2013登り初めは那須・朝日岳でまさかの滑落!


- GPS
- --:--
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 653m
- 下り
- 649m
コースタイム
天候 | 晴れ、峰の茶屋避難小屋から朝日岳山頂までの間は暴風。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大丸駐車場の登山口左手に暖房がきいたキレイなトイレがあります。峠の茶屋のトイレは閉鎖されていますのでここが最終トイレとなります。ここにも登山カードおよびポストが設置されています。 登山口は夏場・直線の長い階段なのですが冬は観光の方々が橇遊びをするため雪は平面的に固められています。スタートからアイゼン装着です。 踏み固められた登山道が、閉鎖された車道を何度も横断しながら峠の茶屋までショートカットする形で続きます。峠の茶屋の少し先に無人の登山指導所があり、ここでも登山者カードを提出できます。ここから森林限界までの積雪量はやや多くなりますがしっかり固められたトレースが着いています。 中の茶屋から先は吹溜り以外は風で雪が飛ばされるため氷の登山道になります。茶臼岳の途中までなら軽アイゼンでも行けると思います。 剣が峰越えの取りつきは岩と雪のミックス、風は下から煽ってきます。途中で振り返るとかなり高度感あります。 剣が峰ピーク付近の痩せ尾根は那須側が雪庇状になっていたし強風は福島方面から吹くしでとっても怖かった。剣が峰から朝日の肩に向かう下りからは軽アイゼンではキビシイと思います。 朝日の肩下の鎖場は吹きだまった雪で鎖は一部雪に埋まっています。慎重に通過しました。 この日、朝日の肩が最も風が強く耐風姿勢をとっていても二三歩横に煽られ直進するのが難しい状態でした。山頂も風が強く記念撮影をし早々に退散しました。 下山は剣が峰のトラバースルートに薄いトレースがあり、こちらは風もないため途中まで進みましたが、少し行った所でトレースが無くなっていました。このまま進むのは危険と判断し引き返そうと反転した瞬間ズズッと足元が崩れ滑落してしまいました。幸い15m位下の木の枝に引っかかって事なきを得たのですが、落ちたところまで直登するのは難しそうだったので、ここから避難小屋方向にトラバースすることにしました。 ここからはピッケルをしっかり雪に食い込ませ一歩一歩時間をかけ慎重にステップを固めながら進みました。しっかりしたステップが切られるまではトラバースルートは行かない方が賢明だと思います。 厳冬期の朝日岳は標高はさほどではありませんが全般的に厳しく、夏とは比較になりません。要ピッケルです。 |
写真
感想
新春登り初めは那須から。スタート時刻が遅かったため今回茶臼岳はパス。晴天・風もなく新春の登り初めにふさわしい絶好の登山日和に気を良くしてスタート。
大丸登山口から気持ちいい雪の登山道をサクサクと、ロープウエイ山麓駅・峠の茶屋・森林限界を超えた中の茶屋を通過し峰の茶屋避難小屋に到着。
ここでは数名の方が冬装備に身支度を整えていました。ほとんどの方は茶臼岳に向かいました。朝日岳に行く人はいないんだなと思いつつ装備を整えていると、近くにいた人が朝日岳の方を見ています。「朝日岳にいかれるんですか」と声をかけるとトラバースで行くか剣が峰を越えるか決めかねていたようですが先行されて行きました。
私も身支度をしてから朝日岳に向かいました。先行されたの方は剣が峰に取りついています。トラバースにトレースが着いていなかったので剣が峰越えにしたようです。私も剣が峰越えに歩を進めます。ピーク付近はハンパない風が吹いていましたが眺望を楽しみ急な下りを経て鎖場に。
鎖が雪に埋もれている個所を慎重に通過し、朝日の肩へ、ここは凶暴な風が吹きまくっていました。山頂寄りの風が防げるところでエネルギー補給後、山頂へ。
山頂では記念撮影をして早々に下山。
下山はトラバースコースに向かいましたがトレースが消えた所で引き返そうと反転した瞬間、ズ・ズズ・スゥ〜といった感じで滑落してしまいました。反射的に腹這いになりピッケルを雪に押し込みしがみ付いていました。ピッケルの制動効果により滑落速度は早くありませんでしたが止まりません。パニックになるんだろうと思っていたのですが意外に冷静で止まれ止まれと力いっぱいピッケルを押しつけました。幸い15M位滑った所に生えていた木の枝に引っかかり止まりました。ピッケルがなければおそらく小枝のバリアを突き破っていたでしょう。止まった所には避難小屋方向に向かって並行して木の枝が生えていたのでこれに沿ってトラバースすることにしました。枝のないところはピッケルをしっかり差し込み、一歩一歩ステップを固めながら進みました。50CMの一歩にこんなに時間をかけたのは初めてです。
避難小屋に着きようやく緊張がほぐれ、剣が峰経由で下山してくるほとんど行動を共にしたソロの方が気になります。目前で私の滑落場面を見ているのですから心配しているだろうな。小屋の外で待ちます。20分位待ったでしょうか剣が峰を下りてくる姿が見えた時ホットしました。
お互いにここまで無事に下りてこられた安堵感に包まれながらエネルギー補給後、共に下山しました。お疲れ様でした。ご心配をかけました。
新年早々とんでもない山行となりましたが、翌朝目が覚めると体のあちこちの筋肉痛と右手人差し指が腫れてました。滑落時、無意識に異常な力が入ったのでしょう。
特に冬山では一瞬たりとも気を抜いてはならない、慣れと過信は禁物と反省しつつ、今年一年仕事も気を抜かずにガンバルぞ!っと。
今年も皆さまよろしくお願いいたします。
PS:後日、夏道を使ったことで地元のユーザーさんからお叱りを頂きました。不覚にも事前の調査が不足していました。大大反省です。
剣ヶ峰は冬はトラバースコースは存在しないと思ったほうが良いようですね。
去年トレースがあったので行こうと思い丁度地元の方がいたので尋ねると、あそこほ夏道で冬は稜線を行かないと滑落するよと言われました。
地元の方から言わせると滑落は当然の成り行きのようです。
snow-gouさん
コメントありがとうございます。
冬のトラバースコースは雪の厚さといい、距離の長さ
と言い春のそれとは比較になりませんでした。
ここはしっかりしたステップが切られる時期までは
存在しないと考えたほうがいいですね!
地元の人にとってはまさかではなく当然なのですね
身をもって体験したので言います、冬の期間は
トラバースコースには行ってはいけないと
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