二口継続遡行 穴戸沢〜樋ノ沢 カケス沢右俣〜ハダカゾウキ沢 カケス沢左俣
- GPS
- 16:35
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 2,101m
- 下り
- 2,096m
コースタイム
- 山行
- 5:42
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 6:05
- 山行
- 4:15
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 5:33
- 山行
- 4:13
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 4:52
天候 | 19日 曇り時々晴れ 20日 薄曇り 21日 曇り後晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■穴戸沢 遡行 穴戸林道のゲートからひたすら林道を歩く。 穴戸沢に入渓する場合、この穴戸林道を終点付近まで歩くと猿倉沢出合い付近から入渓出来るが、今回は、以前ユーザーのmikiosam様が紹介していた河童淵と河童滝を私も挑戦してみようと思い、だいぶ手前から入渓した。同じ山域の高倉沢を下降してきた後に林道に上がる斜面から穴戸沢へ入渓すれば河童淵と河童滝より下流に降り立つ事になるが、この降り口を見逃してしまい林道から河童滝を眺める事になってしまった。その河童滝の迫力を林道から眺めたら、朝イチで淵を泳いであの滝に突っ込む気にはなれず、これは次回だなと初っ端からヒヨってしまった。 結局河童滝の落ち口に緩い斜面があったのでそこから穴戸沢へ入渓した。 河童滝の上は素晴らしい幅広のナメが続いていた。この広いナメは大行沢以上だと思う。得した気分になり気持ちよく歩いていると、エシコ沢出合を過ぎてから堰堤が現れた。 この堰堤を乗り越えるのが一苦労で、少し戻った所の斜面から林道に上がり、結局そのまま猿倉沢出合まで歩く事にした。林道からずっと穴戸沢を見ていたが、登れなさそうな滝もあったので、やはり林道歩きが一番無難かもしれない。 穴戸沢へ再入渓してからは、渓相も素晴らしく登れる小滝を何個か通過していく。 640m付近の二俣に巨大CSの滝があり、右俣の 枝沢には20m程の立派な滝がかかっていてビックリして思わず声をあげてしまった。 その後に短いゴルジュに突入。その中に2つの滝があり、2番目の滝はヘツリと突っ張りでなんとか濡れずに通過出来たが、最初の滝はヘツリは無理だった。若干泳ぎながらの水中ヘツリで進み滝に取り付いたらシャワーで突破。短いながらもここのゴルジュ通過は楽しめた。 ゴルジュを過ぎると難しい所はなく、平和に遡行を続ける。登れない滝が一つ出てくるが、右岸枝沢から巻く事が出来る。この右岸枝沢にはロープがかかっていた。 最後の770m二俣は右へ。ツメはあまり沢型を忠実に追わず、頃合いを見て左岸の斜面を上がれば登山道にすんなり合流出来る。 ■樋ノ沢 下降 登山道で権現様峠を経由して南面白山方面に進み、co970を過ぎた辺りで樋ノ沢目掛けて笹薮に入る。うまくルートを取ればものの20秒程下降すれば樋ノ沢に降り立つ事が出来る。登山道からも沢型は見えているので分かりやすいと思う。 樋ノ沢は難しい所は皆無で下降向きの沢である。ナメのスリップだけ注意して気持ちよく下降していくと、左岸に樋ノ沢小屋が見えてくる。 ■カケス沢右俣 遡行 大行沢支流のカケス沢。 大行沢を下流から遡行してくると、co654の右岸から出合ってる沢がカケス沢である。 カケス沢に入るとすぐに二俣となり、この日は右俣へ進む。 今年の6月にこのカケス沢右俣を遡行しているのだが、その時は途中の北石橋までにして登山道にあがってしまったので、今回は石橋峠の稜線までツメる。 2回目と言う事もあり前半はサクサク進む。それでも微妙にいやらしい小滝やヘツリ、CS滝の突っ張りなど、やっぱり楽しい沢である。 前回は北石橋まで二人で2時間半程かかったが、今回は北石橋まで1時間もかからないで着いてしまった。これには自分でもびっくりした。 北石橋を潜って通過すると、その先は未知の世界でワクワクしてくる。 前半に出てくるいやらしい滝やヘツリはないが、気を抜かないで進んで行くと2段10mの滝が出てきた。 パッと見悪そうだが、近くに寄ると水流右側が登れそうである。慎重にホールドを拾って、上部は水流寄りを直登した。 そのあとも小滝やナメ滝が続きまったく飽きさせない。終盤は二俣が何個かあるが、最後の980m付近を左に入り、稜線が近付いてきたら右の枝沢に入って10分弱藪を漕ぐと登山道に合流した。 石橋峠まで2分の場所であった。 ■ハダカゾウキ沢 下降 石橋峠から小東峠方面に登山道を歩き、山王岳を越えて標高1000m付近でハダカゾウキ沢が一番登山道に近い辺りから沢へ下降する。藪を少し下るとすぐに沢型が見えてきて苦労なく沢に降り立つ事が出来た。 上部は若干ボサが強いが、次第に歩きやすくなってくる。960m付近で本流に合流したらゴーロをひたすら下る。全然滝も出てこなくて、すぐ横に登山道が平行して続いているので、そちらに行っちゃおうかなぁなんて考えてしまうが我慢してゴーロを下る。 だいぶ下って来た辺りでようやく小滝が出てくる。次第にナメ滝も出てきて、スリップしそうなヘツリを慎重に下って行く。 もうそろそろ大行沢かなと思ってると740m付近に8m程の滝があった。