記録ID: 2194547
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
丹沢
弁天見晴〜梅ノ木尾根〜大沢川/五段の滝周回 読図ナビゲーション講習
2020年01月25日(土) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 674m
- 下り
- 668m
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・トイレ、登山届出ポストあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回のコースは一般登山道ではありません。 ハイキングしかなさらない方には道迷い、悪場の急登、滑落等リスクがあります。 過去にも複数、GPSアプリを携行したにも拘わらず 道迷いの末、転滑落した死亡事故が起こっております。 コンコルド効果(間違ったのに気付いたにも関わらず、今まで苦労して下降した 労を(リカバリーすることを)惜しんで)によるものと推察されます。 必ず上記リスクについて同行者のバックアップができる経験者の同行を お願いします。 ■広沢寺温泉〜弁天見晴〜見晴台B(弁天御髪尾根) 大沢林道(途中右に分かれる二の足林道には進まず)ゲートを開け、また閉めて 真っ直ぐ進む。ゲートから7〜8分で右手にクライマーで混み合う弁天岩(滑岩) を通り過ぎ、大釜弁財天もやり過ごして少しで林道は橋で右岸から左岸に渡る。 さらに少し行けば小さなヘアピンカーブ先で林道は分岐している、ゲートのある 右手林道ではなく左手に進む。 再び林道が分岐しているが、左は大沢川沿いに下りるものなので、右のやや登り になっている方に進む。 しばらくで大沢川の堰堤右脇に出るように林道は終わる。 ここは大沢川が西向きから北向きに変わっているポイントで現在位置確認が できる。 大沢川の左岸に付けられた古い径路を辿っていけば、数分で右からしっかりした 支流が合わさる。ここには標識もある。 支流の橋を渡ってすぐに本流と支流の中間尾根にトラロープが上に向かい伸びて いる。ここは標高差70mほど急な土ザレの登りとなる。昔の朽ちた木階段あり。 標高差100mほど尾根を登っていくと古い東屋。ひょうたん広場だ。 ここは小さなピークとなっていてすぐ先は小さなコルで、地形図でも等高線の 間隔が広くなっていて現在位置が確認しやすい。 尾根を登り出す前にこの地形の存在をメンバー全員に情報共有する。 地形の変化の事前情報共有と歩きながら山を観察する意識をもつことが 登山の基礎である。 東屋から先は再びやや急になる。地形図を見ればわかることだが、尾根の向きが 北から北西向きに変わる。それも現在位置確認ができる。 トラロープ沿いに急登を登る。歩き方としてはキックステップ、ダッグウォーク オポジッションなど多用して滑落のないようにする。 これらの単語がわからない方は登山の基礎をしっかり学習し体得する要あり。 登山はレクリエーションではない。れっきとしたトレーニングが必要な 「スポーツ」であることを忘れずにしたい。楽しさはそれをマスターした先に ある。 急登を終えればハンドメイドの標識もある弁天見晴に着く。 ここから北西へ両岸が切れ落ちたコルを越えて再び登り返す。 (ここのコルも過去遭難事故が起きている) 少しの登りで見晴台Bとある稜線に出る。 向かって右手の尾根を下りれば山神隧道、鐘ケ嶽方面、左手の平坦な尾根に 向かえばすり鉢広場経由で梅ノ木尾根(さらに登れば大山・三峰山縦走路)だ。 ■見晴台〜大沢川/五段の滝 見晴台Bから左の平坦な尾根(途中アップダウンあり)を進み、見晴台A (694m)を越えて一つピークを登り越せば踏み跡は植林の下りになる。 下って行けば右手が大きな鍋底の窪地になっているのが見える。 ここがすり鉢広場。 踏み跡を少し登っていくと以前はあった東屋が解体されており、その資材が ビニールシートでくるまれていた。 さらに登ると尾根と合わさり、左の急な登りとなる。 登り切れば小ピーク脇。さらに先の小ピークが大沢分岐で、足元に小さな 標識がある。 ここは尾根の分岐となっていて、そのまま真っ直ぐ進めば梅ノ木尾根となって 大山三峰縦走路に上がる。 大沢分岐を左(南)へ下れば日向薬師方面の梅ノ木尾根だ。 少し下ると特に左側が急になった痩せ尾根状となる。根に足をつまずかせない よう、または一部砂ザレなので滑落しないよう要注意。 尾根は至って平坦。 さてそのまま進めば二ノ沢ノ頭経由で日向薬師方面に下りられるのだが、 今回は680mの尾根が南東から南へ変わるポイントから東に下りる尾根を 下ってみた。 右手が植林、左手が広葉樹の尾根で、下って行けば平坦になっていく。 620mで中央が植林帯となって尾根が分派している。 この尾根はどちらも大沢川の400m三俣まで植林帯なので下降は可能だが、 右手の東南東方向の尾根の方が楽だ。左手の東北東尾根は末端がやや急で これも地形図をしっかり見れば、どちらが楽に降りられそうなのかわかる。 大沢川は通常この400m三俣辺りは伏流しており、すぐに左岸側に渡れる。 平凡な比較的広めの左岸を歩けば、左手から合わさる支流に黒光りした 五段ノ滝と呼ばれる合計落差10mほどの水が細い滝が出てくる。 やり過ごして左岸に付いた踏み跡を歩けば行きの登りに使った尾根取付きに 行きつく。 ■マウントファーム登山学校 http://mt-farm.info/ |
写真
感想
予報よりも陽は射さなかったが広沢寺をベースに弁天見晴〜梅ノ木尾根〜大沢川/五段の滝周回で地図読みナビゲーション講習。
僕の作る地形図はときどき細かすぎるだの言われることもあります。拙著『丹沢の谷200ルート』の掲載図に至っては(たぶん沢線が細かすぎて)「気持ち悪い」と評されたこともありました🧐
読図ナビの手法はたくさんの市販本が出版され、細かい技法が紹介されていますし、それらを習得することはテクニックの引き出しを増やすので、それはそれでよいことでしょう。
ただ道迷いしたときって概ねメンタル的にパニック状態です。
僕の手法は事前に地形図をビジュアル的に見やすくカスタマイズしておき、現場においては細かいコンパスワーク技術は使わず、東西南北さえ読めればよいものにしています。
尾根だか谷だか焦っているときに見たって見誤ってしまうから、細かい沢線を事前に入れることで尾根を明確に浮かび上がらせ、スピーディに対応していきます。
さらにそこにメンバーとの情報共有という手法を加え、道迷いリスクを軽減させていくわけです。
(ソロの場合は自分の中にもう一人の自分を創り対話させます。これは昨年のワンダーフォーゲル(山と溪谷社)10月号にも掲載しました。)
事前準備の重要性と現場における観察力、そして地形図通りに出現する現場の地形とのマッチング、ちょっとしたゲーム感覚でリスクさえも楽しんじゃおう。その感覚が今日の受講者さんにも理解してもらえたようです。
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