爺ヶ岳東尾根(P2で敗退)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,387m
- 下り
- 1,370m
コースタイム
- 山行
- 2:55
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 3:05
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 7:00
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 5:20
天候 | 1/1 小雪 1/2 曇りのち雪 1/3 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
アルピコグループ路線バス: https://www.alpico.co.jp/access/hakuba/ogizawa/ ○信濃大町駅〜大町温泉郷〜鹿島集落 大町市民バス「ふれあい号」: https://www.city.omachi.nagano.jp/00003000/00042000/fureai_2.html ※今回は年始年末のため利用できず |
コース状況/ 危険箇所等 |
鹿島集落〜標高1250m付近:雪は少なく所々地面が露出。急登。 標高1250m付近〜標高1430m付近:足首程度のラッセル。 標高1430m〜JP:脛〜膝程度のラッセル。 JP〜P3:膝程度のラッセル。 P3〜P2:膝以上のラッセルで急登部分は腰あたりまで潜るイメージ。 ※トレースの名残があったが、標高を上げるにつれ不明瞭になり、P2の急登あたりで完全に消失。 |
予約できる山小屋 |
北アルプスBASE温泉郷キャンプ場
|
写真
感想
厳冬期の鹿島槍には前々から登りたいと思っており、元の計画では3泊4日で爺ヶ岳東尾根経由で鹿島槍に登る事にしていた。
鹿島槍のラッセル敗退記録は多く見るが、4日間確保すれば少なくとも爺ヶ岳までは行けるのではと思っていたが…
――――――
1月1日(水)
年に一度の大晦日の終夜運転を利用し、通常ダイヤよりも早い電車で信濃大町に至る。
車窓から望む南アや北ア南部の山々は、遮るものなくその白い頂を望む事が出来たが、後立の山々は日本海側から吹き付ける重たそうな灰色の雪雲により、山体の半分以上を隠してしまっている。
雪のちらつく信濃大町の待合室には蕎麦屋があり、昼ご飯どきまでまだ時間があるにも関わらず、良い香りにつられてか次々と注文が入っている。ならばと、自分も特上かき揚げ卵そばを注文。(ちなみに「特上」はほとんどのメニューに付いており、特に高級なものを注文した訳ではない)
ここから、大町温泉郷行きのバスに乗る。1日3本しかないので絶対に逃せない。
バスは観光バスのような立派な車両(見たところ45人乗り)を使って運行されているが、まさかの乗客は自分一人で貸切状態。
聞くと、冬の時期は普段からほとんどお客さんがいないらしい。なんと、勿体無い。。
大町温泉郷で下車し、ここから鹿島集落まで1時間強の道のりを歩く。林道ではなく普通にアスファルトの車道なのが少々辛いところだが、準備運動と考えて歩く。
なお、年始年末以外は、大町市民バス「ふれあい号」が鹿島集落まで運行されているらしく、ところどころバス停を横目に見ながら進んでいく。(予約が必要と書かれたバス停もあったため、利用の詳細は要確認)
鹿島集落でちゃんとした冬装備に変え、「鹿島」バス停の裏あたりから入山する。なお、本来の入山ポイントはバス停の若干南側になり、その先に他の記録で見かけた「おばばの碑」などがあるのだが、正しいルートに気がついたのは下山時だった。
若干取り付き点がわかりづらいが、まずはいくつか堰堤のある沢沿いに進み、最初の堰堤の左岸側から小尾根に取り付いて、ちょっとした滝の高巻きを思わせるような急坂を踏み跡に沿って登っていく。
やや滑りやすく、最初からアイゼンを装着する。
そのまま標高200mあまりを登ると、いったん傾斜が落ち、尾根状に乗る形になる。雪はまだ少なく、水づくりは厳しそうなので、さらに標高を上げる。すると、もともと幕営予定地点であった1430m付近にちょうど良い平坦地があり、雪も水づくりには不足しない程度にはあったので、ここを本日の宿とすることに決定。
