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無雪期ピークハント/縦走
八幡平・岩手山・秋田駒

五ノ宮岳

2010年10月30日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
6.4km
登り
697m
下り
683m
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2010年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

2010年10月30日、この日は秋田県鹿角市にある五ノ宮岳に行って来ました。

五ノ宮岳は里山の部類に入るので、もしかしたら登山口を見つけるのが大変かな…と思っていましたが八幡平市民センター、鳥居…という二つの大きなランドマークがあるので迷うことはありませんでした。

鳥居をくぐり、高速道路の高架下を抜け、急な坂道を登っていきます。
道は細く頼りないですが、要所要所舗装され、しっかり整備されているので通行に支障はありません。

道が少し広くなり、二手に分かれている場所があります。ここが2合目にあたります。登山口である3合目に向かうにはここを右折して進んでいきますがこの場所に車を停めて登山を開始することもできます。

2合目から3合目の区間は、道はさらに細くなり一部荒れているので運転に自信の無い方、車高が低い車の方はここから登山開始したほうがいいかもしれません。
その場合は、3合目をパスして4合目に合流できる別道があるので、歩く距離にそんなに差は無い…と思われます。
我々は3合目まで車を乗り入れ、そこから歩き始めることにします。

3合目登山口には背の低い鳥居が立っていて、その右側から登山道が始まります。
なんでこんなに低い鳥居にしたんでしょうね?
もともと? それとも土砂で埋まったとか?
いきなり謎めいた雰囲気です。

本日の山行メンバーは、我々ヘロヘロ隊+母者の3人です。
前日、所用で実家に帰ったときに「明日山に行く」と告げたら「わしも連れてゆけぇい!」という事に…。母者はすっかり山歩きにはまったようです(笑

登山道は最初、急傾斜ではありますが幅広の立派な道です。
ジムニーなら走れるんじゃね? 4合目まで車で行ってやろうか?
…などとも考えたのですが(実際、轍があり車が入った跡もあった)やめておいた方が無難ですよ。すぐに荒れた道になりますから
転回場所もなく、にっちもさっちも行かなくなること請け合い。
…というわけで、ズルをしないでちゃんと歩きましょう!(笑

車の進入ができない場所まで来ると、急に道が荒れ始めます。
夏草も生え放題。あまり踏まれている感じもありませんし、もちろん刈り払いをしている風もありません。
これは、また例のパターンかな?とちょっと先行きに不穏なモノを感じます。
五ノ宮岳も十和田山と同じように、一度は東北百名山に選定され、その後外されるという経過を辿っているので、同じように徐々に荒れていっているのかな…。

20分くらいで4合目に到着します。
左手奥が2合目から直登してくる道になります。
2合目へ向かう道の方がしっかり踏まれているようです。
もしかしたら、現在は2合目から登ってくる道が主流なんでしょうか?
4合目から先は、登山道は再びしっかりとした道に戻ってくれました。
ああ、良かった…。このまま藪化したらどうしようかと思った…。

針葉樹林の薄暗い森の中を歩いていくと、お神泉のわき水があります。
さすがに冬を間近にしたこの時期、すっかり枯れていました。
まぁ、雰囲気的に枯れていなくても飲みたいと思うかどうかは…。

4合目から15分ほどで5合目の薬師神社に到着。
さくさく進みますなぁ。
ここは西側に開けていて、鹿角の町並みを一望の下に見渡すことが出来ます。

蛇行しながら走る高速道路、大きなカーブを描く米代川、か細く延びる花輪線。
このあたりまでは、高速道路を走る車の音や、鉄道のジョイントを刻む音、犬が吠える声、学校のチャイムの音などの生活の音が風に乗って運ばれてきます。人界を遠く離れた高山や奥山も良いですが、こういう里の気配のする山もいいものです。

6合目「追分け」までは、10分。ずいぶんとテンポよく進んでいきます。
コースタイムは2時間半となっていますが、こんな調子で登っていったら、あっと言う間に頂上に着いてしまうんじゃないかと思わせます。

6合目付近には分岐点があって、古い石標が建てられています。
後で知ったことですが、この石標、明治時代に建てられたもののようです。
そんな昔から、変わらず有る道だと思うと感慨深いですね。

石標にはこう記してあります。
「左 五ノ宮岳」「右 山道」
山道て…(^^;

このあたりから広葉樹の林になり、紅葉を愛でつつの登山となります。
もっとも盛りは過ぎてしまったようで落ち葉と枯れ木が目立ちますが。
それでも、登山道の雰囲気が明るくなっていいですね。

6合目まではさくさく進んできましたが、7合目になかなかたどり着きません。
我々のペースが落ちたわけではなく、ここの区間が異様に長いようです…。
なかなか姿を見せない7合目。母者は少しへこたれてきたようです。

