきたのでこの日の行程はここで終了することに。今回は外張りも持ってきたのですが、この気温だと持ってこなくてもよかったかなと少し後悔。とりあえずテント設営したあと、ワカンを付けて空身で少し上のほうへ様子見。この先の行程でヒドイところは無さそうなので翌日の天気を見て進むか戻るか考えることにして、テントに戻って過ごしました。(ちなみにテントを張ったこの付近は携帯の電波が入ったので天気予報をチェックすることが出来ました。)
翌朝は想像以上の天気。午後から崩れるのが信じられないくらい無風の快晴です。荷物をまとめザックをデポして身軽になって山頂アタックです。前日偵察していたおかげでスムーズに山頂を踏むことが出来ました。稜線上のみ多少の風があったものの特に問題になることもなく絶景を楽しんでまいりました。
ちなみに山頂付近は前日までの気温と風でクラストしておりこの先に進むにはアイゼンとピッケルの世界になります。
帰りはシールを外して気持ちの良いスキー滑走と行きたいところですが、腕前が全く足りないのと細かいアップダウンが多く、結局南俣沢出会いのすぐ上のバカ平までシールを外すことが出来ませんでした。スキー滑走という意味ではあまり楽しむことはできませんでしたが、タイミングよく最高の景色を堪能でき最高の気分で降りてくることが出来ました。
コメント
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chicken_manさん お疲れ様でした。
この時期に天狗角力取山とは恐れ入ります。
chicken_manさんのレコはいつも参考にさせて頂いております。
ありがとうございます。
竜ケ岳のトラバースは何度歩いていても難しいと思います。
実際の夏道は国土地理院の地図と違いますし、
夏道と積雪期のコースも違いますので、
chicken_manさんが難儀された所は、皆さん苦労しているようです。
それにしても、翌日晴れて良かったですね。
コメントありがとうございます。
いつも朝日を愛するmaki2015さんのレコ楽しく拝見いたしております。
今回の山行も、maki2015さんたちお二人の積雪期レコ参考にさせていただきました。ありがとうございます。
しかし折角の記録 参考にさせていただいたにもかかわらず、結局トラバースで右往左往してしまいなかなか有効に役立てることが出来ませんでした。お恥ずかしい限りです。
ともあれ翌日の晴天で素晴らしい景色を得ることが出来たことは心に残る山となりました。
これからもmaki2015さんのレコ楽しみに、また参考にさせていただきたく思っております。勝手ながらよろしくお願いいたします。
さらっとすんごいとこ歩くな〜〜
流石っす。
雪がもっと増えるとますます厳しいルートになりそうだな〜〜〜
でもまあ晴れ間が美しくて何よりですわ♪
クマは林道から稜線までどこまでもツボ足で歩いてました。(笑
今回は気温のおかげで雪が締まっててほぼラッセルなしだったから稜線まで届きました。
稜線まで届く予定は全くなかったんで逆に驚いてます。
あれが今度の週末なら多分無理な気がします。
やっぱり冬は運に左右されます。
それにしても登り切ったところがあの光景は、本当に思い出に残りました。
のテント泊とは羨ましい限りですね。
小屋泊かと思って覗いたらまさかのテント泊でしたか。
蔵王に比べるとやはり雪の量は全然多いですね。
天気にも恵まれたようで、真っ白になった以東岳、間近で見てみたくなりました
あわよくば小屋に届くかなと甘い考えで歩いてたんですか、やはりと言うか予想上回る高温で2週連続のテントになってしまいました。
それでも翌朝も好天に助けられて山頂を踏むことが出来たのは幸運でした。さすが朝日は12月でも良い感じに積もってます。この寒波でさらに増えてラッセル天国が待っててくれることと思います。
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