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Yamareco

記録ID: 1730239
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

穂高岳(涸沢までで敗退)

2011年09月28日(水) 〜 2011年09月29日(木)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
30.4km
登り
923m
下り
914m
天候 晴れ/土砂降り
過去天気図(気象庁) 2011年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
予約できる山小屋
横尾山荘

感想

ヘロヘロ隊、満を持して穂高岳に挑んで参りました!

まずは観光名所河童橋。
初めて上高地に来た時に、この橋から眺めた景色に感動したモノですが今日もその素晴らしい景色は健在です。
山に登らなくとも、この景色を見るだけでここに来る価値があると思うんですよね。

北アルプスの香炉は今日も静かに煙を吐いております。
焼山にもいずれ登らんとな。

梓川沿いの道を明神に向けて歩きます。
テント泊装備の重い荷物のおかげで足どりが重いです…。
槍に来た時はもっとさくさく歩けていたような気がするんですが、やはり装備重量の差でしょうか。

50分歩いて明神着。
まだ余裕。

明神から1時間で徳沢に到着。
ここで軽食とコーヒーなどをいただいて…あ、自前で用意したヤツですけどね?

徳沢でちょっとのんびりしすぎたので(なんだかんだで1時間くらい滞在した気がする…)先を急ぎます。

さて、いよいよ横尾です。
ここまでは槍に登った時に歩いたルートですが、この先は初めて歩くルートとなります。

横尾大橋を前に緊張するツートン(笑
まぁね、確かに「穂高」って特別な響きですよね。
緊張するのも分かります。

横尾大橋を渡ると、フラットではありますがいよいよ登山道らしい道になってきます。 槍に向かう道もこんな感じの雰囲気だったと思いますが、違うのは

どーんとそびえる屏風岩の存在。
あそこはもうクライミングの世界で、私には関わりのない世界ですが下から見上げるだけで圧迫感すら覚えますな。

道は少しずつ斜度を増し、岩が多くなっていきます。
背中の荷物の重みが堪えますが、非常に歩きやすく整備されている道なのであまり苦痛は感じません。
見た目岩ガラの道なんですが、ほとんど浮き石というものがないんですね。
岩手ではここまで整備された登山道ってお目にかかれないですからね〜。
まぁ、どっちが良いのかというのは人によって価値が異なることとは思いますが。

本谷橋まで来ました。
横尾〜涸沢のほぼ中間点に位置しますが、コースタイム的にはまだ3分の1程。
…ということは、この先きつくなるって事ですね…。

ここで少し休憩をとって、この先に備えます。
このあたりからだと、屏風岩を登るクライマーの姿が見えたりするらしいですが残念ながらこの日は登っている人はいなかったようです。

本谷橋から先はいよいよ本格的な登山道になってきました。
岩場も多く、そして転がっている岩も大きくなり、だんだん北アルプスっぽい風景になっていきます。
すれ違う登山者からは「この先きつい石段が待ってるからね〜」と、励ましているんだか脅しているんだかわからないお言葉を頂きました(^^;

それでも一歩一歩登っていくと、次第にそれっぽい景色になっていきます。
でも、これが意外と長い! 景色が変わるようで変わらない…。
なんかこう、着きそうで着かないというか、精神的にけっこうキますなぁ…。
でも、それもやがて終わり、ついに「涸沢ヒュッテ」「涸沢小屋」の道標が現れました。

着いたー!!!
涸沢ヒュッテだ〜!
雑誌や映像などで何度も見ているものですが、やっぱり生で見ると感慨深いものがあります。

そしてこれが涸沢小屋とテン場かぁ!
ついに来たんだなぁ!
いや〜、まだ登頂したわけじゃないけど、テンションあがるわぁ〜。

いや、それにしても日が当たって歩いているうちは暑いくらいの天気だったのですが
行動を終え、日が陰ってくるとすぐに底冷えがしてきます。
体が冷え切らないうちに、まずは今宵の寝床を準備しなくてはなりません。

今回もテント泊ですが、ついにMyテントになりました!
前回までは借家だったわけです(笑
これで私もようやく一城の主になれました(笑

テントを張り終えたら、やっぱりコレでしょう。
やめられまへん、生び〜る〜
今回はおでんも奮発しちゃいましたよ!

