愛媛県＆高知県境 瓶ヶ森＆子持権現山 天国から地獄の鎖場へ
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 03:11
- 距離
- 5.3km
- 登り
- 414m
- 下り
- 422m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 2:49
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 3:08
歩行距離5km、歩行時間3時間、歩行数12,800歩、消費カロリー1,530Kcal
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
なお、石鎚スカイラインやUFOラインは道が細く曲がりくねっており、しばらくバックしなければすれ違えないこともよくあります。対向車に気を取られ脱輪しないよう要注意です。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
今回はGPSを持った連れが子持権現山頂上まで登らなかったため、私が持っていたスマホのログを載せました。瓶（かめ）ヶ森男山から瓶（かめ）ヶ森女山まで一直線になっていますが、地形図の破線の道通りです。写真は正確な位置に貼り付けました。 瓶（かめ）ヶ森の登山道は危険箇所はなく、白石小屋から東北東に延びる道の標高1,710〜1,730mのみササで足元が見えない以外はとてもよく整備されています。たまにある木道は濡れると滑りやすいかもしれません。 一方、子持権現山のほうは、危険極まりない鎖場があります。鎖場始め＜写真25＞から頂上＜写真24＞まではオール鎖場で、途中立って休憩できる所はほぼありません。石鎚山の鎖場をすべて登れたからといって、ここも登れるとは限りません。ザイルやヘルメットなどの装備なしで行くのはやめましょう。詳細は後述しますが、読めば読むほど登る気が失せるかもしれません。 子持権現山の登山道は、危険極まりない鎖場があり、石鎚山の鎖場をすべて登れた人でも危険です。ロッククライミング経験者でザイルやヘルメットなどの装備のある人のみ、登れると思ったほうがいいでしょう。 三角点「子持」のすぐ南を巻く舗装道路標高1,660m辺りに道標があり、愛媛＆高知県境沿いに舗装道路標高1,630mまでササなどで足元が見えない斜面を下りました。ワープのつもりでしたが、あまり時間短縮にはならなかったかもしれません。 舗装道路標高1,630mには「子持権現山登山口 気をつけてね！」と書かれた道標があり、そこから石土蔵王大権現祠＜写真23＞までは、県境沿いのササの間の細道を歩きました。祠＜写真23＞からはロープがあり、これは連れもすんなり登れました。 さて、問題はここからです。子持権現山鎖場始め＜写真25＞から頂上＜写真24＞までは鎖場が続きます。見上げるとなかなかの傾斜で、距離は80m程あります。石鎚山の鎖場とは違い、途中立って休憩できる所はほぼなく、上に人がいると、まず間違いなく石が降ってきます。無装備で大きなザックを背負い首からカメラとスマホケースをぶら下げて登った自分が言うのもなんですが、ザイルやヘルメットなどの装備なしで行くのは自殺行為です。単独でもヘルメットはかぶりましょう。落石とともに「ファンキーおじさん」が降臨なさるかもしれません。詳細は感想にて。 鎖場は最初は楽ですが、登り始めたら最後、登り切るまで休めません。止まったら死ぬと思い、ひたすら登ります。頂上までもう少しの所に巻き道があり、岩場から少し逸れて歩けますが、ここまで登ったなら最後まで登り切ってもいいでしょう。 下りは、巻き道を利用しましたが、踏み跡がわかりにくく、足元の見えないササは滑りやすく、その下も岩です。滑落するとお陀仏ですし、少しでも逸れてしまうと下りられなくなります。いったん戻って鎖場のてっぺんから下りたほうが安全かとも思いましたが、無事に鎖場に合流できました。巻き道の距離は50mもなかったかもしれません。ここからは鎖場を下りますが、どうしても石を落としてしまいます。かなり気を付けたので、鎖場始め＜写真25＞で待っていた連れのほうに2cm角くらいの小石を2つ3つ落としただけですんでほっとしました。 |
