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Yamareco

記録ID: 242539
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
谷川・武尊

谷川温泉から谷川岳、茂倉岳、蓬峠、土樽

2012年11月03日(土) 〜 2012年11月04日(日)
情報量の目安: S
都道府県 群馬県 新潟県
 - 拍手
GPS
32:00
距離
22.2km
登り
1,928m
下り
1,821m

コースタイム

11/3 諏訪原公園入口8:55――9:20谷川温泉――10:45二俣10:55――12:50熊穴沢避難小屋13:30――14:55谷川岳肩の小屋(泊)

11/4 肩の小屋7:42――7:50谷川岳トマの耳8:00――8:15オキの耳8:25――9:50一ノ倉岳10:05――10:40茂倉岳10:55――12:20武能岳12:30――13:10蓬峠13:45――15:20東俣沢出合――16:15土樽パーキングエリア周辺――16:55土樽駅
天候 11/3 曇り、稜線はガス。山頂付近は吹雪。
11/4 ガスのち曇り、午後晴れ。
過去天気図(気象庁) 2012年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
往路は上毛高原駅から谷川ロープウェー行のバスを諏訪原公園入口で降りた。
復路は徒歩で上越線土樽駅に出た。
コース状況/
危険箇所等
谷川温泉から二俣方面の登山道は、温泉の最奥にあるペンション・セルバン(Cervin)の前から始まっている。最初は樹林帯の良い道だが、枝沢にかかっている橋4-5本のうち二本が崩壊するなどして通れず、一箇所はロープを伝って沢に降りねばならなかった。

樹林帯から沢沿いに出ると道が悪くなり、岩棚をロープにつかまって通過したり、大岩をからんで越えなければならない個所などがある。

二俣からのいわお新道はなかなか傾斜が急で、この日は標高1000mあたりから積雪が現れた。湿雪で重く垂れた枝が行く手を阻み、思ったよりも時間がかかった。1200m付近で一度平坦になった後再度急登となる。途中天神峠方面が見えて稜線が近づいたように思ったが、熊穴沢避難小屋まではもう一段登りがあった。

熊穴沢避難小屋は内部がほとんど土間で、周囲にベンチがしつらえられてテーブルが置かれているので、宿泊にはあまり向かないが、休憩や炊事・食事には最適だ。

避難小屋からの登りはすぐに樹林帯を抜け、ところどころ鎖のついた急な個所を通って肩の小屋へと上りつめていく。新雪なのでアイゼンは不要だったが、固く凍りつけばアイゼンなしでは通過は厳しくなるだろう。尾根が開け、ロープでコースが示してある個所までくれば小屋まではもう一息だ。

肩の小屋の営業は4月下旬から11月初めまでで、今シーズンは3日が最終日だった。昨シーズンの落雷以来小屋内のトイレが使えず、外のトイレまで行かねばならないが、吹雪の中夜間トイレに行くと寒く、トイレから戻った人は皆ストーブに当たっていた。肩の小屋は食料等はすべて担ぎ上げ(ヘリでの荷揚げではない!)、水は天水頼りなので贅沢はいえないが、がっしりした小屋なので快適に過ごせた。

小屋からトマの耳まではすぐで、オキの耳までは15分ほど。その先はトレースがなく、視界の悪い中を慎重に進んだので時間がかかった。オキの耳からは富士浅間神社の小さな祠を過ぎて下っていくが、最低鞍部のノゾキまでは思ったより遠く、そこからは一気に登って一ノ倉岳に出た。一ノ倉岳から茂倉岳までは歩きやすい稜線だったが、それでもコースタイム以上に時間がかかった。

コースタイム以上に時間がかかっていたため、茂倉岳からは土樽新道経由で下山することも考えたが、天気がだんだん良くなる、という予報を信頼して武能岳方面に向かった。武能岳への道は一度標高差400mほども降りてから登り返すが、天候が回復したこと、雪道の下りを飛ばせたため、コースタイムより早く着いた。そこから蓬峠まではすぐだった。

蓬峠からの下りは木の根が多く、雪道になると通過が面倒だと聞いたが、そのような心配は一切なかった。途中沢をいくつかわたって山腹を降りるトラバース道にやや傾斜の急な個所があるが特に問題はなかった。下り道には何箇所か、沢を渡る個所に金属製のカップが置かれて水場となっていた。肩の小屋では水が不自由だったので水がおいしかった。

