沢と滝を巡るヒカリゴケの焼山沢から登る美ヶ原―上田駅から路線バス乗継ぎの旅
長野県
e351spAz
その他3人 - GPS
- 24:30
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 1,397m
- 下り
- 365m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 5:25
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 7:15
- 山行
- 0:50
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 0:55
| 天候 | 1日目：曇ときどき小雨 2日目：雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
高尾05:33（京王高尾線） 分倍河原05:56/06:02（JR南武線） 府中本町06:04/06:09（JR武蔵野線） 武蔵浦和06:39/06:46（JR埼京線） 大宮06:56/07:18（北陸新幹線「あさま601号」） 上田08:26 上田駅前08:42（千曲バス・奥鹿教湯行）￥300 丸子駅前09:24/09:35（千曲バス・築地原行）￥300 築地原10:03 （焼山沢登山口手前約5km手前） 復路： 美ヶ原自然保護センター11:15（松本市営バス）￥1000 ※6月1日〜9月29日までの土日祝のみ運行 松本駅12:30 松本13:10（JR篠ノ井線・中央本線「あずさ18号」） 八王子15:10 |
写真
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感想
この週末は焼岳へ登る予定だったが、天気予報が悪いので場所を変えようとYcと検討。
雨が降っても楽しめそうな山はどこかなと考えつつ、Ycが録画していたNHKの「にっぽん百名山」の美ヶ原を見ていると、一般的な三城からではなく登山地図に描かれていない焼山沢から登るコースが紹介されていた。
この沢沿い歩きなら雨が降っても楽しめそうなのでここに行くことに決定。
この焼山沢だが、登山口は武石観光センター付近になるようだ。
バス停を調べると最寄りバス停は「巣栗上」になるようだが、ここへ行くバスがどこから出ているかYcが武石観光センターへ電話すると、バスは分からないので上田駅の観光案内所に電話しろと、ぞんざいな対応。
こんな対応だったら武石観光センターの存在価値はないなあと思う。
旧武石村の利権のためだけに存在しているのかと勘ぐってしまう。
自分自身はバスを利用しないかもしれないが、観光センターの人間ならせめてアクセスくらいは把握しておいてほしいものだ。
そこで上田駅の観光案内所に電話すると今度は丁寧に千曲バスの路線だと教えてくれ、そして千曲バスにも問合せすると上田駅から丸子中央病院乗換えで行けることが分かった。
登山口に一番近い「巣栗上」まで行くバスは午後にしかないので、午前中に着くのは巣栗上から約5km手前の「築地原（ついじはら）」までになるようだ。
ただ、ネットで調べるとNAVITIMEでは「丸子駅」乗換えと出る。
これは当日バスに乗った時に運転手さんに直接確認することにした。
その後天気予報はちょくちょく変わり一時的に土曜日の天気予報は晴れになったので、これは焼岳でもよかったのかなと思ったのだが、大宮駅から乗り込んだ北陸新幹線の車窓から見える空はどんよりとしていて、今にも降り出しそうだった。
やはり沢沿い歩きに変更してよかった。
上田駅からまずは「奥鹿教湯」行きのバスに乗り込んだのだが、この時点で出発が既に10分遅れ。
これだと「中央病院」か「丸子駅」で乗換えるバスに間に合わないかとYcが運転手さんに話してくれ、無線で連絡してもらった。
こういうぎりぎりのバスの乗換えが某番組の路線バスの旅のようでなんだか楽しい。
しかも中央病院に到着して乗換えようとすると運転手さんが丸子駅で乗換えた方がいいと教えてくれる。
結局丸子駅バス停には余裕を持って乗換えられる時間で到着した。
この「丸子駅」なのだが、地図で見ても鉄道路線はないし、廃線跡らしき痕跡もない。
道の駅のことなのかとも思ったのだが、ただ着いてみるといかにも駅前ロータリー風の場所でやはり駅があったような雰囲気だった。
そこでYsがネットで調べてみると、なんと丸子駅というのは1969年に廃線になった上田丸子電鉄丸子線の丸子町駅のことだったのだ。
駅がなくなってから50年も経つのにいまだに駅と呼ばれているのがすごい。
ここで無事「築地原」行きのバスに乗換えるが、我々の他に乗客は1人しかいない。
これではこのバス路線もいつまで維持されるのか分からないなあと思う。
車で登山口へ行くとまた同じ場所に戻らなくてはいけないし、車の運転は面倒なので、あちこちのバス路線が廃止になってしまうのは本当に困ったことだ。
路線バス乗継ぎの旅番組が人気があるのだから、旅行者ももっと路線バスを使ってほしいものだ。
築地原から焼山沢登山口までは1時間ほどの歩きとなる。