「7合目はまだか?」を繰り返す母者。
そこへ先頭を行くツートンから「あ、白い標柱が見えました! 七合目ですよ!」との報告が。
やっと7合目かと喜んだのもつかの間。
そこには…

「まだの木峠」と書かれた標柱が(笑
疲れてヘロへロになってる人にとっては、嫌がらせですね、この標柱(笑
本物の7合目はこちら。
フェイクだった「まだの木峠」からは、まだしばらく歩かなくてはならない場所であります。

7合目を過ぎると山頂らしき山影が姿を見せます。
近くにも見えるし、まだまだとおくにあるようにも見える微妙な距離。

頂上へ向けて、次第に痩せてくる稜線を歩きます。
8合目付近は北側の斜面がごっそり欠け落ちています。
そのおかげで景色は良いですが。

登山道はいくつかの小ピーク、または稜線の肩を越えて続いていきます。
下から見るとそれらがみんな山頂のように見えるんですよね。
そうなると「もう少しで山頂か?」と一生懸命登るわけですよ。
で、登り詰めるとその先に別のピークが見える…というのを繰り返します。
これには母者は精神的にやられたようですね(笑

とくに小ピークの手前には急傾斜が待ち受けている場合が多く
「この苦しさに耐えたら山頂!」
と自分を奮い立たせて登っている人にとって、何度も肩すかしを食うのはやるせないカモしれません。

少々「滑落注意」な箇所もあります。
夏ならばなんてことない場所ですが、落ち葉と雪が混ざったような路面コンディションだったので通行には多少気を使いました。

山頂近くになると、いよいよ雪の量も多くなってきてスリップに注意が必要になってきます。
というか、もっとちゃんと積もってくれればもっと楽に登れるのですが中途半端に落ち葉の上に雪…というパターンなので、どこで滑るか見当がつきません。

今度こそ、今度こそを何度か繰り返し、やっとの事で山頂に到着しました。
とはいえ、標準コースタイムから10分遅れた程度で到着しましたから山歩きに慣れていないハズの母者としては、かなりがんばった感じ。

五ノ宮岳山頂の様子。
祠、三角点、方位盤、ベンチ、おまけに物見台まであり、設備が充実しています。

山頂からは岩木山が見えました♪
霞がかかっていて、うっすらとしか見えませんでしたが、特徴的な山容は一目で分かりますね。
特徴的といえば、双耳峰の七時雨山もはっきりと確認できます。
その左となりが田代山?

我らが岩手山は雲のベールをまとって佇んでいました。
手前に見える安比高原スキー場はコースの形が鮮明になっていました。
雪が降ったんですね。スノーシーズンも間近ですね。

ほぼ全方位の眺望が得られ、方位盤も完備されているので晴天であれば山座同定も簡単なのでしょうが、残念ながら全体的にもやっとした天気。
特徴的な山しか分かりませんでした。

ゆっくりと景色を眺め…と行きたいところですが、なにぶんにも寒さが酷く、それどころではなくなってきました。(台風の影響なのか風が強くて…)

というわけで、山頂神社のお社の中に避難して昼食となりました。
掘っ建て小屋風の外観から、あまり期待しないで中に入ったのですが開けてびっくり、なかなか立派で綺麗な社殿でした。

母者を連れてくると昼食が豪華になります。
この日は芋の煮付けと栗おこわと漬け物数種とおにぎり…張り切って作ってくれるのはありがたいんですが、背負うのは私なんです…。重いよ…母者。

我々からはホルモン焼きを提供。
今回から登場したテフロン加工のフライパンも良い感じ♪
まったく焦げません。

快適な昼食場所を提供していただいたお礼に、わずかばかりのお賽銭を入れ備え付けのほうきで社殿をキレイにしてから下山することにしました。
来たときよりも美しく!

下山は来た道を戻りますが、登りで苦労した場所が下りはさらに大変な感じに…。
とにかく滑るんですよね〜。落ち葉と雪のコラボレーションは最凶です…。
私も盛大な尻餅を2回ほど…。
落ち葉と雪ですから痛くないし、怪我もありませんでしたけど。

なんだかんだと言いつつも、下山は標準コースタイムを上回るペースで歩き通し無事に登山口まで戻ってくることができました。

ここ何回か連続して登山した母者は、だんだんと歩き慣れて来たようで八甲田の時よりもピンピンしています。
「私もまだまだ行ける」
などと調子に乗りつつあるのが非常にコワイですが。

さて、初めて登った五ノ宮岳ですが、思ったよりも良い山でした。
東北百名山から外された、という事でうらぶれたイメージを勝手に持っていたのですが(十和田山の例もありますし…)どうしてなかなか、道もしっかりしているし、眺望も良いし、なにより登山道や山頂周辺の設備など地元の人々の愛着が感じられ、登っていて楽しい山でした。
地味な山ではありますが、春・秋に登るのに適した良い山でありました。

なんで百名山から洩れちゃったんでしょうね〜?
今ひとつ選定基準がわかりません…。

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