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Yamareco

記録ID: 2362148
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
九州・沖縄

由布岳(過去レコです)。

2008年11月01日(土) 〜 2008年11月02日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
6.6km
登り
890m
下り
872m
天候 晴れ。
過去天気図(気象庁) 2008年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 飛行機
 大分空港からレンタカーで。
コース状況/
危険箇所等
 それなりに注意が必要です。

感想

 11月になると山は雪が降り始める。11月1,2,3日の連休、雪の無い山、ということで九州に行く事にした。温泉につかって優雅に山登りをしようと、まず由布岳が頭に浮かんだ。もう一つ祖母山にも登ろうかと考えたが、ちょっと優雅という感じからは程遠そうだし、飛行機の都合もあるので二つ目の山は久住山にした。2008年11月1日、中部国際空港へ。7時35分発の大分行きに乗り込み、大分空港から佐賀関まで走り、本場関サバの造りをいただく。サバは〆られたばかりで口をパクパクさせながら、恨めしそうな顔をしている。荒城の月の岡城址を散策し、今宵の宿泊地湯布院温泉へ。古い民家風の建物が並んだ趣のある宿、夕食前に露天風呂でひと風呂浴びる。無色透明ではあるが、さらっとした気持ち良い湯で良く温まる。今日は朝早い出立、長旅の疲れに加えて酔いが回り、クタクタになって熟睡。
  翌朝はゆっくりと起床。朝湯に入って遅めの朝食。やまなみハイウェイから見る由布岳はまさに双耳峰、猫の耳の如き二つの峰が並び立つ。一軒茶屋の由布登山口駐車場は満車状態で、その前の有料駐車場に車をとめる。登山の準備をしている間にも次々と車がやってくる。わたしと同じ「わ」ナンバーも多く、百名山では無いが全国的に人気がある事をうかがわせる。ここから見上げる由布岳は、西峰が東峰の後ろに隠れほぼシンメトリカル、豊後富士の名前にふさわしい美形である。9時45分、枯れ草の丘を登り始める。ゆっくりゆっくり身体を慣らしながら登る。今日はこの山に登るだけ、ほかに何も予定は無く、なんにも急ぐ事は無い。何十人もの人達がわたしを追い越して行く。若い人たちも多く、中にはスニーカー履きの人もいる。15分程登り、丘から牧柵の戸を開け林の中に入ると、大分森林管理所の看板が立てられている。ハイキングコースのようななだらかな登山道が続く。時々道端に小さな立て札が現れ、「標高○○m、頂上まで○km」と書かれているのがまたハイキングコースらしい。少々かすんでいるが良い天気、じんわりと汗も出始める。相変わらず大勢の人に追い越されるが、早々と休憩をとっている人も現れ始める。わたしは亀、休まず登り続け、登り始めてから1時間程で合野越(ごうやこし)に至る。展望が開け、目の前に天目茶碗を伏せて、高台を糸切りしたような形の良い山が見える。「いもりヶ城」と呼ばれているようだが、お城があるわけでもなく、緑の草に被われた柔らかそうな山である。そちらに向かっている人の姿も見える。多くの人が休んでいて、わたしも腰を下ろして小休止。昨晩はたっぷり眠り、ここまでゆっくり登り、疲れているわけでもないのですぐに出発。松林の中、石が転がる道、なだらかに長いつづら折れを繰り返しながら徐々に高度が上がる。林から抜け出て草地の登山道、相変わらず長いつづら折れ、時々立ち止まって景色を眺める。眼下に湯布院盆地が広がり、その向こうに鶴見岳、さらに向こう、雲の上に傾山から祖母山に連なる峯々が、まるで雲海に浮かぶ孤島のように頭を出している。由布岳の中腹は今が盛りの紅葉、温かい色模様の帯締めを纏っている。道はガレのつづら折れから直登の急坂に変わり、ギアーチェンジしてどんどんスピードアップ。何人も追い越してようやく東西の峰の鞍部マタエに到着。ここにはまたまた大勢の人が休んでいる。わたしも腰を下ろしてペットボトルのお茶を飲む。いもりヶ城は遥か下となり、九重の雄大な光景が眼下に広がっている。眼の前には岩肌を露出した西峰がそそり立ち、その裾には火山弾の岩が点在している。西峰は登り口から鎖場、しがみついてへっぴり腰で登る人、身軽にさっさと登る人、どちらかと云えば前者が多い。当初の予定では東峰だけに登るつもりであったが、西峰に登る人達を見ているうちに登高意欲が湧き出て来る。こうして休んでいる間にもどんどん人が上がってきてマタエは混みあってくる。ザックをデポし、まずは東峰に登る。ゴツゴツの岩山であるが難なく登頂。登り始めてからおよそ2時間半であった。混み合う山頂に長居は無用、「由布岳東峰・1584米」の柱に並んで記念撮影だけしてすぐに下山。マタエで水分を補給し鎖場に取り付く。鎖場の連続であるが、大したことは無い。馬の背を登って振り返ると、先ほど登った東峰の全貌が現れ、マタエから頂上まで人が連なって大混雑しているのが見える。西峰はそれほど大勢の人が登っているわけではないが、ここで渋滞。といっても4人がいるだけだが、一人ずつ登るので時間がかかる。下はほぼ垂直の崖、鎖にしがみついて恐る恐る登っていくおばちゃん二人。その後を行くのはヴェテラン風の男女だが、これも腰が引け目で登っていく。テラスで一息ついて、その先がこの鎖場の真骨頂。小さな足場を見つけながら慎重に鎖を伝って渡る。ここを登りきってひと安心。岩と岩の間をすり抜けて間もなく西峰頂上に到着。登山口から3時間の行程であった。ここから見る東峰はここよりも少し高そうだが、立てられた柱には、「由布岳頂上・1584メートル」と、東峰と同じ標高が記されている。ん、本当かな? 頂上は小さい広場であるが休んでいる人はごく僅か、東峰とは大違い。でも広がる眺めは変わらず長居は無用、写真を撮って下山開始とする。垂直の崖では、これから登ろうとする人達が大勢下で待って、下りて来る人達を見上げている。衆目注視の中、鎖を握って慎重にゆっくり下る。馬の背はお尻を使ってこれまた慎重に下り、マタエに無事帰還。下りは大勢の人を追い越して足早に。ひとつ団体さんを追い越してもすぐにまた渋滞。見計らってこれを追い越してもまた渋滞。合野越で小休止後もこんなことを繰り返し、最後に牧柵を出てからの草原の丘はほとんど小走り状態。駐車場に帰り着いたのはマタエから1時間ちょっとという速さであった。由布岳は日本百名山に入れてもいい、変化のある山であった。

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