岡山県吉備中央町 小雨のブッポウソウの里と九尾の狐伝説


- GPS
- 03:46
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 278m
- 下り
- 286m
コースタイム
- 山行
- 2:45
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 3:37
歩行距離8.5km、歩行時間2時間30分、歩行数13,500歩、消費カロリー1,450Kcal
天候 | 曇り時々小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
今回は、土井神社<写真20,21>から横山様(ブッポウソウ<写真23>撮影地点)までが進入禁止道です。ブッポウソウ保護のため、神社の石段は、1つめを下り切った所で左右に横切る砂利道に入って北北東に向かいましょう。おそらく、途中からアスファルト道になり、横山様から東西に延びるアスファルト道に合流するのだろうと思います。我々は石段の2つ目も下りてしまい、道がなくなって進入禁止ゾーンから横山様に突入する最悪の事態を引き起こしました。ブッポウソウさん、観察者の皆様、ごめんなさい(>_<) 中国自然歩道は、分岐でヒメジョオンが茂った道に気づかず民家前の道を通ってしまった以外は草も低くわかりやすいです。地形図にはない分岐がいくつかありますが、脇道に逸れると道がなくなるかもしれません。ヤブコギ好きの方はぜひ(^^) これ以外は、ほぼアスファルト道でした。 中国自然歩道は、入り口(チュウダイサギ<写真09>撮影地点)からしばらくはアスファルト道です。カボチャ<写真11>撮影地点から砂利道になりましたが、このときは1本南側の道に入ってしまったことに気づきませんでした。 行き止まりで引き返し、周辺をよく見ると、ヒメジョオンが茂った細道がありました。ここには道標はありませんが、少し進むと道標がありました。防獣フェンスは開閉できます。 地形図にはない分岐がいくつかありますが、今回は地形図の破線の道を辿りました。木が茂り展望は効きませんが、歩きやすい道が続きます。 当初の予定では、このまま自然歩道を北東に進むつもりでしたが、木にピンクテープが取り付けられ、低い草とササの間の細道があったので、横山様(ブッポウソウ<写真23>撮影地点)まで近道しようと北西に進みました。すると、思いがけず土井神社<写真20,21>に辿り着きました。 神社の1つ目の石段を下り切った標高320m地点には、左右に延びる砂利道がありました。右折し、北北東に向かえばよかったのですが、2つ目の石段も下りてしまいました。標高300mで突如道がなくなり、倒竹や防獣フェンスをまたいでさらに北西に下りました。 標高280mで幅15cm程の溝をまたぎ、溝沿いに歩いて数m先に見えている横山様の観察所を目指しました。ところが、我々はこのとき、ブッポウソウの親鳥お気に入りの止まり木のすぐ下を通過していたのでした。無事に観察所に辿り着き、防獣フェンスを開けて中に入れましたが、これが最悪のルートだったことは言うまでもありません。後で気づいて真っ青でした。 三所神社<写真29〜31>からウツボグサ<写真32>撮影地点辺りまでは砂利や土道です。地形図の破線の道との分岐からウツボグサまでは薄暗く、両サイドが斜面だったので、大雨時には水が流れるかもしれません。今回は問題ありませんでした。 |
その他周辺情報 | 吉備高原都市内に「きびプラザ」という施設があります。2Fの「吉備高原ごっつぉうビュッフェバイキング」では、大人1,080円でランチバイキング<写真48>が楽しめます。 |
写真
950年の歴史をもつ備前加茂大祭の行われる境内には樹齢約500〜600年ものスギ、ヒノキ、イチョウなどの大木が繁っており、岡山県の郷土記念物に指定されています。鳥居の右の杉は樹齢550年、左のヒノキは450年です。杉の大木を見上げて動画に撮りました。
随身門越しに拝殿