| その他周辺情報 | 瓶（かめ）ヶ森の東、国道194号線沿いに道の駅「木の香」があります。レストランの他、温泉では日帰り入浴も可能です。また、敷地内に宿泊施設「木の香温泉」があります。我々は宿泊施設を利用しました。 |
写真
01木の香温泉朝食宿泊者用の朝食です。きんぴらごぼうやひじきの煮物、焼きサバなど、家庭的なヘルシーメニューです。ハムエッグは鉄板の上で熱々でした。登山前の腹ごしらえが十分できました。
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宿泊者用の朝食です。きんぴらごぼうやひじきの煮物、焼きサバなど、家庭的なヘルシーメニューです。ハムエッグは鉄板の上で熱々でした。登山前の腹ごしらえが十分できました。
自動車1台分の細さの曲がりくねった道を進んでいると、ポコッと盛り上がった山が見えました。頂上直下の岩場が気になりました。
登り始めてほどなく、足元に咲いていました。そろそろ咲き終わりかと思いきや、まだきれいでした。
歩きやすい階段状の道が多く、男山の岩だらけの荒々しい姿をのんびり眺めながら登れます。
05瓶ヶ森男山南南西尾根より石鎚山
周辺はきれいな笹原で、振り返ると前日登った石鎚山が見えました。ほぼ同じ場所から男山、西黒森、伊予富士、東黒森、自念子ノ頭と山々の中腹を走るUFOラインを動画に撮りました。
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石鎚山
周辺はきれいな笹原で、振り返ると前日登った石鎚山が見えました。ほぼ同じ場所から男山、西黒森、伊予富士、東黒森、自念子ノ頭と山々の中腹を走るUFOラインを動画に撮りました。
男山が近づくにつれ、その岩場がはっきり見えてきます。
笹原越しに石鎚山
振り返るたびに広大な笹原越しに石鎚山が見えます。とても気持ちの良い登山道です。
08瓶ヶ森男山南南西尾根より石鎚山ズーム
右端が石鎚神社奥宮頂上社のある弥山です。前日はガスって真っ白でしたが、これなら天狗岳もバッチリ見えるでしょう。表参道成就社コースの山頂成就駅や石鎚山三角点なども動画に撮りました。
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石鎚山ズーム
右端が石鎚神社奥宮頂上社のある弥山です。前日はガスって真っ白でしたが、これなら天狗岳もバッチリ見えるでしょう。表参道成就社コースの山頂成就駅や石鎚山三角点なども動画に撮りました。
09瓶ヶ森男山南南西尾根展望地
周辺は開けており、手前に三角点「子持」、すぐ奥にこの後、地獄の鎖場を登った子持権現山＜写真24＞、最奥には右に筒上山、左に手箱山が見えました。このすぐ北西から周辺の笹原と石鎚山を動画に撮りました。
展望地
周辺は開けており、手前に三角点「子持」、すぐ奥にこの後、地獄の鎖場を登った子持権現山＜写真24＞、最奥には右に筒上山、左に手箱山が見えました。このすぐ北西から周辺の笹原と石鎚山を動画に撮りました。
かつてここが石土山頂上でした。石土古権現の祠越しに石鎚山が見えました。
11瓶ヶ森男山北北東尾根より瓶ヶ森女山
瓶ヶ森男山頂上＜写真10＞を過ぎるとすぐに今度は女山＜写真13〜17＞が見えてきました。なだらかですが、よく見ると岩が点在しています。
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瓶ヶ森女山
瓶ヶ森男山頂上＜写真10＞を過ぎるとすぐに今度は女山＜写真13〜17＞が見えてきました。なだらかですが、よく見ると岩が点在しています。
12瓶ヶ森氷見二千石原越しに石鎚山
