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Yamareco

記録ID: 2911037
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山

剱岳

2015年09月30日(水) 〜 2015年10月01日(木)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
14.3km
登り
2,297m
下り
2,297m
過去天気図(気象庁) 2015年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
4:30頃駐車場に着くと、平日にもかかわらず七割方車で埋まっている。
2015年09月30日 05:07撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 5:07
4:30頃駐車場に着くと、平日にもかかわらず七割方車で埋まっている。
朝は早いに越したことはない。ヘッドランプなしでもかろうじて周囲が見えるくらいの明るさになるまで待ち、5:10登山口。
2015年09月30日 05:09撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 5:09
朝は早いに越したことはない。ヘッドランプなしでもかろうじて周囲が見えるくらいの明るさになるまで待ち、5:10登山口。
これがあの、『試練と憧れ』か〜。見たことあるある。
2015年09月30日 05:14撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 5:14
これがあの、『試練と憧れ』か〜。見たことあるある。
5:55、展望台? ちょっとペースが速すぎるような気もするけれど。登山口からいきなりの急登でかなりウヘ〜となったけど、序盤はまだまだ平坦地や緩斜面も多く歩きやすい。正面のキレットは『大窓』。
2015年09月30日 05:56撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 5:56
5:55、展望台? ちょっとペースが速すぎるような気もするけれど。登山口からいきなりの急登でかなりウヘ〜となったけど、序盤はまだまだ平坦地や緩斜面も多く歩きやすい。正面のキレットは『大窓』。
木のトンネル。
2015年09月30日 06:01撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:01
木のトンネル。
気持ちのいい樹林帯。
2015年09月30日 06:04撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:04
気持ちのいい樹林帯。
傍らには大きな杉が。
2015年09月30日 06:05撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:05
傍らには大きな杉が。
ご神体になっててもおかしくないほど古い大木。
2015年09月30日 06:11撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:11
ご神体になっててもおかしくないほど古い大木。
杉の巨木を通り過ぎると木の根の斜面が始まる。
2015年09月30日 06:20撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:20
杉の巨木を通り過ぎると木の根の斜面が始まる。
木の根、木の根、しばらくは木の根。
2015年09月30日 06:25撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:25
木の根、木の根、しばらくは木の根。
木の根と岩のミックス帯になってきた。足が上がらなくてどうしよう? という場面もしばしば。
2015年09月30日 06:29撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:29
木の根と岩のミックス帯になってきた。足が上がらなくてどうしよう? という場面もしばしば。
あ〜! これ知ってる。ネットで見た。200メートルおきにあるんでしょ。
2015年09月30日 06:38撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 6:38
あ〜! これ知ってる。ネットで見た。200メートルおきにあるんでしょ。
樹林が切れて覗く展望には疲れを忘れる。予報通り、とてもいい天気になりそうだ。それだけで随分足は軽くなる。
2015年09月30日 07:00撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 7:00
樹林が切れて覗く展望には疲れを忘れる。予報通り、とてもいい天気になりそうだ。それだけで随分足は軽くなる。
ほらほら1400。次は1600でしょ?
2015年09月30日 07:14撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 7:14
ほらほら1400。次は1600でしょ?
うぇ〜い
2015年09月30日 07:32撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 7:32
うぇ〜い
日が高くなってきて、山肌を照らす。
2015年09月30日 07:36撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 7:36
日が高くなってきて、山肌を照らす。
紅葉は、さして大規模なものではない。
2015年09月30日 08:26撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:26
紅葉は、さして大規模なものではない。
それでも綺麗に色づいた木々は随所にあり、青空とのコントラストが目に眩しい。
2015年09月30日 08:39撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:39
それでも綺麗に色づいた木々は随所にあり、青空とのコントラストが目に眩しい。
高度を上げていくに従い、目を楽しませてくれる大展望。急がなければならないのは分かっていても、つい足を止めて見入ってしまう。
2015年09月30日 08:43撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:43
高度を上げていくに従い、目を楽しませてくれる大展望。急がなければならないのは分かっていても、つい足を止めて見入ってしまう。
富山湾まで見える。いい天気だな〜。
2015年09月30日 08:44撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:44
富山湾まで見える。いい天気だな〜。
標高が高くなってくると、色づく葉の紅葉も進んでいる。
2015年09月30日 08:44撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:44
標高が高くなってくると、色づく葉の紅葉も進んでいる。
正面のギザギザは小窓尾根。一般登山者に登ることはできない。あんな恐ろしげな尾根を登る人もいるのだから大したもんだ。
2015年09月30日 08:46撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:46
正面のギザギザは小窓尾根。一般登山者に登ることはできない。あんな恐ろしげな尾根を登る人もいるのだから大したもんだ。
