谷川温泉から谷川岳、茂倉岳、蓬峠、土樽


- GPS
- 32:00
- 距離
- 22.2km
- 登り
- 1,928m
- 下り
- 1,821m
コースタイム
11/4 肩の小屋7:42――7:50谷川岳トマの耳8:00――8:15オキの耳8:25――9:50一ノ倉岳10:05――10:40茂倉岳10:55――12:20武能岳12:30――13:10蓬峠13:45――15:20東俣沢出合――16:15土樽パーキングエリア周辺――16:55土樽駅
天候 | 11/3 曇り、稜線はガス。山頂付近は吹雪。 11/4 ガスのち曇り、午後晴れ。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路は徒歩で上越線土樽駅に出た。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
谷川温泉から二俣方面の登山道は、温泉の最奥にあるペンション・セルバン(Cervin)の前から始まっている。最初は樹林帯の良い道だが、枝沢にかかっている橋4-5本のうち二本が崩壊するなどして通れず、一箇所はロープを伝って沢に降りねばならなかった。 樹林帯から沢沿いに出ると道が悪くなり、岩棚をロープにつかまって通過したり、大岩をからんで越えなければならない個所などがある。 二俣からのいわお新道はなかなか傾斜が急で、この日は標高1000mあたりから積雪が現れた。湿雪で重く垂れた枝が行く手を阻み、思ったよりも時間がかかった。1200m付近で一度平坦になった後再度急登となる。途中天神峠方面が見えて稜線が近づいたように思ったが、熊穴沢避難小屋まではもう一段登りがあった。 熊穴沢避難小屋は内部がほとんど土間で、周囲にベンチがしつらえられてテーブルが置かれているので、宿泊にはあまり向かないが、休憩や炊事・食事には最適だ。 避難小屋からの登りはすぐに樹林帯を抜け、ところどころ鎖のついた急な個所を通って肩の小屋へと上りつめていく。新雪なのでアイゼンは不要だったが、固く凍りつけばアイゼンなしでは通過は厳しくなるだろう。尾根が開け、ロープでコースが示してある個所までくれば小屋まではもう一息だ。 肩の小屋の営業は4月下旬から11月初めまでで、今シーズンは3日が最終日だった。昨シーズンの落雷以来小屋内のトイレが使えず、外のトイレまで行かねばならないが、吹雪の中夜間トイレに行くと寒く、トイレから戻った人は皆ストーブに当たっていた。肩の小屋は食料等はすべて担ぎ上げ(ヘリでの荷揚げではない!)、水は天水頼りなので贅沢はいえないが、がっしりした小屋なので快適に過ごせた。 小屋からトマの耳まではすぐで、オキの耳までは15分ほど。その先はトレースがなく、視界の悪い中を慎重に進んだので時間がかかった。オキの耳からは富士浅間神社の小さな祠を過ぎて下っていくが、最低鞍部のノゾキまでは思ったより遠く、そこからは一気に登って一ノ倉岳に出た。一ノ倉岳から茂倉岳までは歩きやすい稜線だったが、それでもコースタイム以上に時間がかかった。 コースタイム以上に時間がかかっていたため、茂倉岳からは土樽新道経由で下山することも考えたが、天気がだんだん良くなる、という予報を信頼して武能岳方面に向かった。武能岳への道は一度標高差400mほども降りてから登り返すが、天候が回復したこと、雪道の下りを飛ばせたため、コースタイムより早く着いた。そこから蓬峠まではすぐだった。 蓬峠からの下りは木の根が多く、雪道になると通過が面倒だと聞いたが、そのような心配は一切なかった。途中沢をいくつかわたって山腹を降りるトラバース道にやや傾斜の急な個所があるが特に問題はなかった。下り道には何箇所か、沢を渡る個所に金属製のカップが置かれて水場となっていた。肩の小屋では水が不自由だったので水がおいしかった。 東俣沢出合まで下ると傾斜が緩み、やがて林道となって土樽方面へ下っていく。林道に出たところにはタクシー会社の電話番号が記された表示板がいくつもあったが、ソフトバンクの携帯では土樽駅近くまで電話は通じなかった。 土樽駅を通る上越線の各駅停車は本数が非常に少なく、下りで見ると午後3時台の後6時2分までない。駅のすぐ近くにはバス停もあり、越後湯沢行のバスも出ているが、これも本数が少ない。 土樽駅は無人だが待合室は快適で、駅で泊まる人もけっこういるようだ。但し駅の水道は川水を引いていて、飲料水はない。 |
写真
感想
シーズン最初の本格的な積雪の直後、谷川温泉から谷川岳に登り、蓬峠まで縦走して土樽に降りました。
谷川連峰に来たのは30年も前の夏、父親と登って以来のことで、その時は西黒尾根を登って肩の小屋に泊まり、翌日は平標山まで縦走。三日目に法師温泉へと下りました。
今回は谷川岳の名前の由来にもなっている谷川を遡って中ゴー尾根を登り、まだ歩いていない蓬峠方面へと縦走、下りは大源太山から越後中里へ下る予定でした。
しかし11月1-2日に低気圧が通過して寒気も流れ込み、雪がかなり積もっていたので、急傾斜で岩場もある中ゴー尾根や、鋭峰の大源太は危険と判断して、いわお新道を登り、蓬峠から土樽に降りました。
天気の方も11月3日の午後くらいから段々晴れ、4日は移動性高気圧に覆われて一日晴天、くらいのつもりでいたのですが、さすが谷川岳のこと。吹雪は午後も宵にかけてもおさまらず、4日の朝も視界はなく、多少風が弱まった程度でした。
谷川岳の山頂はガス、一ノ倉岳を経て茂倉岳までは時折ガスの切れ間から遠くの山が見えるくらいであまり眺めはありませんでしたが、トレースのない新雪の縦走路を辿ることができ、久しぶりに山を歩いた、という気になりました。
茂倉岳から北へ下りかけるとガスも晴れ、武能岳あたりからは上越両側の紅葉を眺めながら歩けました。
肩の小屋でも小屋のご主人から、谷川連峰の気候の話、荷揚げの苦労や遭難者救助の話、夫婦円満の秘訣まで伺って、楽しい一夜を過ごしました。
土樽に降りたのは日曜日でしたが、その日は越後湯沢の温泉で疲れを癒し、翌日ゆっくりと帰京しました。なまっていた身体に活を入れ、温泉で心身ともに癒された山旅でした。
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