記録ID: 28947
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日高山脈
芽室岳からピパイロ岳、1940m峰
1995年03月17日(金) 〜
1995年03月25日(土)
saito1987
その他3人
- GPS
- 200:00
- 距離
- 53.7km
- 登り
- 3,030m
- 下り
- 3,017m
アクセス | |
---|---|
コース状況/ 危険箇所等 |
芽室川林道→芽室岳→ルベシベ岳⊃チロロ岳手前引き返し→・1712⊃ピパイロ岳⊃1940m峰→美生川 1995/3/17〜25(7-2) 3/17 雨:最終人家(14:35)→芽室小屋C1(16:45) 前日、小倉と修司の見送りをうける。御影駅でC0。この日は前線の通過で、朝から雨降り。+5℃。御影駅のストウブで暖をとりながら本など読んで時間待ち。駅近くの食堂で昼飯を食べてから14:00、意を決しハイヤー2台をチャーター、出発する。ずぶぬれ覚悟だが、小屋まで入れば服を乾かすことができる。車は最終人家の上羽帯の牧場まで。その先、除雪は入っているが車では行けない。牧場を貫く1本道、雪なくスキーは担いで歩く。霧深し。雨足は衰えず。林道のCo560からスキーを履く。芽室小屋は渡渉点手前にあった。小屋の薪ストーブは快調で、ぬくぬくとC1。日暮れ頃、雨が雪に変わる。 3/18 晴時々曇:C1(6:10)→Co1300(8:40-10:10)→芽室岳(13:00〜13:15)→池手前のCo1500 C2(14:10) 小屋裏の丸太橋を渡って夏道尾根。この尾根は快調。登る途中、Co1300付近で昨日とりそこねた天気図を取る。稜線上は風が強そうだったので、ついでに時間待ち。ピークまで3時間。ピーク着13:00着の読みで10:00出発。ややクラスト気味の締まった雪。尾根上の夏天限界はCo1300くらい。尾根が急になるCo1420からシーアイゼンをつけ、尾根の頭直下でシートラする。スキーで歩くには急で細い。カンバは尾根の頭まで太いのが生えているので、一応風除けにはなる。カンバもなくなるのはCo1680より上部。稜線上、パンケヌーシ側からの吹き上げが少し強い。-11℃。硬くてアイゼンが快調。ピークには誰かの碑があった。北はガスっていて見えないが、南はエサオマンまで見渡すことができた。ピークから40mくらい下ったところで再びスキーを履く。テン場着予定の14:00を回っていたので、コル手前に雪洞を掘る。どこでも掘れそうだが、場所を選ばないと雪崩がいやらしそう。完成17:00。 3/19 小雪時々晴:C2(7:00)→雪盛山(11:00〜15)→ルベシベ分岐、ESC尾根頭の南Co1600 C3(13:00) 朝-11℃。雪盛山最初のポコが急だったが、雪が吹きだまっていたのでスキーで行けた。硬かったらシートラかも。その先ずっとスキー。特段何もない。視界は300mくらいか。雪盛山直下で初めてのシートラ。ピークは狭い。-8℃。気圧の谷の通過のはずだが、雪盛山でパーと晴れてくる。ピパイロまで見えた。ピークからコルまでの急斜面はスキーでは無理。コルからルベシベ分岐までの雪庇は所々2m位張り出している。稜線は広いので常にブッシュと雪庇の端と中間くらいを歩く。計画でエスケープに使う予定だった尾根の頭付近に雪洞を掘ろうとしたが、雪が少なく、すぐにブッシュが出てきた。仕方ないので半雪洞半イグルーとする。 3/20 雪一時晴、風:C3(8:40)→ルベシベ(9:40)→チロロ引き返し(10:00)→C3=C4(10:45) 朝6:00の時点ではガス+雪+風で-14℃。いったん稜線へ上がるが、8:40まで待ってみる。停滞を決め込んだとたん、突如晴れてきた。風は強いが、視界は無限大。慌てて出発する。分岐から最初のポコまでは問題なくスキーで行ける。そこから少し硬くなる。ルベシベ直下のコルからシートラしたほうが良かったか。無理に行ってリーダーが2mほど滑落した。ルベシベ直下はバリズボ。その先、雪が吹き溜まっており、いやらしい雪稜が続く。斜め雪屁も多数形成。ピークから50mくらい行ったところで、ビンビラビンの立ち往生。先の天気も読めなく、引き返すことにする。でもまた再びテン場に戻れば、晴れ間が覗き始める。この日は低圧部に居るため、擬似好天に翻弄されたようだ。 