荒島岳・まぼろしの大垂(荒島谷川)

- GPS
- 01:52
- 距離
- 3.6km
- 登り
- 541m
- 下り
- 180m
コースタイム
- 山行
- 1:53
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:53
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道への車乗り入れはできない。車は国道脇か、九頭竜川の河川敷に置くしかない。 林道はこの時期荒れている。雪渓も残っている(七ザコ出合付近)可能性もあるので、通行には十分な注意が必要。 まぼろしの大垂は、地図記号よりもっと手前に位置している。 |
写真
感想
荒島岳の「まぼろしの大垂」へは、谷を徒渉して進まないと見ることはできない。以前は旧下山(しもやま)コース上から俯瞰することが可能だったが、このコースはすでに廃道同然となっており、今ではコースを辿ることすら困難である。
荒島谷川には近年堰堤工事のための林道が延長されている。荒島谷川の最奥にある五丈ヶ谷の源流域の崩壊が甚だしい模様で、ここにも近いうちに堰堤が作られるのではないかと予想している。それを示すかのように林道はこの谷間へと延長されている感じだ。(その後工事は終了し、現在はかなり荒廃、歩くのもままならない林道になっている)
荒島谷川の出合となる九頭竜川から始まる林道を歩くこと2時間余りで、この五丈ヶ谷出合へと到達できる。
しかしここから本流である荒島谷川には道がなく、おおよそ100mほどだが遡行せねばならない。また大滝手前には3mの釜を伴った滝があり、大滝には容易には近づくことはできない。(この釜はその後消えた模様)
大垂を初めて見たのは、20年以上も前のこと。前述した旧下山コースを登山したときに、遠くから見たきりである。
今回はこの滝に立ち、登攀対象となるならば登ってしまおうと思っていたので、その準備を整えて挑むことにした。
とにかく荒島谷川は岩がとてつもなくヌルかった(ヌルヌルで滑るの意)。これは滝からの水の飛沫が周囲に広範囲に飛び散るためだろう。なので岩はどこもヤバいほどヌルヌル。ロープを結んでいざ取り付きに立つものの、足の一歩も出すことができないほど。仕方なくすぐ右手の小ルンゼに活路を見いだすことになる。
しかしここも状態が悪く、中間からは木登り状態。思っていたほどに悪い出だしに少々気持ちが沈んでしまったのは否めない。
まずは35m1ピッチで下段35m滝上に到達。トラバース気味に滝身に出ると、上段滝からの猛烈な風圧でコケそうになる。ビレイをそのままにして滝下へと撮影に行こうとするが、滝下は大釜を伴っていて近づけそうになかった。
上段も35m〜40mはあるだろう、一気に落下する直瀑だ。初めてまぼろしの大垂を見上げたことで興奮も高まったのだが、滝の両岸壁は登るにはちょっと厳しく、滝を見上げながらさてどうするかと、しばし立ちすくんでしまった。
どう見てもこの上段滝は簡単には登れそうもない。人工で行くなら右岸壁だろうが、こりゃ相当時間がかかりそうだ。今回は直登をパスして、左岸壁から滝上に出てみることにした。
この先も傾斜があるのでいちおうロープを延ばし、1ピッチで切って、その上は木登りで進む。しかし上に出ると今度はフェース状になっていてほぼ行き止まりの状態。いやーこりゃなかなかルートファインディングが難しい。
先ほどまで上空に漂っていた雲が流れ、時折強い日差しが差す天気となった。コンディションは上々だったが、昨日の今日では、ここらがちょっと潮時かも。いちおうルートは確かめたので、一息入れて下降することにした。
しかし大垂を間近に捉えることができて大満足。また地元の山屋たちが、これほどまでの大滝を深く語らないその意味が、オレにはなんとなく解った気がした。
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