白神山地世界遺産の核心地域手前周辺を沢歩き
コースタイム
08:20 林道 出発
12:20 テン場に到着
7月16日
10:15 テン場を出発
14:15 林道 到着
天候 | 7/15 曇り時々小雨 深夜より豪雨 4/16 豪雨時々小雨 なんと大雨・洪水警報が出ていたらしい・・・(゜_゜i)タラー・・・ そして、下山して里に戻ると曇り・・・・・またか(^^ゞ 車で帰る道中は、ワイパーが追いつかないような雨ザーザーがボツボツと (~_~;) |
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過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
※ 白神山地はご存じの通り「世界遺産」に登録されています。 登録されている核心地域内に入るには書類による入山手続きが必要です。 ※ 今回のは核心地域には入りませんでしたが、標識などの目印は一切ありません。 地形図とコンパスは必携ですし、それを使いこなせる事も必要となります。 ※ 基本的に白神山地内は大半が沢登りとなり、滝の部分には「マタギ道」の巻き道が薄っすらとあったりしますが、 沢登りの装備と技術が必要だと思います。 ※ とにかく白神山地の一般ハイキングコース以外に入る場合は、生半可な気持ちでは危険が伴うと思います。 少し山に踏み入っただけで携帯電話も通じませんし、人里までも相当な距離があります。 それなりの知識、装備、技術を持って入山しなければいけないと思いますので、 今回の記録では、興味本位に入山する事のないように、 あえて場所やルートの明記をしないことにします。 決して入山禁止地域に入り込んだわけではありませんよ〜 (^_-) |
写真
感想
この日は本来、八幡平方面の仮戸沢〜東ノ又沢に行く予定でした。
事前の週間天気予報ではソコソコの予報でしたが、日程が近づくにしたがって。。。。。
まあ、ソコソコ降ったとしても大深山荘までは行けるだろう、そして山荘で宴会!
そんなつもりで私は集合場所に向かいました。
集合場所に着いてみると、リーダー様が既に車の中で地図とにらめっこ。
「おはようございまーす」とリーダー様の車に入ると、「行先変更だな」との事。
「は?今からどこへ?」
「白神にしよう、八幡平方面は土砂降りだけど、白神はそれほどでもない予報だから」との事。
なるほど、確かにそんな感じの予報だったな〜と、すんなり納得。
でもそっちの地図は持ってきていません・・・・・まずいんじゃない?(・・;)
しかーし、そこはさすがのリーダー様、全員分の枚数はありませんが、二人で一枚くらいの地図は持ってきていました。
と言うか、常に車の中には地図が積んである状態なんです(笑)
リーダーはいつもこんな感じで天気が荒れているところをかわし、その時の状況に合わせて臨機応変に対応していく人なんです。
そうと決まれば今回の他の参加者にその事を連絡し、第二次集合場所、最終集合場所へと車を走らせ、目的の登山口方面へと車を走らせて行きました。
その間のトイレ休憩の短い時間に、私は一応山行場所の変更を知人に「予定変更で白神」と、手短にメールをしておきました。
ひょっとして八幡平方面の大雨で、そこに入山していると思われると心配をかけてしまうだろうなー、と思ったからでした。
その後車は順調に進み、心配していた林道の状態も悪くはなく、そこそこの場所まで入り込むことができましたし、思惑通り雨も止んできました。
意気揚々と準備をし、雨はほとんど降らないだろうから、雨具を着ない方がいいとリーダーに言われ、皆その指示に従って元気に出発しました。
その指示は見事に的中!