東俣沢出合まで下ると傾斜が緩み、やがて林道となって土樽方面へ下っていく。林道に出たところにはタクシー会社の電話番号が記された表示板がいくつもあったが、ソフトバンクの携帯では土樽駅近くまで電話は通じなかった。

土樽駅を通る上越線の各駅停車は本数が非常に少なく、下りで見ると午後3時台の後6時2分までない。駅のすぐ近くにはバス停もあり、越後湯沢行のバスも出ているが、これも本数が少ない。

土樽駅は無人だが待合室は快適で、駅で泊まる人もけっこういるようだ。但し駅の水道は川水を引いていて、飲料水はない。
谷川温泉最奥のペンション「セルバン」の前が登山口になっている。
2012年11月06日 21:11撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:11
谷川温泉最奥のペンション「セルバン」の前が登山口になっている。
谷川沿いの登山道には夏にはヒルが出るというが、水はあくまで清らかだ。
2012年11月06日 21:12撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:12
谷川沿いの登山道には夏にはヒルが出るというが、水はあくまで清らかだ。
二俣近く、川棚ノ頭方面を見上げる。
2012年11月06日 21:12撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:12
二俣近く、川棚ノ頭方面を見上げる。
熊穴沢避難小屋
2012年11月03日 13:41撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/3 13:41
熊穴沢避難小屋
こちらは谷川岳肩の小屋の寝室。
2012年11月03日 15:23撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/3 15:23
こちらは谷川岳肩の小屋の寝室。
小屋の夕食は豪華とは言えないが、小屋のご主人が全部担ぎ上げていると聞くと有難味が増す。
2012年11月03日 17:46撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/3 17:46
小屋の夕食は豪華とは言えないが、小屋のご主人が全部担ぎ上げていると聞くと有難味が増す。
肩の小屋の朝。11月3日は吹雪で、小屋の主人によれば風速14m程度だったが、この日は風も弱まっていた。
2012年11月04日 07:56撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/4 7:56
肩の小屋の朝。11月3日は吹雪で、小屋の主人によれば風速14m程度だったが、この日は風も弱まっていた。
屋外のトイレは氷の家のよう。
2012年11月06日 21:15撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:15
屋外のトイレは氷の家のよう。
トマの耳の頂上。一瞬霧が晴れて西黒尾根が見えたがすぐまた霧に閉ざされた。
2012年11月06日 21:15撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:15
トマの耳の頂上。一瞬霧が晴れて西黒尾根が見えたがすぐまた霧に閉ざされた。
こちらはオキの耳。多少晴れ間が出て、尾瀬の燧ケ岳や日光の奥白根山が見えた。
2012年11月06日 21:15撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:15
こちらはオキの耳。多少晴れ間が出て、尾瀬の燧ケ岳や日光の奥白根山が見えた。
オキの耳の先にある富士浅間神社の祠。
2012年11月06日 21:16撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/6 21:16
オキの耳の先にある富士浅間神社の祠。
一ノ倉岳の避難小屋。入口は多少雪に埋まっている。
2012年11月04日 10:08撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/4 10:08
一ノ倉岳の避難小屋。入口は多少雪に埋まっている。
茂倉岳付近から越後側を見下ろす。
2012年11月04日 11:06撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/4 11:06
茂倉岳付近から越後側を見下ろす。
茂倉岳を振り返る。
2012年11月06日 21:21撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/6 21:21
茂倉岳を振り返る。
武能岳に向けて下るとガスが晴れてきた。
2012年11月04日 11:16撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/4 11:16
武能岳に向けて下るとガスが晴れてきた。
午後の日を浴びて輝く武能岳
2012年11月04日 11:31撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/4 11:31
午後の日を浴びて輝く武能岳
白毛門から朝日岳にかけての稜線。新雪と紅葉のコントラストが日光に映える。
2012年11月04日 11:46撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/4 11:46
白毛門から朝日岳にかけての稜線。新雪と紅葉のコントラストが日光に映える。
大源太山の尖峰。
2012年11月04日 12:29撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/4 12:29
大源太山の尖峰。
一ノ倉岳(右)と赤城山(左奥)
2012年11月04日 12:41撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/4 12:41
一ノ倉岳(右)と赤城山(左奥)
白毛門(手前)と日光の奥白根山(奥の雪山)
2012年11月06日 21:23撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:23
白毛門(手前)と日光の奥白根山(奥の雪山)
蓬峠の小屋。冬季は避難小屋として開放されている。
2012年11月04日 13:54撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/4 13:54
蓬峠の小屋。冬季は避難小屋として開放されている。
蓬峠からの下山道にある水場。こうした水場が3,4か所にあった。
2012年11月06日 21:23撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/6 21:23
蓬峠からの下山道にある水場。こうした水場が3,4か所にあった。
土樽駅近くからの万太郎山。
2012年11月04日 16:42撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/4 16:42
土樽駅近くからの万太郎山。
夕暮れの土樽駅。無人駅にともる灯りがどこか懐かしい。
2012年11月04日 17:08撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/4 17:08
夕暮れの土樽駅。無人駅にともる灯りがどこか懐かしい。
待合室の内部。
2012年11月04日 18:07撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/4 18:07
待合室の内部。
越後湯沢温泉の紅葉
2012年11月05日 08:11撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/5 8:11
越後湯沢温泉の紅葉
湯沢温泉ロープウェーで登った「アルプの里」展望台からの巻機山。
2012年11月05日 10:11撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/5 10:11
湯沢温泉ロープウェーで登った「アルプの里」展望台からの巻機山。
展望台から見る飯士山。コンパクトながらきれいな形の火山だ。
2012年11月05日 10:27撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/5 10:27
展望台から見る飯士山。コンパクトながらきれいな形の火山だ。
展望台からの谷川連峰。大源太山から万太郎山までずらりと並んでいる。
2012年11月05日 10:28撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/5 10:28
展望台からの谷川連峰。大源太山から万太郎山までずらりと並んでいる。
茂倉岳のアップ。
2012年11月06日 21:30撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
11/6 21:30
茂倉岳のアップ。
見下ろす湯沢の町は箱庭のように見える。
2012年11月05日 10:28撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
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11/5 10:28
見下ろす湯沢の町は箱庭のように見える。
撮影機器:

感想

シーズン最初の本格的な積雪の直後、谷川温泉から谷川岳に登り、蓬峠まで縦走して土樽に降りました。

谷川連峰に来たのは30年も前の夏、父親と登って以来のことで、その時は西黒尾根を登って肩の小屋に泊まり、翌日は平標山まで縦走。三日目に法師温泉へと下りました。

今回は谷川岳の名前の由来にもなっている谷川を遡って中ゴー尾根を登り、まだ歩いていない蓬峠方面へと縦走、下りは大源太山から越後中里へ下る予定でした。

しかし11月1-2日に低気圧が通過して寒気も流れ込み、雪がかなり積もっていたので、急傾斜で岩場もある中ゴー尾根や、鋭峰の大源太は危険と判断して、いわお新道を登り、蓬峠から土樽に降りました。

天気の方も11月3日の午後くらいから段々晴れ、4日は移動性高気圧に覆われて一日晴天、くらいのつもりでいたのですが、さすが谷川岳のこと。吹雪は午後も宵にかけてもおさまらず、4日の朝も視界はなく、多少風が弱まった程度でした。

谷川岳の山頂はガス、一ノ倉岳を経て茂倉岳までは時折ガスの切れ間から遠くの山が見えるくらいであまり眺めはありませんでしたが、トレースのない新雪の縦走路を辿ることができ、久しぶりに山を歩いた、という気になりました。

茂倉岳から北へ下りかけるとガスも晴れ、武能岳あたりからは上越両側の紅葉を眺めながら歩けました。

肩の小屋でも小屋のご主人から、谷川連峰の気候の話、荷揚げの苦労や遭難者救助の話、夫婦円満の秘訣まで伺って、楽しい一夜を過ごしました。

土樽に降りたのは日曜日でしたが、その日は越後湯沢の温泉で疲れを癒し、翌日ゆっくりと帰京しました。なまっていた身体に活を入れ、温泉で心身ともに癒された山旅でした。

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