大崩山 - プチ高所恐怖症なのに行く
コースタイム
【06:03】大崩山荘
【06:29】湧塚分岐
【06:37】祝子川渡渉地点
【08:13】袖ダキ分岐
【08:16】袖ダキ【08:49】
【08:50】袖ダキ分岐
【09:13】下湧塚分岐
【09:19】下湧塚【09:23】
【09:44】中湧塚【09:52】
【09:59】思案橋
【10:17】上湧塚広場
【10:27】上湧塚【10:44】
【10:47】上湧塚広場にて昼食【11:04】
【11:24】りんどうの丘&山頂分岐
【12:04】石塚
【12:11】大崩山山頂【12:40】
【13:05】りんどうの丘&山頂分岐
【13:15】りんどうの丘【13:47】
【14:20】小積ダキ分岐
【14:21】小積ダキ【14:30】
【14:31】小積ダキ分岐
【14:43】象岩下トラバース地点
【15:27】米塚(イルカ岩?)を望む岩
【15:49】林道案内&上祝子登山口分岐
【16:09】下小積谷川
【16:28】祝子川渡渉地点
【16:31】大崩山荘
【16:54】上祝子登山口
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
そこから更に10分ほどで大崩山登山口 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◇登山ポストは登山口の他、祝子川温泉『美人の湯』でも受付けているもようです。※ただし営業日に限る。 ◇上湧塚に登るのは、すぐ見えるハシゴ&ロープを避け、右から回り込んで登るルートで登るほうが安全とのこと。 ※前者はロープが擦り切れており危険、また、ロープは撤去されたという話も耳にしました。 ◇沢山設置されているハシゴについて。 荷重でハシゴが動いた時に岩とハシゴに指を挟まれないよう、しっかりと隙間のある位置を握ること。 ◇上湧塚から山頂へ向かう途中(小積尾根分岐までの間だったかな?)開けたブナ林を歩く辺りで、 登山道の木の根元にキイロスズメバチが巣を作っているのか、木の根元を出入りしていました。 ◇感想では“ロープに頼りつつ”と表記していますが、実際にはロープを信じ切っておらず、他の枝や岩肌で保持しつつ登り降りしました。 |
その他周辺情報 | ★★★★★★★★★平成31年4月追記★★★★★★★★★ 現在、祝子川温泉『美人の湯』第二駐車場(下段駐車場)は夜間使用禁止措置が取られています。 夜遅くまで宴会で騒いだり、駐車場でBBQをする、ゴミを放置するといった輩が増えたことから地元の方々の賛同を得られなくなったためとのことです。 ★★★★★★★★★★★ここまで★★★★★★★★★★★ |
写真
感想
前日9日10:30、夜勤明けで山口県某所を出発。
ほとんど下道を使って、関門海峡、行橋市、宇佐市、別府市、大分市と経由し、
国道326号から新林道を経由し、同日16:00に『祝子川温泉 美人の湯』に到着。
車中泊&テン泊者用に、ご好意で開放して頂いている“下段駐車場”に駐車して、
早速、長距離運転で疲れた体を癒すべく、温泉へ向かう。
(入浴料は大人500円)
露天風呂で先ほど下山したという方から、大崩山に関する情報を色々と聞き出す。
アルカリ性の滑らかなお湯を堪能したら、ロビーで大崩山グッズを物色。
山バッヂ・案内図・大崩山ステッカーを購入し、支配人さんにこれまた大崩山情報を色々と教えて頂く。
また、登山届もこちらで記入させて頂いた。
※記入用紙は温泉館入口入って右側、チケット販売機横にありました。
提出はこちらでも(営業中に限り)出来ますが、私は登山口のポストに出しました。
10日04:00、起床。
周囲はまだ真っ暗。
まずは服を着替え、荷物の片付け&最終チェックに続き、朝食を軽く済ませると、
05:00に駐車場を出発。
『上祝子登山口』には10分弱で到着、駐車は路肩の広くなっている場所へ。
一部、駐車禁止になっている箇所がありますので注意。
05:32に登山口出発。
空は明るさを取り戻して、頭上には水色の空が広がっているものの、山中はまだ薄暗い。
足元に注意しつつ、落葉で滑りやすい登山道を進む。
しばらくして祝子川沿いのテン場を通過、朝日に輝く小積ダキ&湧塚が現れる。
あそこへ行くのか...すごいとこに来ちゃったな。
大崩山荘、湧塚分岐と通過し、祝子川渡渉地点を06:37に通過。
渡渉から12分ほどの小積谷で踏み跡をロスト、来た道を戻ってテープと踏み跡を探す。
小さく浅い沢を歩く辺りでしたが、じっくり眺めると道が見えてきました。
ここで20分ほどのタイムロス。
でも、時間に余裕持って出発しているので、焦らず先に進みます。
谷に沿って徐々に高度を上げていた登山道が、尾根へ向かっての急登へと変わる。
息を切らしながら登っていくと、しばらくして『袖ダキ』の文字のある標識が。
ロープを使って2分ほど斜面を登ったら『袖ダキ』展望地に到着。
登山口から2時間40分後の08:16でした。
ここからの『小積ダキ&湧塚』の眺めは、事前に聞いてはいたものの圧倒される。
そして、くらくらしそうな高度感。
恐る恐る岩の縁へと近づくも、やっぱり無理!