3/21 豪雪:完全停滞C4=C5 寒冷前線が日中にかけて通過し、大きな気圧の谷の中に入る。8:30頃イグルーより外に出て、入口付近を除雪する。風下の為か、50cm以上は積もっている。視界なし。イグルーは殆ど斜面に埋もれてしまった。午前中1回、午後1回、近くで起こる雪崩の音を聞く。 3/22 雪:C5(9:00)→チロロ岳手前引き返し(12:30)→C5=C6(16:00) 朝6:00に出るも、視界なく時間待ち。しかも、雪洞を出て稜線へ上がろうとした時、上部雪面が巾20m、厚さ20-30cm程で切れ、表層雪崩が発生。入口も完全に埋まってしまった。斜面に出ていたL-Sは、それぞれ体勢がぐらついた程度で済んだが、本当にびびった。気を取り直し、ザイル確保で稜線上までトレース。8:30頃、バーと晴れてきた。風は強いが、-5℃と気温が高いので出発する。シートラはルベシベ手前コルからげじげじマークの切れるコルまで。ヒザ〜腿のラッセルを繰り返し、雪稜上を慎重に進む。ゲジゲジマークの切れるコルまで行くと、そこから先はスキーの稜線となる。-11℃。風はルベシベ〜・1753までは弱かったが、その先、南北稜線と同じくらいの風に当たる。視界は100〜200m。前進するにはこれでギリギリか。・1753 から先は真っ白くなるが、視界利かず。・1780のポコポコを越えたところに、物置みたいなやぐら小屋があった。これじゃ風除けにもならん。ここの「ポンチロロ」で引き返しを決める。この状態でチロロアタックは、時間的にきつかった。東西稜線ではシンシンと雪が降り積もっていたが、南北稜線に戻ると晴れ間も見えてくる。テン場への下り口は再び雪が吹きだまっていたので、ザイル確保でLがトレースをつける。これから夜にかけても一層吹きだまりそうなので、稜線上のブッシュにザイルをフィックスしておく。 3/23 晴:C6(6:50)→1696(8:20-35)→1712北側C7(11:00) 大陸の高気圧の張り出し。気温は低いが、朝から晴れた。-13℃。昨日のフィックスを使って入口の雪壁を破り、外に出る。・1696を越えてから岩が出てくるが、無理やりスキーで下る。1700のポコへの登りから稜線がやや細くなり、岩も出てくる。東側は雪が溜まっているので、概ね西側をトラバース。1700のポコを越えれば・1712まで何もない。・1712手前の東側に雪洞を掘る。この日が一番晴れていた。 3/24 晴のち雪時々晴:C7(6:30)→分岐(8:30)→ピパイロ(9:30〜45)→分岐(10:30)→1940峰(12:00〜10)→分岐(13:10)→C7(14:50〜15:20)→Co980(16:20)C8 朝6:30出発。-13℃、やや風が気になるが、ピパイロは見えている。分岐への登りはCo1600位でシーデポ。この辺りブッシュが鬱陶しい。8:30ピパイロの壁を登りきる。最後のみ硬く、トラバリ気味に肩へ出た。局地風が強い。この時点で1940峰の方がガスっていたので、まずは晴れているピパイロを目指す。ピパイロ岩稜は2箇所ほど南側をトラバース気味に捲く。1箇所はカニの横ばいで20mくらい。ステップが決まるので問題なし。10:30無事ピパイロのアタックを終え、1940へ向かうと、とたんに風がやんでくる。無風。その代わり、すごい吹き溜まり。特にピーク直下の20mくらいは顔の前の新雪を崩してひざで固めて登る感じ。ここで一番雪崩の危険を感じた。ピークには立つが、視界は無し。分岐を下る頃にはもう天気が悪くなってきて、テン場を下ろす。下りの尾根は新雪スキーで快調。Co980に夏天を張り、焚き火でアタックの終了を祝う。森にシマフクロウの声がこだまする、良い感じの天場だった。 3/25 晴:C8(6:30)→林道(11:00) 渡渉は問題なし。雪崩も心配なさそう。所々ブル道沿いに行ったら渡渉ができなくなり引き返しなど繰り返しながらCo700からしっかりとした林道に出る。ラッセルは無し。シール外して快調にスキーを滑らす。ダム工事のため除雪してある林道に出たら、スキーを担いで思い思いにヒッチ。晴れた十勝平野に黒い土。まさに理想的な下山日だ。通りがかった帯広柏葉高校山岳部の車に全員乗せて貰い、芽室駅まで。ハゲ天にて解散。 |
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