急登は続く続く……。登りよりも下りのことを考えるとあな恐ろしい。
2015年09月30日 08:50撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:50
急登は続く続く……。登りよりも下りのことを考えるとあな恐ろしい。
ん、なんだ? 多分1920.7メートルピークの三角点かな。
2015年09月30日 08:46撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 8:46
ん、なんだ? 多分1920.7メートルピークの三角点かな。
今夜の宿まであと1キロ。でもそこで終わりじゃないのが、今日のツラいところ。
2015年09月30日 09:15撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 9:15
今夜の宿まであと1キロ。でもそこで終わりじゃないのが、今日のツラいところ。
途中の平坦地。まあ綺麗。
2015年09月30日 09:29撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 9:29
途中の平坦地。まあ綺麗。
傍らには大きな水たまりがあって、オタマジャクシがたくさん浮かんでいた。
2015年09月30日 09:30撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 9:30
傍らには大きな水たまりがあって、オタマジャクシがたくさん浮かんでいた。
早月小屋が見えてきた。
2015年09月30日 10:10撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 10:10
早月小屋が見えてきた。
早月小屋に荷物をデポし先へ。
2015年09月30日 10:27撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 10:27
早月小屋に荷物をデポし先へ。
しばらくはそれほど急坂でもない樹林帯が続く。
2015年09月30日 10:35撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 10:35
しばらくはそれほど急坂でもない樹林帯が続く。
まだ木々の色合いを楽しむ心の余裕も、水もある。
2015年09月30日 10:43撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 10:43
まだ木々の色合いを楽しむ心の余裕も、水もある。
徐々に急登になってくる。
2015年09月30日 11:00撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 11:00
徐々に急登になってくる。
うおお……
2015年09月30日 11:08撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 11:08
うおお……
辛くなったら目を転じて展望を楽しむ。まだ楽しめてる。
2015年09月30日 11:33撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 11:33
辛くなったら目を転じて展望を楽しむ。まだ楽しめてる。
手を使わなければ登れないところも増えてきた。
2015年09月30日 11:54撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 11:54
手を使わなければ登れないところも増えてきた。
登ってきた尾根を振り返る。
2015年09月30日 12:01撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 12:01
登ってきた尾根を振り返る。
2600メートル地点。行動開始から7時間、ついに区間コースタイムから遅れ始め20分のオーバー。うーん休憩とか頻繁にしてたからだろうか。
2015年09月30日 12:01撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 12:01
2600メートル地点。行動開始から7時間、ついに区間コースタイムから遅れ始め20分のオーバー。うーん休憩とか頻繁にしてたからだろうか。
森林限界を超え、様相も変わってくる。
2015年09月30日 12:04撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 12:04
森林限界を超え、様相も変わってくる。
左手は雪に削られた谷。落ちたら細かめにすりおろしだな……
2015年09月30日 12:28撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 12:28
左手は雪に削られた谷。落ちたら細かめにすりおろしだな……
右手は急峻な崖。落ちたら荒みじんだな……
2015年09月30日 12:37撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 12:37
右手は急峻な崖。落ちたら荒みじんだな……
2800メートル地点。ここに来るまでに随分たくさんの下山者とすれ違ったけど、正午を回りみんな一様に「これから登頂?」と驚く。ガツガツしてそうな人ならまだしも、くたびれたおばちゃんがヨロヨロ歩いてるのが不安だったんだろうなあ。
2015年09月30日 13:04撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:04
2800メートル地点。ここに来るまでに随分たくさんの下山者とすれ違ったけど、正午を回りみんな一様に「これから登頂?」と驚く。ガツガツしてそうな人ならまだしも、くたびれたおばちゃんがヨロヨロ歩いてるのが不安だったんだろうなあ。
いよいよ岩の殿堂の懐へ潜り込んでいく。
2015年09月30日 13:04撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:04
いよいよ岩の殿堂の懐へ潜り込んでいく。
鎖を伝って慎重に……
2015年09月30日 13:26撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:26
鎖を伝って慎重に……
慎重に慎重に……
2015年09月30日 13:29撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:29
慎重に慎重に……
慎重にやっているうちに雲が涌いてきてしまった。あんまり慎重にもやってられないけど、でも腕も足も疲れて、腰も痛くて、喉が渇いて、頭が痛くて、急ぐにも急げない。
2015年09月30日 13:29撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:29
慎重にやっているうちに雲が涌いてきてしまった。あんまり慎重にもやってられないけど、でも腕も足も疲れて、腰も痛くて、喉が渇いて、頭が痛くて、急ぐにも急げない。
とにかく目の前の岩を……
2015年09月30日 13:35撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:35
とにかく目の前の岩を……
鎖をちゃんと掴んで……
2015年09月30日 13:49撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:49
鎖をちゃんと掴んで……
ん?
2015年09月30日 13:52撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:52
ん?
んんん?