氷見二千石原（ひみにせんごくはら）と呼ばれる広大な笹原越しに見える石鎚山は存在感が違います。動画には、石鎚登山ロープウェイからよく見える二ノ岳（だき）、表参道成就社コースの山頂成就駅とその奥に三ヶ森、きれいな三角形の大森山越しに石鎚山、土小屋辺りまで映っています。
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石鎚山
氷見二千石原（ひみにせんごくはら）と呼ばれる広大な笹原越しに見える石鎚山は存在感が違います。動画には、石鎚登山ロープウェイからよく見える二ノ岳（だき）、表参道成就社コースの山頂成就駅とその奥に三ヶ森、きれいな三角形の大森山越しに石鎚山、土小屋辺りまで映っています。
蔵王権現の祠があります。周辺は開けており、ゆっくり休憩できます。
14瓶ヶ森女山より男山越しに筒上山＆手箱山
先程登ってきた瓶ヶ森男山＜写真10＞越しに右に筒上山、左に手箱山が見えました。この西から動画を撮ると、岩黒山や石鎚山、西条市街地や今治市街地、最後には来島海峡大橋がうっすら映りました。
男山越しに筒上山＆手箱山
先程登ってきた瓶ヶ森男山＜写真10＞越しに右に筒上山、左に手箱山が見えました。この西から動画を撮ると、岩黒山や石鎚山、西条市街地や今治市街地、最後には来島海峡大橋がうっすら映りました。
南南東の峰々＆雲海
南南東方面が白く見えたのでズームしてみました。幻想的な風景でした。
16瓶ヶ森女山より周辺の山々＆UFOライン
手前左に西黒森、すぐ右奥に伊予富士、中央奥に東黒森、右端に自念子ノ頭が見えました。山の中腹を走るUFOラインは曲がりくねって細く、通行注意です。
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周辺の山々＆UFOライン
手前左に西黒森、すぐ右奥に伊予富士、中央奥に東黒森、右端に自念子ノ頭が見えました。山の中腹を走るUFOラインは曲がりくねって細く、通行注意です。
西条市東予港
手前左に高森、尾根続きに中央手前に三角点「高森」、奥に西条市東予港が見えました。
展望岩越しに石鎚山
この周辺だけ少し岩があります。石鎚山には岩がよく似合います。
19氷見二千石原越しに瓶ヶ森男山
笹原の間の細道を歩いていると、ここで急に周辺が開けました。振り返ると、歩いてきた笹原越しに瓶ヶ森男山＜写真10＞が見えました。この少し西南西から笹原の正面に石鎚山を見ながら歩き動画を撮りました。
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瓶ヶ森男山
笹原の間の細道を歩いていると、ここで急に周辺が開けました。振り返ると、歩いてきた笹原越しに瓶ヶ森男山＜写真10＞が見えました。この少し西南西から笹原の正面に石鎚山を見ながら歩き動画を撮りました。
石鎚山
笹原の間になぜか1つだけ岩が転がっていました。背後にはやはり石鎚山が見えました。
21瓶壺（かめつぼ）直径2m程の甌穴（おうけつ）です。思わず、ちっちゃ！と言ってしまいました。流れ込む水はちょろちょろで、なぜ甌穴ができたのか不思議です。瓶（かめ）ヶ森の名前の由来になっているそうです。動画も撮りました。
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直径2m程の甌穴（おうけつ）です。思わず、ちっちゃ！と言ってしまいました。流れ込む水はちょろちょろで、なぜ甌穴ができたのか不思議です。瓶（かめ）ヶ森の名前の由来になっているそうです。動画も撮りました。
22子持権現山足元の見えない斜面を歩きながら舗装道路をワープしていると、目の前に目指す子持権現山＜写真24＞が見えました。よくよく見ると、中央に一本の筋が。ひょっとして、これが鎖場(*_*;
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足元の見えない斜面を歩きながら舗装道路をワープしていると、目の前に目指す子持権現山＜写真24＞が見えました。よくよく見ると、中央に一本の筋が。ひょっとして、これが鎖場(*_*;