目もくらむ断崖絶壁&谷底、自分の高さよりも低いところを鳥が飛んでいる(汗
でも、セルフタイマー&三脚で記念撮影しているうちに、だんだんと慣れてきた。
それにしても、小積ダキがあまりにも大きく、自分の距離感、スケール感を狂わせてしまう。
大きいのか、それほどでもないのか、意外と小さい?って感じで訳が判らなくなる(笑
でも、岩肌に生える松の木に焦点を合わせた時、岩の大きさをハッキリと認識できる。
やっぱりデカイ!
そんなこんなで、『袖ダキ』には30分の滞在。
展望地から登山道(本筋)へと戻り、『下湧塚』へと向かう。
『袖ダキ』から30分で『下湧塚』に到着。
この間、ハシゴが3〜4箇所あったかな?
ここでは後方から5名ほどのグループが接近してる様子だったので、長居せず『中湧塚』へと向かう。
天気は快晴、ここ数日間、中国からの汚染物質による霞がひどかったため、今日の景色を心配していたが、
澄み切った青い空が広がってくれたため、これまでの疲れも吹き飛ぶようだった。
尾根伝いに20分ほど登って行くと『中湧塚』へ到着。
U字型に切れ込んだ窪みを這うように覗き込むと、正面に『上湧塚』がそびえていた。
なんとも“おあつらえ向き”な展望所。
U字型の切れ込みは顔一個を出すのに丁度良いサイズ。
これなら高所恐怖症でもそんなに恐くない。
中湧塚の岩陰で黄色い花をつけたツツジを見付けた。
なんていう花だろう、と思っていると後続のハイカーが「ヒカゲツツジですよ」と教えてくれた。
というか、いつの間にか追い着かれてた(^^ゞ
3名のグループさんだったけど、みなさん元気だなぁ。
中湧塚を09:50にあとにし、一旦高度を下げるように回り込む。
ロープやハシゴを何箇所か使って30mほど標高を下げたかな?
中湧塚から9分、急斜面に掛けられた『思案橋』が現れた。
今は素晴しく立派な橋だけど、以前は頼り無い丸太の橋だったとか。
そのため「行こうか戻ろうか」と思案したらしい。
立派な橋を掛けてくれた方々に感謝感謝です。
思案橋から17分後、『上湧塚』下の広場に到着。
後続の3名グループさんも到着、ここで昼食を取られる様子。
私は『上湧塚』に登ってみようとザックをデポ。
事前に『上湧塚』に登るには右側のルートを登るほうが安全と聞いていたので、チムニーのある正面(ハシゴ)を無視、
裏側へと反時計回りに回り込む。
楽勝楽勝♪とロープに頼りつつ登っていくが、最後の最後で躊躇した。
プチ高所恐怖症が「ここ、登ったはいいけど、降りれるのか?」と問いかける。
数分間、固まったまま中湧塚を眺める。
意を決して、ロープから岩の上面へと取り付き、ついに『上湧塚』到着。
下で昼食中だった3名グループさんの「あれ?いつのまにか登ってる」という声が聞こえ、少し誇らしげになった(笑
上湧塚からの眺めも素晴しく、ここからでしか見ることが出来ないという『七日廻り岩』が見えた。
なんだか『エヴァン〇リオン』に出てきそうな、面構えだなぁ。
というか、この岩も相当な大きさがありそう。
周囲の松の木と比較すると、回るのに七日掛かるというのも納得できる。
もちろん、実際には七日掛かることはないのだろうけど。
20分ほどで、下の広場に戻ると、3名グループさんは食事を終えて山頂へと向かうとのこと。
私も時間的に余裕がありそうだったので、ここで昼食を取ってから山頂を目指すことに。
10:50〜11:04、短めの昼食タイムを終えて、大崩山山頂へと向かう。
眺望があまり望めないことから人気の無い山頂らしいが、私はそこへ至るまでのさわやかなブナ林と尾根伝いの道がなかなか気に入った。
ここまでがハードだったから、息抜きになったのかもしれない。
幾つかの分岐を通過し、12:04『岩塚』を通過。
そこからスズタケのトンネルを抜け、12:10に山頂到着。
しばらくすると、宮崎市の登山専門店主催のツアー、12名ほどの団体さんが登ってこられた。
集合写真を撮るとのことだったので、撮影係を買って出た。
その後、岩塚へ戻り団体さんは昼食、私は『りんどうの丘』へ向かう。
確か『小積尾根分岐』と『りんどうの丘分岐』の間だったと思うが、登山道の木の根元に空いた穴にキイロスズメバチが入っていった。
どうやら、この木に巣を作っているらしい。
秋には注意が必要と思った。
『りんどうの丘』には13:15に到着。
この辺りから風が若干強く吹き始めた。
午前中に歩いてきた、上中下の各『湧塚』が一望に出来る。
よくあんな所を登ってきたなぁと、しばし思いに耽る。
岩の端は庇の様になっていて危険な箇所があるというので、端までは行けなかったが、
端にある小さな窪みに“りんどう”の株があることに気付いて、近付けるところまで這って撮影。
綺麗な青紫色の花を咲かせてくれる頃に再訪したいと思った。
13:46、りんどうの丘を後にして『小積ダキ』を目指す。
2分ほどで水場の通過。
ここに白くて小さな花が沢山咲いていたので撮影。
後日調べると、バイカオウレンという花だと判った。
(後日、さらに調べなおすと、ワチガイソウではないかと思えてきた)
14:20『小積ダキ』に到着。
ここでも圧倒的な高度感と眺めの良さに圧倒される。
しかし『象岩』の存在に気付いて、現実に引き戻されてしまった。
あの下をトラバース...