1人だったら飽きてしまうかもしれない車道歩きだが、話しながら歩いているので楽しいものだ。
Ysが別荘風の建物があるねと言っていると、ツタに覆われた「巣栗高原別荘地分譲」の看板が現われる。
かつてはこの辺りも別荘地分譲なんていうブームに沸いた時代があったのかと思う。
途中、地元の方が集まって休憩していてどこまで行くのかと声を掛けられた。
美ヶ原までと答えると、それはかなり距離があるよとのこと。
この辺りから美ヶ原まで歩く人はそんなにいないのだろう。
山の上は雲に覆われていて、これは高度を上げていくと雨が降り出すかもしれないなあと思う。
例の武石観光センターを過ぎると、いよいよ焼山沢登山口だ。
登山口のところには親切な案内板もあったが、そこには「焼山登山道」と書いてあった。
最初は舗装路だったが途中から未舗装路となった。
沢沿いの登山道なので、周囲は苔むしていて、シダまで生えているのでなんだか南国のようでもある。
去年同じくNHKの「にっぽん百名山」で紹介されていたので霧ヶ峰を観音沢から登ったのだが、↓
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1494302.html
そこは登山地図に描かれていないコースだったので途中から道が不明瞭になってしまっていた。
なので今回も登山地図に描かれていないコースなので荒れているのかなと思っていたのだが、草刈までされていて歩きやすい道だった。
心配していた雨は降り出さず、ただあたりは霧に包まれている。
ところどころ川を徒渉しながら沢沿いを歩いていくので逆に霧に包まれた感じが雰囲気がいい。
途中樹齢400年という「トガの親木」というのがあり、そこに「上田地域トレッキングコース」と書いてあった。
なるほど、トレッキングコースとしてよく整備されているのだ。
思っていたよりも大きな焼山滝が現われる。
近づいてみるともっと奥まで続いていてもっと大きな滝だということが分かる。
広大な美ヶ原に降った雨が滝となっているのだ。
霧ヶ峰を観音沢から登った時も思ったが、たしかにあれだけ高原が広がっていたら、下にはきれいな沢がたくさんあるはずだと思う。
なので、それをすっ飛ばして上の高原まで行ってしまうのはもったいない。
まあもちろん時間の都合等で上の高原だけを手軽に楽しむ時もあってもいいのだが、下の沢から楽しむことがまったく忘れられてしまうのは本当にもったいない。
霧ヶ峰の観音沢もコミュニティーバスの路線を使ってなんとかたどり着いたし、今回の焼山沢も路線バスを乗り継いでなんとかたどり着くことができた。
これはこれで楽しいのだが、やはりこれだと登山道がどんどん廃れてしまうのではないかとちょっと心配だ。
焼山滝前でゆっくりとお昼を食べてから出発。
そのすぐ上あたりにヒカリゴケの自生地があった。
ヒカリゴケがあると聞いていたので岩の間を見ながら歩いていたのだが、自生地には丁寧にも「ヒカリゴケ自生地」の看板が立っていた。
ヒカリゴケは今までも何回か見たことがあったが、これだけたくさん見たのは初めてだ。
ヒカリゴケは少ない光でも光合成できるように反射できるようになっているのだろう、ほかの苔が生えない岩の間にあり、わずかな光を反射して蛍光色に光って見える。
もうこれならほかの苔と見間違えないというくらい見て、ヒカリゴケ自生地の看板のある場所を過ぎても何箇所かでヒカリゴケを発見することができた。
みんなでヒカリゴケマスターとなった気分だった。
そして霧に煙る樹林の先が明るくなってきたと思ったら、そこが美ヶ原だった。
沢と滝を巡る樹林帯からいきなり高原に飛び出て、そこではレンゲツツジの中をゆうゆうと牛たちが草を食んでいる。
まったく別の世界に出てきたようだ。
霧はどんどん濃くなってきたが、明日の天気はどうなるか分からないのでそのまま王ヶ頭と王ヶ鼻へ行ってしまうことにする。
そんなにバスを出す必要があるのかと思うほど、王ヶ頭ホテルへ向かうバスとすれ違いつつ王ヶ頭へ向かうと、霧の中突然王ヶ頭ホテルが目の前に現れた。
それほど霧が深かったのだ。
王ヶ鼻からは松本盆地越しに北アルプスが見えるはずなのだが、こんな天気では前回来た時同様北アルプスは見えるべくもない。
ただ、時折雲が流れて松本の街や三城の方を見下ろすことができ、気持ちがよかった。
その後アルプス展望コース経由で宿泊する山本小屋へ向かう頃にはまた霧が深くなり、霧というかもう雨粒が顔に吹き付けてくるようになった。
王ヶ鼻へ行った時に雲が切れていたのは偶然だったのだ。
山本小屋には初めて泊まったが、温泉もあり夕食はジンギスカンで豪華だった。
ここだけ泊まりに来るだけでもよさそうだが、やはり下から登ってこないとなかなか美ヶ原で泊まろうとは思わなかっただろう。
去年の霧ヶ峰も、今回の美ヶ原もNHKの「にっぽん百名山」とそれを録画してくれたYcのお陰で楽しいコースから登ることができた。
翌日は予報どおり雨。
松本へのバスが出る美ヶ原自然保護センターへは王ヶ頭を越えていく。
雨の中でもレンゲツツジが満開の美ヶ原は美しかった。
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