23石土蔵王大権現祠「気をつけてね！」と書かれた登山口の道標から、ササの間の細道を辿ると、この祠がありました。ここからはロープ場でしたが、連れもすんなり登れました。
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「気をつけてね！」と書かれた登山口の道標から、ササの間の細道を辿ると、この祠がありました。ここからはロープ場でしたが、連れもすんなり登れました。
24子持権現山頂上連れを残して地獄の鎖場を必死で登り、無事に頂上に着きました。中央手前に三角点「子持」、左に瓶ヶ森男山＜写真10＞、右に西黒森が見えました。ここまで写真を撮る余裕はありませんでした。
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連れを残して地獄の鎖場を必死で登り、無事に頂上に着きました。中央手前に三角点「子持」、左に瓶ヶ森男山＜写真10＞、右に西黒森が見えました。ここまで写真を撮る余裕はありませんでした。
25子持権現山鎖場始め地獄の鎖場から無事生還、ここで待機していた連れが記念撮影したいと言い出し、鎖の下の方を握ってポーズ。写真では伝わりませんが、上のほうは傾斜もえげつなかったです。
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地獄の鎖場から無事生還、ここで待機していた連れが記念撮影したいと言い出し、鎖の下の方を握ってポーズ。写真では伝わりませんが、上のほうは傾斜もえげつなかったです。
26瓶壺南斜面の岩場ロープ場を下りる途中、前方に瓶壺（かめつぼ）＜写真21＞の南斜面が見えました。地形図で確認してみると、確かに岩だらけでした。
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ロープ場を下りる途中、前方に瓶壺（かめつぼ）＜写真21＞の南斜面が見えました。地形図で確認してみると、確かに岩だらけでした。
ここも登ろうかとも思ったのですが、地獄の鎖場の達成感が強すぎてお腹いっぱいだったので、躊躇なくスルーしました。
28石鎚スカイラインより石鎚山南尖峰ズーム
石鎚スカイラインで南西方面に進んでいると、石鎚山南尖峰が見えました。この角度からだと、この山に登れるとはとても思えません。
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石鎚山南尖峰ズーム
石鎚スカイラインで南西方面に進んでいると、石鎚山南尖峰が見えました。この角度からだと、この山に登れるとはとても思えません。
29石鎚スカイラインより石鎚山南尖峰
岩山ですが、斜面の下のほうは黄色く色づいていました。左に二ノ森、その右に西ノ冠岳が見えています。動画も撮りました。
石鎚山南尖峰
岩山ですが、斜面の下のほうは黄色く色づいていました。左に二ノ森、その右に西ノ冠岳が見えています。動画も撮りました。
30木の香温泉夕食その1宿泊者用の夕食です。刺身の盛り合わせ、おいしい牛肉がたくさん入ったうどんすき、アマゴの南蛮漬けなど、この日も豪華でした(^^♪
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宿泊者用の夕食です。刺身の盛り合わせ、おいしい牛肉がたくさん入ったうどんすき、アマゴの南蛮漬けなど、この日も豪華でした(^^♪
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下（厚手）
防寒具
手袋（防水加工）
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴（防水加工）
靴ひも予備
アタックザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計（防水）
タオル
カメラ
飲料水（スポドリ＆茶）
水筒（保温）
非常食（栄養補助食品）
