昔みたいに雨が降れば―クリンソウ三昧の千手ヶ浜と小田代ヶ原の想い出
- GPS
- 06:35
- 距離
- 23.2km
- 登り
- 333m
- 下り
- 391m
コースタイム
天候 | 1日目:曇ときどき晴のち雨、2日目:曇ときどき晴のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新宿06:59(丸ノ内線) 国会議事堂前07:11/07:19(千代田線) 北千住07:42/07:58(東武伊勢崎線・日光線) 南栗橋08:42/08:46(東武日光線) 新栃木09:24/09:45(東武日光線) 東武日光10:38 東武日光駅10:40(東武バス)¥1400 竜頭の滝11:41 小田代原16:07(日光交通)¥300 赤沼車庫16:13 三本松16:45(東武バス)¥370 湯元温泉17:00 <日光湯元温泉泊> 復路: 竜頭の滝11:06(東武バス)¥1400 東武日光駅12:01 東武日光12:30(東武日光線) 新栃木13:27/13:37(東武日光線) 南栗橋14:16/14:21(東武日光線・伊勢崎線) 北千住15:08/15:19(JR常磐線) 日暮里15:27/15:30(JR山手線) 新宿15:51 |
写真
感想
いつものメンバーで6月にどこに行こうかという話が出たときに、真っ先に思い付いたのが中禅寺湖畔の千手ヶ浜のクリンソウだった。
去年の6月、霧ヶ峰を諏訪の観音沢から登った時に、偶然クリンソウの大群落を見たのだが↓
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1494302.html
その時から有名な中禅寺湖の千手ヶ浜のクリンソウを見たいと思っていたのだ。
1日目は男体山に登り、2日目は湯ノ湖から千手ヶ浜まで散策をしようという計画にした。
が、直前の予報でこの週末は雨の予報に変わってしまった。
特に1日目の土曜日は天気の急変に注意とのことだったので、5月丹沢での雷雲襲撃もあったことだし↓
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1833206.html
安全第一で男体山登山はやめて千手ヶ浜に1日目に行くことにした。
あいみょんの「ハルノヒ」で歌われている北千住駅のプラットホームから出発した東武鉄道の窓からは時折陽も射しこんできていて、思ったより天気はよさそうだった。
ところが、東武日光駅からバスに乗り込み、いろは坂を登っていくと雲の中に突入してしまい、やはりあまり天気はよくなさそうだ。
これはやはり男体山登山はやめてよかったなと思ったのだが、竜頭ノ滝バス停で降りると目の前に男体山が山頂まで見えていて、登ればよかったかなと思ってしまった。
竜頭ノ滝を見てから千手ヶ浜に向かって中禅寺湖畔を歩いて行く。
最初は中禅寺湖の水際からかなり高い位置を歩いて行くのだが、湖水が打ち寄せる波音が聞こえてきて、まるで海岸沿いを歩いているようだ。
そのうちに高度を下げ、たどり着いた湖畔が「トチノキのある浜」だった。
また陽が射し始めて、透き通った水がエメラルドグリーンに染まり、まるで南国のビーチのようだ。
そこでシートを広げてゆっくりとランチを楽しむ。
もっと気温が高かったら泳ぎたいほどにきれいな水で、中禅寺湖にこんなにもきれいな浜があるとは知らなかった。
千手ヶ浜に着くと、ここはフェリーが発着しているようで突然に人が増えた。
ここには仙人庵という個人のお宅があり、その周辺にクリンソウが咲き乱れている。
思ったよりも広い範囲に咲いていて、去年見た霧ヶ峰の観音沢の朱色一色とは違い、ここは赤紫色から赤色、臙脂色、そしてピンク色から白色まであり、色とりどりに交じり合っている。
無料休憩所が設置されているのに友人が気付き、中に入ると親切なことに無料のコーヒーまでいただけるとのこと。
そこでコーヒーを作りゆっくりとしていると、仙人庵の主らしき人が現れる。
