会津駒ヶ岳〜秋の気配と歩む 池塘と花の湿原
- GPS
- 07:34
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 1,195m
- 下り
- 1,182m
コースタイム
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 7:23
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
湿原地帯は立ち入ってはならない、木道を歩行。その木道が雨後で滑りやすかった。特に会津駒ケ岳から中門岳への西側の巻き道。 |
写真
感想
日ごろの悪行が祟り、好天の週末から下り坂の休日月曜日。上信越山稜はガス若しくは雨模様。SCWと予想天気図を見る。尾瀬の北東に晴れの空間が午前中に出来ることを確認。重すぎる腰を上げて福島県遠征。福島栃木県境を跨ぐのは30年ぶり。それほど東北道方面は行かないのだ。
なぜなら、前橋から檜枝岐までは直線距離なら約80kmだが、尾瀬と山稜に阻まれて遠回りし、約210kmの移動行程が必要となる。足が遠のく訳だ。北アルプスに行ける。
前橋を1時30分に出発。北関東道から東北道へ。西那須野塩原ICから400〜121〜352と進む。夜間で景色も見られず運転に集中できた。寂れた飲み屋街の入り口のように電飾された桧枝岐の尾瀬入り口門。さすが伝統歌舞伎を継承している土地柄だけある。傾奇者。
滝沢登山口前駐車場に4時40分に到着。ほぼ同時に一台到着。先行者は早々と出発して行った。私は余裕で準備し5時少し前に出発。晴れが望める8時に山頂へ着けば良いのだ。気温19℃。
通行止めゲートの脇をすり抜け、カウンターのある登山口へ。山旅は階段から始まる。しばらく行くと木の根とザレたやや急な道となる。ブナの美しい林が見られる。巨木も多数あり壮大。
その美しいブナの幹には、刻み込まれた落書きが多数見られる。さすがに新しいものは見当たらないが、情けなくなる多さで愕然とする。私は愚か者なので、旅でも恥をかいてばかりだが、幹に字を書くことはしない。名前やゴミを残したりせず、足跡と想い出しか残せない。非常識で背徳な行為は残念だ。
寄らなかった水場を過ぎ、木片で養生された九十九折の階段を歩むと、会津駒ヶ岳が見渡せるベンチ。キンコウカ、イワショウブが咲いている。南側の樹林帯の隙間からは燧ケ岳、至仏山、日光連山が見渡せる。
樹林帯を抜けると草原状の湿地帯となる。花が点在する緑の湿原が広がる。小高い丘の上には小ぢんまりした小屋。駒の小屋へ木道が続いている。宿泊客がおり話し声が聞こえる。
7時なので小屋はスルーして、ワタスゲ咲く大池沿いに歩みを進める。緑の草原に白いコバイケイソウ目立つ。振り返ると尾瀬、燧ケ岳が良く見える。
巻き道分岐を山頂方面へ登って行く。大きな山頂標が建つ会津駒ヶ岳山頂。夏季で樹木が覆い展望はあまりよくない。記念撮影し中門岳へ向かう。
今回の山旅で、一番楽しみにしていた道と花々、そこからの風景。青空も見え始め期待が膨らむ。木階段を下り込むと黄色い花が目に飛び込んできた。ニッコウキスゲ。
その先には緑色の尾根が、なだらかな曲線を描く。天空の草原には一本の道筋。湿原の池塘やお花畑へといざなう。景色を見ながらゆったりと下って行く。秋の気配を感じる爽やかな風が通り抜ける。気温19℃。
池塘やほとりにある花々を観賞しつつ歩いていく。いつのまにか日差しが降り注ぎ青空となった。予想通り。コバイケイソウに囲まれた道を過ぎると中門大池。山頂標が建つ。ここ一帯は中門岳山頂とまで記してある。スルーして行き止まりまで進む。
その先には眺めが良いベンチがあり、木道はロータリー状に据え付けられている。遥か北方には田子倉湖があり浅草岳がある。会津朝日岳もいつかは登頂してみたい。踵を返して再び中門大池へ。
大池が見渡せるベンチに座り、深夜1時半に出発したのでブランチ。、サツマイモとカボチャ天を丼の端に置き、豪快に盛り付けたとろろそば。朝の9時からガッツら食う。
時を忘れて中門大池のほとりに佇む。青空にはウロコ雲が漂い、水面はその空と景色を映している。緑の草原には爽やかな風が吹き抜け、ワタスゲを揺らす。アキアカネの大群が宙を舞い、本格的な秋を告げるため、体を橙から茜へと秋色に深めていく。何も考えず大自然に身を委ねるひと時。
名残惜しく会津駒ケ岳方面へ。復路は越後駒ケ岳山頂へは行かず西側の巻き道へ。雨後で湿っており滑りやすかった。キベリタテハ、アサギマダラと美しい蝶を観賞し、西側の奥利根山稜を眺める。
駒ノ大池ほとりのハクサンイチゲ、ハクサンコザクラの群生を観賞する。ギンヤンマが高速で水面を飛んでいた。肩の小屋で買い物。
早速着て池のほとりで記念撮影。背中の文言は私の本意とはかけ離れているが、遊び気分にさせる雰囲気がこの小屋にはある。名残惜しいが下山する。正午から曇り始め13時過ぎには雨が降る予報。早朝は薄暗かったので、下る道は花をよく見ながら歩いていく。それでも1時間半で駐車場に到着。
着替えて帰路へ。時間があるので、奥只見湖周りで帰ることにした。桧枝岐歌舞伎の上り旗が街道沿いに立つ。次はぜひ観覧したい。戸倉とは比較にならないほど空いている御池駐車場。バスの連隊が見える。
樹海の中を走り、只見川を渡ると新潟県へ。トイレを拝借した平ヶ岳登山道口駐車場には車が5台ほど停まっていた。今頃稜線上は豪雨だろう。そばの花が揺れる白い絨毯を眺めつつ先へ進む。
只見川沿いから奥只見湖周回路へ。ここから土砂降りの雨。景観を楽しみにしていたが無念。鋭いルンゼを有する悪沢岳東面がかろうじて見える。西側へ回り込むと雨もやみ美しい湖面と景色が見える。
シルバーラインを奥只見ダム方面へ。ダムの堤体に上がり奥只見湖を鑑賞。周辺を散策して帰路へ。
シルバーラインに入ると気温14℃。エアコン要らずで快適に走行。ただ長い、飽きる、結露する。小出ICから関越道へ。ガスガスの谷川主脈を眺めて群馬県へ。
夏季休暇明け初日で混雑する前橋市。18時無事に帰宅。群馬〜栃木〜福島〜新潟〜群馬と大きく周遊した約460kmの旅も終わった。登山時間6時間だが移動時間に9時間を費やし虚しさが募る。しかし四県境をめぐる景色はどれも新鮮に映り楽しかった。
growmonoさん
こんばんは
まさに大移動の旅ですね!