クライムダウンも巻きも厳しそうなので久々の懸垂下降。 降りてみると対面にも滝がかかっており二俣になっていた。その後もナメ滝を微妙なヘツリでなんとか下り、ようやく大行沢の出合いの6m滝まで降りてきた。この滝は大行沢を遡行した時などに何回も下から見てるので、右岸を小さく巻き気味に踏み後があるのは知っていた。無事に大行沢に降り立ち、対面にある双門滝8mを登り樋ノ沢小屋へ帰還する。 ハダカゾウキ沢はほとんど記録がない沢で少し心配だったが、中流部あたりまでは遡行しても楽しめると思う。つまらなくなってきたらすぐ横の登山道へエスケープしましょう。 ■カケス沢左俣 遡行 今回の沢旅で一番シビレたのがこのカケス沢左俣。 長いナメ滝があると記録を読んではいたが、右俣に比べるとあまり記録は多くない。無理だったら戻ればいいやと思っていたが、内心はドキドキであった。 入渓してすぐに小滝が続く。ウォーミングアップにはいい滝である。そして最初の核心25m逆くの字滝。 後に出てくる滝に気持ちを持っていかれてどこから登ったかイマイチ覚えていないが、とにかくフリクションを最大限に生かして慎重に登った。微妙な凹凸を拾っていかないとスリップして滑落する。 その後も渋いナメ滝を緊張しながらなんとか越えて行く。 そして核心の8段50mナメ滝。 ここでは8段50mとしたが、実際何段かはそれぞれ違うかもしれない。 ここの4段目5段目あたりで2回程プチ滑落。 静荷重静移動の連続に、ちょっとの体重移動でフリクションの限界で滑り落ちてしまった。 爪を痛めたくらいで済んだのでよかったが、2回目の滑落は4m程滑ってちょっと焦った。 それでも気持ちは折れず、右がダメなら左からと、なんとか直登で越えて行った。核心を突破した時は思わず座り込んで大きな安堵のため息が出た。 巻くなら左岸。草付きに逃げるのもありかもしれない。ちなみにハーケンを打てるようなリスはほとんどなく、中間を取るのも細い枝か草を束ねるかになると思うが、その場所までたどり着く一歩二歩が怖いと思う。ラバーでは自殺行為。フェルトでもタワシを何回か出した。 これを越えた後も相変わらず渋い滝が出てくるが、慎重に越えて行くと970m二俣を右へ。次第に源頭の雰囲気になり、突然沢が消失。藪の急斜面にぶち当たった。そのまま藪に入り10分程漕ぐと北石橋に続く破線ルートの登山道に出た。 この登山道はかなり悪く、本当に気をつけて見てないと見逃してしまうので注意。 ちなみに970mの二俣を右に行ったが、左に行った方がそのまま沢型を詰めて登山道と交差するのでわかりやすいと思う。ちょうど登山道にロープがかかってる所に合流するはずである。 白糸の滝登山口までの登山道は一部藪が濃い区間あり。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
携帯
時計
タオル
ツェルト
カメラ
ロープ
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
クイックドロー
スリング
ロープスリング
渓流シューズ
ハーネス
30メートルロープ
シュラフ
マット
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感想
久々のソロでの沢登り。
せっかくの連休なので、二口の沢から沢へと繋いだ周遊ルートを計画した。
最初カケス沢出合い付近のテン場を拠点にしようと思っていたが、2泊も3泊も極上物件を独り占めするのは申し訳ないので、樋ノ沢小屋を拠点にする事にした。ここなら小屋の中でも外でも泊まれるし焚き火も出来るので最適である。
今回この樋ノ沢小屋に泊まったおかげで思わぬご馳走といい出会いに巡り会えた。
一日目に宴会に混ぜて頂いた釣り師の方々。旨い酒と旨い飯、そして楽しい話をありがとうございました。
二日目にお会いした、不忘山から面白山まで縦走されてたソロ男性。暗い中ヘッデンと懐中電灯を照らしながら樋ノ沢小屋に辿り着いた姿は印象的でした。
短い時間でしたが、濃密な話が出来ていい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。無事に縦走出来た事を願っております。
沢登りをしていると、人気の沢なら違うが、人と出会う事は滅多にない。それはそれで自由な沢登りの醍醐味としていい部分なのだが、やはり人との出会いが山旅、沢旅をより一層思い出深くするのは間違いない。今回はソロだったので尚更であり、小屋で出会った方々、登山道で出会った方々のおかげでより濃密ないい旅になった。
たった三日間の沢旅だったが、二口の沢に感謝であり、人との出会いに感謝である。
本当はもう1泊してもう1本、京渕沢も歩くつもりだったが、三日間でお腹いっぱいになったので、また次の楽しみに取っておこうと思う。
わざわざ遠くに行かなくても、ホームでこんなに有意義ないい旅が出来る事が何より嬉しかった。二口にはこれからもまだまだ行きたい沢がいっぱい残ってるので、今シーズンまた機会があれば訪れたいと思う。
まぁ、たまには遠征もするけど。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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この前やり残したカケス右俣上部もしっかり行かれたようですね。
樋ノ沢下降はかなり滑りそうに思えたんですがそうでもなかったのかな?
