また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 2143706
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
白山

【白山周辺】初冬の鳴谷山

2019年12月14日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
11.6km
登り
854m
下り
838m

コースタイム

日帰り
山行
7:40
休憩
0:40
合計
8:20
7:00
270
駐車地(林道百合谷線の途中)
11:30
12:10
190
15:20
駐車地(林道百合谷線の途中)
結構時間がかかっていますが,スキーに不利な状況でスキーの取り回しや脱着に時間がかかったためで,ワカンやスノーシューならもっと短い時間で山行可能だと思います。
天候 晴れのち曇り,昼ごろから雪
過去天気図(気象庁) 2019年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
国道157号線から桑島橋を渡り,鳴谷山への登山道がある林道(林道百合谷線)の途中の広くなったところに駐車(何台か駐車できるくらいの余裕あり)。林道終点手前1km付近に倒木があり,林道終点までは車で進入できないので注意。現在のところ,林道はあまり雪がないので車で入れたが,じきに本格的な降雪で通行不能になると思われるため,ご注意を。
コース状況/
危険箇所等
<積雪状況(2019.12.14時点)>
・林道 … 0〜5cm(道の端に雪がある程度)
・1000m〜1200m … 10〜20cm(腐った重い雪)
・1200m〜1400m … 30〜50cm(腐った重い雪。谷など吹き溜まりはパウダーが残っている)
・山頂付近(1596m) … 60〜90cm(腐った重い雪。吹き溜まりはパウダー,風当たりが強いところは表面が硬くなったモナカ雪)

※昼ごろからまとまった雪が降り始めたため,明日の朝までに追加の積雪があると思われます。
※山頂付近の積雪は,プローブで測ったもの。他は目測です。

<概況>
・まだ藪が全く埋まっていないため,登山道に沿った登降になります。まだまだスキーには早く,ワカンかスノーシューをおすすめします。現時点ではアイゼンは不要。
・この一週間,降雪はあまりなかったようで,先週の雪が腐って残ったような状態になっています。雪は締まっておらず,踏み込むと時間差で沈み込むような感じの疲れるタイプの雪です。
・鎧壁は,岩に氷が張った状態になっており,スリップによる滑落注意。といっても,もうすぐ降雪で埋まると思いますが…(そうなると,今度は雪の急斜面になると思われるため,それはそれで注意が必要。)。
・今のところ登山道が何となく分かり,マーキングや道標も露出していますが,今後の降雪でこれらが隠れた場合,林道から尾根に乗るまでや山頂付近,鎧壁のトラバースは地形が曖昧なのでルートファインディングが必要になると思います。
林道の様子。車でも走れる程度の積雪だが,途中に倒木があり,終点まで入ることはできない。
1
林道の様子。車でも走れる程度の積雪だが,途中に倒木があり,終点まで入ることはできない。
登山口。大体10cm程度の積雪。ツボ足で進んでいくが,踏み込むとちょっと間を置いてからググっと沈み込む感じの腐った雪で,結構脚に来る。
登山口。大体10cm程度の積雪。ツボ足で進んでいくが,踏み込むとちょっと間を置いてからググっと沈み込む感じの腐った雪で,結構脚に来る。
冬枯れの森が美しい。
1
冬枯れの森が美しい。
百合谷の源頭部もまだ流れが露出している。
百合谷の源頭部もまだ流れが露出している。
標高1200mあたりで,深いところでは膝下まで埋まるようになったため,スキーを出す。途端に沈み込みがなくなり快適になるが,小さな段差や谷状地形がまだ雪で埋まっておらず,中途半端に雪をかぶった藪で登山道がふさがれている箇所も多く,スキーの取り回しや脱着でやたらと時間がかかる。やはりまだスキーには早すぎるか…(当たり前だ…)
標高1200mあたりで,深いところでは膝下まで埋まるようになったため,スキーを出す。途端に沈み込みがなくなり快適になるが,小さな段差や谷状地形がまだ雪で埋まっておらず,中途半端に雪をかぶった藪で登山道がふさがれている箇所も多く,スキーの取り回しや脱着でやたらと時間がかかる。やはりまだスキーには早すぎるか…(当たり前だ…)
どうやら先週から登山者は入っていないらしく,ノートレース。静かな森の中,藪や段差と格闘しながらも,スキーを進めていく。
どうやら先週から登山者は入っていないらしく,ノートレース。静かな森の中,藪や段差と格闘しながらも,スキーを進めていく。
鎧壁。一面にベルグラが張った上に薄く雪がついており,「砂御前山北壁」と名付けたくなるくらいにアルパインな眺めで,なかなか壮観である。
1
鎧壁。一面にベルグラが張った上に薄く雪がついており,「砂御前山北壁」と名付けたくなるくらいにアルパインな眺めで,なかなか壮観である。
登山道は壁の基部をトラバースしていくが,岩場が一面に凍り付いており,ちょっと注意が必要。下も切り立っているので,スリップするとそのまま滑落する可能性もある。
1
登山道は壁の基部をトラバースしていくが,岩場が一面に凍り付いており,ちょっと注意が必要。下も切り立っているので,スリップするとそのまま滑落する可能性もある。
ここももっと積雪が増えれば,急な雪の片斜面になるのだろう。そうなると今度は雪崩に注意が必要だ(厳冬期は,尾根沿いに砂御前山を経由したほうがいいのかも?)。
ここももっと積雪が増えれば,急な雪の片斜面になるのだろう。そうなると今度は雪崩に注意が必要だ(厳冬期は,尾根沿いに砂御前山を経由したほうがいいのかも?)。
尾根に上がると,立派な杉の巨木が林立している。何本も幹が枝分かれしており,ちょっとした奇観を呈している。
尾根に上がると,立派な杉の巨木が林立している。何本も幹が枝分かれしており,ちょっとした奇観を呈している。
これも立派。地元の京都北山の芦生杉に似ている。芦生杉も確か日本海性の杉だったと思うし,同じ系統の杉なのだろうか?
これも立派。地元の京都北山の芦生杉に似ている。芦生杉も確か日本海性の杉だったと思うし,同じ系統の杉なのだろうか?
巨木を眺めながら登高を続ける。
巨木を眺めながら登高を続ける。
立派なブナも散見される。
立派なブナも散見される。
眼下の山々も真っ白。しかし,曇ってきたな…。
眼下の山々も真っ白。しかし,曇ってきたな…。
山頂直下で,気持ちの良い雪の斜面に出た。
山頂直下で,気持ちの良い雪の斜面に出た。
楽しみにしてきた白山の眺めは,残念ながら山頂付近が雲に覆われてしまっている。
1
楽しみにしてきた白山の眺めは,残念ながら山頂付近が雲に覆われてしまっている。
しかし,白山の大きさと迫力は十二分に伝わってきた。
しかし,白山の大きさと迫力は十二分に伝わってきた。
鳴谷山の山頂に到着。この頃には風が強まって雪が降り始め,雪の上に出ているオオシラビソに隠れるようにしてテルモスの紅茶をすすって休憩した。
鳴谷山の山頂に到着。この頃には風が強まって雪が降り始め,雪の上に出ているオオシラビソに隠れるようにしてテルモスの紅茶をすすって休憩した。
山頂は広く,スキーで歩き回っていると,木の枝にやたらとビニールテープが巻きつけてある一角があった。この下に三角点が埋まっているのだろうか。
山頂は広く,スキーで歩き回っていると,木の枝にやたらとビニールテープが巻きつけてある一角があった。この下に三角点が埋まっているのだろうか。
風雪は次第に強まり,白山も白い靄の中に隠れてしまった。
風雪は次第に強まり,白山も白い靄の中に隠れてしまった。
山頂直下に藪のない小広い斜面があり,スキーで滑って遊んだ。しかし,物凄いモナカ雪で,バタバタとターンするのが精いっぱい。よい修行にはなったが,あまり楽しめなかった。
山頂直下に藪のない小広い斜面があり,スキーで滑って遊んだ。しかし,物凄いモナカ雪で,バタバタとターンするのが精いっぱい。よい修行にはなったが,あまり楽しめなかった。
雪は次第に本降りになってきて,木々を一気に白く染めていく。美しい光景だが,林道に止めた車が積雪で出せなくなるのではとふと気づき,急に不安になって駆け下りるように下山していく。
1
雪は次第に本降りになってきて,木々を一気に白く染めていく。美しい光景だが,林道に止めた車が積雪で出せなくなるのではとふと気づき,急に不安になって駆け下りるように下山していく。
急げ急げ…
白い新雪をまとった森の中を,時にスキーで,時にツボ足で下っていく。
2
急げ急げ…
白い新雪をまとった森の中を,時にスキーで,時にツボ足で下っていく。
標高を落とすにつれ降雪量は少なくなり,一安心。林道のわずかな雪をつないでしぶとくスキーで滑り,駐車地のすぐ手前までスキーを使うことができた。
標高を落とすにつれ降雪量は少なくなり,一安心。林道のわずかな雪をつないでしぶとくスキーで滑り,駐車地のすぐ手前までスキーを使うことができた。