雨上がりの樹林帯や藪が迫る小さな沢では湿度が非常に高く、雨具なんかを着ていると完全にバテてしまったと思います。
そうこうしながら何とも言えない白神の雰囲気を味わいながら、テン場まで順調に歩ききる事ができました。
さて、ここからは私にとって初体験となる沢泊まりの準備です。
まずはタープを張るんですが、何をどうすればいいのか全くわからず、ただただリーダーの激に従って動くのが精いっぱいでした (~_~;)
あっちにロープを持って行け、そこに縛り付けろ、あーダメ・・・・・訳も分からずただただ指示に従います。
結局ほとんどリーダーが動きまくってタープを張ったんですが、張り終ったタープの状態を見て初めてリーダーの指示の意味がわかりました (^^ゞ
すごいもんですね、タープを張る場所に合わせてロープを張る角度の調整の仕方・・・・・などなど、
なんとか自分で張ったとしても、あれじゃ絶対にゆっくりとくつろぐ事は出来ない張り方になったでしょうし、
撤収の時も時間がかかる張り方になったと思います(笑)
その後はそんな見事な状態で張られたタープの中で、ゆっくりとくつろぎながら宴会に突入〜
みんなで運び上げた食材を味わいながら、楽しく夜を迎えていきました。
いつもは結構遅くまで騒いでいるようですが、朝が早かったのもあり、なんと9時半頃には全員ぐーすかぴ〜(笑)
そのまま平和に朝を迎えるかと思っていましたが!が!!ががが!!!
尿意を感じて薄っすらと目を覚ますと、なんと無茶苦茶激しい雨がタープをたたいていました。。。。。時間は確か0時頃。
幸い風は強くなかったため、雨がタープの中に勢いよく入ってくることはありませんでしたが、
なんとなくタープをたたく雨の音が近いなぁーと思い、ヘッデンを点けてみると、
私の頭の先のタープの端に巨大な水溜まりができていて、タープがドボンと沈み込んでいました。
このままでいくと窒息しちゃうかも〜と思い、ジャーっと水を押し出してから、少し中に引っ込み加減になって再度眠りに入りました。
ところがです、一回目に目が覚めた時に放尿しなかったので、その後も約一時間おきに目が覚めていました。
そのたびに弱まる気配のない雨を感じながら、タープの水溜まりを押し出し、放尿するのを我慢して眠りに再突入していたんです(笑)
3時頃に尿意も我慢できず、意を決してタープから出てみると、バケツをひっくり返したようなと言うか、
とにかく素晴らしい雨の勢いを体全身で味わうことができました。
その雨を感じながらの放尿・・・・・しゃぁーーーーー・・・・・こんな時に限って長い(爆)
雨具の上を着たままで寝てはいましたが、見事に全身ずぶぬれになってしまいました。
今回私はシュラフカバーだけで寝ていたので、何の躊躇もなくそのままシュラフカバーの中に入り込み、再度眠りに入ってしまいました(笑)
さて、いよいよ大雨と洪水警報が出ていた朝を迎えました。
警報が出ていることなど知る術もなく、ただただ派手に降る雨と、それにより増水してコーヒー牛乳のような色になった沢を見て、メンバーの口数が少なめになっていました。
それぞれが様々な事を考えていたと思います。
私は雨による沢の増水は初体験でしたが、この状態で帰る事が難しいのは瞬時に理解しました。
それでも何とかする方法はないかを私は考え始めました。
藪漕ぎで帰ることはできないか?・・・・・体力的に難しいかもしれない、途中で脱落者が出た場合はそれこそ遭難騒ぎになってしまう。
それであれば全員が帰るのではなく、数名の体力的に持ちこたえそうな人が帰り、それぞれの家族に連絡する・・・・・
そこまでは可能だと思うが、はたして残されたメンバーで落ち着いて停滞し、天候が回復した時点でそのメンバーだけで無事に帰る事が出来るか?
これも完全に不安は拭い去れないので確実性に乏しい。
こんな感じの事をリーダーも考えているようでした。
そして、私はアマチュア無線機を持っていたので、口には出しませんでしたが尾根まで登り、そこから連絡することも考えてはいました。
しかし、場所的にそこそこ白神山地の奥に入り込んでいるため、尾根に上がったとしても5Wの出力でどこまで電波が飛ぶか?
しかも、あの付近にアマチュア無線をやっていて、終日聞いている人がどれだけいるか?