鎖が、終わった……
2015年09月30日 13:56撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:56
んんん?

鎖が、終わった……
顔を上げると、遥か遠くに、ずっと近づくことなく見えていた山頂の祠が、すぐそこにあった。涙が出てきた。疲れて。こんな有名な山なのに、周囲には誰もいなかった。
2015年09月30日 14:02撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 14:02
顔を上げると、遥か遠くに、ずっと近づくことなく見えていた山頂の祠が、すぐそこにあった。涙が出てきた。疲れて。こんな有名な山なのに、周囲には誰もいなかった。
味わうように一歩一歩登る。山頂は通過点に過ぎない。でも一つの目標には違いない。
2015年09月30日 13:56撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 13:56
味わうように一歩一歩登る。山頂は通過点に過ぎない。でも一つの目標には違いない。
登頂。じわじわと嬉しさが身体を満たし、小さくガッツポーズをした。一人でそんなのやったことないわ。
2015年09月30日 14:07撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 14:07
登頂。じわじわと嬉しさが身体を満たし、小さくガッツポーズをした。一人でそんなのやったことないわ。
山頂で唯一撮った展望、源次郎尾根と源次郎谷。剱岳の初登頂は源次郎尾根によってなされた。
2015年09月30日 14:13撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 14:13
山頂で唯一撮った展望、源次郎尾根と源次郎谷。剱岳の初登頂は源次郎尾根によってなされた。
2600メートルまで下りてきた。タイムは既に相当オーバー。小屋のご主人には16:00までに入ってくれと念を押されてるのに、怒られるだろうなあ……。
2015年09月30日 16:18撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 16:18
2600メートルまで下りてきた。タイムは既に相当オーバー。小屋のご主人には16:00までに入ってくれと念を押されてるのに、怒られるだろうなあ……。
もうあとはとにかく急いで下るしかない。
ちなみにこれは食後に部屋から見た夜景の写真。町の光が見えるほどいい天気。
2015年09月30日 18:22撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
9/30 18:22
もうあとはとにかく急いで下るしかない。
ちなみにこれは食後に部屋から見た夜景の写真。町の光が見えるほどいい天気。
さて一夜明け、午前のうちに荒れるとは思えぬ綺麗な朝焼けの中5:40に出発。
2015年10月01日 05:40撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
10/1 5:40
さて一夜明け、午前のうちに荒れるとは思えぬ綺麗な朝焼けの中5:40に出発。
月が沈んでいく。綺麗な朝と夜との交代。
2015年10月01日 06:18撮影 by  Canon PowerShot S120, Canon
10/1 6:18
月が沈んでいく。綺麗な朝と夜との交代。
キノコのおじさんはキノコを見つけると藪に入って黙々とキノコ狩り。そんなオジサンを抜きつ抜かれつ、9:05下山。いや〜……大した試練でした。面白かった!
2015年10月01日 09:04撮影 by  iPhone 5s, Apple
10/1 9:04
キノコのおじさんはキノコを見つけると藪に入って黙々とキノコ狩り。そんなオジサンを抜きつ抜かれつ、9:05下山。いや〜……大した試練でした。面白かった!
高速に乗る前、急速に山から風が吹きおろし、黒い雲がびゅんびゅん流れていく。帰り道は眠気も吹っ飛ぶ暴風雨で、エライ目に遭った。
2015年10月01日 13:35撮影 by  iPhone 5s, Apple
10/1 13:35
高速に乗る前、急速に山から風が吹きおろし、黒い雲がびゅんびゅん流れていく。帰り道は眠気も吹っ飛ぶ暴風雨で、エライ目に遭った。

感想

八月に行った、立山のトンデモ山行。あれは山ではなく観光地。観光するなら、山じゃなくて平地が良い。観光しにわざわざ山行かない。一から十までうんざりの立山観光の中で、唯一心動かされた剱岳の姿。どっかりとした、巨大な岩の殿堂。かねてより行きたかったあの山へ、ついに行くことにした。

剱岳登山のメインルート、立山室堂を経て劔に至る別山尾根はまっぴら御免なので(立山後遺症)、北アルプス三大急登の早月尾根ルートを採る。北陸道立山ICを下り、県道46号線〜県道333号線と経て馬場島に向かう。馬場島が近づくと道は細く見通しの悪いくねくね道になるものの、道自体はしっかりと舗装されており、標識も出ているので迷うことはない。