スマホ（山使用可能）
eTrex22x（GPSナビゲーター）
虫よけスプレー
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|---|
感想
この日は晴天に恵まれましたので、スカイウォークを楽しむために瓶（かめ）ヶ森を訪問することにしました。
宿泊先の木の香（このか）温泉でおいしい朝食＜写真01＞を食べた後、国道194号線を吉野川沿いに南下し、長沢で標識に従って、県道40号線を吉野川、名野川沿いに上がっていくのですが、自動車1台分しか通れない細い、しかもくねくねした道を走り続けました。先導するトラックが時速20〜30�卅�行をしていたので、超安全に対向車を気にせずアプローチができました。
よさこい峠からUFOライン（雄峰ライン）別名「天空の道」に入りました。正式名称は町道瓶ヶ森線です。四国山脈の尾根を27kmにわたり貫くUFOラインは、最高地点の標高が1,690mもある天空のドライブコースです。2018年にトヨタ・カローラのCMに起用されたことで来訪者が増加しています。復路では路上駐車が出始めており、対向車も増えて気を遣いました。
瓶ヶ森の南、標高1,670mにある駐車場に自動車を停め、瓶ヶ森を反時計回りに山行しました。
瓶ヶ森は西日本でも7位の標高＜1,896.5m＞をもつ高峰ですが、駐車場からの高度差が少なく、道も整備されており、ハイキング気分で終始楽しみながら山行ができます。眺望できる石鎚山の荘厳な岩峰とは対照的に、天空の庭園とでもいうべき空間がどこまでも続きます。人気スポットらしく、登山装備の方からジーパンに運動靴という方まで様々でした。
最初に到達した男山（おやま）の山頂は切り立っていて、岩だらけで無骨な雰囲気です。一方、女山には牧歌的な空間が広がっています。周囲は笹原ばかりで視界を遮るものがなく、南西方面にある石鎚山をはじめ360度の大パノラマを楽しむことができます。前日訪問した石鎚山の各所が見えるのでとても楽しかったです。さらに、西黒森、自念子（じねんご）ノ頭、東黒森、伊予富士などの名山の山肌をトラバースするUFOラインもくっきりと見えました。北方面には瀬戸内海や海に浮かぶ島々まで見渡せました。
女山からの下りは常に広大な笹原「氷見二千石原」と石鎚山とを眺めながら、スカイウォークを楽しむことができました。
この道を南西方面に下りきると、瓶壺（かめつぼ）に出てきました。瓶壺のように岩盤をえぐるように水が流れているのは瓶ヶ森でもここくらいです。流れはとても緩やかで水量も少なく、なぜ甌穴ができたのかわかりませんが、瓶壺は瓶ヶ森の名前の由来にもなっているそうです。駐車場に戻る途中で瓶壺に向かう方から、“びんつぼ”の場所を聞かれましたが、丁重に“かめつぼ”までかかる時間をお伝えしました。日本語って難しいですね。
さて、いったん瓶ヶ森の駐車場近くまで戻ってきた後、昨日からその存在がずっと気になっていた子持（こもち）権現山に向かいました。往路で舗装道路に登山口の道標があり、自動車が1台停まっているのを見ていたので、とりあえず舗装道路の道標（瓶ヶ森と書かれていたような気がします）からササなどで足元が見えない斜面を県境沿いに下り、また舗装道路に出ました。「気をつけてね！」と書かれた登山口道標を確認、ササの間の細道を進みました。
子持権現山は瓶ヶ森と共に古来より石土（いしづち）信仰の対象とされ、女山には蔵王権現、男山には石土古権現、そして子持権現山には蔵王大権現が祀られています。この三山で石土（いしづち）山と言われています。信仰的には石鎚山よりも古い山岳信仰修験道の山です。
この蔵王大権現の祠＜写真23＞を過ぎると、ロープが出てきました。これは連れもすんなり登れましたが、子持権現山鎖場始め＜写真25＞でかたまってしまいました。見上げるとなかなかの傾斜で、これが頂上まで続き、石鎚山の鎖場よりも厳しいというのは下調べ済みでしたので、連れはここで待機することにしました。