感想

 鳴谷山は,ミズバショウや白山の眺めで有名だが,これまで何となく素通りしてしまっていた。しっかりした登山道がある山なので,まだ積雪量が少なく藪が埋まっていないこの時期に登るにはぴったりだろうと計画した。山頂から雪をまとった白山を眺めるのも楽しみにしていた。
 先週の三方崩山では,まだ積雪が十分でない中スキーを持ち出し,藪に苦しめられたため,今週はおとなしくワカンで登るつもりでいた。しかし,気が付いたら足にはスキー…。先週の教訓がまったく生かされていない。登山口で雪が少なくても,「標高が高いところは意外に雪が積もっているかも?」「しかもパウダーかも…?」という悪魔のささやきにどうしても負けてしまうのだ。そして今回も雪に埋まり切っていない地形と藪に苦しめられることになった。雪質もモナカで悪く,下山時も滑りとシール歩行が半々くらいだったため,今回はジャンルを「山滑降」でなく「積雪期PH」とさせていただきます(^^;
 鳴谷山は,白山界隈でも人気のあるハイキングコースなだけあって,なだらかな尾根と美しい森がひろがる良い山であった。尾根上の杉の巨木はなかなかの奇観であり一見の価値あり。中腹のブナと杉の森から一転して,山頂付近はオオシラビソの疎林が広がり,高山気分を味わえる。残念ながら白山方面は雲に覆われて白山の大観は得られなかったものの,真っ白になった目附谷や加賀禅定道の稜線を眺めるだけでも,雪に閉ざされた白山の大きさと厳しさは十二分に伝わってきた。また,途中の鎧壁も,一面に薄氷が張って険悪な雰囲気であり,どこかの高山の冬壁のようで,なかなかアルパインな眺めであった。
 昼頃に突然雷鳴が響いたと思ったら,雪が降り始め,周りの木々は急速に新雪に覆われて,美しい眺めの中の下山となった。早く雪がもっと積もって,藪も谷も埋まり,縦横無尽に山を歩き回れる季節になるといいな。そう思いながら下山した。
 

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:772人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

ハイキング 白山 [日帰り]
鳴谷山
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
1/5
体力レベル
2/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら