記録ID: 2751940
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ハイキング
奥秩父
両神山【両見山 御嶽神社(金剛院)】
2020年11月22日(日) [日帰り]
モンブラン
体力度
2
日帰りが可能
体力度について
- GPS
- 03:38
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 547m
- 下り
- 529m
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標高グラフを拡大コースタイム
日帰り
- 山行
- 3:39
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:39
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
両見山への古道を踏査したので、コース外を歩いています。ハイキングコースでは無いですが、危険箇所はありません。 石造物の見学については、私有地及び聖地となるので御嶽神社の許可をいただいてから見学されたし。 |
写真
金剛院入口の石柱169cm「武�繁楙噂氷崔罅廖峺擬Ｆ鷁輝�年(1865)三月吉日」とあります。
高さ28cmの台石には御嶽の山丸三が彫られていることを新たに発見しました。
こちらは銘文から、金剛院文書「八日見山奉納金請取帳」という古文書に記されている「立石壱本」に比定できます。
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11/22 11:51
金剛院入口の石柱
169cm「武�繁楙噂氷崔罅廖峺擬Ｆ鷁輝�年(1865)三月吉日」とあります。
高さ28cmの台石には御嶽の山丸三が彫られていることを新たに発見しました。
こちらは銘文から、金剛院文書「八日見山奉納金請取帳」という古文書に記されている「立石壱本」に比定できます。
169cm「武�繁楙噂氷崔罅廖峺擬Ｆ鷁輝�年(1865)三月吉日」とあります。
高さ28cmの台石には御嶽の山丸三が彫られていることを新たに発見しました。
こちらは銘文から、金剛院文書「八日見山奉納金請取帳」という古文書に記されている「立石壱本」に比定できます。
写真では？ですが、立派な碑が二基あります。右：如意輪塔110cm「嘉永二年(1849)己酉十一月」「女人講中」
左：名号塔133cm「明治三十四年秋彼岸日 第四回九百萬遍供養」「浦嶋講中」
いずれも自然石を使用した立派な碑です。
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11/22 12:13
写真では？ですが、立派な碑が二基あります。
右：如意輪塔110cm「嘉永二年(1849)己酉十一月」「女人講中」
左：名号塔133cm「明治三十四年秋彼岸日 第四回九百萬遍供養」「浦嶋講中」
いずれも自然石を使用した立派な碑です。
右：如意輪塔110cm「嘉永二年(1849)己酉十一月」「女人講中」
左：名号塔133cm「明治三十四年秋彼岸日 第四回九百萬遍供養」「浦嶋講中」
いずれも自然石を使用した立派な碑です。
弁才天供養塔85cm
「明和六年(1769)一月吉日」とあり、人名も刻まれておりました。
「明和六年(1769)一月吉日」とあり、人名も刻まれておりました。
古道入口
金剛院へはロード歩きでも到達できますが、古道が残っているのでそちらを利用します。
金剛院へはロード歩きでも到達できますが、古道が残っているのでそちらを利用します。
古道入口にある歌碑
黒澤清之歌碑72�僉⊂赦存渊夙�年とあります。
黒澤清之歌碑72�僉⊂赦存渊夙�年とあります。
御嶽神社(金剛院)写真左手の入口は宿坊の名残で、最盛期は四十人規模の講中が宿泊したと云われております。
写真右のお犬様は共に高さ64cmで「昭和三十七年五月吉日」「両神村 石工 黒沢恒松」とありました。
まずは参拝し、宮司様に調査の許可を頂きました。
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11/22 13:15
御嶽神社(金剛院)
写真左手の入口は宿坊の名残で、最盛期は四十人規模の講中が宿泊したと云われております。
写真右のお犬様は共に高さ64cmで「昭和三十七年五月吉日」「両神村 石工 黒沢恒松」とありました。
まずは参拝し、宮司様に調査の許可を頂きました。
写真左手の入口は宿坊の名残で、最盛期は四十人規模の講中が宿泊したと云われております。
写真右のお犬様は共に高さ64cmで「昭和三十七年五月吉日」「両神村 石工 黒沢恒松」とありました。
まずは参拝し、宮司様に調査の許可を頂きました。
本社の裏手にある尾根の中腹には、二段の石垣上に御霊前と刻まれた一対の灯籠130cmがあります。
その先を少し登ると、霊廟ともいえる八基の石造物群があります。
歴代住持の墓で共に120cmを測る。
神道形式のお墓で頂部は山型になっております。
神道形式のお墓で頂部は山型になっております。
左166cm、右、153cm右の薄平寿光(1831〜1896)の時代に両神山の古い石造物が多く勧請されており、多くの講を先導していたと考えられます。さらに墓石には「熊野三山五度、金毘羅山一度、大峯七度、御嶽山七十七度」とあり、相当な験力を有していたことが窺えます。正しく両神山、金剛院中興の祖といえます。
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11/22 13:23
左166cm、右、153cm
右の薄平寿光(1831〜1896)の時代に両神山の古い石造物が多く勧請されており、多くの講を先導していたと考えられます。さらに墓石には「熊野三山五度、金毘羅山一度、大峯七度、御嶽山七十七度」とあり、相当な験力を有していたことが窺えます。正しく両神山、金剛院中興の祖といえます。
右の薄平寿光(1831〜1896)の時代に両神山の古い石造物が多く勧請されており、多くの講を先導していたと考えられます。さらに墓石には「熊野三山五度、金毘羅山一度、大峯七度、御嶽山七十七度」とあり、相当な験力を有していたことが窺えます。正しく両神山、金剛院中興の祖といえます。
普寛行者像86cm台石背面には「金剛院寿光代建之」とあります。
普寛行者は近世木曽御嶽信仰の開祖で、両神山でも修行したと云われる秩父出身の行者です。
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11/22 13:23
普寛行者像86cm
台石背面には「金剛院寿光代建之」とあります。
普寛行者は近世木曽御嶽信仰の開祖で、両神山でも修行したと云われる秩父出身の行者です。
台石背面には「金剛院寿光代建之」とあります。
普寛行者は近世木曽御嶽信仰の開祖で、両神山でも修行したと云われる秩父出身の行者です。
傳燈大阿者梨普寛法印塔146cm
普寛行者の遺徳を偲んで、高弟である金剛院順明が造立したことが記されています。
普寛行者の遺徳を偲んで、高弟である金剛院順明が造立したことが記されています。
左は普寛行者の直系の弟子である、金剛院順明墓です。頂部の宝珠が落下してしまっていますが、復元すると2.5mくらいあるのかなと思います。修験道形式の立派なお墓で、こちらも寿光の代に造立されたとあります。右は明治期の住持墓で120cmを測ります。
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11/22 13:24
左は普寛行者の直系の弟子である、金剛院順明墓です。頂部の宝珠が落下してしまっていますが、復元すると2.5mくらいあるのかなと思います。修験道形式の立派なお墓で、こちらも寿光の代に造立されたとあります。
右は明治期の住持墓で120cmを測ります。
右は明治期の住持墓で120cmを測ります。
霊廟のさらに上にはお堂があります。
特別に許可を頂いたので中に入らさせていただきます。
特別に許可を頂いたので中に入らさせていただきます。
慈母観音87cm
天衣を纏い、赤子に乳をあげております。蓮華？を持ち、頭光が表現されています。
天衣を纏い、赤子に乳をあげております。蓮華？を持ち、頭光が表現されています。
蚕神88cm蚕の冠をのせており、左手には桑の葉を持っています。台石には「上毛 入山講」「當郡日尾村 石工 三重郎」とありました。古文書に記されている、慶応元年(1865)の蚕神に比定できること、剣ヶ峰の帝釈天様を勧請した「入山講」のモノであり「石工三重郎」の作であることから、両神山に勧請された神像と同じ一群であることは間違いないかと思います。
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11/22 13:34
蚕神88cm
蚕の冠をのせており、左手には桑の葉を持っています。台石には「上毛 入山講」「當郡日尾村 石工 三重郎」とありました。古文書に記されている、慶応元年(1865)の蚕神に比定できること、剣ヶ峰の帝釈天様を勧請した「入山講」のモノであり「石工三重郎」の作であることから、両神山に勧請された神像と同じ一群であることは間違いないかと思います。
蚕の冠をのせており、左手には桑の葉を持っています。台石には「上毛 入山講」「當郡日尾村 石工 三重郎」とありました。古文書に記されている、慶応元年(1865)の蚕神に比定できること、剣ヶ峰の帝釈天様を勧請した「入山講」のモノであり「石工三重郎」の作であることから、両神山に勧請された神像と同じ一群であることは間違いないかと思います。
不明の神像70cm束帯姿に烏帽子をかぶり、太刀を携えています。
以上の三基は本来は両神山中に勧請されるべきモノだと思いますが、何らかの理由で奉納されなかったモノであると考えています。
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11/22 13:35
不明の神像70cm
束帯姿に烏帽子をかぶり、太刀を携えています。
以上の三基は本来は両神山中に勧請されるべきモノだと思いますが、何らかの理由で奉納されなかったモノであると考えています。
束帯姿に烏帽子をかぶり、太刀を携えています。
以上の三基は本来は両神山中に勧請されるべきモノだと思いますが、何らかの理由で奉納されなかったモノであると考えています。
さらに上には湧水跡がありました。
おそらく霊神に捧げる神聖な水を汲むためのモノだと思います。
おそらく霊神に捧げる神聖な水を汲むためのモノだと思います。
石造物の調査後は両見山への古道を踏査です。霊廟がある稜線の東面は植林になっており、踏み跡はありましたが探している古道では無いようです。林道の真下へ出てきました。
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11/22 13:49
