いにしえの登山道，定山渓天狗岳東尾根ルートに挑む
snufkinjr
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体力度について
- GPS
- 06:31
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 1,076m
- 下り
- 1,072m
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| 天候 | 晴れ The Day ! |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
今回のルートの藪は，P837までは，I（1）級で一部はI（1）級とII（2）級の間 ．P837から憩いの花園までは，II（2）級とIII（3）級の間．ただし同じ道を引き返すのはかなり憂鬱．
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小さな尾根沢がいくつも入り込んでいて，そのたびに尾根の向こうがどうなっているか行ってみないとわからない．核心部の最終目標地点は，前方のII峰とのコル．
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岩が露出した沢崖地帯に突入するのは滑落の危険性が高いので，さらに登るか，いったん高度を下げるか考え，灌木を頼りに下降することを決断．灌木が無くなったところでロープを出す．最初は，ゴボウで下降．
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次は一部，垂直なので，練習もかねて懸垂下降．無理をすればロープなしでも下降できるのかもしれないけれど，万が一の事を考えると確実に確保した方がいい．
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ここを登れば，登山道にぶつかりそうにも思うけれど，途中で何があるか予測できないし，最初のプランが，コルまでのトラバースだったので，そのまま前進．
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感想
定山渓天狗岳の一般ルートは，熊ノ沢コースだけだと思っていたが，過去には東尾根にルートがあったらしい．確かに古い「夏山ガイド」には，簡単に言及されていた．調べてみると，1970年発行の「カラー 北海道 山のガイド」には，ちゃんと記載されている．
興味を持って新版「山谷」を調べてみると，最後は，ロッククライミングで自分たちには手に負えないことがわかった．旧版「山谷」の記載やネットでの情報を見ると，過去には比較的容易に登れたらしいが，崩落などで灌木などの手がかりがなくなり，困難さが増したらしい．
いったん興味を失ったが，ふと，東稜の岩場の基部をトラバースして，岩魚沢からの沢登りルートにつなげばウェスト・コルに達して山頂まで行けるのではないかと思いついた．登れない滝は高巻きするという沢屋的発想．「スーパー地形」の等高線オーバーレイ機能で等高線間隔を1mにして表示すると急斜面のなかでわずかに斜度が緩い箇所が白く見え，それをつないでいけば「理論的」には，「地形図」上では，なんとかなりそう．このエリアはヒクタ峰も含め何度か道なき道を歩いているので，地形や植生の特徴もある程度把握できている．ただ，地図に現れない微地形や地面の状態，植生の状態は常に変わっているので，実際に現地に行ってみなければ最終的に行けるかどうかはわからない．
泥壁，草付きトラバース対策に，秀岳荘のバーゲンでInov-8 Arctic Claw 300を調達．「硬度の高い炭化タングステンのスパイクピンを配し，高いグリップ力を発揮」それ以外，沢用装備で挑む．ロープは，finetrack フローティングロープ 6.5mm 25mとスリング各種．懸垂デバイスは，EDELRIDのMICROJUL．アックスは，BLUE ICE HUMMINGBIRD Ice Axe．
定山渓天狗．「てんくら」はCだけど，風が強いかららしい．お天気は晴れ．Cの方が人が少なくて有り難い．駐車スペースの確保と一般ルートのルンゼでの渋滞，紅葉渋滞をできるだけ避けるため，家を5時に出発．6時に着くと，既に3台の車が駐車．6時15分出発．
適当な所から斜面に取り付く．薄い藪の急斜面．鹿道を見つけて，それを辿るとだいぶ楽．尾根には比較的明瞭な踏み跡あり．時々，樹間から顔を出す「定天」がうれしい．藪は薄い．熊の落とし物... 居るんだね... ホイッスルでこちらの存在を知らせる．P837までは，不明瞭ながら旧登山道の踏み跡が残っているので歩きやすい．
