四阿山(あずまや高原ホテルから往復)
群馬県
長野県
tanno1967
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 914m
- 下り
- 915m
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| 天候 | 雪のち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年02月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
車で上田方面から国道144号線を走り、鳥居峠手前で左に入り、あずまや高原ホテル下の駐車場には6:30頃到着した。国道は除雪されていたが、ホテルへの道には10-15�僂凌契磴�あり、かなり前に通ったと思しき車のわだちを頼りにホテルまで来た。しかし駐車場に入ろうと曲がったところで車輪が雪にとられ動けなくなった。ちょうどホテルから出てくる車があり、私の車が道をふさぐ格好になっていたので、3人で後ろから車を押していただき、ようやく駐車場に入った。駐車場には2台車が止まっていたが、出発は私が早かった。 登山口から牧場下まではつぼ足で問題なく歩けた。牧場下(1610m地点)でワカンを装着したが、牧場の中は足首まで潜る程度で、夏道とあまり変わらない感覚で歩けた。1740m付近で登山道に入ると、ふくらはぎ付近まで潜る感じになったが、それでも比較的順調に登れた。途中、夏道を外れて稜線沿いを登った際に抜かれたのか、あるいは菅平牧場から中尾根を経由してきた人かわからないが、2150m付近で、二人のスキー登山者のトレースをたどる形になった。そのあたりから頂上下、2300m付近にかけては緩傾斜の尾根で、新雪が飛ばされるほどの風がなかったせいか、ワカンをつけて膝まで、落ち込むと腿まで潜る感じの雪で、登るスピードは落ちた。頂上手前で傾斜がやや急になるとワカンの方が早く、頂上手前300m付近で前に出て、頂上に着いたのは一番早かった。私がついた後、5分ほどのうちに、単独登山者、小パーティーを含めて5人ほどが頂上に到着し、12:05頃にも別の5人パーティーが到着した。このパーティーは菅平牧場から中尾根を登ってきたパーティーで、根子岳を経由して降りるとのことだった。 登山口を出発した時間までに雪は少し小止みになっており、天候回復の兆候が見られたが、頂上までは基本的にガスの中を登ることになった。気温は思ったほど低くはなかったが、アメダスのデータによれば、当日7時に菅平でマイナス9.4度、正午にマイナス7.3度とのことだったので、昼ごろの四阿山頂上ではマイナス10度は下回っていたと思う。牧場の中や稜線で風に吹かれると顔が冷たかったが、持っていた目出帽は使わずじまいだった。稜線でも風はせいぜい5-7m位だった。多くの登山者は、頂上にいると体が冷えるから、と休憩もそこそこに出発していったが、風が弱かったせいもあり、私は岩陰でカップラーメンを作って食べ、50分も山頂にいた。しかし、天候はなかなか回復せず、ガスの切れ間に烏帽子・湯の丸方面が見えたくらいだった。頂上まで晴れあがってきたのは私が降りる途中の13:30頃だった。 下りは体力的には楽だったが、広い尾根なので、地図とコンパス、そしてデジカメについているGPS機能を使って、尾根を外さないように降りた。とはいっても、次第に晴れてきたので、よく見ていれば迷う心配はない状況だった。多くの人はスキーで登っており、大斜面に気持ちよさそうにシュプールを描いていた。 |
写真
頂上の祠(山家神社の奥宮)。この祠の起源は少なくとも戦国時代に遡り、真田幸村の祖父、真田幸隆が奥宮を修復したとする史料があるのだそうです。由緒のある神様のお社に、足に履くスキーを立て掛けるのはやめましょう…
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感想
もともとは鬼怒川温泉に泊まって高原山に登ることを計画していたのですが、別所温泉に泊まって四阿山に登ることに計画を変更。
寒い日が続いていたので、装備には気を遣いましたが、気象条件には比較的恵まれ、無事頂上まで往復してこられました。頂上で晴れなかったのは残念でしたが、下る途中からは、浅間や鹿沢の山々、そして雲上に槍穂から鹿島槍あたりまでの北アルプスが浮かんでいました。
あずまや高原ホテルから四阿山への道は、急な個所がなく、標高差も900m程度で、条件が良ければ比較的簡単に冬山を楽しめるコースだと思います。傾斜が緩く、鎖場等もないので、風が強い場合はともかく、頂上までスノーシューやワカンを付けたまま、ピッケル・アイゼンなしで登れます。私も単独でしたが、頂上にきた登山者の多くが単独行動だったのも、割合に楽なコースと認識されているからでしょう。
しかし、傾斜がゆるいということは、深雪の場合動きがとりにくくなる可能性があり、また下りの際迷う危険性も大きいということになります。今回は条件がよかったので問題ありませんでしたが、強風の時、見通しが全く効かないときは危険も大きくなります。冬場に登る方はやはり慎重に準備するべきでしょう。
今回、比較的最近購入した、高度計・GPS機能付きのカメラ(パナソニックDMC-FT3)を使ってみました。高度計の方は登山口で合わせても頂上では50m程度の誤差が出るくらいで、ルート・ファインディングの参考にするにはちょっと精度が足りないな、と感じましたが、GPSの方は、使い方さえ覚えれば現在位置を正確に特定してくれるのでありがたいものだと思いました。ルート上の通過するポイントの経度緯度を、国土地理院の地図閲覧サイトで100分の1秒単位まで調べて書き込んでおいたので、GPS機能を使って正確な現在位置を把握することができました。雪山を歩くにはやはり便利ですね。
帰りに泊まった別所温泉も、静かでなかなか風情がありいい温泉でした。上田盆地の南から西にかけては、独鈷山、夫神山、子壇嶺岳など、低いながらも個性的な山が点在しているのが分かったのも今回の収穫でした。
後で調べてみると、四阿山はなかなか歴史の古い山で、山岳信仰の歴史は、少なくとも8世紀に白山が開かれた頃、白山権現を勧請して祀ったときに遡るのだとか。
http://ogino.ninpou.jp/sanada/yamagazinzya/index.htm
麓にあり、もともと四阿山を御神体とする山家神社によらなかったのは残念。また菅平方面に行く機会があれば寄ってみたいと思います。
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kotarou1114 さん
タンノさんこんにちは
ヤマトタケルはここで東国を振り返り「吾妻はや・・」とか言ったのでしたよね。四阿山の故事は神代（古事記編纂時代）までさかのぼるようです。真田家の直した祠とは知りませんでした。バチあたりなスキーヤーですね。でもそのうち年をとったらそういうこともわかるようになると思いますよ。
yoneyamaさん、コメントありがとうございました。
ヤマトタケルの伝説はあちこちに残っていて、上州武尊山など名前までそのままですが、四阿山の場合、近くに嬬恋村があったり、吾妻川が流れていたりするので、伝説の舞台としては良く整っている感じがします。
調べてみると、ヤマトタケルが「あずまはや」と嘆いたのは、日本書紀では碓日坂、古事記では足柄坂となっているのだそうです。また古代の東山道は現在の入山峠、つまり軽井沢の南側の場所を通過していたので、これが碓日坂なら四阿山からは遠くなります。さらに、嬬恋村というのは明治になって初めて誕生した地名のようで、こうした材料を組み合わせれば、四阿山はヤマトタケルとは無関係で、四阿山にまつわる伝説はずっと後世の創作に過ぎない、という説もできそうです。
その一方で、上野国吾妻郡というのは律令の時代から吾妻川流域にあったことは事実のようです。また、碓日坂というのは鳥居峠に相違ない、と主張される方もいます。
http://k-tumagoi.seesaa.net/category/10703559-1.html
もし古代の碓日坂が鳥居峠であれば、伝説を下敷きにして「吾妻郡」や「あずまや山」という地名が早い時期に成立した、という想定も成り立ちそうです。
いずれにしろ伝説の世界の出来事ですが、山名の由来としてはヤマトタケル伝説の方がロマンがあっていいですね。
神社にスキーを立て掛けた件は、その場で見ていて何の違和感もなかったのですが、古い歴史のある祠と聞いて、後から思った次第でした。山の神様はおおらかなので、きっと罰は当たらないことと思います…
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