青龍山へサンセット・ハイク


- GPS
- 01:34
- 距離
- 4.6km
- 登り
- 249m
- 下り
- 228m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山は多賀SAへ |
写真
感想
この日は朝から南東尾根から伊吹山に登っていたのだが、下山後にもう一山、多賀大社の近くにある青龍山に寄り道することを考える。近江百山に選ばれている山ではあるが、小さな山なので、何かのついでに立ち寄るのでもなければ、この山のみを目的に訪れることがないだろう。多賀大社に行くには米原から近江鉄道が通じているので、伊吹山からの帰りに立ち寄るのに都合が良い。
米原駅で乗り換えると近江鉄道は二両編成の水色のこじんまりした電車が待っている。驚いたのは狭い列車にママチャリをひいて乗り込んでくるオバさんがいる。高宮駅で多賀大社線に乗り換えるが、やはりこの列車にも自転車で乗り込んでくる人がいる。この電車は自転車で乗るのは全く問題がないらしい。
多賀大社に近づくと車窓の右手に双耳峰が見えてくる。やはり小さな山ではあるが、この山が近江百山に選ばれたのは故宮(このみや)神社の御神体という要素は大きいのだろう。
多賀大社から高宮池の脇を通って国道306に出ると左折する。車の往来もほとんどない国道脇には唐突に大型の蒸気機関車が現れる。公園として管理されている訳でもなく、雨晒しの車体は随所に錆が浮かんでいる。荒廃しているものの、その迫力ある大きな車体はかろうじて往時の威勢を留めている。なんとか読み取れる車体のプレートはD51 999と記されている。いわゆるデゴイチだ。後で調べてみるとかつて多賀SLパークにありSLホテルとして使用されたものだったらしい。斜陽を浴びたその姿は哀愁きわまりない。
蒸気機関車のすぐ先で、右手から青龍山の前衛、磐座(いわくら)に登る道の一つ、さえずりの小径らしい。登山口からは綺麗に整備された階段を登ってゆくと、斜面には多くの椿の樹木が現れる。いずれの樹にも多くの椿の花が咲いている。
椿園を先に進むと羊歯藪が繁茂するようになる。冬枯れの自然林の中にあって羊歯の緑が鮮やかに感じられる。羊歯藪の中の踏み跡は埋もれているが、足元の踏み跡はあくまでも明瞭だ。登山道には倒木も少なくない。
随所で東側の眺望が開け、霊仙や御池岳を展望することが出来る。伊吹山から眺めた霊仙は山頂部には雪が見えたが北側斜面であったからだろう。この青龍山から眺める霊仙は痛々しく感じられるほどに雪が少ない。御池岳は山肌は白くなっているものの、霧氷が全くないせいだろう、樹々の黒さが目立つようだ。
手前のピーク磐座にたどり着く。樹林に囲ままれた狭い山頂広場には山名標もなく、殺風景なところだ。檜の植林を抜けて鞍部を通り過ぎると西側に眺望が大きく開けた箇所がある。登山道から少し斜面を下ったところが展望が良さそうなので、草の生えた斜面に足を踏み入れると棘のある植物に思いっきり引っ掛かった。サルトリイバラのようだ。
青龍山の山頂からは再び琵琶湖側、すなわち西側に大展望が広がる。夕陽を眺めるためには格好の山頂だろう。繖山の上、西の空にかかる雲の中へと落ちてゆく。流雲が黄金色の光を遮っては薄明光線が雲の間から溢れ落ちる。雲と陽光の一瞬の戯れが目を愉しませてくれる。
雲の下から再び夕陽が顔を出すことを期待したいところだが、それまでには少し時間がかかりそうなので山頂から南東に伸びる踏み跡を辿ってみる。国土地理院の地図では破線が先のピークca?mまで伸びているが、踏み跡は尾根上の小ピークca 310mの手前で東に方向を転じ、左手の植林の中を下ってゆくようだ。ca310mのピークに足を延ばしてみるが、残念ながら樹林に囲まれて眺望のないピークであった。
再び青龍山の山頂に戻ると夕陽が雲の下から顔を出そうとするところであった。やがて猪子山の上に陽が沈んゆく。サンセット・ハイクは日が沈んでからまだ空が明るいうちに下山出来るといいのだが、その点でもこの青龍山は理想的だ。磐座との間の鞍部からは故宮神社への道をまっすぐに下るとまもなく故宮神社にたどり着く。
故宮神社の前を名神高速に沿って歩くと樹高の高い自然林の林が広がっている。なぜこんなところにこんな立派な林がと思うが、高速道路が建設される前はここにおそらく故宮神社の立派な参道があり、その周囲に立派な林が広がっていたのだろう。多賀SAに着くと丁度、名古屋発京都行きのハイウェイ・バスが到着したところであった。バスは休憩のためにここで12分ほど停車するのだが、あとは1時間少々で京都駅に到着する。
コメント
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こんばんは。
山で夕焼けを眺めたいとは思うものの、暗闇の中の下山を考えるとなかなか実行出来ませんが、こちらでしたら暗くなる前に下界へ辿りつけますね!
素敵なサンセット写真をありがとうございました^ ^
SLパークのD51、小学6年の夏休み、彦根にお住まいだった担任の先生が、友人数名と河内風穴や多賀大社、そしてSLパークへと案内してくださったことを思い出しました。生徒想いのとても良い先生でした。
懐かしいです。当時の私は可愛かったのですよ。
コメント有難うございます。
確かに日が沈むことを見届けてからヘッデンに頼らずとも下山することが出来る山というのは希少ですよね。すぐに思いつくところでは大文字山ですが、ここは大文字山から望む夕陽に全く引けをとらないでしょう。
この青龍山は繖山と長命寺山の間に比叡山を望み、もう少し季節が過ぎると比叡山に日が沈むことになると思います。
西側に大きく展望が開けるので季節を問わず、夕陽を眺めるのに格好の山と思います。どこかの山行の帰りに下りの多賀SAに車を停めて、山頂を往復するという裏技も使えます。私も機会があればまた日没の時間を狙って訪れてみたいと思いました。
まさか、北麓のD51にuriさんがそのような想い出があるとは思いもよりませんでした。uriさんに小学生時代の夏休みの記憶を辿っていただくためだけでもこのレコをアップした甲斐があったというもの。おそらくこのD51をご覧になったら万感の思いに捉われることになるのではないでしょうか。
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