礼文岳 489.96m
過去天気図(気象庁) | 2006年08月の天気図 |
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コース状況/ 危険箇所等 |
8/15(火)夕陽――姫沼―――鴛泊―――香深――内路――礼文岳――内路―― 6:30 6:50 7:10 730 10:05 10:45 11:50 12:05 14:05 15:35 1548 ――船泊・ホテル礼文荘――スコトン岬――ホテル礼文荘(泊) 16:13 16:20 16:40 17:00 17:10 8/16(水)礼文荘―――香深―――桃岩―――元地――――香深――――稚内――― 7:30 8:10 8:30 9:00 9:30 10:30 11:48 12:04 13:05 15:00 緑町―――稚内―――――札幌―――桑園 18:02 23:01 23:07 23:10 |
写真
感想
なだらかでハイキングにもってこいの山である。
天気 15日;晴れ、曇り。16日;曇り、雨
8/15(火)2等船室の座敷の隅で横になってうとうとしているうちに香深に着く。降りるとフェリーターミナルの観光案内所に直行、登山口である内路までのタクシーと内路から船泊へのバスについて尋ねる。調べていた通り内路へは適当なバスはない。
Bさん夫妻がやって来た。彼らもこれから礼文岳に登る、と。今夜の宿は香深なので荷物を置いて来る、宿の車で送ってくれるかも知れない、と。
ぶらぶら歩いてみるとタクシー屋やレンタカー、レンタバイクル、レンタサイクルの店がある。レンタサイクル屋の前でソロの若者に会う。「昨日山で会いましたね」と。僕の方は記憶にない。これからレンタサイクルで内路へ行くという。
免許証を持って来ていないのでレンタサイクルが考えられるが、1時間かかるし、また戻るのも無駄、料金も結構高い。タクシーに決め、タクシー屋に入る。奥さんが1人居る。
今出払っていて30分後に帰ってくるという。タクシーは1台しかないのだ。荷物を預けて埠頭周辺をぶらぶらする。タクシー屋に戻るとタクシーが待っている。ザックを積んでいると、Bさん夫妻がやって来た。宿が留守だったのでタクシーで行くことにした、と。タイミング良く相乗り、ということとなった。車は海岸を走り、途中Bさんがコンビニで昼食を買い、15分ほどで内路の登山口に着く。料金は3170円。半分こ、と主張したが、私たち2人だからと、2000円出してくれた。
先ほどのレンタサイクルの若者が既に着いて、出発の準備をしている。
店によって缶コーヒーを買い、200mlのボトルに水を1杯もらう。
往復3時間、標高490mの低い山だし、天気は良くて、崩れる心配もない。荷物はサブザックに水と食料だけ、残りはザックに纏めてデポする。
船泊行きのバスは3時48分だ。今丁度お昼だから大丈夫だろう。
Bさんたちが先に出発して行った。店の裏の急な斜面にジグザグに道がついている。
今日も結構暑い。ステテコを履いたままで来たので脱ぐ。
やがて高台に出て、傾斜が緩やかになる。降りて来るソロの女性に会っただけで、ここは全く静かな山だ。暫らく行くと林の中に入り、しっとりとして涼しい。
Bさんたちが休んでいる。看板があり、登山口から1km、頂上まで3km と。
Bさんはザックをそのまま持ってきていたので「要らない物、デポしておけばよかったのに」と言ったら、「どうせ汗をかくから同じですよ」と。
まだ現役だそうで、それ以上は訊かなかったが、学校関係のような感じだ。
香深行きのバスは4時半頃だったから、彼らは余裕なのだ。先に行かせてもらう。
道は昨日とは大違いだ。緩やかで、薄く落ち葉が積もっていて歩き易い。
やがて起登臼コースとの分岐点に着く。起登臼コースの方にはロープが貼られ、通行止である。看板があり、2km、2km と。半分来たのだ。
ただし道が違うから時間は、50分、70分だ。
暫らく行くと坂道となり、小ピークへと登って行く。
登りきると正面になだらかな小高い山が鎮座している。距離と時間を考えると本当のピークはもう1つ向こうのようだ。
一旦降って、また登り返す。途中に看板があり、3km、1km と。
登りきると、行く手にまたゆったりと小高い山が見える。山頂部はガスが纏わりついている。礼文岳だ。
また一旦降って登り返す。ここの山は何れもなだらかだから、降って登り返すといっても、あまり苦にはならない。
道端にゴゼンタチバナが綺麗に咲いている。
最後の登りの途中でレンタサイクルの若者が降りて来た。今度は友達と一緒だ。ここで一緒になって親しくなったか、以前からの友達でここで出会ったかだろう。
