鎗ケ先山(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.8km
- 登り
- 596m
- 下り
- 595m
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2004年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
今年は早くから温かくなり、3月末に満開になった桜はもう散ってしまった。平成16年4月10日、池田山、鍋倉山に引き続き、同じ粕川水系の鎗ケ先山に登る事にした。揖斐川町から県道32号線に入り、春日モリモリ村を過ぎ、狭いけれどもバスも通る道を進むと寺本の集落に出る。中瀬(なかぜ)のバス停の手前左側に消防車の車庫があり、その右側の山に入る道に「鎗ケ先登山口」と書かれた杭が立っている。少し広まった道路脇に車をとめ、8時46分、登山口に入った。花びらをそり返し、下を向いて可憐に咲くカタクリの花を見ながら数分登ると、畑の中のコンクリート道に出る。広い畑は、パイプとトタン板で作られた柵で囲まれており、畑と山の間の柵に向かって歩いて行くと、鉄板の扉がある。鉄板には「開けたら閉める猪垣き」と大書されており、この柵は猪除けのものである事が判る。8時56分、この扉を開け山に入り、植林の中の踏み跡を辿る。道は左程急ではないが人のいる気配は全く無く、快晴ではあるが杉林の中は薄暗く、猪の事ばかり気にして心細くなる。薄紅紫色の花をつけたサクラスミレがひっそりと咲いている。9時22分、右手から上がって来る道と合流する。これが寺本からの道なのであろう、青い目印が付けてあり、まず間違える事は無いだろうが、下山時に誤って入らないようにと写真を撮る。案内本には、この辺りに赤松の大木があると記されているが、どの木の事なのか定かでない。鎗ケ先山の狭い支尾根は徐々に急になり、9時42分、一つ目のピークに着く。枯れ木の隙間から鎗ケ先山の頂きが見えるようになる頃、少し下って登り始めると益々急になり、ドキドキドッキーンと不整脈が出現するので、時々足を止め心臓を落ち着かせる。10時、山道が平らになった畳み半畳程の部分で、伊吹山、国見岳を見ながら小休止し、水分を補給する。そこからさらに急坂が続くが、10時14分、支尾根を登り切るとなだらかな道となり、10分もしないうちに頂上に達した。鎗ケ先は地元では天が嶽と呼ばれているそうだが、名前の通り鎗の先や天まではいかないものの、結構しんどい登りであった。絶好の日和なのに誰もいないと思っていたが、なんと頂上には夫婦連れの先客が休んでいた。北を見れば近くに貝月山と鍋倉山があり、その間から遠く雪を冠った山々が見えるのは冠山、金草岳だろう。南には池田山があり、下に揖斐川の流れが光っている。昼食にはまだ早く、夫婦連れの邪魔になっているような気もし、10分程休んだだけで10時33分、下山を開始した。支尾根の急坂に岩場は少なく、砂状の滑りやすい道が続き、慎重に下りて行った。ゆっくり下っても1時間程だろうと考えながら、登りに気を付けていた寺本への道に迷い込まないよう青い目印がないかと注意を払っていた。しかし「登って来る時は、こんな綺麗なイワウチワの花は咲いていなかったのでは?」と思い、そこから引き返して再び登り始めるが、一向に青い目印は現れない。どうもあやしい、これはきっと中瀬への道に間違い無いと、再び同じ道を引き返し始めた。道は段々不明瞭となり、赤い目印を見つけては下りるが、頂上から丁度1時間の所で、とうとう行き止まりとなってしまった。真ん中に裂け目のある大きな岩がたちはだかり、四方を見ても道らしきものは無い。ふと見上げると崖の上に赤い目印を付けた木が見えるではないか。しかしどう見ても道は無い。砂状の崖を、ようようの態で笹を掴んで這い上がり、赤い目印に辿り着き、僅かな踏み跡を登り始めるも、倒木に遮られ進む事が出来ない。引き返して、踏み跡らしき所を探して登ると、上に道らしきものが見える。その道に這い上がり登り始めるが、道がはっきりしていたのは最初だけで再び道は不明瞭となり、急勾配の道無き林の中を赤目印を頼りに登る。不整脈が出現し、疲労困憊、頭もまともに働かず、もはやこれまでと登るのをあきらめ再び同じ所を下り始めた。寺の大屋根が見え、まもなく農道に下り立ったが、そこは登り口とは全く違う場所であった。寺の名は閑窓寺と記され、ここが寺本である事が判った。マメンダニをさまよっていたらしい。
平成16年11月29日、ニュースで大学のK先輩夫妻がこの山に登り、帰宅していないという事を知った。K先輩は県内の主要な山はほとんど登り、鑓ケ先にも三,四回は登ったことがある。この日は下山に備え、目印として赤いテープを張っていたが、これを見落としルートを間違え山中に迷い込んでしまった。なんとか村道に出たが、十月の台風で路面が崩壊し、通ることは出来なかった。別ルートで下山することにし、北方に向かった。途中で日が暮れたため無人の集会所の軒下でビバーグし、翌日朝9時頃、尾根を歩いているところを発見され救出された。K先輩はツェルト、防寒具、非常食、2.5Lのスポーツドリンク、チョコレートや氷砂糖、練乳を持参していたため大事に至らなかった。
始めてののルートを登る時は、低山とはいえ装備を省かないことが大事であると思い知らされた。
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