私も全く同じコースを一周しましたが我々は朝1時に出発し家に戻ったのは夜中でした。
まさに山登りより移動が大変なコースですね。
全く同感です。
こんばんは、iiyuさん。
晴れ間を探していたら尾瀬の向こう側となり、日曜に急遽計画を立てました。
群馬から尾瀬の北東辺りは、大周りするので長距離の移動を伴います。いっそのこと、会津磐梯山や一切経山へ行こうかと思いました。平日なのでETCの割引に制限があるのがネックです。ただ四県をめぐる旅は面白く楽しかったですね。
行きましたね!
当たり年でコバイケイソウの群落が凄かったでしょう。
車の移動の方が大変だったのでは?
こんばんは、tomoさん。
会津駒ケ岳山頂から下ってニッコウキスゲの黄色、さらに下ってコバイケイソウの白色、目に飛び込んできましたね。その先もコバイケイソウに囲まれましたね。月初に訪れた爺ヶ岳手前の種池や新越乗越もコバイケイソウの大群生でした。毛渡乗越から万太郎山も多いですよね。
前橋からですとやはり遠いですね。奥只見周りは距離は短いですが4時間30分です。北関東道東北道周りですと220kmで3時間半弱ですね。高速代が3300円です。白馬より遠いです。良い景色を見させてもらった寺銭代わりですよ。
今年はどこに行ってもコバイケイソウは今ひとつでしたが、会津駒のコバイケイソウはしっかり当たり年ですね。しばらく訪れていない会津駒ですが、growmonoさんのレコを見てたまには行ってみたいと思いました。
hareharawaiより
こんばんは、hareharawaiさん。
コバイケイソウに囲まれたのは、昨年の谷川主脈以来ですね。ちょうど満開であまり茶色になっていませんでした。池塘と草原状の湿原も美しく。ベンチからの眺めも良かったですね。
晴れ待ち時間調整のため往路はゆっくりでしたが、急坂もない登山道ですんなり山頂に着きましたね。ここは美しいブナ林を越え、湿原地帯に行かないと花が咲いていません。キノコがたくさん見られましたね。
前橋から遠かったですが、長距離移動を平然となさるhareharawaiさんなら、桧枝岐までひとっ飛びだろうと思います。半日あれば気楽に散策できますね。
昨年の会津駒山行を思い出しました。前日車中泊で、翌日燧ヶ岳も歩きました。私が行ったのは7月の末で、2日間ともアブの大襲撃に遭いました。8月も中盤になると姿を消すのでしょうか。池塘に青空が、何とも良い景色です。growさんのようにサクッと歩けないので、ビッショリ汗かきつつやっとこ山頂に立ったことを思い出しました。中門岳付近の風景には癒やされました。
この山は、ミヤマリンドウが咲くと言うので計画したのですが、8月中旬でもまだハクサンコザクラが咲いていたんですね。私が行った時は、白花もありましたね。さて、ツルリンドウが紹介されてますが、画像を見ると茎の先に花がついているように思われます。その場合は、テングノコヅチと言うようです。検討してみて下さい。
今回も、天候の読みはみごとでした。休みの少ないのが、気の毒のようです。
移動時間9時間の苦労が少しも感じられない、若さ溢れる良いレポでした。
こんばんは、suro-ninさん。
昨年行かれたのですね。燧ケ岳も行かれるなんて羨ましい。
アブブヨは少ししか見ませんでした。いずれにせよ森林香を焚いてますので、近寄っても逃げて行ったのでしょう。メマトイが多かったですね。
登山口の階段から見上げて結構急かなと思いましたが、軽量の荷物のためスイスイと登りましたね。ただ天候回復待ちのため時間調整をしましたね。最初にベンチのあるところでまったりとキンコウカ、イワショウブの観賞です。草原状の湿地帯の美しさは、その先に何があるのか、想像を掻き立ててくれます。
駒の大池でチングルマとハクサンコザクラは驚きましたね。こっちはまだ咲いているのかと。ギンヤンマが飛んでるそばをハクサンコザクラですからね。季節感が違います。
テングノコヅチとは、初めて知りました。調べたらおっしゃる通りですね。また勉強になりました。早速修正しておきます。天気はまぐれが重なっただけです。連勝してますが、はずれる方が多いですよ。気象予報士の勉強を長年してますが、山行で忙しく(仕事はどうした?)一向に捗りません。受験するのはいつのことになるやら。
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