進藤ヶ池山 〜修験の滝のさらに奥に一等三角点〜

- GPS
- 03:15
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 443m
- 下り
- 431m
コースタイム
- 山行
- 3:05
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 3:16
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
「桜つづみ中の島公園」から山の方へ進むと林道に出会います。林道を南方向へ進み、林道終点からさらに谷筋を登って行くと断崖に突き当たります。鎖を伝ってその上へ上出ると「不動滝」になります。ここから先に道はありませんが、私は無理やり尾根を伝って山頂(三角点)まで辿り着きました。 下山は上りのルートではなく、滝を迂回して尾根を辿るルートをとりました。単純に山頂を目指すのであれば、滝へは立ち寄らず、もっと手前で尾根に乗り、今回私が下山したルートを辿るべきでしょう。ただ、ここまで来たら是非不動滝には行ってみて欲しいものです。 いずれにしても木の枝や倒木や笹の茂みの中を歩いて行かなければなりませんので、それ相応の装備をしておかなければなりません。また、尾根が複雑に入り組んでいるので、GPSで位置をしっかり確認し、茂みの状況などをしっかり読んでルートファインディングしていかなければなりません。 |
写真
緯度: 35:23:09.3280
経度: 133:50:12.3108
標高: 474.32
全体が苔で覆われていて文字が読めなかったので、正面だけこすって苔を落としました。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
手袋
ジャンパー
帽子(キャップ)
靴
サブザック(15L)
行動食(飴・シリアルバー)
非常食(羊羹)
飲料(お茶500mL)
iPhone(GPS+カメラ)
iPad mini
バッテリー
携帯電話
腕時計
手拭い
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感想
以前、倉吉近辺の一等三角点を巡った(「倉吉近辺一等三角点巡り(高城山他3か所)」 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1229188.html )時、行けなかった、倉吉の東側にある一等三角点「進藤池山」のことがずっと気に掛かっていた。登山道が無くて簡単には行けそうにない所だが、是非一度は行ってみたいと思っていた。この日、仏ヶ仙の一等三角点訪問(「仏ヶ仙 〜県境・中央分水嶺・一等三角点 の三冠王〜」 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1903236.html )が意外とすんなりと終わってしまったので、その後、行ってみることにした。
この進藤池山へは明確な登山道は無い。ヤマレコの記録などを探してみると、北側の林道から沢を伝い、尾根に上がって到達するルートをとる人が多いようだ。けれども、「鳥取県百名山」(中島篤巳 葦書房 2002年)には、東の国道179号線側から登るルートが記されている。ただ、同書には「熟練者の同伴が必要」との記述があり、国土地理院の地図を見ても道らしきものは記載されていない。どうしたものかなぁと思いながら、天神川沿いの国道を下っていると、左側に「牧滝山入口」と山の絵の描かれた看板が目に入った。この「牧滝山」というのが、一等三角点の「進藤池山」のことではないだろうか、いずれにしても山に向かう道がありそうだと考え、川沿いの公園の駐車場に車を停めて、歩き始めることにした。
看板の場所から小川沿いに山道を歩き始めるとじきに、かなり広い道に出た。舗装はされていないが荒れてはいない。平坦でまっすぐな道が南西方向へ向かっている。こんないい道がなぜ地図には載っていないんだろう?といぶかしい。しばらくその道が続く。こんな道があるのなら、エブリイに乗ってくればよかった、と何度か思った。天気予報は「曇りのち晴れ」で降水確率10%だったのに、小雨が降りだした。合羽は持って来ていないので濡れるがままだ、くそーっ。2kmほど歩いただろうか、その道も終わりとなった。案内板も標識も何もないのでとりあえず突き当りを探ってみると、沢沿いに道があるようだったのでそちらへ進んだ。
この沢沿いの歩道も荒れていて、道があるのかないのかわかり辛いところも多かったが、でも所々石段があったりして、人の歩く道であることは確認できた。けれどもそのうち、突き当りになった。谷の奥が切り立っていて両側も崖、この谷筋をこれ以上進むことはできない。どこかに道は無いかとぐるりと見渡してみてももう道らしきものは無い。覚悟を決めて左側の斜面を這い上がり始めた。数メートル上がったところで振り返ってみると反対側の斜面の上に小屋が見えた。そしてその下の岩場には鎖も掛かっている。どうもあちらがルートのようだ。一旦上がった斜面を下って、鎖場を伝って渓の右側の崖の上に出た。石組の上にトタン張りの小屋が建てられていた。入口には鍵がかかっており、中には特に祭壇なども無さそうだった。そしてその建物の奥には石塔、石像、そして岩の上を舐める水の流れ、滝があった。これが「不動滝」らしい。もうこれ、幻の滝レベルだ。小屋から奥は「立ち入り禁止」としてあるし。
いよいよここから先はもう完全に道はない。けれども私の目的はこの先にある一等三角点だ。何とかして登って行かなければならない。ぐるりと周りを見渡して山の形なども見て、ルートを決めた。
★注意★ ここから先、私が歩いたルートは危険で、ちょっと足を滑らすなどすると滑落して死亡するレベルだったので詳細の記載は自重します。山頂へ向かうには、もっと手前で尾根に登るルート(今回私が下山したルート)へ入るようにしてください。
一旦尾根に上がっても、道はない。灌木の隙間を縫ってGPSで位置を確認しながら稜線を目指して尾根を進んだ。薮漕ぎ覚悟で来てはいるのだが、思っていた以上に厳しく、不安になる山中行だった。
ところが、稜線に辿り着くと、そこはなだらかで草の無い道になっていた。トレランコースですか?と思うぐらい。標識が一つも無いのが不思議なくらいのきれいな道だった。こんな道があるのだったら、きっとどこかに登り口や下り口があるのだろうに、誰かこの山のコースを知りませんか?教えてくれませんか?るんるんと、稜線を歩いていたら、三角点を通り過ぎてしまいかけていた。右側に登り斜面があって、その先に三角点があるようだったので、トラバースしている道を外れて高い方へ向けて進んだ。灌木の林を縫い、笹の茂みを掻き分けて行くと、笹が刈り取られて地面が見える場所があり、そこに三角点標石があった。標石には苔がむしていたが、それをこすって落とすと、確かに「一等三角角…」と刻まれているのを確認することができた。
下りは歩きやすい尾根を探して歩くことにした。無謀な上りのコースを再び歩く気力も覚悟も無かった。これだけステキな稜線の道があるのだから、そこへ伸びる尾根の道もあるはずだと確信したのだった。間違っても滝のある沢を下ろうなんてことはするまいと心に決めた。…結果、何とかかんとか、上手に尾根を伝って麓まで下りることができた。決して整備された道ではなかったが、そんなに危険はなく、また遠回りもしなくて済むルートだった。この山行記録を参考に登られる方は、こちらのルートをとってください。
情報のあまりない初めての場所を歩くというのは大変なことだなと改めて身に沁みた。一人で歩くことの危険さ(止める人が無いので突っ走ってしまう、緊急時に対処ができない)も感じた。今回何とか無事に目的を果たして山から下りて来られたので良かったが、もうちょっと慎重に、撤退する勇気を持つこともしないと、そのうち山で事故を起こすかもしれないなぁと反省する行動だった。安全第一、計画には余裕を持って、楽しい山歩きを続けたい。
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