その方に立ち去るときに挨拶をすると、この奥の千手堂に挨拶をしてから周辺のクリンソウを見ていくといいと教えていただいた。
この出会いがなければ仙人庵周辺のクリンソウだけで満足していたはずだ。
教えられたとおりに千手堂に挨拶へ行くと、その周辺がまさにクリンソウの大群落だった。
仙人庵の周辺とは違い、せせらぎの縁に自然のままの姿で咲いていた。
今回、この時期にここに来て、そして千手堂を教えていただくことができて本当によかったと思った。
クリンソウをゆっくりと堪能し大満足したのち、中禅寺湖畔に戻ると男体山には厚い雲がかかり、やはり登らなくて正解だったなと思う。
そして予定通り湯ノ湖へ向かって千手ヶ原を歩き出した。
ただ、クリンソウを堪能しすぎて少し時間が押していたので途中からバスに乗れたら乗ろうということにする。
千手ヶ浜と違い誰もいない千手ヶ原を歩いていると、サルの群れに遭遇する。
そして友人が、―クマだ―と言う。
指さす方見ると確かに黒い影が何頭か歩いている。
20年以上山を歩いているが、クマに遭遇したのは初めてだった。
本当にクマかなと思い見ていたら、向こうもこちらが気になるのか振り返り、しっかりとクマの顔が見えた。
今回はこちらの熊鈴の音に気が付いて、先に遠ざかってくれたようだ。
西ノ湖入口で林道に合流。
その頃には雨がしっかりと降り出してしまった。
ちょうど直前にバスが走っていったのが見え、バス路線があることが分かる。
弓張峠まで雨の林道歩きをして、峠の少し先の小田代原バス停で時刻表を見るとちょうどいい具合に10分ほどすると赤沼行のバスが来ることが分かった。
雨も降っていることだし、今日はここでバスに乗ってしまうことにする。
日光交通のバスで赤沼まで行き、赤沼で東武バスの湯元温泉行に乗り換えようとすると接続が悪く出たばかりだったので、一つ先の三本松バス停まで歩きそこのレストハウスで買い物をしたりして時間を潰すことにした。
湯元温泉に泊まり、翌日は湯ノ湖から竜頭ノ滝まで散策。
湯滝から小田代ヶ原への道は26年前のちょうどこの時期小学校の修学旅行で歩いた道だ。
岩肌を流れる湯滝を眼前に見て、遠くから見る華厳の滝より迫力があるなあと思った後出発し、雨の中小田代ヶ原を赤沼まで歩いたのが人生初のハイキングだった。
その伝統は今でも続いているようで、小学校のハイキングのための案内表示がところどころに仮設されていた。
湯滝から流れる川に笹の葉をちぎって作った笹舟を流し、その後修学旅行の想い出の俳句をつくる授業で、「湯の滝の 川に流れる 笹の船」というのをつくり、前で発表する何人かに選ばれたことも、小学校の廊下に「ハイクで俳句」という札とともに貼りだされていたことも覚えている。
当時泊まった宿は日光湯元ロッヂで、朝、源泉地まで散策したなあとそんな話を友人たちにしているとよくそんなことまで覚えているねと言われる。
色々と覚えているが、それは決して楽しい修学旅行の想い出だからではない。
逆に当時は特に仲の良い友だちがいたわけでもないし、湯川に笹舟をひとり流していたのも特に話す相手がいなかったからだ。
大して仲も良くないグループでたいした話もせずにもくもくと歩き、小田代ヶ原では見たかったシラカバ「貴婦人」を見て、共有できる相手もおらずひとり感動していた。
もしかしたら修学旅行で楽しくはしゃいでいた同級生たちはそんな記憶はとうになくしているのかもしれない。
自分は他人に比べてよほど過去に執着するのか、無駄なところに記憶力があるのかよく分からない。
修学旅行ではクラスごとに歌を歌うことになっていて、クラスのボス的な女子2人が選曲して歌ったのが当時流行っていた DREAMS COME TRUE の「晴れたらいいね」だった。
「山へ行こう 次の日曜 昔みたいに 雨が降れば 川底に 沈む橋越えて…」
昔みたいに雨が降る中、昔と違って気の合う友人たちと歩いた2日間のハイキングだった。
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