4:30頃駐車場に着くと、平日にもかかわらず七割方車で埋まっている。この日は好天が予想されているものの、明日は急速に崩れるらしい。本当は今日小屋まで、翌日山頂へ……の予定だったけれど、この日のうちに登頂と予定変更。コースタイム15時間半のこのルートを日帰りしようという猛者も、さすがに暗いうちにヘッドランプをつけて出発していく。
登頂してから小屋に至るまでのコースタイムは11時間40分。これまでの経験では、行動時間が8時間を超えると疲労が溜まって極端に遅くなり始める。前半いかに時間を稼ぐのか、それでいてスタミナの消耗を抑えるか、難しいペース配分をしなきゃいけない。

10:10、早月小屋到着。明日は荒天なので、今日登るしかない。チェックインだけ済ませ、重い荷物をデポし、ヘルメットをかぶって10:30出発。ここで予備の水まで置いていく失態。後半、脱水でバテて大幅ペースダウンの原因となってしまった。
下山時に頭が痛くて喉が渇ききってて、そのうち朦朧として崖に下りていく尾根を下ろうとしてしまった。典型的で初歩的なロストに愕然。こういう時に人って遭難するんだ、とヒヤリとする。

頂上からの下山途中、小屋は見えているけど例によって全然近付かない。何人かが、小屋から出たり入ったりこちらを見上げているのが見える。「あ〜いたいた、下りてきてる」「あのおばちゃん無事だったよ〜」とか言ってるんでしょう。すんませんねっと。

かくして確か17:30頃、フラフラになりながら小屋に到着。怒られる前に先制して心配かけたことを丁寧に詫びると、ホントに心配しとったわ! とご主人より愛の鞭。お連れさんも心配しとったよと。いや、連れなんかいないけど。とにかく荷物を下ろすこともままならず、手も顔も拭けず、カラッカラの喉を潤す時間も貰えず、とにかくすぐ! 晩飯食え! もう始まっとる! 冷めとるぞ! と食堂へ急き立てられる。み、水……。

さて心配してくれてたのは、私より一足先に駐車場を出て、二足先に下りてきて、すれ違い登っていく私に声を掛けてくれたオジサンだった。若くて綺麗な女性がまだ下りてきていない、と周りに話しまくっていたらしく、食堂へ入った途端に軽くガッカリムードが漂う。若くも綺麗でもなくてすんませんね。話盛ったのは私じゃないよ? とりあえずオジサンにも一言詫びておく。疲れすぎて、美味しいんだけど食事も喉を通らないのだが、遅れた上に残したりなんてできっこない。時間をかけて、無理にでも飲み下す。でもそのおかげで、翌日の疲労回復が上手くいったように思う。

一夜明け、午前のうちに荒れるとは思えぬ綺麗な朝焼けの中5:40に出発。キノコを採りながらゆっくり降りると言ってた、私を心配してくれてたオジサンはあっという間に私を追い抜いて行く。あれでゆっくりなんだ〜、今年70と言ってたけど健脚だこと。聞けばかつてはテニスで国体出場だと。やっぱ基礎体力の違いですな。

キノコのおじさんはキノコを見つけると藪に入って黙々とキノコ狩り。そんなオジサンを抜きつ抜かれつ、9:05下山。いや〜……大した試練でした。面白かった!
ほどなくしてオジサンも下山。天然ナメコとクリタケを山盛り分けていただく。いいのかな〜いや、断るのも無粋だしね。

その後良い温泉を教えていただき、そこでランチまでご一緒する。あまり詳しくは聞いていないけど、住んでる場所とか乗ってる車とかから察するに、かなりハイソな人っぽい。オジサン楽しかったです。またどこかで会えたらいいね。

高速に乗る前、急速に山から風が吹きおろし、黒い雲がびゅんびゅん流れていく。帰り道は眠気も吹っ飛ぶ暴風雨で、エライ目に遭った。下山途中、日帰り登山する人と3人ほどすれ違ったけど、大丈夫だったのかとかなり心配だった。翌日早月小屋のご主人に電話する所用があり、ついでに尋ねるとみんな無事に下山した様子。良かった。

また来たいが、どうかなあ。これから先の人生で一番若い現在の私でこの有様だから、この先無事に登れるとは思えない。一生の記念に、なってしまったのかもしれない。
まあでも、素晴らしい山行になったことは間違いない。登山を知る人生でよかった。

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