記録ID: 220458
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沢登り
中央アルプス
中ア・滑川/前岳沢「日帰り」(2012.8)
2012年08月26日(日) [日帰り]


- GPS
- --:--
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,596m
- 下り
- 1,597m
コースタイム
敬神ノ滝小屋5:45―奥三ノ沢出合8:10―8:45前岳沢出合9:00―パノラマ状の滝上11:50―登山道14:40―敬神ノ滝小屋19:00
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・敬神ノ滝小屋から滑川に沿って林道を行き、最後の堰堤を越えたところから滑川に降りて沢沿いを行く。単調なゴーロの谷歩きだが、時折正面に姿を見せる宝剣岳の稜線と枝沢の滝がアクセントとなって、飽きることなく前岳沢の出合に着いた。 ・前岳沢は出合から両岸が高くそびえ立ち、威圧的な雰囲気を醸し出している。最初の滝は、水流左のランペがルートとなるが、微妙な傾斜で簡単そうには見えない。ロープを出して取り付く。花崗岩で使える足場が限られるため、高い位置に足を上げて乗り込むような動作となる。最近、身体が硬くなってこの手の動きが苦手である。フィンガーサイズのカムでプロテクションをとって何とか乗り上がる。ランぺを恐る恐る上がり、落ち口に立った。この滝に残置はない ・次に現れる赤茶けた8m滝。赤茶けているのはヌメリのようだ。左側からも登れそうに見えるが、傾斜の緩い右側に吸い寄せられる。上部で更に傾斜は落ちるが、ヌメリが怖くて足が出ない。ちなみに足回りはフェルト。フィンガーサイズのカム2個とハーケンも1枚打って、ここを抜けた。普通ならスタスタと歩けるような所なので何ともストレスの溜まる滝だ ・前方に前岳沢の核心部と言われている滝が見えてくる。一段目は結構立っている。水流の左側を観察していると、同行のyamaさんが乾いた所を登ろう!と言う。左壁の白い花崗岩が大まかな段状になっていて、確かに登れそうではある。しかし、一段の高さが1m50cmほどある。また乗り込む動作だ。一段目の所に残置のハーケンがあった。ただし、あまり利いていない。気休めのプロテクションで乗り上がる。二段目は残置なし。ハーケンを打つ。こちらの乗り上がりの方がシビアに感じた。更に巨大なフレークを乗り越えて右にトラバースすると一段目の落ち口に出た。このフレークがまた浮いているように感じて何とも怖い。 上に続く滝はロープを出すことなく越えることができた ・両岸が広がり、前方に緩い幅広の滝が見えてくる。パノラマ状の滝と言われている滝だ。開放的な景観に、あの滝を越えたら昼飯にしましょうかねという気分だが、近づいていざ登ろうとすると意外にこれが渋い。メインの水流のある右端からラインを探してゆくが、どれも微妙に踏ん切りがつかない。右から左へラインを求めトラバースしていると大きな浮き石が乗っていて邪魔なのでyamaさんに声を掛けて落とした。予めよけていたyamaさんだが、落とした岩がバウンドして砕け、破片がふくらはぎに当たってしまった。相当痛そうにしていたが多分打撲と言うことなのでホッとする。 結局、滝の左端の冴えない割に嫌らしいところを奮闘的な登りで越えた。利きの悪いカム-ハーケン-ブッシュとプロテクションを取り、最後のカムをフレークに入れて荷重をかけたらフレークが動き血の気が引く、そんなラインだった。 この滝は左から高巻くことはできると思う。ただ見た感じが簡単そうなのでそういう気にならない。そして登ろうとすると悪い。これもストレスの溜まる滝だ ・これより後はyamaさんがびっこを引きながらの登りとなったので大分スピードが落ちた ・また徐々に両岸が立ち上がる。崩壊の激しい谷筋は瓦礫の巣のようで落ち着かない。相変わらず滝は続くがロープを出すような物がないのが幸いだ。 ・もう少しで登山道かなというところで、傾斜の緩い磨かれたスラブの涸れ滝。ロープは出さずスタスタ登ってゆくが、あと5mほどの所で磨かれた岩に足が出ない。傾斜は緩いが、もし滑ったらバウンドしながら20mほど落ちるだろう、多分止まらない。もうロープを出す余裕もない。逡巡しながら何とか右の草付き部分に逃げてやり過ごした ・最後にチョックストーンの詰まった涸れ滝。足下には崩壊間もない岩が堆積していて落ち着かないところだ。右の岩棚に上がってここは越えた。 ここを越えて漸く登山道に到着した |
写真
感想
なかなか手応えのある沢でした。
深い谷筋と荒々しく崩壊した側壁の様相にアルプスの谷を感じました。
遡行者の期待や都合とはまるで関係なく、この谷は崩壊や変貌を続けているのだと感じました。
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