それを合わせて考えると、かなり厳しいと思ったので、それは最後の手段にしようと思っていました。
もうこうなったらジタバタしても始まりません。
「しゅんさん、かなり不安そうだね」とも言われていましたが、実は夜中に唇を虫に刺され、派手に腫れ上がっていて喋るのも面倒になっていたのと、
夜中の尿意で熟睡できずに ( ゜ ρ ゜ ) ボォ〜っとしていただけで、気分的にはアッサリ停滞の覚悟を決めて、なるようになれ!的になってはいたんです(笑)
とにかく今は無駄な体力の消耗を抑え、いざという時のために備える事が優先だと思い、そそくさとシュラフカバーに潜り込んで再度しばらく寝ていました。
一眠りしてから目を覚ますと、雨の勢いが弱まってきていました。
限られた食料と燃料を工夫して、雨水を使ったりして全員で朝食を食べて(笑)
しばらく沢の様子を伺っていると、徐々に水位が下がっているのがわかりました。
そこでリーダーが動きだし、沢の流れの様子を伺い始めました。
水位が下がったことも確かに重要ですが、水の勢いがかなり弱まっているようです。
実際に用心しながら沢に入ってみると、水位はそこそこですが確かに勢いは弱まっていて、場所を選んでいけば歩けない事はないのがわかりました。
いよいよリーダーの決断です。
「チャンスは今だ、一気に全員で帰る!」との事。
こうなったら躊躇している暇はありません、全員でバタバタと撤収開始です。
ここでタープの設置方法の重要さである、確実かつ撤収しやすいようにする事の重要さも実感できました。
出発準備も整い、気合を入れて帰路に着きますが、ここでもリーダーからの的確な指示が出ました。
サポートが必要と思われる人に配慮して、あなたは誰のサポートをするようにとの指示です。
そのような指示の下で着実に進んでいくと、途中で再度リーダーからの指示が出ました。
そこまでのメンバーの動きや状態を見ての配置換えだと思います。
今度は歩く順番まで指定し、その指示の通り実際に歩き出すと、なんと全体的にスピードが上がったように感じました。
激しそうに見える流れでも、実際に歩いてみると弱点があるのがわかります。
その弱点を見極めやすく、それを後方に伝わりやすくする配置というのか、本当にスムーズに歩く事ができました。
そんな感じで歩いていたので、私自身全くバテル事も無く、時折激しく降り出す雨を楽しむ余裕まで出てきていました(笑)
そんな感じで多少増水した沢も順調に歩き、全員無事に車まで戻ることができたんですが、
車に乗り込んで人里に近づいていくと、ある所で携帯の電波がようやく入り、さかんに携帯のメール着信音が鳴りだしました。
毎朝の天気予報と違った着信音もピロピロ鳴り、何かと思って見てみれば・・・・・なんと気象警報連絡メール!
バンバン入ってきてました、それも地域的にもズバリ的中〜
そこで初めて大雨・洪水警報が出ている事を知ったのでした(爆)
今回全員無事に帰ってくる事が出来たのは、決して不幸中の幸いや、奇跡的なことではないと私は思います。
なぜそんな時に山に入って、そんな状況の時に歩いて帰ってくるんだ・・・などなど、皆さんが言いたいであろう事はたくさんあると思います。
しかし、今回のリーダーやメンバーには、今回のアクシデントに対して的確な判断と行動ができ、それに対応できる技術を持ち合わせていたからこその結果だと私は思います。
私一人では無理があったと思います。
ですから私は、その技術と経験を積んでいきたいと思っています。
幸いにも私が所属している山岳同人には、経験豊富な先輩達がたくさんいらっしゃいます。
その人達の経験と技術を一つでも多く吸収し、できるだけ多くのことを経験していけたらと思っています。
ただし、それが身に着くかは別問題ですが (^^ゞ
まあ、今回の全ての行動が正しかったかとは言い切れないのは確かですがね (^_^;)
その反省すべき点は素直に反省し、経験して学んだことはできるだけ身につけて、今後の安全山行に役立てていきたいと思います。
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