石造物の調査後は両見山への古道を踏査です。
霊廟がある稜線の東面は植林になっており、踏み跡はありましたが探している古道では無いようです。林道の真下へ出てきました。
霊廟がある稜線の東面は植林になっており、踏み跡はありましたが探している古道では無いようです。林道の真下へ出てきました。
林道を跨ぎ、怪しいと思っていた支尾根に取り付くと古道のような窪地を発見しました。
その道もやがて支尾根に合流します。以後、ピンクテープを追いながら支尾根を辿ることにしました。
両見山(りょうげんさん)以前調べた時は、左の祠には両現宮両神奥社と両神御嶽神社、右の祠には大山祇大神とありました。
両神山の遥拝所であることから両見山、あるいは両神権現社(金剛院)の両現山とも云われております。いずれにせよ、金剛院の遥拝所であったことは間違いないかと思われます。
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11/22 14:05
両見山(りょうげんさん)
以前調べた時は、左の祠には両現宮両神奥社と両神御嶽神社、右の祠には大山祇大神とありました。
両神山の遥拝所であることから両見山、あるいは両神権現社(金剛院)の両現山とも云われております。いずれにせよ、金剛院の遥拝所であったことは間違いないかと思われます。
以前調べた時は、左の祠には両現宮両神奥社と両神御嶽神社、右の祠には大山祇大神とありました。
両神山の遥拝所であることから両見山、あるいは両神権現社(金剛院)の両現山とも云われております。いずれにせよ、金剛院の遥拝所であったことは間違いないかと思われます。
両見山には紅葉もありました。
背後の尾根は四阿屋山から三合落岳の稜線です。
背後の尾根は四阿屋山から三合落岳の稜線です。
かつては両神山がよく見えたそうですが、現在は杉林や樹木が成長していて遮られています。検証できたので下山します。
・748の先は杉林が無いのと、落葉しているのでどうにか見通せました。
擁壁のコンクリート部分は滑るので、薄を漕ぎながら下りました。
因みにここまでは車でも到達できます。
因みにここまでは車でも到達できます。
結局のところ、樹木のない林道から両神山が遥拝できました。
林道を戻り下山します。
林道を戻り下山します。
金剛院歴代住持墓北の霊廟に対して、西のこちらは家(イエ)としてのお墓ということになのかなと思います。
このあと調査のお礼を込めて再度参拝し、下山です。
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11/22 14:46
金剛院歴代住持墓
北の霊廟に対して、西のこちらは家(イエ)としてのお墓ということになのかなと思います。
このあと調査のお礼を込めて再度参拝し、下山です。
北の霊廟に対して、西のこちらは家(イエ)としてのお墓ということになのかなと思います。
このあと調査のお礼を込めて再度参拝し、下山です。
撮影機器：
感想
前日の疲労感と筋肉痛(主に上半身)がひどいので、オフにしようと思いましたが、あまりにも天気が良いので両神山の宿題をやることにしました。
宿題一、両見山への古道の踏査と遥拝所の検証
霊峰両神山は、古くは修験者以外は立ち入るところではなく、両見山から遥拝していたと云われております。両見山への古道については部分的に掘割状の道形などが確認できたこと、実際に歩いてみて両見山と・748の鞍部へと導かれるルートの合理性から、今回歩いた支尾根で間違いないと考えています。遥拝所としての両見山については、杉林の成長によって現在はその景観が失われてしまいましたが、往時の宗教者が霊峰を感じたであろう情景に思いを馳せることができました。
宿題二、金剛院の石造物の調査
今回宮司様の許可をいただいたので、聖地に立ち入ることができました。前から探していた普寛行者像ですが、そのつくりはかなり精緻で、両神山表参道の観蔵行者像と時期的にも同時期であり、同型式のモノと考えています。また、未見だった「蚕神」と「立石壱本」をはじめ、新たな石造物を発見することができました。幕末から明治の動乱期に寿光が目指し、拓いた霊場観の一端に触れることができました。
最後になりますが、調査にあたり御嶽神社宮司薄平様に貴重なお話や調査のご快諾を頂きました。記して感謝の意を表します。
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montblanc55さん、こんばんは！
この日はせっかく誘ってもらったのに、勤務中の為参加できずすいませんでした。
遥拝所からの景色を見てみたかったものの、樹木で覆われて見えづらくなっているのは時代の流れなんでしょうね。
前回金剛院にお邪魔した時は、めちゃくちゃ暑かった時期でしたが、いつの間にか冬が近づきました。あの優しい宮司様はお変わりなく過ごされていたでしょうか。
また時期を見てご一緒しましょう。
古道の踏査と石造物の調査、お疲れ様でした。
bukozan
bukozanさんこんばんは！
両見山の小社は新しい紙垂もあり、現在も両神山の聖地として大事にされているようです。それだけに杉林の成長は残念に思いますが、山林の資源活用としての観点からは致し方ないのかなとも思います。
宮司様はご健在でした。懸案事項だった調査のご許可も頂けましたので、次回は是非ご同行お願いします。
コメントありがとうございました。
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