770〜780年頃の創建で、現社地の東にある滝が鳴動して村人を驚かせたので、神託を伺うと、大己貴命(おおなむちのみこと)が諸神を集められたことによるとのことで、ここに加茂郷36ヵ村の氏神として祀られました。加茂大祭は県指定重要無形民俗文化財で、岡山県の三大祭りの一つです。
平安末期、鳥羽上皇の寵妃だった玉藻前(たまものまえ)は、白色金毛九尾の狐の化身であると見破られ、那須高原で近づく生き物をことごとく殺す殺生石となりました。1385年、玄翁(げんのう)和尚によって打ち砕かれ、その欠片が全国3ヶ所の高田(内一つは現真庭市勝山町)と呼ばれる地に飛散しました。これを地下に埋め、高田城主三浦家の鎮守として祀ったのが化生寺(かせいじ)の前身である玉藻大明神です。なお、勝山町には石が2つ降ってきたという説があり、片方を三浦源左衛門貞兼が毛利勢との戦の際にここに持ち込んだとされています。確かに、霊石を一般人が勝手に割ったとなれば具合が悪いですね(^^)
後冷泉天皇の天喜年中の創建と伝えられています。文亀五年(1505年)、(現地案内板では文亀三年)、高田城主三浦家家老の貞兼が玉藻大明神を三浦家の鎮守として当神社に勧請しました。おそらく、このときに殺生石を奉納したのでしょう。天正六年(1578年)、虎倉城主伊賀氏の家老土井次郎左衛門の妻(三浦氏の娘)が、社殿を造営したとされています。
胸部の緑色の部分がコバネアオイトトンボよりも下まで広がり、体長はオオアオイトトンボほど長くはありませんでした。腹部の先端近くがふくらんでいないのでオスです。翅の縁紋は未熟な個体は白いようです。
三所(さんしょ)神社の境内です。蹄型のくぼみに水がたまっていました。天元2年(979年)、この地に3本の火柱が立ち、馬に乗った熊野の三所権現がここに自分を祀れと言い残して立ち去りました。これはそのときの馬の蹄の跡とされています。
白いレースのような菌網をまとった姿からキノコの女王と呼ばれ、おいしいと珍重されています。しかし、暗緑色のグレバ(胞子を形成する部分)はウ〇コ臭いと言われる悪臭を放ち、ハエなどに胞子を運んでもらいます。幸い、近寄ってもにおいは感じませんでした。二人とも風邪をひいていたのが幸いしたのかもしれません( *´艸`)
美原集落センター内のライブ映像で巣箱の中の様子をリアルタイムで放映していました。動画に撮っていると、たまたま餌をもらいに巣箱から顔を出すシーン(ライブ映像では上半身が見えなくなっただけ)が映ったようです。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
アタックザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
この日はどの地域も天候が不安定な予想でしたので、比較的、雨雲の通り道から外れる吉備中央町を訪問することにしました。
吉備中央町の加茂川エリアはブッポウソウの繁殖地として知られています。ブッポウソウは絶滅の危機にある種として環境省のレッドデータブックに記載されています。そこで、吉備中央町では加茂川エリア全域を天然記念物に指定しています。
ブッポウソウが見られるのは5月初旬から7月下旬にかけてです。この時期(7月初旬から中旬)は雌雄が頻繁に餌を巣箱へ運ぶので最も観察しやすい時期です。
今回はブッポウソウの観察環境日本一といわれる“横山様”を訪問することにしました。“横山様”とは眼下に下土井集落が見渡せる場所にある地蔵尊で、腰痛にご利益があるとされています。また、真庭市勝山町の高田城主三浦貞勝の正室で、後に宇喜多秀家の母となった絶世の美女、おふくの方の隠棲の地でもあります。景色のよい観察場所で駐車場もあります。
出発点は加茂市場の総社宮です。石灯籠などの重要文化財や樹齢数百年の大木を見た後、中国自然歩道を歩くことにしました。途中、標高372.7mの山頂(点名:高尾)に寄りました。
中国自然歩道を北上し、横山様に向かう途上で近道しようと草やササの間の細道を辿ると、土井神社がありました。地形図には載っていません。
案内板を読んでみると、出ました、宇喜多直家!こんな山中に宇喜多秀家の母、おふくの方のゆかりの地があるとは思ってもみませんでした。犬も歩けば宇喜多に当たる?