夜は、時短も兼ね、学生時代の頃良く食べていた「ラーメンもち」にしてみるが、途中で食欲がなくなってきて少々辛かった…
1月2日(木)
朝はあまりスッキリしない感じの空模様だが、それでも下界のある東側からは陽の光が射している。だが、西の山の方に目をやると、昨日と同じく、白い雲がしつこくまとわりついている。
今日も最初はアイゼンで進んでいく。トレースが薄っすらとあるが、新雪が積もっておりラッセルとなる。その深さも、最初は足首程度だが、JPに着く頃には膝程度となり、徐々にペースダウンしていく。
JPでワカンに切り替え。
森林限界はまだ先だが、JPで若干視界が開け、下界を覆う雲海を望む事ができる。進行方向を眺めると、起伏を繰り返す長大な尾根が遠方まで続き、その行く末は相変わらず暗雲に覆われている。
ルート状は時々灌木に遮られるが、基本的に尾根通しで行く。トレースは本当に薄っすらという感じで、踏むとようやくそれとわかる程度。
P3からはいっそう積雪が深くなり、トレースはいよいよ不明瞭になる。ラッセルも膝〜太腿程度となり、急登部分では胸の前の雪を切り崩すようにして進んでいく。
こうなると極端にペースが落ち、特にP2の登りは行けども行けども距離が伸びず、ピークに辿り着かない状況が続く。
結局、14時頃P2に到着するが、この分だとこの後控えている核心部の通過にどれほど時間がかかるか読めず、天気がイマイチなこともあり、本日の行動はここまでとする。
この時点で鹿島槍は諦め、爺ヶ岳のみを目標とするが、それも明日の天気次第。
尾根状で風をまともに受けるので、防風壁もどきを作ってからテントを設営。
しかし、設営中風が弱かったため油断しテントやフライの袋をまとめて入れたビニール袋をしっかり押さえずに置いていたところ、急に吹いてきた風に吹き飛ばされ、そのまま斜面を落ちていってしまった…(ゴミを増やしてしまい申し訳ありません)
設営しかけのテントも吹き飛ばされそうな感じでグラグラしていたので、慌てて捨て綱で周囲を固定する。
そのあと、何度か晴れないかと思って爺ヶ岳方面の様子を確認するが、ついに一度も本峰を望むことなく終わってしまった。
夕食後、外に出て見ると、予想外に大町市の夜景が綺麗に見えた。しかし、それもわずかの間のことで、すぐに周囲がガスってしまった。
夜は、風の音とテントを叩きつける雪の音で、快適とは言い難い一夜だった。
1月3日(金)
朝になっても状況は変わらず、いや、むしろ悪化しているようだ。案の定、ピークは全く見えず、下界の方も白い世界が広がっている。
電波はよく入るので天気予報も見てみるが、明日にかけて状況が好転する可能性は小さそう。
新雪も一晩で新たに40cmほど積もっているのではと思われ、このまま進むには雪崩や滑落の可能性も含めてリスクが大きすぎると判断し、下山を決める。
昨日しっかりと付けたはずのトレースは幕営地周辺では一晩で完全に埋まり、再び膝〜太腿ラッセルをしながらP2からの急坂を下っていく。
ラッセルとはいっても、下りなので、昨日のしんどさとは雲泥の差。雪崩だけが怖いので、出来るだけ尾根状かつ灌木が生えたところを繋いで下って行く。
そのうち、うっすらとしたトレースが再び現れ、出来るだけ忠実に辿って下る。そんな感じで、ラッセルにはなったものの、結局P3まで1時間あまりで着いた。
P3からはさらにトレースが明瞭になり、サクサク下っていく。景色が全く無いので、時々面白い形の木や、こんもり雪の積もった灌木を撮ったりしながら(それくらいしかする事が無い笑)ダラダラと行く。
最後の急坂はワカンからアイゼンに変えて慎重に下り、「おばばの碑」のある鹿島集落の登山口に降り立った。
雪は降り続き、入山時よりも天気が悪化している。
さらに1時間歩き、大町温泉郷に到着。
温泉に入りたかったが、ちょうど昼のバスが来たところで、これを逃すと4時間後になってしまう。結局そのまま信濃大町の駅へと向かい、最後に待合室でおやきなどを食べ、本山行の締めくくりとした。
――――――
結局、ピークの姿すら見えないまま、3日間ラッセルをひたすら繰り返すだけの訓練山行になってしまった汗
かなりの寡雪と言われている今シーズンでもこの積雪量なので、平年はどのような状態になるのだろうか…
厳冬期の後立は体力をつけて、天気の良い時にリベンジしたいと思う。でも、やっぱりしばらくはいいかな…笑
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