ヒュッテのテラスから生ビールを飲みながら眺める風景…。
前穂でしょ!
奥穂でしょ!!
北穂でしょ!!!
暮れなずむ空と山々の稜線。
そして夜の涸沢を彩るテント村の灯り。
幻想的だねぇ…。

涸沢に大勢の人が訪れるワケがわかりますわ。
何かこう、ここには特別な雰囲気がありますね。
人が集まりすぎるので、静かな山を好む人には敬遠されるかもしれませんがでもとりあえず一回来てみる価値はある気がします。

ランタンの明かりを消して空を仰ぎ見ると、信じられないくらいの満天の星空。
天の川も綺麗に見え、都会ではとても見えない小さな星達もたくさん見えます。
あまりに見える星が多すぎて、いつも見馴れている星座が見つけられないくらいでした(^^;

予報によるとこれから天気が崩れるようなのですが、なんだか信じられません。
もしかしたら天気予報は大はずれで、明日も素晴らしい天気なんじゃないか…。
と思っていた時期が私にもありました。

ポツポツ…ポツポツ…
テントの表面をつつくような音に目を覚まします。
雨? もう朝か?と思い時計を見ると、さっき満天の星を見てから、まだ2時間しか経っていません。
山の天気は変わりやすいといいますが…。

それでもこの時点では天気に関してはあまり悲観していませんでした。
過去2回のテント泊山行でも、夕方から夜半にかけて必ず雨に見舞われており
「北アルプスっていうのは、そういうところなんだろう。またすぐ止むさ。」
と簡単に考えていました。

雨が降るのは明日の午後からで、しかも雨の量は少なく次の日は再び天気が回復…という予報天気だったので早起きして午前中のうちに奥穂高に登ってきて、テントで雨を凌ぎ、次の日は天候の回復が早ければ北穂に登る…という予定を立てていました。

ところが、3時にセットしたアラームに起こされてみると雨はより強くなり風も出てきてテントがパタパタと音を立て始めていました。

とりあえず少し様子を見ることにしましたが、時間が経つごとに雨脚は強まり、それに伴って風もどんどん強くなっていきます。
このあたりで「あれ? これはやっちまったか?」という気持ちになっていました。
少なくとも今日の穂高登頂は無理のようです。
今日一日、テントで雨を凌いで、明日、奥穂高か北穂高のどちらかを登ろう。
そのように計画の変更をせざるを得ない状況になりました。

5時くらいになると雨はいよいよ強く、風も囂々とうなりをあげるほどになっていました。
間断なく降り続く雨は、もう雨と言うよりシャワーとかホースで水をかけられているような感じに…。
そこに強い風が吹き付けると、どこからともなくテント内に水が侵入してきます。

これはどうもおかしと思い電波が乏しい中で必死で携帯を弄くり、天気図や最新の天気予報をダウンロードしてみると、そこには出発前に確認してきたものとは似てもにつかない天気図が示されていました。
「パワフルな前線」とか「前線通過後に強烈な寒気」とか、どうにも剣呑なワードが溢れています。

とりあえず前線通過後に晴れるということは確定のようですが問題は浸水し始めたテントで一日を乗り切り、その後にやってくる寒さに耐えられるか…ということです。
無理…かな。無理じゃないとしてもかなり辛い思いをすることになりそう…。
場所が場所ですから、最悪ヒュッテなり小屋に逃げ込むという手もありますが、そこまでしても1日の午前中、しかもけっこう早い時間までに天気が回復しないことには敗退決定です。

午前八時、撤退を決断。
雨具完全装備で、意を決してテントの外に飛び出します。
滝のような雨の中で撤収作業を行い、だっぷだぷに水を含み重くなった装備品を背負い重い足を引きずりながら失意の撤退となりました。

そんなわけで、四度目の北アルプス遠征で初めて敗北を味わうことになったヘロヘロ隊でありました。
やっぱり北アルプスの盟主は手強かった…。
もう少し修行して出直してこいと言われた気分ですが、次こそはっ!!

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