二の谷山☆好展望の鉄塔尾根から山毛欅の美林を辿って
- GPS
- 02:50
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 616m
- 下り
- 498m
コースタイム
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
二の谷山の北西尾根には一般登山道なし |
写真
感想
この日、天気にかかわらず山行先は二の谷山へと決めていた。二の谷山に至る一般的な登山道は南東の桜峠か北東の水坂峠のいずれかであるが、二の谷山の山頂から北西に伸びるなだらかな尾根が以前から気になっていた。尾根上には送電線が走っているのでどこかに送電線巡視路があるに違いない。
まずは水坂峠に自転車をデポし、目指す尾根を取り巻く林道の入口に車を停めると林道へと入ってゆく。林道はかなり良好に整備されており、車でも通れそうだ。頭上には二本の送電線が見えてくるあたりで左手のコンクリートの擁壁の手前に階段がある。階段を上まで登りつめると微かな踏み跡がある・・・と思ったのは気のせいかもしれないが、。しかし、斜面には至るところにヒルがいるようだ。数歩登って立ち止まると、すぐにも靴を這い上がってくるヒルが目に入る。
まもなく尾根上は濃密な藪となる。藪の間で足元を確認出来るところで、靴を確認してはヒルを跳ね飛ばす。100mほど登ったところで少し藪がましになると、地面の上にピンク・テープが落ちているのを目にする。
尾根芯はユズリハの濃密な藪だが西側の斜面は少し藪が薄いので、トラバース気味に進むうちに、ふと見上げると送電線鉄塔か目に入る。鉄塔を目指して登ってみると藪を漕ぎながら尾根を登ってゆくと、突然、樹林からイワヒメワラビが草原へと飛び出した。
草原には花期を終えて綿毛をまとった草が点在している。おそらくダンドボロギクではないだろうか。盛夏は美しい光景が見られたのかもしれない。上から照りつける太陽の陽射しはまだまだ暑いが、太陽が雲に隠れるとあたりの空気は急に涼しく感じられる。
送電線鉄塔にたどり着くとその西側に明瞭な巡視路が現れる。巡視路は我々が登ってきた斜面より西側に下降してゆく。もう少し先まで歩ければこの巡視路の入口が見つかったことだろう。歩きやすい巡視路をたどり西側の送電線の鉄塔にたどり着くと尾根の西側には採石により無残な山肌をあらわにした山が視界に飛び込んでくる。斜面には数台のブルドーザーが作業をしており、間断なく無機的な機械音が聞こえてくる。
なだらかな尾根上は草原が続いてゆく。正面には若狭駒ヶ岳へと至る高島トレイルを望む。その上に顔を突き出している三角錐状のピークは百里ヶ岳に思われる。背後には武奈ヶ嶽とその左手に三十三間山を望む。二の谷山は北西のピークからわずかに武奈ヶ嶽を眺望するばかりかと思っていたが、まさかここにこれほど好展望の尾根があるとは全く期待していなかった。
p560の手前で樹林の中へと入ってゆく。なだらかな自然林の尾根が続くが、次第に尾根上には山毛欅の樹が目立つようになる。この標高でこれだけ山毛欅が多く見られるというのもさすがは若狭の山である。二の谷山の北西のp611の手前、ca600mは山毛欅の林に囲まれた気持ちの良い広場となっている。二の谷山は山頂よりも若狭側ではまるで違う林相を呈しているようだ。
小さな鞍部を挟んで登り返すと見覚えのある小さな池のあるピークにたどり着く。二の谷山の山頂からは随所に繊細な美しい薄紫色の花を愉しみながら水坂峠へと下る。水坂峠からはデポした自転車で風を切って駐車地に戻った。
この日はランチの後で武奈ヶ岳に登りに行くのだが、帰宅後、くるぶしにはヒルに噛まれた痕が見つかる。午前中の鉄塔尾根への藪こぎの登りでやられたのだろう。しかし、この魅力的な尾根はまた季節を変えて訪れたい魅力的なところだ。
コメント
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いつも立ち寄りありがとうございます。
巡視路はもう少し先でしたか。普通なら引き返して探しますが、やはり藪漕ぎマスターは違いますね。その巡視路、私のような【普通の】登山者でも歩けるようならいつか行ってみたいと思います。
で、目的の花は見つけられなかったのかな。今後の課題ですね。
それにしても、このあと武奈ケ岳、翌日は岩籠山。宇宙人の体力だ。
私は次の日、仕事を抜け出して山門水源の森へ行ってサギソウを見てきました。
コメント有難うございます。
最初から送電線巡視路を辿ることが出来ればおそらくヒルは問題にならないのではないかと思います。この好展望の尾根はなだらかなところが多く、ドローンを飛ばすにもいいかもしれません。
目的の花は花盛りでしたよ。レコの最後の方で書いている薄紫の花というのがそれです。
翌日は新疋田から深坂古道を越えて山門水源の森というのも候補に考えていたのですが、京都駅で思わずサンダーバードに飛び乗ってしまいました。山門水源は今週に予定をしております。
この辺りは安曇川水系から少し離れていそうですが、やっぱりヒルも沢山いるようですね。
滋賀県なので関西電力かと思いましたが、鉄塔が中部電力でよく見かける「烏帽子型」なんですね。私は勝手に「赤鬼型」って言ってますけど。おじゃる丸に出て来た赤鬼の「アカネ」に似ているようで。
気になってググったら、雪の多い山岳部に使われるとか。納得です。
私も巡視路は結構好きなので歩いたりしますが、電力会社の方は大変ですね。保守作業お疲れさまって感じです。
ご夫婦で買われた折り畳み自転車は大活躍ですね。ルート取りに余裕が出来たり面白いですよね。
ののさん さすが鉄塔のことに関してもコアな薀蓄が飛び出しますね。
この鉄塔は通称のように「猫型鉄塔」と思っておりました。「猫鉄塔」とも呼ばれるようですが・・・専門的には烏帽子型とは知りませんでした。赤坂山や芦原岳でも見られるものと同一だと思いますが、なるほどです。
ヒルに関しては、先日ののさんが苦闘された藤原岳やご指摘の安曇川水系に比べれば大したことはないのでしょう。しかし、ヒルが吸い付く野生動物が山を越えて行き来するところだと思うので、今回のような藪漕ぎルートでは多少はいるのはおかしくないのだと思います。
自転車は最近、活用していなかったので、短い距離ではありましたが乗ってみました。自転車で切る秋の風が心地よかったです。
yamaneko0922さん、こんにちは
二の谷山はこんな山だったのですね。それにしても若狭には魅力的な山が多いです。
三十三間、野坂、岩篭、百里、三国赤坂などの主な山にしか登ってないので、いずれ登らなくては。
鉄塔のある草原から山毛欅林に続く尾根は想像するだけでワクワクします。ヒルだけは御免被りたいですけど……
コメント有難うございます。
さすが、majorどころはすでに登っておられる訳ですね。三国岳以外は山頂部に風衝草原が広がっているという共通点がありますよね。この風衝草原は好天の日には絶好の眺望を約束してくれるだけでなく、風と雲とのハーモニー(・・・調和と書けばよかったのですが)が魅力的で何度も訪れたいと思ってしまいます。比良の武奈ヶ岳も然りですね。
私も今回の山行で二の谷山の印象が一変することになりました。この魅力的な尾根はHB1214さんはきっと気に入られることでしょう。
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