カケス左俣も中々良い滝がありますね。ナメ滝で二度滑落したということで大丈夫だったでしょうか。
一番近場の二口ですが、良い沢が豊富にあって飽きさせませんな。
イワナ乗せニンニクバター醤油ご飯なにそれ最高に美味そう!
今度自分たちも釣り上げて酒の肴にしましょう
manimaniさん、こんちは。
やっぱり癒し系の沢に行く時は竿は必要ですな。あれは美味かった!
カケス左俣での滑落は大事には至らずでした😅
二口は奥深くて楽しめる所がまだまだあるので飽きませんね。
沢の時期ももう少しですが、もうちょっと楽しみましょう😁
最高の連休でしたね、二口沢は楽しめる沢だらけのようでいいですね、今日南石橋に行って来ました、姉滝の上はジャンプ出来ましたが、南石橋近くになってどうにもならなくなり、靴下を脱いで沢の中を歩くはめになりました。19日に雁土山頂で白石スキー場から面白山高原駅迄行く宮城県のソロの人と会いましたが同じ人かも知れません、白馬大雪渓から蓮華温泉へ縦走してきたと話してました。二口近辺は庭ですね、冬も何でも無さそう、大いに山を楽しんで下さい、日記を楽しみにしています。
zaomonsさん、お久しぶりです。
南石橋行かれましたか!下から沢づたいに行ったんですね?靴は登山口で行ったんですか?
おそらくzaomonsさんが雁戸山でお会いしたソロ男性は、私が樋ノ沢小屋で会った方と同一の方だと思います。
南面白山の駅に下りると言って朝早く出発されて行きました。
その方もそうですが、zaomonsさんのような方々からは本当に色々勉強させられて力をもらっています😁
これから寒くなってきますが、お互い気をつけて楽しみましょう👍
二口を味わい尽くした感じですね。たき火に岩魚にビールも冷えてて言うこと無し!それにしても滑落は大事なくてよかったです。かなり大変そうな滝だったんですね。
滑落はナメ滝を滑り落ちる感じでしたので、途中で止まる事が出来てよかったです。もっと上から落ちてたら骨は折れてたでしょう。
沢泊の時はあまり大量に酒は持って行けないので、飲むときはペース配分を考えてチビチビ長く飲んでました😁
沢を登ったのではなく、通常下りに使う尾根を家形山まで登りさらにその先の南石橋への枝尾根を登山道から別れて籔こぎて下りました、二俣の上流に出てしまい、懸垂下降しながら南石橋にたどりつきまた。帰りは二俣の滝の手前から右岸の急斜面を登り枝尾根分岐地点に到着、一時はどうなるのかとおもいまたが今に成ると面白い一日でした。でももうやりたくない。
ハダカゾウキ沢も、そこそこ楽しめますよね ただ、下るのは怖いなあ(;・∀・)
カケス沢右俣は、北石橋からが楽しいと思っています。次に行く機会があれば、下流のゴルジュをもう少し楽しめる余裕があるといいのですが。
カケス沢左俣の方がグレードが低いですが、結構、渋いんですね でも、右俣のゴルジュよりは、左俣のナメの方が楽しそうです
NYAAさん、コメントありがとうございます😊
カケス右は、NYAAさんのおっしゃる通り今回石橋峠の稜線まで遡行してみてやっぱり楽しいと思いました。
左俣の方がグレードは下なんですか?😲長いナメ滝の通過方法で変わるのかもしれないですね。
でもあのナメ滝を巻いてしまったら面白さは半減かなぁと思います😅
二口はとにかくナメが多いですね。しかも支流のカケス沢やハダカゾウキ沢、糸滝沢あたりのナメの方がいやらしく難しい印象です。大行沢や小松原沢、今回遡行した穴戸沢のナメは、平坦で幅広くて歩いてて気持ちいいんですけどね。
それとは真逆に悪名高い険悪ゴルジュの沢も二口にはあります。
まだまだ二口は奥深く面白い所で、毎回いい勉強になっています😁
NYAAさんもまた是非二口にいらしてください👍
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