(マレーシア)キナバル山(4099m)登頂(1987)

コースタイム
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:30
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 10:50
天候 | 8/14 曇りのち雨 8/15 (夜半から朝方)晴れ、 のち曇り、夕立あり |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
[コタキナバルから] コタキナバルー(車)−>登山口(パークヘッドクオーター;PHQ) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山道は非常によく整備されていて、問題なし。 ・頂上付近は岩のスラブ状だが傾斜はそれほどでもなく、歩いて登れる。部分的に固定ロープあり(使わなくても済む程度) |
写真
感想
【山行No 111】
※ 山仲間のK氏に、突然、ボルネオのキナバル山登山を誘われた。
海外旅行も一度もしたことないし、熱帯のボルネオの山と聞いて、正直、あまり気が進まなかったが、富士山より高い4000m峰ということなので、思い切って行ってみることにした。
・これはアルパインツアー(株)の企画ツアーで、(この当時)成田発5泊で25万円だった。
(お盆の時期のツアーなので、特に高かったようだ)
8月11日(火)
・まずは出発地点の成田に向かわないといけないので、この日は移動日。
前夜の夜行フェリーで四国(新居浜)を出発し、大阪から東京に新幹線で移動。東京からはリムジンバスで成田へ。
・成田空港に着くと、K氏とは出会えたが、案内板にも何も書いてないし、ツアー会社の人もいないしで、不安な感じ。
しばらくするとアルパインツアーの人がやってきたが、なんと、乗る予定の飛行機がエンジン不調で、今日は飛ばないとのこと!・・いきなり出鼻をくじかれた感じで、不安なでだしだ。
・とりあえず、飛行機会社(マレーシア航空)の手配した、成田空港付近のホテルに行き、一晩待機となる。
8月12日(水)
・結局、一日遅れの今日午前中の便でマレーシアに向かうことになった。成田空港に行くと、ようやく今回の全メンバーに会う。
・T氏、M氏、Yさん、それと我々K氏と自分の計5名。みな20才台〜30才台前半と若い。
・今回のツアーは、日本からの添乗員はなく、現地ガイドがつくだけなので、英語力に自信のない自分にとっては不安だが、経歴を聞くと、T氏、M氏、Yさんは海外旅行にかなり行っているようだったので、なんとかなるかなぁ・・
11:40 成田空港 発
18:30 クアラルンプール着(現地時間)
・全員、初めて来る空港で、アテンドの人が来るわけでもないので、空港で少し迷った。自分としても初めての外国なので、緊張する。
・持ってきた米ドルをマレーシア通貨(リンギ)に両替するが、自分のへたな英語がうまく伝わらなく、さっそく冷や汗をかいた。
・予定が変更となったので、今日はクアラルンプールで泊まることになっている。宿は空港近くの、 Subang Airport Hotel というホテル。
・夜はゆっくりしようかと思ったが、他のメンバーが、クアラルンプール市内観光をしたいというので、一緒に行く。タクシーを飛ばしたが、中心部まで25kmもあった。
・車中、タクシーの運転手がいろいろ説明してくれるが、なまりのある英語なのでちっともわからない。
・クアラルンプール中心部の、駅や中央官庁群のあたりをぶらぶらした。中心部は以外と高層ビルが多くて都会の印象だったが、裏通りにある中華街は雑然とした雰囲気。
8月13日(木)
・今日はボルネオ島への移動日。
8:30 クアラルンプール発
・向かうコタキナバルは、ボルネオのマレーシア領にあるので、国内線に乗るが、なぜかパスポートチェックがあり、不思議な感じだった。
・飛行機は、いったん、シンガポールにより、それからボルネオに向かう。
12:30 コタキナバル着
・空港を出ると、ガイド役のディビット氏が迎えに来ており、ようやく一安心だ。
・ディビット氏の運転する車で、途中、少し観光して、登山基地へと向かう。
15:40 パークヘッドクオーター(以下 PHQ)着
・ここはキナバル国立公園の中心部にあたるらしい。
・ジャングルの中のぼろい宿を予想して身構えていたが、泊るのは意外と清潔なコテッジだった。
・マラリアが怖いので、蚊に刺されないよう、日本から持参した蚊取り線香を焚くが、以外と蚊や他の虫も少なかった。