山頂に着く。昨日の利尻富士に較べればあっけない登頂だ。山頂を表す標柱、地蔵様、それに1等三角点がある。標高490mの低い山だが礼文島では最高峰だ。1等三角点がある山で、こんな低い山は他にはないだろう。
低いながら独立峰だから、天気がよければ360度の展望だろうが、今日はガスで何も見えない。時計を見ると2時だ。ガイドブックでは降り1時間10分だから十分間に合う。
写真だけ撮ってすぐ下山だ。少し降るとガスが取れ正面に小ピークが見え、人が2人動いている。Bさんたちだろう。
間もなく、Cさんの主人が登って来た。内路へはレンタカーで来た、という。そのうちに奥さんも登って来た。
降りきって、登り返す。登りきると、果たして、Bさんたちが大休止を終え、動き出したところだ。あと30分ぐらいであること、山頂はガスだったことなど話し「またどこかの山で合いましょう」と言って別れる。
なだらかな坂を下り、少し登り返して、もう1つの小ピークに登る。少し下ると平坦な道となる。間もなく起登臼コースとの分岐点・中間点に着く。
あとは樹林の中の平坦な道を行く。
樹林が低木、草原へと変わっていくと海岸が近い。間もなく海岸のすぐ上の高台に出る。
内路の港が見えてきた。最後、急な斜面をジグザグに降って登山口に着く。3時35分だ。下りにも、花の写真を撮ったりしたので結構時間がかかってしまった。
定刻より5分ほど遅れてバスが来た。ここのバスは何処でも降ろしてくれるし、手を挙げれば乗せてくれる。礼文荘の近くで降ろしてくれるよう、早めに運転手に頼んでおく。
途中海岸から2,300mのところに岩礁がありトドがいた。
船泊の繁華街を過ぎた辺りでバスを止め、礼文荘はそこですよ、という。
礼文荘はホテルといっても最果て船泊だ、木造2階建てでこじんまりしている。
チェックインして、スコトン岬へ行きたい、と言うと、色々な案が出たが、今すぐホテルの車で送ってもらうことになった。
運転手は24,5才の従業員だ。京都出身だが、ニセコでスノーボード仲間の紹介でここで働いている、と。よく気の付く好青年だ。
体と言葉が少し不自由な少年が同乗している。ここの息子だ。僕に、札幌中央区のどの辺か、と訊く。そして会話が始まった。この子、市立札幌病院で腎臓の移植をして、今も、3ヶ月に1回通っているという。道理で、市立札幌病院の病棟の配置やジャスコなど桑園駅周辺の地理に詳しい。そして人懐っこくて、そんな病気をもっているとは思えない。
丘の上の道を通ってスコトン岬に着く。
目の前にトド島が長々と横たわっている。
稚内高校在任中、移動PTAで来た時は7月末だったが、どんよりと厚い雲が垂れ込め、凄惨でいかにも最果てと言う感じだったが、今日は凄く明るい感じだ。
帰りは海岸の道を通る。10分ぐらいでホテルに着く。
明日は7時半頃香深行きのシャトルバスが出る、朝食は7時から、と。
夕食は広間で。大きくはないが宴会が出来る広間だ。
客は高年カップル、ソロの若者、何れも小さい子供を2人連れた若いカップル2組、全部で12人だ。今の時期としては空いている。不景気のためだろうか。
料理は豪華で、いつものことだが僕には食べきれない。
部屋に帰ると、窓から夕日が見える。スコトン岬の付け根辺りに、まさに沈もうとしている。暫し見とれ、シャッターチャンスを待ち、写真を撮る。
8/16(水)朝食は塗り物の弁当箱に盛り付けられている。
会計の時、昨日のスコトン岬のガソリン代を一緒に、というと、ここでは主人だったが「では1000円お願いします」と。ここは良識的だ。合計12500円也。
7時半大分過ぎてから小型バスが来た。宿の主人と女将が手を振って送ってくれる。
バスは船泊の街で旅館を3軒ほど回って客を乗せ、一路香深へ向かう。
料金は?と訊くと、これは旅館組合のシャトルバスだから無料だ、と。
香深には8時10分頃着く。ザックをロッカーに預け、サブザックを持つ。8時半元地行きのバスに乗り、桃岩登山口で降りる。
雨が降っている。雨具を取り出して着る。
かなり急な坂道を登ること約20分、桃岩展望台に着く。ガスで何も見えない。
30人ぐらいの団体客がガイドの説明を聴いている。天気が良ければ正面右手に桃岩が見えるそうだ。
団体客が去って静かになる。
20代後半のソロの若者が大きなザックを背負ってやって来た。「利尻で会いましたね」と。僕の方は記憶にない。竹の杖で憶えられているらしい。
30代半と思われるソロの女性と話しをしている。宿の車で知床まで送ってもらい、そこからここへ登って来た、知床灯台の辺りの景色が素晴らしい、ここからだと45分ぐらいだろう、と。その女性は、行ってみたい、と言って1人で出発して行った。
僕も行ってみたい気がしたが、予定は元地だし、昨、一昨日の疲れも残ってるので諦めた。登山口へ降りて行く。今度は車道を通ってみる。凄く遠回りで損をした気がする。