この神社には地元では「玉藻霊石」と呼ばれている殺生石があります。(詳細は<写真20>)
正体を見破られた九尾の狐が那須高原で石になったもので、和尚に退治され割れた欠片の一部が岡山県真庭市勝山町に飛来したとの伝説があります。那須高原の国指定史跡「殺生石」とは色が違うのが気になります。埋められたものを掘り起こすのも大変なので、土井神社に持ち込まれたのはレプリカだったりして(-_-;)
退治され毒気を抜かれた殺生石を守護神とした勝山町の高田城主三浦家でしたが、落城の憂き目に遭い、城主の正室だったおふくの方は、三浦家ゆかりのこの地に逃れました。その後、宇喜多直家の正室となり、我が子秀家の出世に貢献したといわれています。
天皇に寵愛された九尾の狐の化身「玉藻前」(たまものまえ)とおふくの方。絶世の美女二人の運命はまさに波乱万丈でした。
土井神社から石段を下っていき、横山様に直接向かいました。石段は2つあり、1つ目の石段を下り切った所に砂利道が左右に横切っていました。この砂利道に入ると、横山様の東西に延びるアスファルト道に合流できたようです。
しかし、近道しようと2つ目の石段も下り切った所で道がなくなりました。我々にとっては「山あるある」なので、気にせず倒竹や防獣フェンスをまたぎ、細い溝に出ると、横山様の観察所が数m先に見えました。溝沿いに歩いて横山様に無事到着、と思いきや、観察所手前にまたもや防獣フェンス(-_-;)
開けていると、どこから来たのか尋ねられました。近くに野鳥が来るからとやんわりたしなめられただけですみましたが、後から気づいて真っ青に(>_<)
我々が通ってきた溝沿いの木の上にブッポウソウの親鳥お気に入りの止まり木があったのでした(*_*;しかも、このルートだと、警戒心が強いブッポウソウのために進入禁止になっている巣箱から50m以内の圏内に入ってしまいます。
保護の観点から、土井神社からのアプローチは道沿いに下りましょう。
横山様はたくさんの野鳥観察カメラマンで溢れ、観察場所は入り込む余地がまったくありませんでした(*_*;肉眼では観察できたのですが、カメラで撮れない状況でした。巣箱の中のリアルタイムライブ映像も人垣でなかなかのぞけません。
場所を探して後ろをうろうろし、あきらめて帰ろうとしていると、見るに見かねて、ある親切な方が望遠レンズ越しに映ったブッポウソウを私のスマホで撮影してくださいました。
例のお気に入りの止まり木に止まっていたところをみると、すぐ下を我々が通ったことには気づかなかったのでしょう。不幸中の幸いでした。
次に三所神社経由で宇甘川沿いにある美原集落センターを訪問しました。近くにあるブッポウソウの巣箱の中の様子をリアルタイムライブ映像で見ることができる施設です。ここは閑散としており、ゆっくりできました。
7月下旬の巣立ちに向けてヒナたちの動きは活発で、巣箱の中をゴソゴソ周回していたり、口を大きく開けたりしていました。翼を持ち上げて動きが大きくなったかと思うと、ヒナの上半身が画面の上に消え、数秒後にドテッと落っこちてきました。巣箱から顔を出し親鳥が運んできた餌を啄むシーンだったのかもしれません。
吉備中央町は、約300羽が飛来してくる国内でも有数のブッポウソウ繁殖地です。2011年には約450羽のヒナが巣立った記録があります。このヒナたちもそのうち巣立ち、来年以降、繁殖のため再びやってくることでしょう(*^^*)
もちろん、ブッポウソウ以外にも道中たくさんの植物も観られました。特にキヌガサタケは実物を初めて見ました!(^^)!
この日は生憎の天気で山行とは言えないコースを歩きましたが、やはり動植物は豊富で、興味深く由緒正しい神社もあり楽しめました。この時季の低山もいいものです。
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