・夕食は中華風で、野菜炒めなど、以外と食べやすい。水は、生水を飲むのは怖いので、日本から持参した「六甲のおいしい水」のペットボトルの水を飲む。
8月14日(金)
・日本を出発して3日目にしてようやく登山開始となった。
・朝起きて外を見ると、上空はドンヨリしており、見上げるキナバル山頂付近も雲に覆われており、パッとしない朝だ。
・大した山ではないので大げさだが、ここのルールではポーターがつくとのことで、水など重い荷物はポーターさんに持ってもらうことになった。
・ ここからは登山ガイドのウイリアム氏が案内役となる。英語はちょっとつたない感じ。
8:00 PHQ発
・まずPHQから登山口へと車で向かう。
8:30 登山口(パワーステーション;標高=約1500m)
・ここからいよいよ登山開始だ。
・ジャングルの中の厳しい道を予想していたが、道は日本の山道よりよほど整備されており、急登の箇所は木の階段や木の手すりがある。
・ところどころには地図入りの案内板もあり、予想外の整備状況に少し驚いた。
・しかしさすがに熱帯の国だけあって蒸し暑さは予想通り。
・最初は虫よけのために長袖シャツを着用していたが、暑さに我慢できず、Tシャツ一枚となる。
・虫が多いかと思っていたが、これまた予想外で、日本の夏山で見かける、顔などにたかる小虫類もほとんどいなかった。
・熱帯の森林地帯なので、熱帯の鳥たちが多いことを期待してたが、
こちらが逆に期待外れで、あまり多くを見かけなかった。
・Mountain Black Bird(現地名;カラカラ)
・Mountain Black eye
13:00 パラナバン小屋(標高=約3300m)
・割と順調に、今日の宿に到着。"Hat"という名前なので、小規模な山小屋を予想していたが、3階建ての大きな建物が立っていて、びっくりした。日本の山小屋よりもむしろ立派だ。
・1Fは広いロビーと食堂となっており、2F,3Fはベッドのある個室となっており、快適だ。部屋には電気式の暖房も着いていた。シャワーも完備している。
・少し時間は遅いが、1Fの食堂で昼食とする。また中華風で、チャーハン、チキン、コーラのメニュー。
・午後は、時間があるので小屋の周辺をウロウロする。
・雲が多い天気だが、時々雲の切れ間から、キナバルの山頂部が望める。・・首が痛くなるほどの高みに山頂部の岩峰群が見える。
不気味な感じの奇妙な形の岩峰群が立ち並ぶ奇景で、あんなところに行くのか?と全員すこしびっくり。
・夕方になるとスコールがやってきた。熱帯なので毎日こういう天気らしい。なので、行動は午前中のみが原則だが、この激しい雨の中を登ってくる人たちもいた。
・夕食もいつもの中華風で、野菜炒め、魚を酢豚風に味付けしたものなど。
・明日は夜明け前に出発するとのことで、20時には寝床に着いた。
8月15日(土)
・暖房が利いていて、標高3300mとは思えない、よく眠れた夜だった。
・午前1時に起床。あまり食は進まないが、夜食というべきか、今日の第一食目がだされ、食べる。
3:10 パラナバン小屋 出発
・まだ夜明けまでは遠く、暗いなかだが、小屋の外に出てみると、意外と多くの人が、ヘッドランプを着けて登っている。まるで富士山の夜行登山のようだ。
・上空は少し晴れ間があり、オリオン座などが見えたので、アタックに問題はないだろう。
・登山道を暗い中進むが、ガイド役のウイリアム氏の足はかなり速く、着いてゆくのに苦労する。傾斜も結構ある急登の道だ。
4:20-30 サヤサヤ(Sayat Sayat)小屋
・ここはパラナバン小屋よりはだいぶ小さい小屋だった。小休止しただけで道を急ぐ。
・サヤサヤ小屋より上に行くと植生がなくなり、岩場地帯となった。
・上空に残っている月が、山頂部の岩のプラトーが幻想的に照らしている。
・岩のプラトー部分には、補助的に登山道沿いにザイルが伸びているが、傾斜はそれほどでもなく、ザイルは特に使わず、どんどんと登ってゆく。 しかし、さすがに富士山の山頂付近の高度となり、息が上がる。
5:50-6:40 キナバル山(ローズ ピーク)着 (標高=4099m、気温=+3℃)
・ようやく日の出直前に頂上に到着。
このピークは、キナバル山の頂上プラトー部にそびえるいくつかの岩峰の一つで、以外と頂上部は狭い。
・登ってきた太陽は雲に隠されて、ご来光を仰ぐ、とはいかなかったが、朝焼けの雲は結構きれいだった。
・明るくなるにつれ、山頂付近の景色や、遠い下界の風景も見えてきた。