登山口からは車道歩きだ。先ず長いトンネルがある。トンネルを抜けると海が見える。
海岸の斜面の中腹だ。大きく蛇行して海の方へ下っていく。宿では元地まで30分ぐらい、といっていたが意外に遠い。途中、覆道の所で大休止、早いお昼とする。
元地は鄙びた漁師町である。宿屋がある。広い駐車場があり、その端っこに終着のバス停があり、近くに土産物屋、メノウ細工の店がある。食べ物屋も数軒、魚や貝を焼くいいにおいを漂わせている。
「メノウ浜」の看板がある。歩いてみたが既に拾い尽くされていて、ただの石コロだけだ。
少し行くと地蔵岩が見える。看板が立っていて、落石のためそれ以上は立ち入り禁止だ。
500mぐらいの所から遠望するのみだ。先の尖った2本の細長い岩が並立している。
バスで香深に帰る。荷物をとったり、トイレに行っている間にフェリーが着いている。
2等船室は空いている。身体を伸ばしてがっちり寝て行こう。
備え付けのテレビでは、駒苫が智弁和歌山と接戦中だ。
目が覚めると、フェリーはノシャップ岬の沖を回っている。高台の上に稚内高校、稚内商工高校が見える。
船を降りて、駅へ。今日も暑い。少し動くと汗が噴出す。
時間があるので、ノシャップと緑町の市営住宅とできればもう1度稚内高校へ行ってみたい。駅前でノシャップ行きのバスに乗る。宝来、恵比寿など懐かしい町名のバス停を過ぎて行く。このバスはノシャップ、坂の下、緑町経由営業所行きだった。ならば緑町の南小学校の所で降りればいい。
富士見の辺り、以前からではあったが、温泉、少年自然の家、養老施設など新しい建物がどんどん建って、1つの街になっている。
坂の下を過ぎて緑町に入る。南小学校前で、降りる準備はしたがブザーを押し忘れてしまった。乗り過ごしてしまった。ならば汐見町3丁目まで行って先に稚内高校へ行こう。
ところがバスは大黒3丁目から南駅の方へ行く。南駅に寄って引き返すのかなと思っていたが、真直ぐ稚内駅の方へ行く。以前営業所は汐見町5丁目にあったが、稚内駅の方に移ったようだ。大黒1丁目で降り、逆行きのバスを待つ。
緑町を通るバスは本数が少ない。大黒3丁目で降りて歩く。踏切を渡り、南小学校の前を通る。南小学校は立派な校舎に建て替わっている。南小学校の前を通り越して坂道を登る。
当時住んでいた市営住宅は跡形もない。その場所と思しき所には、2階建て4世帯の同じ造りの住宅が3棟建っている。
坂道の反対側には3階建ての大きなアパートなどが建ち、少し離れた傾斜地にも何棟もの住宅が建ち、一大住宅街の観がある。
大黒3丁目へ引き返す。暑いし、時間的にもあまり余裕がないので稚内高校は諦める。
バスで稚内駅へ。このバスは駅前は通らない。中央2で降りて駅まで歩きだ。
駅前には、長浜、大広、相澤など昔懐かしい店が健在だ。
駅に着くと「スーパー宗谷」が既に入っている。空いている。自由席でも良かったかも知れない。がっちり寝て行こう。先ず腹ごしらえだ。
稚内の街を出ると、時々利尻の方が見える。しかし曇っていて利尻富士は見えない。
目が覚めたら、間もなく終点札幌との放送だ。
隣が空いていて横になって寝ることが出来た。
幌延以後は記憶にないので3時間は眠ったようだ。
定時に札幌着。乗り継ぎは11時7分発の学園都市線だ。11時10分無事桑園に着く。
[総評] 道内にある100名山で唯一未登だった利尻富士に登頂出来、満足である。
標高差1500mを1日で登降ということ、前回雨に祟られたことでもあり、心配もし、覚悟もしていた。4,5日前から週間予報で、登頂予定の14日は晴れだったが、それがそのまま続いて、当日も好天に恵まれた。もっとも、山頂では利尻富士、礼文岳、更に桃岩まで、ガスで眺望は全く望めなかったが、雨が降らなかっただけでも、良しとしなければなるまい。
標高差が1500mということも心配であったが、先月の合戦尾根、去年の北岳大樺沢に較べれば楽に登れた気がする。同じ標高差が1500mでも、標高200m〜1700mの1500mと標高1500m〜3000mの1500mとでは大違いである。酸素の濃さの違いがよくわかった。
山頂部で崩壊が進んでいること、お盆で、最盛期だったのに以外に空いていたことは、好都合ではあったが、寂しさを感じた。
稚内まで汽車で行ったので、稚内市内での見学には不便だったが、汽車の中で眠ることが出来たので、長時間車を運転することを思えば、正解だったろう。
ただし、汽車賃往復20340円は今の僕には痛かった。
安いビジネスホテルなどない土地なので、宿賃も3泊で30000円を越えたのも痛かった。雨のこと、送り迎えのことなど考え合わせて宿泊にしたが、結果的にはテント泊も可能だったろう。
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