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記録ID: 2345683
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ハイキング
関東

長い梅雨の、奥多摩・本仁田山は霧の山頂

2003年07月27日(日) [日帰り]
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tanigawa その他1人
GPS
--:--
距離
9.1km
登り
978m
下り
1,032m
過去天気図(気象庁) 2003年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

  今季2度目のトレーニングをかねて、私にはまだ未踏だった本仁田山
に行ってきました。
 本仁田山は、都心方向から眺めるとずんぐりむっくり立ち上がってい
て、なかなか傾斜がきつそうな山です。行程が短いながら、登りで汗を
かき、下降で大腿四頭筋を鍛錬するには、いい山ということでしょう
か。
 本仁田山は、駅を登山口にして登り下りできる便利な山でもありま
す。

 私たちは、鳩ノ巣駅そばの町営駐車場に車をデポして、ここから本仁
田山に登り、山頂を経て、奥多摩駅に下降して、電車で鳩ノ巣駅にもど
るという計画で出発しました。
 町営駐車場は、鳩ノ巣駅前の青梅街道を数十メートル奥多摩側へすす
み、トンネルの手前から右折し線路のガードをくぐったところにありま
す。駅舎まで80メートル。無料、50台ほど収容。新しい立派なトイ
レあり。

 10時18分、自宅発。40分で鳩ノ巣駅そばのこの駐車場に着き、
11時10分に登り始めました。駅のホームの30メートルほど奥多摩
側に小さな踏み切りがあり、線路を渡って、棚沢という集落のなかのと
ても急な車道をほぼまっすぐに登って行きます。距離で250メートル
ほどまっすぐ登って、道のどんづまり。右手に赤い屋根の寺と墓地、正
面に民家がたちはだかったところで、左斜めに伸びる登山道が始まりま
す。
 このルートは、川苔山への登下降や山菜探索でなんどか使ってきたの
ですが、家が増え見通しが悪くなり、道標は圧迫されて、ますますわか
りにくくなりました。とにかく車道を途中で折れず、寺があるどんづま
りまで登ることです。

 今日も雲が低い。本仁田山の山頂部は、雲の中です。
 暗い杉林のなかを登っていくと、男子4人、女子1人の20歳弱くら
いのパーティーが休んでいました。女の子がへたりこんでいます。
「登りですか、下りですか?」
「登りなんです」
「そりゃあ、ご苦労様です」。
 まだ駅から20分足らず。日帰りでどこまで登るのか。もうお昼が近
いし、たいへんそう。

 3度ほどジグザグを切って「大根ノ山ノ神」と呼ばれる石の祠に出ま
した。11時50分着。
 着いてびっくりしました。車が2台停めてある広場があり、鳩ノ巣駅
からの西川沿いの林道がここまで伸びていたからです。川苔山、本仁田
山への最短の登山ルートになるかもしれません。私たちも「登ってきた
人には、ショックだよなあ」と話しながら、おにぎり、いなり寿司の昼
食をとりました。
 
 実は、ここ「大根ノ山ノ神」は、30年余り前に廃村となった「峰」
という集落が、すぐ近くにあるところです。この集落跡を最初に訪れ
て、茅葺の朽ち掛けた民家群を見たときは、「ここから山道を麓の町へ
通ったのか」と驚き、時代の移り変わりを感じさせられたものでした。
傾斜地の狭い開墾地でした。付近にはタラの芽の群生地もあり、ナンテ
ンハギも採取できて、1980年代初めから十数回は、やってきたもの
です。
 今、この場所は、その集落への踏み分けさえ、林道工事でわからない
状況になっていました。

 大根ノ山ノ神(12時07分発)からは、尾根筋をぐいぐいと高度を
上げていきます。電光形を切らずに、登るので、効率がいい。50メー
トルごとに白いテープを根元に巻いた標高の書き込みがありました。右
に大ダワへの2つめの分岐を分けると(12時21分)、傾斜はさらに
増しました。ここからは、初めてたどる道です。

 杉や檜の植林地ですが、尾根の左(南)側は急傾斜の自然林で、キノ
コが姿を見せます。
 黄色っぽくて大きなイグチが数本出ていました。キイボカサタケは、
淡いきれいな色が目を楽しませます。右手から尾根を合わせる手前で
は、ハナイグチが2本、見つかりました。これは、あとで山頂で見つけ
たナラタケ2本とともに、帰ってからさっとゆでて、初物の「刺身」に
して味わいました。

 上部で尾根を合わせて(12時51分)、防火帯となるよう広く刈り
払われた尾根筋を登ります。この尾根では、薄紅色の品のよいミヤママ
マコナなところどころ群落をつくって咲いていました。

 川苔山との稜線にある「コブタカ山」は、急な登りをつめたところに
ありました(13時14分)。振り返ると、入川谷のはるか下方に、青
梅市から立川市方面の市街地が霞んでいます。空は雲で埋まっているも
のの、久しぶりの遠望です。

 山頂はもうすぐです。雑木林の中をすすむうちに、また雨雲の中に入
り込み、周囲は暗くなりました。山頂の北の一角に上がり、ゆるい傾斜
の尾根をたどっていくと、前方に東南方向の樹林が刈り払われた高みが
ありました。
 13時32分、本仁田山の山頂着(1224メートル)。すっぽり雲
の中で、何も見えません。
 傾きかかった小さな掛け小屋がありました。シカの足跡がいっぱいあ
り、それを観察するうちにナラタケがついた朽木を見つけました。木の
枝を束ねたベンチがあり、ここに腰掛けて、果物やコーヒーゼリーの甘
みを楽しみました。
 
 古いガイド記事では、本仁田山の山頂には展望用のやぐらが組んであ
り、これに上がると樹木越しに360度の展望がえられる、とありま
す。しかし現況は、やぐらの姿がないだけでなく、南から西、北側にか
けて270度の方角は、かなり高い樹木に視界をさえぎられています。
途中の尾根筋の、少なくとも夏場は見通しはほとんどなく、展望につい
ては本仁田山は残念な状態になっていると思いました。
 今日は、東南方向の刈り払いされた方角さえ確認できません。
 
 13時52分、山頂発。大休場尾根を行き、安寺沢の集落を経て、奥
多摩駅へ下降します。
 コースタイム1時間30分。これだけでも相当な急傾斜が予想されま
すが、高度を急激に下げるのは車道に下り立つまでの最初の1時間に集
中していました。すごい下りでした。
 ただ、それだけに植林にも支障がでるのか、上部のかなりの部分では
雑木林、自然林が多く残り、秋から春にかけては眺めを楽しめるコース
ではないかと感じました。また、いろんなキノコの写真を写しました。
 
 氷川国際マス釣り場を抜けて、15時20分、奥多摩駅着。27分発
の新宿直行の特別快速は鳩ノ巣に停まらないのでやりすごし、36分発
の各駅電車で2つ離れた鳩ノ巣駅へもどりました。

 (帰りに奥多摩駅方面へ走って「もえぎの湯」に入って、汗を流した
のですが、小さな施設なのに数十人も客を順次、入れてしまい、芋洗
い。並んで蛇口の番を待つ状態で、体を洗うこともできず、不満いっぱ
いで家に帰りました。滞在7,8分で750円。入場を15人ほどに制
限して、入れないなら待ってもらう方式にすべきです。奥多摩近辺の温
泉では、施設も、湯ももっとも貧弱で、もともと大人数を迎える条件で
はないところ。いまの運営のままなら再訪する気がしません。)

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