・山頂部は以外と複雑な山容で、ローズピークの東は切り立った谷となっており、その対岸にも岩稜が並んでいる。
・麓の方をみると、ボルネオ島中央部は低い山なみがどこまでも広く広がっており、反対の海のほうを見ると、コタキナバルあたりの海岸線と、その向こうの南シナ海の海まで見通すことができた。
・頂上で結構長い時間を過ごし、その後、下山にかかる。
・花崗岩のスラブはフリクションもよく利いて、散歩気分で下れた。
・山頂部の岩峰群もそれぞれが個性的な形をしている。写真を撮りながら下る。
8:50-10:30 パラナバン小屋
・小屋に戻って、本日の第二食目を食べる。
・まだ下の方に広がる低い積雲は上がってきておらず、小屋の窓から見る風景は、なんだか、奥秩父や大台ケ原を思わせる風景だった。
・今日はそのままPHQまで下ることになっている。
・下りは汗もかかず、快調に下れた。
・ガイドのウイリアムが、食虫植物のウツボカズラ(Picher plant)を説明してくれたりする。他にはあまり花も咲いていなかった。
14:00 登山口(パワーステーション)
・迎えの車でPHQへ
14:30 PHQ着
・現地ガイド役のディビットがなぜか来ておらず、ちょっと困った。
英語の下手な、登山ガイドのウイリアム氏に通訳となってもらい、宿泊の手続きをする。
・登山も無事終了し、午後はのんびりと、売店で買った野鳥のガイドブックを見たりして過ごす。
・夕方は例によりスコールが来たが、夜になると天気は回復し、外に出て夜空を眺めると、天の川がすごくくっきりと見えた。
8月16日(日)
・夜明けごろに起きて、外を見ると、今日はなかなか良い天気で、キナバル山の山頂部が朝焼けに染まるのを見ることができた。
・朝食前に、バードウオッチングをしてみた。それほど多くの鳥は見つけられなかったが、以下のような鳥を見ることができた。
・Shart tailed bush worbler;茶色っぽい小さい鳥、キーキーと鳴いてる。
・Mountain Black eye;全身 オリーブ色
・Bornean mountain whistler;上が緑で、胸からお腹は黄色
・Yellow breasted whistler;お腹かから胸がオレンジ色
・White tailed Flycacher;上が青くて、お腹は白。黒い眼線
姿を見ることができたのはこの程度だったが、さえずりはにぎやかで、実際はもっと多くの種類がいるようだった。
・朝食後、PHQを出発する(気温=20℃)。
・行きと違い、今日は車窓からキナバル山の山頂部も良く見えて、退屈しない。
・離れれば離れるほど、巨大な山体が見えてきて、流石に4000m峰だな、と、ようやく4000m峰を登った感動が少し湧いてきた。
12:30 コタキナバル着
・今日の宿は、市の中心部にある立派なリゾートホテル(ハイアットホテル)。
・発展途上国の片田舎のホテルにしては立派なホテルで、登山姿で入るのは気が引けるような感じだった。
・ホテルで、辛いチキンカレーの昼食をとったのち、午後は暇なので、 全員で、美術館に行ってみた。現地の作家か?妙なモダンアートがたくさんあった。
・明日は予備日となっており、ほかのメンバーは海に海水浴に行くとのこと。・・自分はそのような準備はしていないので、市内のスーパーに行って、水泳パンツを購入した。
・初めての海外旅行で、しかも知らない街で独りで買い物をするのに、だいぶ緊張した。
・夕食は、ホテルの中庭で、海鮮バイキングの夕食。
・食あたりが少し心配ではあるが、火を十分に通してエビや貝などを食べ、ビールもたっぷり飲んで、気持ちの良い夜を過ごした。
8月17日(月)
・今日は午後まで時間がある。
・ガイドは着いてこないが、近くのビーチで海水浴に出かけた。
・Apa Beachという海水浴場に到着し、さっそく水着に着替えて泳ぐ。 水は透明で南国らしく、いい感じ。ただしヒトデが多いせいか、サンゴはあまりなかった。
・いったん宿に戻り、コタキナバル空港へ向かい、17:20発の飛行機でボルネオ島を出発。
・クアラルンプールで飛行機を乗り換え、深夜発の飛行機で、日本へと戻る。
・翌、8月18日朝に成田に無事到着し、その日の内に四国(新居浜)に帰着した。
※ 初めての海外旅行で、しかもいきなりボルネオに行くという、結構大変な旅だったが、無事、キナバル山も登れたし、珍道中の面もあったが、面白い旅だった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する