P837には登らずコルにでる．8時10分．このあたりから藪が濃くなってくる．笹と灌木の藪．細尾根なのでルート維持は簡単．8時45分．藪突破ほぼ完了．藪を出た直後に，PaaGo WORKS SNAPのポケットに入れておいたiPhoneがないことに気がついた．ほんの少し前に手にしたので，そんなに遠くじゃないと思いながらも焦りながら慌てて戻ったが，すぐにリーシュ・コードでぶら下がっているのを発見．
今回のルートの藪は，P837までは，I（1）級で一部はI（1）級とII（2）級の間 ．P837から憩いの花園までは，II（2）級とIII（3）級の間．ただし同じ道を引き返すのはかなり憂鬱．
「憩いの花園」今の季節は荒涼としている．ロウソク岩基部で休憩と作戦会議．ロウソク岩基部を回り込む．ここからが核心．慎重に．ずるずる滑る草付き斜面．アックスと灌木を頼りに慎重にトラバースする．写真を撮っている余裕はない．小さな尾根沢がいくつも入り込んでいて，そのたびに尾根の向こうがどうなっているか行ってみないとわからない．核心部の最終目標地点は，前方のII峰とのコル．岩が露出した沢崖地帯に突入するのは滑落の危険性が高いので，さらに登るか，いったん高度を下げるか考え，灌木を頼りに下降することを決断．灌木が無くなったところでロープを出す．最初は，ゴボウで下降．次は一部，垂直なので，練習もかねて懸垂下降．無理をすればロープなしでも下降できるのかもしれないけれど，万が一の事を考えると確実に確保した方がいい．今から考えると，最初の小尾根越えからこの懸垂下降までが最大の核心だった．テラス状地形に降りて一安心．しかし，最後まで気は抜けない．
いったん下降した地点の手前は，あとからトレースを見ると，地図上では，高度を上げないで，そのままトラバースすれば良いように見えるけれど，実際は，手がかりの灌木がない落ち葉が堆積した軟弱で滑りやすい急斜面でトラバース不能だった．アックスもシューズのピンも全く効かなかった．灌木を伝って行けることろまで進んだが，それ以上登ったら進退窮まると考えて下降を選択した．最善手だった．
ウェストコル手前の最後の沢地形．ここを登れば，登山道にぶつかりそうにも思うけれど，途中で何があるか予測できないし，最初のプランが，コルまでのトラバースだったので，そのまま前進．あとから確認したら，1mの等高線表示で白く抜けているし，地形図上も崖マークがないので，そんなに危険を侵さず行ける可能性が高い．既にそれなりに疲労していたし，最初の計画になかったので選択しなかったが，次はこのルートを取ってみたい．そうすれば渋滞ルンゼをショートカットできる．来年かな．
ウエストコルそのものは笹藪が濃いので，その際をかすめるように登山道を目指す．登山道に合流．やった！
やや渋滞気味のルンゼ．すいすい登り，10時50分，定山渓天狗岳東尾根ルートから登頂．11時20分下山開始．12時45分帰還．6時間32分，11.42km．獲得標高959m．
東稜の細尾根は，自分たちには無理．だけれど自分たちの能力を最大限発揮してルートをつないだことは誇らしい．
下山が早かったのに既に紅葉渋滞が始まっていた．豊平峡温泉に行こうと思っていたけれど中止して，空いている小金湯温泉まつの湯に入り，盤渓スキー場でソフトクリームを食べて，秀岳荘北大店，白石店で買い物して帰宅．ビールは，サッポロクラシック 2020富良野VINTAGE ．充実した一日だった．
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東尾根お疲れ様でした。
僕は以前山頂から東尾根を下りました。
山頂下の細尾根から下はザイルがないと降りることは難しい状況です。
特に一部懸垂下降するところがあり、ビレーもハイマツでした。
降りながら思った事は、ここを登るとなるとかなり厳しそうだという印象です。
進退極まるところがあります。
でも機会があればまた行ってみたいと正直思っています。
とても魅力的な東尾根。良いですね！
お疲れ様でした！
こんにちは．記録，時々，拝見しています．
今回，東稜はパスして，基部をトラバースしています．それもなかなか冒険的でした．エイドクライミングはしないので，東稜は登れませんが，記載した沢地形は最後どこに突き上げるか確認してみたいと考えています．
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