あまり深く考えず、じゃあ行ってくると登り始めましたが、このときは石鎚山の鎖より楽かもぐらいの印象で、鎖一本ずつに彫られた名前を見る余裕もありました。しかし、この子持権現山は地形図上ではその傾斜がわからず、登り始めた岩場もどこまで続くのか見当すらつきません。登れば登るほど傾斜が厳しくなり、どんどん体力を奪われていきます。こうなってくると、登るも地獄、下りるも地獄です。ふと、石鎚山から見た子持権現山頂上直下のほぼ垂直状態の恐ろしい形状が脳裏によみがえりました。
70m程登った辺りで、ようやく足場がしっかりとしたポイントに着きました。そのとき突然5cm程の落石があり、頭をかすっていきました。なんと、頭にヘルメット、グルグル巻いたザイルを肩にかけた「ファンキーおじさん」降臨(*_*;このルートは完全にロッククライミングの場だということを改めて認識させられました。
「まさか、ここを登ってくる人がいるとは・・・」と言われました。そうでしょうとも、我々も先行者がいるとは思いませんでしたから。どうもこの山に何度も登っておられるようで、登山口の「気をつけてね！」の道標はこの方が取り付けられたそうです。ここがお好きで何度も登られているとは、ファンキーな方だと思いましたが、無装備で大きなザックを背負い首からカメラとスマホケースをぶら下げて登ってきた私のほうがよっぽどファンキー、いや、クレイジーだったに違いありません。
よう登ってきたなあという顔で、一応、この地点から頂上まで迂回路があることを教えてくださいました。
「この間、力尽きて落ちた人もいたからねえ」
このタイミングで言いますか(*_*;しかも、どうなったか言わへんのかーい！いや、聞かんでええわ。
「せっかくここまで登ってきたので、ここを登り切ったら・・・」と言われ、力尽きたらどないすんねんと思いながらも、最後の力を振り絞って、頂上まで登り切りました。およそ80mにわたるロッククライミングとなりました。
連れを待たせていることもあり、頂上からは迂回路を辿りました。踏み跡がわかりにくく、足元の見えないササは滑りやすく、その下も岩です。滑落するとお陀仏ですし、少しでも逸れてしまうと下りられなくなります。いったん戻って鎖場のてっぺんから下りたほうが安全かとも思いましたが、なんとか無事に鎖場に合流できました。
「ファンキーおじさん」はまだおられました。この先は迂回路がないかどうか尋ねると、
「ああ、道はね、ここ」
指差されたのは例の鎖。巻き道こんだけかーい！しかも、安全ちゃうし(*_*;
「下り、気を付けてね。絶対に石落とすからね」
さっきアンタに落とされたんや！
ちなみに地形図には東斜面に巻き道がありましたが、そこに合流する危険と、このまま岩場を下る危険とを天秤にかけた結果、岩場を下るほうが安全だと判断し、「ファンキーおじさん」の仰せ通り、もと来たルートを鎖を利用しながら下りました。幸い、下りのほうが登りよりも楽でした。不思議です。
岩場を下りきると、連れがおとなしく待機していました。
「早かったね、往復で25分くらいだよ」
連れは1時間くらいかかるだろうと思い、のんびり前日の夕食の感想を書いていたそうです。こっちは地獄を往復してきたんや、1時間もかかったら死んでまうわ！
興奮も少しおさまったところで、連れが記念撮影したいと言い出しました。有言実行、初志貫徹とばかりに、待機中は鎖に触れてみることもしなかったそうです。鎖を握った後ろ姿を撮ってみましたが、地獄の雰囲気は伝わりませんでした(*_*;
ロープ場を下りササの間の細道を歩き、舗装道路に出ると、例の「気をつけてね！」の登山口道標が目に入りました。軽すぎるわ！連れ曰く、「生きて帰ってきてねにしたら」賛同！
瓶ヶ森の天国道、子持権現山の地獄道、この日の山行はとても刺激的でした(*^^*)「ファンキーおじさん」のおかげで、駐車場まで会話と笑いが止まりませんでした。またいつか、お目にかかりたいものです。今度は安全な場所で(*^^*)
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