何度も写真で見ていた、私の中での最大の覚悟ポイント。
ワイヤーから手を離したら...足が滑ったら...足がすくんで動けなくなったら...
色んなことをこの日まで考えていた、超危険ポイントが眼下に現れた。
しかし、実際に自分がそこに訪れることも楽しみであったため、
14:32、小積ダキから『象岩』下のトラバース地点に向かった。
そして、14:43に覚悟の場所へと到着。
カラビナとスリングを取り出し、簡易ハーネスを作る。
憧れにも似たあの場所に自分が今立っていることに少し興奮を覚えるが、
「冷静になれ、気を引き締めろ」と言い聞かせる。
それにしてもこりゃホントすごい。
注意書きの一文にも“ふざけないで”とあるが、ふざけられる人がいるのか疑問だ。
ワイヤーロープにカラビナを掛け、意を決して一歩、また一歩と足を踏み出す。
徐々に景色が変わっていく。
上からせり出した岩にザックが擦れる。
こここそ“思案橋”だと思いつつ、渡り終えた。
意外とあっけなかったというのが正直な感想だった。
プチ高所恐怖症の私でも、この難関を越えることが出来た。
しかし、岩肌が濡れていたら状況は違ったかもしれない。
やはり私のようなプチ高所恐怖症者や、初心者&高齢者には、カラビナ等の使用を推奨したい。
そんなこんなで、坊主尾根のハシゴ地獄へと続く。
ハシゴの数は数えていないけど、象岩から20本くらいはあったかな?
ロープからハシゴ、ハシゴからロープ、脚立からハシゴってな感じの、ハシゴテンコ盛り。
数箇所、怖いなと思うハシゴがあったけど、慎重に足を運んでいればケガをすることもないかな。
ただ、やはりロープを100%信じ切って体重を掛けるのはやめたほうがいいでしょうね。
15:27、岩と岩に渡された細い橋を渡る。
橋といっても、建築現場にある足場のような感じで、下は5〜6mの高さ。
象岩下のトラバースよりも現実味のある恐さを感じる。
ここで正面下方に『米塚』が現れた。
これまたデッカイ岩だなぁ。
別名『イルカ岩』『坊主岩』、ある人は『ウルトラマン』に似ているって書いてたな。
たしかに、どれにも似てる。
この辺りから下山の時刻が気になり始めた。
少しのんびりし過ぎた感があった。
でも、焦ってハシゴを踏み外してもいけないので、あくまで慎重に。
15:50、林道への案内分岐を通過、ここまでくると植生も下界のそれとなる。
赤松が多くなり、薄暗さを増してくる。
16:09、下小積谷の小さな川に出る。
顔を流し、頭を濡らすと生き返ったような気持ちになる。
冷たくて清廉な水に感謝する。
16:20、大崩山荘そばの祝子川に出る。
ここでも再び顔を洗い、シャツを脱いで上半身だけ水浴びをした。
もう少し暑ければ、ひと泳ぎしたいところですね。
16:28、祝子川を渡渉、山荘前を通過して16:54に無事登山口へと戻りました。
初めて大崩山に入る者は単独入山を控えたほうが良いという話を多く見聞きしていたこともあって、
下山まで本当に気を抜かないよう心掛けての山行でした。
確かに大崩山初体験者は経験者と登るほうが良いと思います。
何もなければ「大丈夫だったじゃん」で終わりますが、何かあった場合には対処出来ないですもんね。
その後、17:30に登山口を出発、延岡市内の『直ちゃん』でチキン南蛮を食べて、山口県某所へと向かいました。
途中、別府市で温泉に立ち寄り疲れと凝りをほぐし、再び運転。
自宅に帰ったのは日が変わった03:00でした。
『祝子川温泉 美人の湯』
http://www1.bbiq.jp/hourigawaonsen/
『直ちゃん』
http://r.tabelog.com/miyazaki/A4505/A450501/45000063/
『やまなみの湯』
http://beppuyamanami.com/
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